4月22日質問項目3
3.「2馬力」選挙
○山陰中央テレビ:すみません、TSK、山陰中央テレビの坂西と申します。
すみません、選挙関連で、私も質問をさせてください。
先般行われました兵庫県知事での2馬力選挙を受けまして、今回、夏の参議院選挙で鳥取・島根合区、この2馬力選挙抑止に対して、先日、鳥取県も選管として表明しました。2馬力選挙抑止、候補者に宣誓書の提出を求めるという事案がありましたけれども、こうした新たな取組についての知事の見解、そして、宣誓書を提出するということについて、改めてちょっと知事御自身のお考えを教えてください。
○丸山知事:厳密に言うと、昨日は鳥取・島根の合同選管で決まったんですね。ありていに言うと、個別の選挙区の選挙管理委員会で工夫してやるということじゃないでしょと。何でこんな法改正なんか、さっさとやんないのって。法改正やんない国政の不始末を、国政の怠慢を現場ベースでできることで改善してるということであって、立派なことをやってるってことではありますけど、そもそもやるべき人たちが仕事をしてないということをちゃんと報道しないと意味がない。何でこんなことを個別の選管でやるんですか。ほかのとこでやるべきだということだったら、どこの選管だってやるべきでしょう。制度としてやらずに、こんな個別の現場対応で工夫してるってこと自体が、選挙制度をちゃんとつくるべき国政、法律でつくられるものをちゃんとやってないという怠慢の尻拭いですよ。そういう全体的な立ち位置をちゃんと押さえて、いいことなんだけど、こんなことをしなきゃいけないというのは、仕事をすべき人たちがしてないからだということが原因ですよ。
もう一つ言うと、今冒頭おっしゃった兵庫県知事選挙とか兵庫県知事選挙に続くいろんな選挙で指摘された問題というのはこれだけじゃない。もっとある。
私が一番問題だと思うのは、法律改正以前に、例えばネット上の求人サイトで特定の候補者のサイトを立ち上げるということに求人募集が出てるということが客観的にも確認されてる。大手のそういう何とかワークスって会社が報道特集で、TBSの指摘を受けて運用指針を変えてる。つまりそういうことをやったと認めてる。つまり、どういうことかというと、ネット上で運動員買収が行われていた、そういう疑惑が指摘されてるのに、それって運動員買収って別に現行法規定であるわけですよ。現行法規定であるのに、警察は全然捜査してない。内密で捜査してるか知らないけど、全然放置されてる。普通の選挙に出ようと思ってる人たちからすると、この問題が放置されてるから、やっても大丈夫なんじゃないか。つまり何が起きてるかというと、ネット上でやったことは、刑法も公職選挙法も警察は追いかけないから、やりたい放題だと、どこまでやっても大丈夫だと思って、どこでもそういう問題が起きかねないというていたらくが起きてる。つまり警察とか検察がちゃんと仕事をしてないというのが一番の問題ですよ、法律改正以前に。刑法もある、公職選挙法もある、そしてこれは別に兵庫県に限らない。兵庫県で放置された結果、ほかの首長選挙でも似たようなことが起きてる。それはどういうことかというと、警察庁とか検察庁とか、そういう全国組織がちゃんと指揮してるのかと。日本国憲法に基づいて法律を遵守させるということを、給料もらってやってる人たちが、給料分の仕事をしてるのかということが第一の問題ですよ。その上で、ネット上の、ネットで収益を得られることをどう規制するかとか、ネット特有の問題をやればいいけど、ネット上だからといって無法じゃないわけなんです。リアルでやることをネット上でやったって、それは同じ法律で摘発できるはずですよ。手渡しでお金を渡すのか、求人サイトを通じてお金を渡すか、全然同じことじゃないですか。全然法規定の適用、変わんないはずですよ。適用しようと思えばできるはず。
それから、兵庫県議会で百条委員会で活動してた委員長とか委員が誹謗中傷、偽計業務妨害っていう罪名で被害届を出して、選挙直後も、年が明けてからも、何度も被害届を出してる。県会議員が被害届を出しても捜査しないって、それ一般県民が出しても捜査なんかしてくれるの。兵庫県警って仕事するの。仕事しない兵庫県警を警察庁とかって放置するわけか。
もう一つ言うと、そんなもん、百条委員会って県議会が設置した機関ですよ。その県議会として命じられた仕事をする中で、いろんな嫌がらせを受けたり、脅迫を受けたり、いろんな偽計業務妨害とか脅迫とかっていう罪状なんだろうけど、そういう被害を受けてるのに、県議会として、議長とか何してるの。百条委員会の委員長になったから委員長の仕事でしょって、そんなことないですよ。百条委員会の委員長の仕事は、本会議に報告することですよ。だから、県議会の仕事をしてるんですよ。県議会として仕事を命じてやってるわけでしょ。それで汗かいてる人がえらい目に遭ってるのに、県議会として何も行動しないなんて、本当、何かちゃんと警察も、県議会本体も、検察も、立法すべき国会も、仕事をしてないからこんなことが起きてる。
