6月11日質問項目4
4.ふるさと住民登録制度
○山陰中央新報:ふるさと住民の登録制度についてお伺いします。
政府が地方創生に関する今後10年の道筋を描いた基本構想案を示され、仕事や趣味などで継続的に居住地以外の地域に関わる関係人口を増やすため、自治体がふるさと住民として登録する制度を創設する方針です。東京圏から地方への転入する若者の比率を倍増させるなどの狙いがあると見られますけども、地方で暮らす一人としては、そこに住んでもらうことがまず重要かなという思いもありますが、知事としてこの方針をどう評価されますでしょうか。
○丸山知事:曽田記者と同じ認識ですね。野球のピッチャーは、キャッチャーに投げるボールが大事なんですよ。要するに定住人口が大事なんです。ファーストに投げる牽制球の速さじゃないんです。牽制が上手だとかっていう話は、それはそれで大事だけど、そういう関係人口というものが最後は定住人口につながらなければ、正直言って、私は意味を感じないですよ。その数字を競ってどうするんですか。それがどういうふうに定住につながるのか。そういう何か関心を持ってるとか、定義すらはっきりしないし、外形的な定義もはっきりしないし、何か言葉は悪いですけど、千何百、市町村があると思いますけど、千何百重複登録できるような、そういう上限数が日本の人口を超えるかもしれないような登録をするのかしないのか。1人どこか1か所を選ぶのか、そんな中身もまだ聞いてませんけど、何かそういうものの数字を何千万人とかっていって、要するに延べ人数で、私は1人が、市町村何ぼある、1,200ぐらいあるのかな。1,000を超える市町村に登録して、各市町村、1増えました。それにどれだけの意味があるのか。そういう緩い、ふわふわした、空気みたいな人口を追いかけていくことにどういう意味があるのかというのは正直理解し難いですよね。我々が直面しているのは現実にここに住む人が減って、働く人が減って、離島の航路が、フェリーが3隻体制から2隻体制になっていくとか、バスが減便されていくとか、そういうことをどうしていくかってことを我々は取り組んでやってるんですよ。気持ち的な応援団が100人欲しいとか200人欲しいとか300人欲しいとか、それはいてくれたほうがいいですけど、目の前のバッターに向かわずに牽制球ばっか投げたって、ファーストに牽制球投げたって仕方がないでしょう。野球でいうと牽制球にすらなってないかもしれないですよ。だから本筋をやりましょうよって言いたいですけどね。本筋で数値目標立てないと、本筋でやってくださいよっていうのが、何かね、日本国政府に対してものを言うのは難しいですけど、みんな、もうここら辺まで言いたくて、言いたいけども、本当にね、どんどんやらせるか分かんないから言わないでしょうけど、普通に考えたら、みんなそう思ってますよ。地方創生ってそんなことなんですかって。
我々が抱えてる課題って、どうやって隠岐汽船の船員さんを確保して、これ以上減便しないようにするかとか、何とか3隻体制に戻せないか、そういうリアルな人の話をしてる。益田のバスにしても、運転士さんが確保できなくて、どこの路線を削るのかってことをバス会社が考えて、その影響が非常に益田の中でも人口の少ない地域での減便が決まっていって、それをどうするかということを専決処分とかしながらやったりしてるわけでしょ。そういうリアルな生活の話をしているのに、応援団とか……。プラスアルファはいいです、あってもいいけど、本家本元の話がなくて、そっちが、本家本元じゃないところが本家本元って言われても、ちょっと勘弁してくださいよっていうのが本音じゃないですかね。そんなことを、そんなとこで数値目標を立ててどうするんですかって、そんなことに労力割いてたら、私らは県民に怒られるんですけど。そんなことを数字競わせるんですか。
そもそもが、そもそもがですよ、社会増減で労力を使ってること自体が、日本国の人口としてはですよ、はっきり言って行政上のリソースとしては無駄遣いなんですよ。分かりますか。だって、どこに住んでもらうかを競い合ったところで、直接的には人は増えないです。そこにすごい労力を取っていたら、ある意味、経済大国から成熟している日本がそんな余裕あるのかと。人の取り合いで、だから、どうやって全体として出生率を上げていくかみたいなところでしょ、人口を増やすって、基本。それをどう配置するかというところは、確かに意味がないわけじゃないんだけど、自然増減にも関係ない、社会増減にも関係ないところを一生懸命やりましょうって言われても、いや、もうね、2倍になった交付金で何かKPIとか設定されて、補助要件にされるんだろうから、まあ付き合わなきゃ仕方ないんだろうけど、何やってんだかねと。これが地方創生なのって普通思いますよね。それって、我々が解決したいと思ってることと何かかけ離れたおとぎ話みたいな話をされても困るんですよね。困ったな、困ったもんだなと。
永田町とか霞が関とかにいると、何か違う空気が流れてるのかね。酸素濃度か何か、二酸化炭素濃度が何か違うのかな。何か全然空気が違うんだけど。何かこうね、特別なガスでも入ってんのかな、あの辺り。全然空気感が違うんですけどね。作文で済む世界を作文でやってる、作文で済まそうとしてるっていうことなのかな。困ったな、困ったもんだなと、こんなところに、正直もう、はっきり申し上げる。我々は付き合わされるとなると、ちょっと勘弁してくださいよっていう感じですよ。
私みたいに、こんなあけすけに言う人間は少ないでしょうけど、ここら辺まで、言いたいけど言わないでしょうね、みんなね。でも、普通に考えて、そう思いますよね。
私は、曽田さんの質問に入ってた気持ちと同じですよ。同じでしょう。同じなんだけども、困ったもんだな、どうしたもんだろうか。はあって何か深いため息が。すごくはっきり言うと、怒りじゃなくて悲しみを覚えます。どんどん人口が減ってるって話から遠いところに話がすり替わってて、ついにこれです、何だ、数値目標でKPIだとかって、そんなものに付き合えと、付き合わないと交付金渡さないぞみたいな、そんな世界になっちゃうかと思うと、何か、後で怒り出すかもしれませんけど、この件はちょっとまだ怒る力が湧いてこないです。脱力。悲しくなりますね。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
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