7月30日質問項目1
1.参院議院選挙
○山陰中央新報:山陰中央新報の曽田です。よろしくお願いいたします。
まず、参院選についてお伺いします。
この選挙結果に対する御所感と、自民党大敗の要因、その後の自民党内などで起きている石破首相の退陣論に関する受け止めをお願いいたします。
○丸山知事:与党が大幅に議席を減らす、3年前の前回の選挙、半数改選の前回分の貯金を割り込む形で過半数割れということでありますから、本当に大敗ということだと思います。
与党の選挙に負ける理由というのは、与党がやられている政策が有権者の皆さんに十分な支持を得てないという、その不十分さの表れというのが普通の一般論としての分析ですから、それがどこにあるのかということについては、これはいろんな見方があるかもしれませんけれども、やはり今回の投票で何を重視したかといったときに物価高とか経済政策ということが圧倒的に高いわけでありますから、そういう関心の下で臨まれてこういう結果が出てるということは、やはり経済政策なり物価高対策というものに対する与党の政策、方針が、少なくとも野党が掲げられたいろんな政策、方針に比べて見劣りをしたということ、または今やられている政策に対する不満が大きいということだというふうには思います。これ一般論ですよね、一般論として。
何だっけ、分析と、何でしたっけ。
○山陰中央新報:分析と、自民党大敗の要因、分析と、その後、自民党内で起きている石破首相の退陣論についてです。
○丸山知事:まず、じゃあちょっと分析の続きを。
与党が大幅に議席を減らしたのに対して、議席を大幅に増やしたのは国民民主党と参政党。微増、少し増やしたのが立憲民主党ですよね。ということはやっぱり、国民民主党が躍進したのは、やはり手取りを増やすということに対しての政策の訴えと、やはり何だかんだ言いながら昨年の衆議院選挙後に相当与党とは厳しい折衝をされて、一部決裂みたいな形になりましたけれども、やはり103万円の壁とかというとこの解消みたいな、控除の引上げ、減税といったことを一生懸命やられたというふうに有権者が評価されて、その政策、訴えるだけだと広告ですけど、参議院選挙に臨まれる前の国会での活動というものを含めて、減税はほかの党も主張されましたから、そういった意味では、今回の年末から通常国会にかけての与党に対する姿勢と、強く減税を求める姿勢というのが評価されたということなんだろうなというふうに思います。
参政党がなぜ躍進されたかということについては、これはちょっと分析が要るんだというふうに思いますけども、私は前回の会見のときに若干、排外主義的な訴えが含まれているんじゃないかということを、参政党の皆さんがおっしゃっていることを念頭に置いて申し上げましたけども、選挙結果を見ると、私は日本人ファーストという言葉が、ある意味、有権者の心に響いたんだと私は思います。それはどういうことかというと、外国人と日本人という対比だと、これだけ躍進しないと思うんですね。治安が悪化してるとか、いろんな話がありますけど、やっぱり排外主義的なイメージに賛同されて、これだけ票を取られたというよりは、日本人ファーストって、やっぱり国民、有権者を大切にしましょうと。それは反語で言うと、逆説的に言うと、今の政治、行政の中では、あなた方、大切にされてませんよねと、それじゃいけませんよねというふうに聞こえて、やはり排外主義的な要素で評価されたというよりは、生活者というか、有権者の生活とか、有権者の気持ちを大切にしましょうというふうに捉えられて、そうしないとあそこまで伸びないと思うので、そういうことなのではないかというふうに私なりに、これは誰も識者が言ってるわけじゃありませんけど、日本人ファーストというのが、ある方には外国人との対比を連想させるのかもしれませんけども、多くの方は、日本人、有権者、国民を大事にしましょうと、我々大事にされてないんじゃないかと、政府、政策に、社会に。ということが、そうだ、そうだという共感を生んで、そういう気持ちを分かってくれてる政党に期待しようというふうに思われたんじゃないかというふうに私は何となく受け止めてます。
今の自民党の状況というのは、どうなんですかね、感覚的に言うと、ちょっと何か、正しいかどうか分かりませんけど、何か活気あふれる政治闘争が、今後のためになる政治闘争というか、活力ある、こういう争い事を経て、その出てくる結果というのはよりよい日本を導いてくれそうな結果が出てきそうだというふうにちょっと思えないので、何となく点数でいうと、百点満点でいうと、何か40点と45点の争いみたいな感じで、どっちもどっちだなというふうに普通は受け止められるんじゃないかというふうに思います。
やはり、一般論でいえば、私は強烈に違和感があるのは、スリーアウトチェンジとかっていう言い方は、それは国会議員の皆さんが言うのは失格ですよ。都議選が国政選挙と同じなわけがない。それを国会議員が言ってるだけ、ばかみたいですよ。何で一都道府県の選挙が国政選挙と同じなんですか。衆と参ですよ。衆と参で、2つアウトだから辞められるべきじゃないかという、そういう話であって、都議選をカウントするなんていうのはもってのほかですよ。それを国会議員が言うなんてもってのほか。頭おかしいんじゃないかと。
