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11月22日質問項目4

4.学習指導要領

〇山陰中央新報(白築):学力というか、教育の問題について伺えればと思います。

 これまでも各所でずっと発言を繰り返してらっしゃいます全国学力テストの問題で、先日の政府主催の全国知事会議の場でも、改めて見直しというか、求めていらっしゃいますけども、これまでも教育委員会に対して、教員の負担軽減の対策を要請したりとか、そういった動きもされてる中で、今、その検討状況だったりとか、知事としてはどんな方法が有効だというふうに今お考えであるかというのを、併せて伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:私が思っているのは、今の学習指導要領が、私がお世話になった頃に比べると、できないといけないことと、できたほうがいいことの区別がついていない。つまり、できないといけないことに対して、次々とできたほうがいいということがいろんな人の意見から追加されてきて、小学校からの英語、プログラミング教育とか、3観点評価とか何か、評価の仕方とか、いろんなものが追加をされてきて、その結果、小学校の学校の先生の競争倍率が1.何倍とかという県がたくさん出てる。人の補充、採用しようと思っても、欠員が出て、少人数学級を国がお金を工面してくれているけれども、少人数学級に移行できないみたいな状況など、要するに教師不足ですよね、教員不足が発生をしていて、その原因は、結局、学校の職場が、勤務環境が、普通に考えて、小学校の先生、給食の時間も給食の指導だと考えると、休憩時間なしで、ぶっ続けでずっと仕事しないといけないっていうふうなところで、つまり学校の先生が怠けていてそうなっているんじゃなくて、もう十分、必要以上に疲弊しているのにこんな結果になってるというのが、本当にゆゆしき事態なわけですよ。誰かが怠けていてこんなことになってるんだったら、まだ、もっとやってもらうという処方箋があるけども、現場がへとへとになっているのに、55%。

 この場で申し上げましたっけ。言ってないか。この4月に行われた全国学力調査、小学校6年生の算数の1の(3)という問題です。4脚で7キロの椅子があります。その椅子が48脚あったら何キログラムになりますか。これ、ちゃんと文部科学大臣のおられる前で言いましたよ。7割る4掛ける48っていう掛け算と割り算の組合せです。7割る4で1脚当たりの重さを出す。それが48脚あるんだから、掛ける48。それで、計算がうまい子は、例えば割り算が、これは小学校5年生までで習わないかもしれませんけど、割り算は逆数の掛け算だということだったり、掛け算というのは順番を入れ替えても答えは変わらないということが分かっていればね、掛け算、割り算は。要するに、実は48割る4という計算を先にやれば12という整数の数字が出てきて、その12と7を掛ければ、7掛け12になって84というのが暗算でも出てくる。愚直にやると小数点がつきますけど。立式もそんなに難しくないし、式の立て方も難しくないし、計算がそんなに複雑なわけでもない。文章問題だから応用問題だという見方もあるかもしんないけども、応用問題として考えたって基礎中の基礎。我々が掛け算とか割り算とかっていうものを日常生活で使おうと思ったときに、その能力を試すのに、まさにうってつけの問題でしょうね。その問題の最大の問題は、その正答率が全国平均55%だってことです。この話、この会見でしなかったっけ。

 

○山陰中央新報:されてます。

 

○丸山知事:そうか、いなかったのね。

 そういうことで、2度目になりますけども、つまり、この問題が半分解けてないって、できなければいけないレベルのことが……。

 もう一つ言いますよ。我が国の今の学習指導要領の金看板は、生きる力を育むってなってる。これ、生きる力でしょ、この算数の問題できるって。生きる力ですよ。抽象的な微分積分じゃないんだから。

 だから、生きる力が全然、半分しか与えられてないという現状って、普通でいうと、50点って、学校の点数でいうと60点未満だから赤点だわな。落第だよ。そんな状況が日本の学校現場が疲弊し切ってる中で発生してるってことは、つまり、元に戻りますけど、できないといけないことに対して、できたほうがいい、確かにできるんだったら、できたほうがいいよねというのをたくさん突っ込んで、その果てに、その結果、できないといけないことができなくなってる。

 今の算数の問題って、応用問題で間違ってるかもという人が、思うかもしれませんけど、最後の最後、詰めていくと、割り算ができないからできないという子どもだっている可能性ありますよ、45%の中には。割り算ができない理由は、最大の理由は掛け算ができないからです。掛け算ができないと割り算できませんからね。九九を覚え切れてない子どもがいるかもしれないということですよ。九九というのは小学校2年生で習うもので、九九ができなかったら本当に一生苦労しますよ。そのできないところを全部直していって小学校を卒業させるとか、中学校までにそういうことができるようにするとかっていうふうに、振り返り学習みたいな余裕が、してもらえるという期待があるんだったらこんなこと言わないけど、とてもそんな感じじゃない。となると、過剰になってる教育プログラムを見直して、やっぱり基礎学力の提供というか、習得に重点を充てる。それでできてない、できない子どもに対する、ちゃんとフォローアップができる時間を確保する。学校の先生がそういうフォローアップができるように時間をつくってあげる。そうしないと、この算数が、今の算数の問題ができない子どもさんに、一次方程式だ、二次方程式だ、微分積分……。中学校の3年間と小学校の6年生の間、算数の授業を受けろ、数学の授業を受けろというのは、それは分かんないだろうけど座っとけって言ってるのと同じですよ。それはだって楽しくないし、行きたくなくなっちゃうでしょう。

