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12月13日質問項目3

3.ふるさと教育の見直し
〇山陰中央新報(原):すみません、最後に同じ教育関連で、ふるさと教育の見直しについてお伺いします。

 教員の負担軽減だったりとか、生徒の基礎学力を高める狙いで、ふるさと教育の実施基準を見直すことになったというところで、議会でも出たと思うんですけど、改めてその見直しの背景だったりとか、見直すことによる影響というのは、どのようなことがあるのか教えてください。

 

○丸山知事:今の質問自体が問題を正確に捉えてませんよ。私が何のためにふるさと教育の見直しを要請したのか。この前、議会の答弁で申し上げましたけど、基礎学力の定着のためにやってるんです。ふるさと教育の見直しは手段ですよ。ほかに手段があるんだったら、ほかに教えてくれれば考えます。制度的に島根県というか、都道府県単位で見直しができる余地があるところがそこしかないから、もう万やむを得ずやってるというふうに県議会で申し上げてます。私がやってるのは、基礎学力の定着、その内容があまりに低いので、それを引き上げるために何をすべきかと考えて、手段としてふるさと教育の見直しを提案してる。私がやってるのはふるさと教育の見直しじゃない。基礎学力の定着・向上に向けてやってるんだ。目的と手段を一緒にしてもらっちゃ困る。

 私がやってるのは、4脚で7キロの椅子を48個あったら何キロかという問題が日本の半分の子どもが解けてないと。こんな状況を少しでも改善しなければいけないと思ってやってるんです。だから、私のやってることをふるさと教育の見直しだというふうに、そういう言い方をするのは、私は心外ですよ。私がやってるのは、基礎学力の定着、基礎学力の習得、レベルのアップ、そのためにやってるんだ。ふるさと教育の見直しは手段です。そこをまず徹底してもらいたい、認識を。そのために……。

 いや、別に、私は市町村教育委員会で、ほかに手段があるから、別にふるさと教育の見直しなんかしなくていいっていうんだったら、それは別に、それすればいいと思いますよ、手段だから。だから、ふるさと教育の見直しを必ずやらなければいけないとも思ってない。その代わり、じゃあ、どうやって学校の先生の時間を生み出して、どうやって問題につまずいてる子どものつまずいてるところまでたどり着いて、個別に手当てしていくんですか。私はそれが目標なので、ふるさと教育の見直しが目標じゃないから。

 いや、ほかにやればいいじゃないかっていう話があれば、受け付けますよ。私の目標は、子どもを、基本的な掛け算とか、基本的な割り算とか、基本的な掛け算と基本的な割り算の現実社会への当てはめ、それができない状況で中学校を卒業して、義務教育終わりましたね。あとは、基本的に義務教育終わったら、あとは義務じゃないからね。さあ、あとは社会で自立してくださいというふうに出してしまうのは、それは義務教育として責任を果たせてないんじゃないかと思ってやってるの。義務教育の本来の仕事をちゃんとというか、もっとやってもらうというためにやってるんです。やってるというか、やるかどうかは、最後、市町村教育委員会の判断ですけど、じゃあ、ほかに何か案があるんですかと。それとも50%でいいというふうに思ってるんですかということですよ。ということなんです。

 なので、私のやってることをふるさと教育の見直しだというのは、目的を捉えていないロジックに基づく言説なので、認識を改めていただきたい。私は、基礎学力のより一層の定着のために何が必要かということを考えて、だから、何を取り組んでいるかというと、基礎学力の向上です。ほかの手段があれば、それは別に構わないと思ってます。家庭学習が足りないからじゃないかと言う人もいますよ。でも、家庭学習が、やるのが難しい子どもさんがそういうとこでつまずいてるんです。そんな子どもさんに、家庭学習で、家庭で何とかしろといって問題解決にならないでしょう。と思ってる。家庭学習、宿題出せば基礎学力上がるというんだったらそれでいいと思うけど、多分、宿題を増やすとかってやっても、できる子どもはより習得度が上がって、できてない子どもができるようになるとかっていうふうにならない。家庭学習というか、家庭学習というのは、家庭の状況に依存しますから。学校というのは、家庭の状況に依存せずに、同じ状況に子どもさんを置いて、そういう家庭の状況の格差を埋めるために学校で教育をするんです。だから、家庭教育で生じてる差を家庭教育で直せばいいというのは、正直言って、ちょっとピントがずれてると思う。家庭教育で何とかなるんだったら、何とかなってるはず。家庭教育で補正できるところは補正してるだろうと思って、学校で何とかできないだろうかというふうに私は考えるべきだと思ってるけど、いやいや、まずそんなふるさと教育を見直すより前に、宿題を増やして家庭教育でやるべきだというふうに判断されるところもあるかもしんない。でも、それはそれで試してもらって、その結果が出るように頑張ってもらうというやり方というのはあると思います。だから私は、ふるさと教育も見直さない、基礎学力の向上に向けて何もやらない。基礎学力、今のこの50%でいいと思ってるんですかと。ふるさと教育って、基礎学力を習得した上でやってくれてるというふうに親御さんは思っていると思いますよ。やっぱり基礎学力の定着って、子どもの一生の財産だから。勉強ばかりしたって仕方がない、それはそうだと思いますけど、別に勉強し過ぎの世代に入らないから。私は別に全国学力調査で1番、2番になるとか、そんなこと全然思ってないです。私からすると、全国学力調査の応用問題と基礎問題と分けて、応用問題の点数なんか気にすんなと、基礎問題の点数を100と捉えて、何点取ってるかと。それでいいと思ってる。ただ、それは県教委がついてこれないだろうし、市町村教育委員会もついてこれないだろうけど、私は基礎学力のほうがよっぽど大事だと思う。応用は後からでもできる。いろんな難しい勉強というのは高校へ入ったって、高校も大学へ入ったら高度な勉強できるし、まず基礎学力がないと、高校無償化されたって、大学無償化されたって、そこに届かないわけですよ。アクセスできなくなっちゃう。事実上、門戸閉ざされるわけです、そういう経済的支援の恩恵のね。