衆参で負けたから、やはりそれは国民の信任を得てない、得られなかったということを受けて、やはり総理を降りられるべきではないかという考え方。でも、片や総理の立場は、様々な日米交渉が進んでいる。様々な事柄の中で政治空白をつくらないほうが国民のためになるというお話で、一般論でいうと、前者の訴えが大勢を占めると私は、普通は思いますけども、それが各紙世論調査によると、石破総理が辞める必要があるんじゃないかと、ありやなしやということについては、ほぼ拮抗してますよね、拮抗してますよね。たしか朝日新聞、共同通信、FNN、産経フジネットワーク。どっちか、高かったり低かったりはちょっと、多かったり少なかったり、どっちが多いかはちょっと違いがありますけど、数字が大幅に離れてるわけじゃないということは、これは、私は、特に朝日の世論調査の結果は、特に自民党支持層において、辞める必要がないという方の比率がすごく高いというのが特徴的で、それは何かというと、やはり自民党支持者とか自民党員の方からしても、総理を替えたら何とかなるみたいな、昨年の石破総理の登場もそういう雰囲気がちょっとありましたけど、総裁選をやって、にぎやかに新しい総裁の選定プロセスを注目させて、それで新総理が誕生すれば支持率が回復するとか、国民の支持が回復するとか、少数与党を逆転できるような選挙が展開できるというふうに考えるのは早計じゃないかというふうに自民党員の方々が強く思われてるということなんじゃないかと私は思います。
なので、替わればいいという議論も、一般的にはこれまで、そっちのほうが優勢だと思いますけど、替えればいいというだけでは事が済まないんじゃないかというふうに国民の皆さんが思ってる。政策をどう変えていくかということと併せて、石破総理がやろうとしたことが、こういうところを改めるべきなのか、それとも石破総理がなられる前に進められていた政策を、石破総理がまだ十分に変え切れてないという話なのか。いろんな見方があって、私は、今回の石破総理の2つの国政選挙で勝利ができなかったという結果は厳然たる事実ですけども、前回の衆議院選挙のときもそう、今回の参議院選挙、非常に大幅な負け方だと思いますけども、それをもってしても、辞めるべきだという声が大勢になってないということは、これは、石破総理のかじ取りだけがその敗因になってるというふうにみんなが思ってるわけじゃないということだと私は思います。
したがって、辞めるべきだ、責任を果たすべきだというせめぎ合いが今、自民党内で行われてますけども、やっぱり辞めるべきだだけでは国民とか党員には響いてない。ただ、総理も、何のために残って自分がやらなきゃいけないのか、自分じゃないとできないことはこれだということ、空白が空くとかということ以外に、もうちょっと積極的にやっぱり総理御自身が、これまでの政策の軌道修正を十分にここまでできなかったことをもっと自分の手でやらなきゃいけないとか、そういう話を含めて、より積極的に、一般的に言えば辞任すべきだというふうになってもおかしくないシチュエーションではあると思うので、やはりここで踏みとどまって自分がやらなきゃいけない理由というものをもうちょっと具体的に、やっぱり総理が国民なり党員におっしゃられないといけないんじゃないかと。
そういう意味で、双方の主張が40点と45点とかって言い方したのはそういうことでありまして、もうちょっとそれぞれがおっしゃってることというのが国民、国政、もうちょっと狭義でいうと自民党のためという見方もあるかもしれませんけど、そういう立場立場で言われてることというのが、言ってる人以外のためにどういうふうに役に立つのかということを、より積極的に説明されないと、何となく騒動みたいな感じ、何かもめごとが起きてるなという感じの、政策に結びつかない争いみたいなところになっているのが問題じゃないかというふうに思います。
もう一つ言うと、やはり参議院選挙でこれだけ大敗されたわけですし、普通に考えれば躍進した政党の訴えた政策をどの程度自分の党で取り入れていくのか、または躍進した政党が言ってることがおかしいということをきちんと言っていくとか、国民に問うていくとか、そういう戦略をすぐに立てなきゃいけないタイミングだと思いますんで、そういった意味で、これは自民党の中の総裁をどうするかという話の議論ですけど、自民党として自民党の在り方をこういうふうにすべきだという方向性を示す議論をやはりそれぞれの主張をされる方々が展開されないといけないんじゃないかというふうに、はた目で見てて思います。以上です。
○山陰中央新報:分かりました。
知事としては、石破首相に続けてほしいか、それとももう辞めるべきなのか、どちらなのか、お考えはありますでしょうか。
○丸山知事:私は、前回の総裁選挙のときも申し上げましたけども、私は、地方創生という言葉は若干多義的なのであれですけど、人口減少問題をきちんと取り上げて地方創生を進めなきゃいけないというふうに、一丁目一番地で総裁選挙で主張されたのは石破総理お一人でしたから、我々としては、島根県知事としてはですよ、島根県知事としては、島根県の最大の課題に一番積極的に取り組んでいただける方だというふうに思ってますので、それはできることなら続けていただいて、これまでの政策よりもさらに力を入れてやっていただきたいというのが気持ちですけども、客観的にそういう政権運営ができる環境にあるのかどうかという話っていうのは、これはまた別の話だと思いますんで、希望としては、やはり自民党の中でも一番地方に目を向けて、人口減少問題に目を向けて政策を展開していただける方だというふうに思ってますので、できることなら続けていただきたいというのが気持ちです。
