4月22日質問項目2

2.鳥取県・島根県参議院合同選挙区

○山陰中央新報:選挙関係で、今度はちょっと参議院のほうになるんですけども、今年、合区が導入されて10年を迎えました。人口の東京一極集中を是正していくためにも、より地方の声を届ける必要が高まっていると思います。一方、国会では議論が進んでいない状況かなとも見受けられますが、地方を重視する石破首相の手腕が問われる状況だとも感じます。合区導入10年の所感をお伺いします。

 

○丸山知事:私が導入したわけじゃないので、あんまり10年の節目であれこれないですけど、今、曽田さんがおっしゃった話について申し上げると、東京一極集中が進んで、東京の議員の皆さんが増えて、我々の声が通りにくくなってるということもありますけど、やっぱり地方選出の国会議員の皆さんが、島根に限りませんけど、地方の課題をきちんと党内とか、政府というのはなかなか、政府では難しいかもしれませんけど、少なくとも政党の中できちんと訴えてくれてるんだろうかということのほうが問題だと思いますよ。

 LPガスとかね、LPガス。LPガスみたいな話が何で自民党が与党に入っていて、あんな扱いになるのか。電気、都市ガスまでは政府でやるけど、LPガスに至った途端に、もうちょっと、まとめて金を渡すから、この中でやりたいところはやればいいじゃないかみたいなことを、国会議員の皆さんもよしとしちゃってるわけでしょ。だから、何となく、合区を解消しなきゃいけないという声が県民の皆さんから何かあまり聞かれなくなってるということのほうが問題じゃないかと。どっちかというと、言ってもらわないと困るっていうふうに思われなくなってるということのほうを問題にすべきだと私は思いますよ。

 だって、何でこんなことになるのっていう話が、地方国立大学のほうがはるかに数が多い、旧帝大なんかよりも。地方国立大学の授業料3倍しましょうなんて話が平然と政府で議論されてる、それに対して誰もとがめる人がいないなんて、どう思ってるんですかって。もうはっきり申し上げますけど、こんなの私の仕事じゃないでしょ。こんなの、LPガスの話にしたってですよ、地方国立大学、こんなの立ち行かなくなるじゃないかっていう話にしたって、県知事の話じゃなくて、地方選出の国会議員の先生が、何考えてんだ、あなたたちはっていう話じゃないんですか。だからもう何か、合区で数の、頭数の問題じゃなくて、我々の生活実態を踏まえて、県民の生活実態を踏まえてきちんと声を上げてくれてるのかということのほうが、質のほうの問題になってると私は思っていて、そこに問題があるから数目が要るんじゃないかという話にならなくなってきてる。

 いや、山陰中央新報さんは一応言われますけど、何かもう合区を何とかしないと困るって、あんまり私聞きませんよ。複雑で面倒くさい、今回の候補者選定の話みたいにイレギュラーだから、おかしいって話聞きますけど、何か数目がっていう話じゃなくなってきてる。我々の田舎の声を届けるという仕事をしてくれなくなってるんじゃないかという、何のために何とか、地名プラス数字、何とか何区みたいなところの、やっぱり常に日本国国会議員というだけじゃないでしょ。何とか何区国会議員なんでしょ。そしたら、その仕事をしてもらいたい。私はそういう何か合区の形式論なんかよりも、形式論と数目論以前に、いや、少数なのかもしれません、多数になれないかもしれないけど、LPガスみたいな扱いされたら困るということを、数が多数にいかないからもう黙ってしまうというようなことをやってもらっちゃ困ると。少数だから黙るんだったら、野党なんか全部黙ってますよ。多数派だけの意見を聞きゃいいなんて話だったら、それは与党に入らない国会議員なんか要らないわけで、そんなことにならないでしょ。少数であっても、少数の意見を伝えるというのがやっぱり代議制で選ばれた方の仕事のはずなんだからということ。