 なので、当然、学習障がいとか、いろんな障がいもある。だからみんなができなければいけないというのは難しいかもしれない。しかし、そういう障がいがあるということに気づくってことにつながると思うんだ。何でできないのかって寄り添っていくことでね。そうすると、そういう障がいがあるっていう子どもさん向けの、それなりの対応をするってことになるでしょう。でも、今のままだと、なぜできないかも分からずに放置されたら、半分の子どもさんができないままで小学校を卒業するって、よくないと私は思っていて、すみませんが、ふるさと教育の見直しっていうふうに、手段の面で捉えればそうですけど、私がふるさと教育をなぜやろうとしてるのかというところをセットで記述をして、ぜひともいただきたい。先般も書いてもらってますけど、ぜひそういう形で御理解をいただきたいというふうに思ってます。

 影響は当然、全くないわけじゃないでしょうけども、そういう影響ができるだけないように、あとは各先生が学校に赴任してきて、自分で最初から考えるとかじゃなくて、ある程度地域の素材とか前任者とか、これまでの学校の蓄積とかあるわけだから、そういうものをベースにして指導案を引き継いでいくとか、素材をそれで、それぞれ状況によって変えていくとか、何かそういう効率化だってできると思う。

 なので、私は、はっきり言いますよ、それは、小学校の英語とかを早くやめてもらって、算数に振り向けてもらいたいんです。それをやるのに10年ぐらいかかるんです。学習指導要領の改定は10年ぐらいかかって、大分先なの、5年以上先なんですよね、5年ぐらい。だから、要望はしてますけど、結果が出るのは大分先なので、じゃあ、まあ5年先待ちますかといって、5年間、算数を習う子どもさんが5年次分進んでいくわけです。それ、指をくわえて見てるってわけにいかないでしょって私は思うので、そういう提案をさせていただいてるというとこなんです。

 ちょっと伝わりにくいところがあるかもしれませんけども、基本は、学習指導要領の見直しとストレートにつながってる話です。学習指導要領の見直しが本筋だと思ってる。ただ、学習指導要領の見直しがすぐにできないから、島根県でできるとこはないかと考えて、ここしか残念ながらなかった、まとまったものが。全県下共通で取り組めるものがこれぐらいしか見当たらなかったということで、万やむを得ず、その部分の見直しをお願いをしてるということです。

 ですので、20時間、補助金の基準を35から20って話ですから、別に20にしなければいけないというわけでもないから、25にするとこもあるだろうし、30にするとこもあるだろうし、35のまんまのところもあるでしょう。ただ、私は、今、あの問題が解けてないという状況を深刻に捉えてほしいと思ってる。あれだけの率になってると、文科省の皆さんにもね。だから、私は何のために、全国知事会と閣僚との意見交換会、閣僚の、盛山文部科学大臣の前であの問題、読み上げましたよ、55%も含めてね。だからやっぱり、あの問題が半分しか解けてないっていうことは、私はゆゆしき事態だと思ってるので、ゆゆしき事態だというふうに認識してもらってると信じてるんだけど、ゆゆしき事態だと思えば、何かしなければいけないって思ってくれるんじゃないかと思っているんですけど、県教委として音頭を取って、やってもらえることは何かないだろうかと考えて、ふるさと教育をやむを得ず取り上げてやらせていただいてる。

 学習指導要領の中では、私は、申し訳ないけど、プログラミング教育とか、英語とかというほうを削って、なくすかどうかは別にして、削って、そっちのほうに充ててもらいたい。そんなことよりもふるさと学習のほうが優先だと私は思うんだけど、でも、そこが見直されるのは、見直されるとしても、見直されないかもしれない。何か一部の知事が言ってるたわ言だというぐらいの受け止めの可能性が高いけど。一応知事会には取り上げてもらいましたけどね、全国知事会では。なので、直らないかもしれないですよ。学習指導要領が直らない可能性のほうが高いんだから、どっちかというと。直るとしても大分時間がかかると。じゃあ、そのまま今のような状況を続けて、改善に向けた取組をせずに、毎年毎年、子どもさんが掛け算を習っていく、割り算を習っていく、順繰りで通り過ぎていくというのじゃよくないんじゃないかというふうに思ってるということです。

 長話ですみません。

 

○山陰中央新報:丁寧にありがとうございました。

 


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