いや、はっきり言って、こんなことを放置してたら、もう本当、何か排気ガスの中で生活してるようなもんですよ。公共空間を汚染させたら、みんなが苦しむんですよ。選挙って、パブリックの典型です、公共空間の典型ですよ。それをちゃんと掃除しなかったら、そんなもん、噴煙の中で政なんかできないですよ。まともな人が選ばれる環境をつくらないと、それはまともに人を選べる環境をつくらないと、だから私は、国会議員さんって選挙でなった人ですよ。選挙でなった人が、自分がよって立つ基盤の環境を掃除もせずに放置してるって、ちょっと職務怠慢も甚だしい。少なくとも法律がすぐできないとしても、何で警察庁はちゃんと捜査しないんだ、何で兵庫県警、指揮しないんだ、何で大手の求人広告会社、捜索しないんだ。これ兵庫県だけの問題じゃないですよ。国会議員としてできることはいっぱいありますよ。そんなの放置してるから、そんな、やるべき人がちゃんとやらないから仕方なく、なぜかこんな日本海の、参議院選挙で一人前にも扱われてない2つの県でこんなことやってるって、何かもう、ちゃんちゃらおかしいっちゅうか何ちゅうか、何か仕事する人がしてからにしてくれよと。何か立派なことをやってるんじゃなくて、こんなことをやらなきゃいけない状況にさらされてるっていう感じで受け止めてほしいですよ。
全体の立ち位置はそういうことで、できる工夫をして、いろんな批判はあるかもしれないけど、やはり改善していこうということで、まず県選管が決断されてやられてることなんで、私は尊重します。けど、こういう状況、個別の選管がやるような話でもないし、しかるべきところがちゃんとしかるべき仕事をすればこんなことにもならないし、ほかの問題もたくさんある。2馬力の話だけじゃない。全体としてどうするかということをちゃんと、減税だ、どっちが予算に賛成するだって、そういう党利党略じゃなくて、みんなの、あなた方の国政の陣取り合戦の話だけじゃなくて、地方公共団体の選挙だって同じ公職選挙法の下でやられるんだから、こっちが迷惑すると。あなた方の縄張争いみたいなものでやるべき仕事をやらないのは、もういいかげんにしてくれというのが私個人の感想です。
宣誓は、はっきり言って、宣誓、ちゃんと出す人と出さない人、出すけど、それを破って2馬力選挙する人、それがちゃんと明らかになるだけいいでしょう。うそつき、宣誓をする人、宣誓をしない人、そして宣誓をしたけど宣誓どおりやらない人、候補者を選ぶ一つの客観的な指標になるから、それはそれで私はいいことだと思いますけどね。本当は義務づけるべきだと思いますけど。義務づけができない以上は、現実的に現場でできる選択肢としては、そういう有権者に、最後は守られないとしても、そういう判断要素を与えることはできる。出さないとしても、そういうことを約束しない人だということをどう評価するかという評価要素になるんじゃないですか。
なので、現場で、全国で起きてることをミクロの人間が直すって、一番非効率なんです。全国で起きてることは、全国で制度を直すというのが本筋なので、本筋をやってくれないから現場で汗かくっていう、よくある、しなくてもいい苦労をしてるということじゃないかと私は思いました。
○山陰中央テレビ:先日のことで、鳥取県の平井知事も、知事が先ほどおっしゃったように、選挙の根幹が揺らぐ問題が相次いでいるので、全国で初めて、国政選挙における公正な選挙の確立に向けて立ち上がったものということで、国に対しては対策を速やかに講じるよう強く求めていくというふうにコメントもされているんですけれども、知事も同じような見解ということでよろしいでしょうか。
○丸山知事:国というか、総務省じゃなくて、これ選挙制度は政党間で協議してやるんでしょ、たしか。公職選挙法は議員立法でやるんだろうから、まあ政党ですよね。少数与党になったところ、参議院選が控えてる、どこで自分の公約を実現するかってことに血眼になってるのは分かるけども、やるべき仕事をやってからにしてほしいと。私はそれ、やるべき仕事をやってないということをちゃんとマスメディアもちゃんと報道すべきだということです。これは美談じゃない。美談じゃないんですよ、これ。何でこんな改正もできないんだということを我々は言ってるっていうことだと思いますよ、どっちかというと。こんな決断をしなきゃいけないような話じゃないでしょと。
私も別にこんなところで島根県、目立ちたいと思ってませんよ。全国制度でちゃんとやってくれれば、それでいい話なんだけど。こんなことを一々個別のところでリスク取ってやんなきゃいけないというふうな状況なんて、もう勘弁してくれと。そんな、私、平井知事みたいに上品に言いません。それが本音です。
○山陰中央テレビ:ありがとうございます。
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