 私は、合区に着目した制度論じゃなくて、何でこんなことが中央政界とか中央の東京の行政で誰からも文句言われずにまかり通っているのかという政策がむちゃくちゃ多くて、私なんかは、申し訳ないけど、何で島根県知事がおまえ、そんな偉そうに国政のことを言ってるんだと、おまえ、そんなのだったら国会議員になってから言えと、よう言われてますけど、ネット上では。誰も言ってくれないから言うしかないじゃないですか。誰か、正直言って、私の仕事じゃないですよ。言ってくんないからこっちが言うしかないんでしょう。ねえ。言ってくださいよと。言ってみれば、自民党でいうと平場の部会で机たたいて、どうなってんだって、国立大学の授業料3倍にするって、どういう了見で言ってんだって、文部科学大臣でも文部科学省の局長でもひっつかまえて、それはつるし上げなきゃ駄目でしょう。何でこんな島根県の県政記者クラブでこんなこと言ってるんですか。ねえ、そう思いませんか。と思うんです。

 ということが1つと、残念ながら、客観情勢でいうと、補正予算を通すにも、これだけ右往左往しなきゃいけない。各党、各会派の意見が違う、合区の問題は。それはなかなか、正直言って、自民党が自公で安定多数があるときにやってもらうべきことだったけど、今はとても手がつかないというのが、もう客観的な事実だというふうに思いますけど、私からすると、そういう、この石破政権において合区問題をどうこうというのは、現実問題としてもうないと思う、少数与党だから。少数与党が改善すればまた別でしょうけど、今、この局面で合区を解消できる可能性は、ほぼないでしょうから、だから、私はどっちかというと、何とか省の役人、何とか省の事務方の偉い人間が、その幹部みたいな人たちがいろんな勝手なことをやってる。分かりませんよ、誰まで了解を取って国立大学の授業料3倍とかって言ってるのか、画策してるのか分かりません。高額療養費だって、最後は総理まで了承しちゃってるから、それは総理にも責任の一端はあるけど、でも、そういうことをやってる人たちが平然と政府で仕事してるわけでしょ。私は、高額療養費を推し進めた人間がいまだに普通に仕事してるという状況なんて、総理大臣の内閣人事局とか各省大臣に対する指揮権を発動すれば、総理大臣はできるんですよ、更迭することなんて簡単にできますよ。文科大臣を呼びつけて、国立大学の授業料3倍なんて、もうそんなふざけたこと、検討やめろと指示すればいいんですよ。これって総理大臣の自分の判断でできることですよ。

 だから、何かそんな、合区が難しいのは分かるけど、そんな、総理ができることはもっとあるので、昨日もちょっと知事会で言って、それBSSさん、ちょっと報道の内容が正確じゃないんだけど、私の受け止めは、この間の定額給付が急浮上して、急にしぼんでいった。その背景は、報道を見る限り、世論調査での評価がさんざんだったと。それはどういうことか。ここがちょっと報道的に訂正してもらいたいとこなんですけど、国民がもうそういう給付金もらっても、結局赤字国債だから、その分を増税で取り戻さなきゃいけないっていうことに、どうせ後々なって、それが100分増税になるんじゃなくて、下手すると150とか200とか、倍返しとかで、あれもこれもといって増税になったりするんじゃないかと。または増税でなくても、今回、高額療養費でしょ。結局税や社会保険料じゃないところで国民に負担を押しつけるってことを無理押ししてくるんじゃないか。国立大学の授業料3倍だって、税や社会保険料じゃないんですよ。受益者負担みたいな形で、別の世界で、税や社会保険料じゃない世界で、国民負担率が50パーに近くなってるから、ほかのところでどんどんどんどんもう見境なく国民に負担を転嫁してくるということを、もう間近に見てるわけだ、国民は。