 もう一つ言いますよ。もし本当に掛け算ができないとか割り算ができないというレベルで解けてない子どもさんがいたとしたら、じゃあ、その子どもさんは、算数だけなのかと。漢字読めてるのかというふうに想像力を働かせなければ駄目ですわね。だから、そういう義務教育という制度を持っておきながら、そして教育にこれだけのお金をかけておきながら、そういう状況をつくってるって危機的だから、だから早く学習指導要領を見直してほしいというふうに申し上げてる。

 だから、どうしたらいいですかって質問があったですけど、私はもうはっきり言ってる。学習指導要領を見直して、教育内容を減らすんです。減らすしかない。減らさないと、あとは何か、何とか……。何だっけな。3観点評価とか何かね、子どもを観察する、評価する評価の仕方を何か複雑に、昔より大分何か小理屈をこねて多方面評価とかしなければいけないってなってるけど、そんな評価するよりも、マル・バツつけて、先生が単元テストにマル・バツつければ、どこの段階でつまずいてるか分かるんですよ。その子がどこまで遡らなければいけないのかというのを個別に振り分けて、一人一人指導できないとしたら、掛け算からできない子ども、それから割り算ができない子ども、掛け算、割り算はできるけども文章問題から数式を作るということができない子どもさん、多分3段階ぐらいに分かれるけど、習熟度別学習なりなんなり、そんなことをしながら、できないものをできないでほうっておいたらずっとできないんで、特に積み上げでやらなければいけない数学や理科や、英語もそうです、漢字だってそうだけど、できないものを放置してたらできないままで終わってしまって、授業なんか苦痛でしかないでしょ。だから、そういう状況を早く改善しなければいけないということで、早く学習指導要領を見直してほしいと。中身を減らして、学校の先生の……。

 だから、習熟できてない子どもさんをフォローアップする体制と、もしかすると、できてるからプログラミングだって英語だってやりたい、やれる余裕がある子どもに対して、そういう意味での習熟度学習みたいなものだってあってもいいと思うけど、でも、今のやり方だと、5%ぐらいの人は、分かんないけど、50%しか、今の算数の問題解けないわけでしょう。その中の英語まできちんと習得できてる人は仮に25%で、さらに何かプログラミングだ何だって、そんな話になったら、さらに半分になって12.何%しか習得できてないんだったら、学習指導要領をクリアしてる人って1割とかしかいないということになるわけですよ。9割の人が学習指導要領で求められてることを習得できてなかったら、それは学習指導要領なんて、そんな、1割の人のためのもんですよね。

 なので、私は、だから学習指導要領を早く見直してほしいって、早くというか、スケジュールはあるかもしんないけど、私がやってほしいことは学習指導要領の見直し。学校の先生に時間をつくる。こういう基礎的な問題が解けてない子どもさんが解けるようにする先生の時間をつくるということじゃないですか。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 すみません、ちょっと質問の言葉足らずで。伺いたかったのは、国に対してはそうやって学習指導要領の見直しを求めてらっしゃって、一定のちょっと時間がかかるとは思うんですけども、県側で自らできることは何かあるのかなという、そういったことが伺いたくて。

 

○丸山知事:文部科学大臣の御回答は、中教審で検討してもらわなければいけないという手順があるので、直ちにどうこうするという話にはならなかったので、今、白築記者がおっしゃったように、早々でそういう結果が出るということは難しいでしょう。そういう結果が出た後も、多分教科書を作り直したり、多分何年もかかるから、確かにタイムラグが相当ある。それをできるだけ短くしてほしいというふうに言ってますけど、どうしても一定の時間がかかるということを踏まえますと、県でできることは何かないかというふうにやっぱり考えなければいけないと。したがいまして、私からは、県の教育委員会に対しまして、今言ったような観点で、学校の先生方の時間的余裕をつくるという観点から、県教委独自でできることがないかということを検討してほしいというふうに、先月末に検討をしてもらうようにお願いをしたところであります。

 具体的には、学習のつまずきへの対応の検討に加えまして、県独自で取り組んでいるふるさと教育の運用の見直しなどを検討してもらうようにお願いをしたところであります。

 教育内容に関わる話ですので、教育委員会で教育的見地から議論してもらって判断してもらうという事柄で、県知事から指示できることじゃありませんので、検討を依頼したというところであります。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 補足で、先ほどのふるさと教育の運用の見直しというのは、確認の意味も込めてですけども、今のを100%とすると、もう少しちょっとボリュームを下げてという意味と受け取ってよろしいですか。

 

○丸山知事:ボリュームもあるでしょうし、手順もあるでしょうね。手間がかかってるところを手間がかからないようにする、工夫をするとか、ボリュームを減らすときに手間がかかってるところを、まず減らすとか、そんなことがあるんじゃないかと思いますけど、それは県教委で考えてもらうことなので、それは、やり方はいろいろあると思います。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 


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