8月22日質問項目2
2.最低賃金
○山陰中央新報(佐々木):分かりました。ありがとうございます。
ちょっと話題が替わりまして、最低賃金のことをちょっと1点お聞きしたいんですけれども、最低賃金の審議会のほうで、2025年度の県内の最低賃金が1,033円ということが決まりましたけれども、物価高騰などを踏まえた判断とはいえ、前年比7.5%増っていうことで、過去最大となる71円の引上げということで、1,000円の大台に乗っているわけですけれども、人口流出とか人材確保とか中小企業の現状からの賃上げっていうのをどういうふうに受け止められとるかっていうことと、あと、県として何か事業者に対するサポートなど、お考えがあればお願いいたします。
○丸山知事:まず、捉え方として、佐々木さんの御説明は島根県の数字、今年の数字という捉え方ですけど、それは適切じゃないですよ。申し訳ない。私からすると、これは、今日の朝日新聞だったと思いますけど、これまでの岸田政権の目標から、さらに2030年代半ばまでと言われていたものを、現政権が2020年代にというふうに前倒した上で、全国平均の数字を、今1,000円のところを1,500円に上げていくという、そういうマクロフレームの中の第一弾が動き出したってことでしょう。そういうことですよ。そういうことなんです。毎年のと違う。分かりますか。5年で50%引き上げる第一弾のトリガーが引かれたということですよ。そのマクロフレームの是非をまず問わないといけない。
こんな島根県の数字はどうだこうだとか、それはそれで大事なんだけど、そういうことを負けた政権がやることかと。負けた政権がやることなのかと、そのまま。参議院選の総括もしてない。もちろん政策の総括もしてない。負けた政権が漫然とやっていいことなのかということですよ。大敗した、衆議院と参議院と両方大敗。衆議院は前政権をほぼ引き継いでるということだったので大きな騒ぎになりませんでしたけど、今、次の質問は、総裁選の前倒しの話じゃないですか、恐らく出てくるのは。そんな状況にある政権が、政策として掲げられましたよ。でも、その政策掲げて負けたわけでしょ。負けた政権がそのまま政策を実行するのかどうか。考えなきゃいけませんよね。だって、2万円の定額給付なんか、見直し浮上とかって出てますけど、何で2万円の定額給付が再検討が入って、この最低賃金の引上げってそのままトリガーを引かれてんの。それを何で閣僚とかに聞かずにさ、私に聞いてくるわけ。
すみません、山陰中央新報さんは仕方ないですね。マクロフレームとしてこんなことやっていいのっていう話からじゃないんですか。賃上げは望ましいでしょう。ただ、この最低賃金の引上げは、これは強制引上げなんですよ。強制引上げですよ。言ってみれば、共産国家的な引上げなんですよ。日本の中では極めて希有な、お金を出す側が個別の合意をしない、強制法規として強制的な引上げをするという、労使で合意して賃上げしていくって話じゃないわけですよね。それは、県内中小企業、別に島根県内だけじゃないけど、日本の中小企業は耐えれるのかという話が常に問われていて、最賃の引上げに伴っていろんな補助金あるみたいだけど、私、見てみましたよ。業務改善助成金。賃上げできるようにサポートすると、みんな何か勘違いしてるでしょ。違いますよ。あのね、賃上げをしたら、設備投資とかコンサルティングとか人材育成の経費を補助してあげましょうということですからね。賃上げができたところを支援しましょうってことです。賃上げができる余力がないところを支援する制度になってない。こんな補助金つくられたって、どうすりゃいいんですかっていうのが今回の参議院選挙の結果じゃないんですか。少なくともそうじゃないかと疑うべきだと私は思いますよ。
いや、これは、労働界とか、立憲民主党さんとか国民民主党さんは、このままでいいんじゃないかと、施政方針どおりやってくれという立場だと思いますけど、自民党は、これが自分たちの党勢、大敗に影響したんじゃないかというふうに、党の選挙をやった皆さんの話を聞いて、この政策をこのままやるべきかどうかということを再検討すべき一丁目一番地にある政策なんですよ、私からすると。