○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。
○丸山知事:ただ、政党論として、政党論とか組織論としていかにあるべきかという話というのは、私はちょっと党員じゃないので、そういうところは捨象しての話になりますけどね。
○山陰中央新報:あくまで地方創生という視点に立って、続投してほしいというお考えということですね。分かりました。
あと、参議院でも少数与党となりまして、政局が流動化していると思いますが、また、地方への影響も懸念されていると思います。先日の全国知事会でも話題になったかと思いますけど、こうした政治の現状を踏まえて、知事の役割として考えられていること、思われることっていうのはありますでしょうか。
○丸山知事:やっぱり私は先ほど申し上げたように、参政党の日本人ファーストという訴えというのは、ファーストというか、排外的にということではなくて、ファーストが大事にしようというふうに捉えると、それは正しいことだと思うんです。やっぱり繰り返しになりますけど、私が何かもうストーカーみたいに、良心的ストーカーと言ってますけど、学習指導要領。毎年、一斉学力調査やりながら肥大をし続けてきてる教科書とか学習指導要領の中身を減らしていく、基礎学力がもうちょっとちゃんと定着するように子どもの教育を本当の意味で充実する。何か新しいものを取り入れたから充実とかっていう、そういう浮ついた議論じゃなくて、どの時代であっても必要となる本質的な能力をきちんと義務教育で身につけるというふうな基本に立ち返って教育を見直すということ。高校までは無償で行ってもらうけども、あとはもう親の資力がなければ諦めてくれ、または親の資力がなかったら莫大な借金をして大学を卒業して、社会人になった時点で1,000万近いような借金を背負って社会に出ろというふうな社会をつくるのかという、国立大学の授業料の話とか、もう本当に私は信じられない、日本国憲法下における日本の統治機構の汚点だと申し上げましたけども、高額療養費の見直しとか、国民が大事にされてないですよね。
何か数合わせで、申し訳ないけど、財務省主計局の課長補佐、主査って言いますけど、その人たちが考えたような案がですよ、そのレベルの案がそのまま何か国会に出てくるみたいな、人の生活を見るっていうのは議員の仕事ですよ。議会というのはなぜできたかというと、国王が勝手に、当時は貴族だったけど、国民に対して課税とか権限濫用しないように、その制限をするために議会というものができて、議員が選出されるんです。だから国民に対して不当な負担を強いてないかどうかというのは、一番議員の中の、これは地方議会もそうですけど、民主主義制度における議員の本質的な仕事ですよ。それが十分になされてきてないんじゃないかというふうに思います。
もう一つ、余計なことを言うと、立憲民主党が大幅に比例票を減らしてる。これだって深刻に受け止めなきゃいけない。与党がおかしい、与党がおかしいと。だから与党の議席を減らさなきゃいけないと思った有権者が、これまでは野党第一党の立憲民主党に入れてきた。それが立憲民主党が選択されなくなったという選挙でもありますよ。だから自民党と公明党が今回の結果を受けていろんな政策を再検討されなきゃいけないという立場でもあろうと思いますけども、立憲民主党だって同じだと思います。なぜ政府の政策を変えていかなきゃいけない、変えさせようと思ったときに、立憲民主党の議席を増やして実現しようというふうに思われなくなったのかということは真剣に考えないといけない。だから、本当に今回の参議院選挙の結果というのは、一時の突風かもしれませんけども、出てる数字自体はものすごく既存政党にとって深刻、少なくとも今申し上げた3党にとっては深刻な数字が出てるので、やはりこれからどういうふうに見直ししていくかっていうことは、3党とも求められているんじゃないかというふうに思います。そういうこと。何か政治評論家みたいですけどね。
だから、県知事としては、私は生活者というか、有権者、私からすると県民の皆さんの生活が成り立つように、また、若い方とか子どもさんを持とうと思う方からすると、今の暮らしだけじゃなくて、その先、自分がここで一生暮らしていく、そしてここで生まれた子どもたちがどういう生活ができるかっていう意味でいくと、先々も含めて展望が開ける状況をつくっていかないといけないわけなので、そういった意味で、県民の生活を守っていくという、そういう姿勢でやっぱり県知事は仕事をしないと、特に我々は、放っておいてもビルが建ったり、東京なんかは放っておいてでも、自然にJRの山手線に駅ができたり、地下鉄が乗り入れしたり、民間の世界で物事が進んでいく世界と違いますんで、我々行政が地方の場合はより責任感を持ってやっていかなきゃいけないだろうというふうに思ってます。
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