 それで、さらに、赤字国債の定額給付の前ですよ、平時ですらそんなことをやってくる人たちに、そんな増税をする錦の御旗を与えてしまったら、ろくでもないことになるんじゃないかというふうに、何か国民は思っちゃってるんじゃないかと。でも、そうとしか思えない、私は。そういうことを考えると、私はそういうふうに国民が思ってるんじゃないかというふうに受け止めてると、そういうふうに見てる。

 ということは、どういうことかというと、やっぱり内閣支持率の低下を受けて、総理は、よく言われるけど、真摯に謙虚に猛省の上でっていうのを行動で示すべきですよ。高額療養費を反省したら、秋に見直しますというのが反省じゃないはずだ。こんなひどい内容を提案した、こんなひどい内容を自分に具申した、そういう人をちゃんと更迭させなきゃ駄目ですよ。最低そんなことをしないと、もう、いわゆるばらまきすら支持されなくなってるというのは、政権としては相当深刻に受け止めないといけないはずですよ。いわゆるばらまきって、ある意味、広くあまねくお金を配るという意味で、表現が適切かどうか分からないけど、そういう政策って、賛否はあるけれども、基本的には、浮上すると、やっぱり目の前にお金を給付するということを嫌だ嫌だという人はそういないんで、普通は通るんですよ、通ってきた。それが通ってない。通らなくなったって、正直言って、すごい地殻変動だと思う。それはやっぱり総理がよく言われる、真摯に謙虚に猛省しなきゃいけない状況なんだと思います。だから、それは、言葉は正しいけど、それを行動で示さないと、政府がやることを、全て疑心暗鬼で国民は捉えるというモードに来てるんじゃないかと。

 私は、加えて申し上げると、減税、減税って言われる政党もあるけど、じゃあ本当に減税して、それが後々の将来の増税で回収しようとしないっていうことまで責任取れるのか。それ、給付金と同じですからね。だから、そういう、私からすると、官僚機構の仕組みをきちんと、官僚をきちんとマネジメントするというか、統御する、そういうことができていないんじゃないかと。最後は財務省主導で増税を持ってくるということを、どの政権になってもやるんじゃないか、私はそういう危惧をしてますよ。

 だから、統治機構として、政党と役所、それから官邸と役所という関係でのヒエラルキーをはっきりさせないと、最後は政治家がどんなことを言ったって、回収しに来るんでしょ。給付したやつ、いろんな政策を打ったやつを、赤字国債の償還を賄わなきゃいけないから、一時金の回収のために恒久減税みたいなものを持ってきかねないって、私、昨日言いましたけど、そういう危惧をもう持たれてるという状況を改善しないと、もう地方創生とか、我々が期待してる、石破総理に、東京一極集中是正とか、これ、東京一極集中是正は本当にやろうと思うと、それは合区よりもはるかに難しい課題ですからね、まずは信頼回復。信頼回復は、やっぱり今、何をやってほしいかじゃなくて、やってほしくないって言われてることをやらないって言うことのほうが大事ですよ。何をやるかって言ったって、どうせ何かやってくれるけど、どうせ後で増税されるんでしょという状況になってるってことは、国立大学の授業料3倍なんか、とんでもないからやらないということが十分な公約になる。皆さんの子供さんの高等教育への進学の機会をちゃんと確保しますよと、やっちゃいけないことをやらないと、高額療養費の引上げなんて、そんなもん、物価上昇というか、厳密に言うと診療報酬のスライド分しかしませんと、そういうことをちゃんと言う。嫌だって国民から拒絶されてるような話は、ちゃんとやらないって約束するというのが、もうそういうレベルの公約が求められてると私は思いますよ。特に与党には。野党は減税、減税とかっていう話なのかもしれませんけど、与党はやっぱりもう、今の支持率の低下の原因になってる要因は、やっぱり一つ一つ反省して、反省を行動で示す人事をする。国民から忌み嫌われてることをやらないということが大事だというふうに思います。

 何かちょっと十の問いに三十答えた感じですけど、すみません。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。
 

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