上げていくべきだと思いますよ。ただ、今のような支援措置で、ついていけるのか、こんな、あしたの話をしてるのに、あさっての支援をします。あした何とかしてほしいと言ってるのに、あさっての話ししか支援しない。もう蜃気楼みたいな支援してる。これで支援措置講じてますとかといって、国会議員は何か多分、選挙中回ったんだろうけど、こんなもん使えないから、もうみんな見切ってるでしょう。そんな助ける気もないような補助金で賃上げできるだろうというふうに思っているようだったら、そりゃ選挙、勝てませんよ。少なくとも、そんな人たちが、そんな中小企業の経営者が自民党に1票入れられないでしょう。
いや、動員があれば出ていくと思いますよ。でも実際、票なんか入れてないでしょう。だって、自分の財布から、自分の会社の財布から金抜いていってる人たちと同じなんだから。で、自分はこの賃上げしましたって自分の手柄にして。他人のふんどしで相撲を取る公約でしょ、これ。違いますか。私はそう思うの。なので、こんな引上げで大丈夫か。心配ですよね。心配ですよ。それは経営が成り立つかという心配。
すみません、選挙に負けた政権がこんなことしてて大丈夫かっていう、よそ様の心配までしてしまいますよね。だって、これが負けた要因かもしれませんよ。これまでの賃上げですらついてこれない、支援が不十分だって言ってるのに、もっと角度を上げた、鋭角に角度を引き上げた政策を、参議院選の総括も終わらないままに、政策の是非、再検討もしないままに、負けた政権がそのまま公約を実現してる、実行してるって、むちゃくちゃな状況だと私は思いますよ。何でそんなことを赤沢大臣に聞かないの、みんな、担当大臣に。私が記者だったら聞くけど。総理大臣になぜ聞かないの。国会議員にも聞いてくださいよ。
最低賃金は、県知事、関係ないからね。島根労働局の諮問機関で決めてます。県知事、関係ないですよ。国の仕組みの中で決まってますよ。影響を受けるのが県内事業者だから、島根県として、県政として注目してますけど、決める側じゃない、私は。そういう意味では、県内中小企業者と同じ立場です。決定に関与できません。
だから、これ、本当に、こんなこと、事業者の心配と、余計なお世話だと言われそうですけど、与党の皆さんの心配をしますね。だってこれ、賃上げは会社の財布から働く人の財布に強制的にお金を移すっていう、そういう極めて、何かね、税と同じですよ、強制法規だからね、強制的に財産移転するんだから。こういうものを、こういう粗雑にやっていいのか、少なくとも衆議院選挙と参議院選挙と両方だと思いますけど、影響を与えなかったのか。労働者は支持してるでしょうけど、経営者側は、上げれるのに上げてない人たちを上げさせてるという感覚でやってるんじゃないかと。一時金から、ボーナスから、だから、賃上げ何%とかって、ベースアップ何%って数字が躍りますけど、一時金から、期末勤勉手当、ボーナスから月例給に移して、総額としての年収が増えない、そういう賃上げ、いっぱいあるみたいですよ。賃上げが実現しましたっていったところで、それが賃上げと言えるのかどうかということを含めて、マクロフレームをきちんと検証していただきたいと。これ、政治的にもですよ。で、実際、県内事業者にどういう影響があるのか。それはプラスの影響というよりは、中小企業の経営という意味では、それはマイナスの影響でしょうね。労働者は、働く人はプラスですけど、それが経営側として持続性がなければ、最賃廃業みたいなことが起きれば、雇用自体が、勤め先自体がなくなっちゃうんだから、持続性も要りますよね。
だから、労使合意に基づく賃上げというのは、旗を振るとかっていう話の後は、最後は当事者で決める話だから、そこは強制性がないけども、最低賃金というのは強制だから、旗振ってんじゃなくて、もうお金出せって命令してるわけだからね。それを、受益をする側は結構だと思いますけど、受益じゃない、お金を出す側の人たちが立ち行くのかっていう、そういう畏怖感を持ちながらやらないといけない政策なのに、旗を振って実現しましたとか、何かそんな話じゃないでしょと。
ということで、担当大臣からクレームの電話が来るかもしれませんけど、でも、これは持論だわね。そんな話じゃないでしょ。裏で何て言われてるか分かりませんよ。物言えば唇寒しだから、面と向かって誰も言わないけど、面と向かって言わない代わりに、誰も票を入れないというふうな結果が今回の参議院選挙の結果じゃないかというふうに、今回の選挙結果を謙虚に受け止めないと、私は自民党が都市と地方の格差の是正とか、農村漁村の維持とか、一次産業の振興とかを私は一生懸命やってもらってる政党だと思って、一番一生懸命やってもらってると私は思ってます。そういう政党に頑張ってもらわないと、我々地方は困る。なのでしっかりしてもらいたいという意味で、この今回の参議院選挙の結果をやっぱり真摯に受け止めて、謙虚に受け止めて、何をするかじゃなくて、何をやってはいけなかったか。やってきたことの何を改めるべきかという観点から、参議院選挙の総括だけじゃなくて、これまでの政策の検証、見直しをしなきゃいけないと。やるとしたことをやってはいけないんじゃないかと、少なくともやり方を考えなきゃいけないんじゃないかと。やるにしても、支援措置をちゃんと講じなきゃいけないんじゃないかと、最賃。そういう観点から政策をちゃんと検証しないといけないと思います。そういう政策議論をせずに、こんなタイマーセットみたいな、だって、この公約を掲げて、少なくとも選挙、勝てなかったわけでしょう。これが原因かどうか知りませんよ。そういう政策を、勝とうが負けようがそのままやりますということ自体が、思考停止してると思いますよ。負けに不思議の負けなしなんだから、負けを反省しなかったらもう一回負けますよ。もっと負けますよ。と思います。
すみません、佐々木さんに文句言ってるわけじゃないんだけど、ごめんなさいね。マクロの是非が問われる話。マクロの政策判断というか、政治判断も問われるべきだ。個別の都道府県知事にコメント取ってどうだこうだというレベルの、その声を集約すればいいという話じゃない。根元を押さえて、根元をちゃんと問うてくださいという要望をさせていただきます。
○NHK:NHKの内野です。
すみません、最低賃金の件でちょっと質問なんですけれども、先ほど知事おっしゃられたように、マクロフレームとしてどうなのかというところの検証が必要だということであるんですが、実際、このままですと、今回、答申が出てるというところで、実際、今後、現実として最低賃金引上げがされるかと思うんですけれども、県として企業への支援策とか、今のところどのように考えておりますでしょうか。
○丸山知事:検討中です。でも、県がやる対策というのは、完全なる国の政策の尻拭いですよ。この対策をやるべき人は誰か。政府ですよ。こんなものを地方公共団体がやらなきゃいけないなんて、中小企業の経営者が一番怒ってると思うけど、やるんだったら、ちゃんと対策できるような支援しますとかっていうこととセットじゃないと、数字だけ決めていくなんて、本当に愚の骨頂だと思いますよ。本当に、申し訳ないけど、本当、何でこんなことをね。
ただ、これは、県内中小企業の経営を継続してもらう、事業を継続してもらうために、私からすると、トランプ政権の関税措置みたいなもんですよ。何かもう、何やってんだかと思いますけど、県内事業者が影響を受けるということは間違いないので、それが事業継続に深刻な影響を与えかねないのかどうかということを見極めながら、今後の対応を検討している途上です。
○NHK:それで、政府のほうも、賃上げに際して今後、支援をしていきたいということを言ってるんですけれども、先ほど知事のほうからも、ただ、かといって、国の支援策も、余力があるところは支援しますというような考えの施策というところになってまして、何かこう、求められる、もちろんマクロフレームの話もあるんですけれども、今後、賃上げをするにしても、今後支援策として求められるべき内容というのはどのようなものだと考えてますかね。
○丸山知事:いや、それは国の立場で、私が担当大臣だったらやることっていう考え方と、県知事の立場と違うし、私だったらこんな、なたを振り回すような政策展開しませんけど。それは、中身は検討中、何をすべきかということも含めて検討中です。
ただ、間違いないのは、政府ですら、最低賃金の引上げを余儀なくされる事業者が必要とする人件費を半分見ましょうとか、そこを補填するということは一切やってません。人件費の補填は一切やってない。人件費を上げてもらって、それで設備投資だ、コンサルだ、別のプラスアルファでお金を使うときに支援しましょうっていう話だから、本体にお金出さないの。恐らくそこが恐ろしくて、人件費を持ち出す、見ていくってことはなかなかできないでしょ、県でとてもできることじゃないと。人件費引上げ分を直接見ていくというふうなやり方っていうのは、これはちょっと想定できないということですね。
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