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10月13日質問項目6

6.中山間地域をはじめとした島根の生活交通を考えるプロジェクトチーム

○山陰中央新報:山陰中央新報の高見です。

 すみません、全国的な問題かもしれないんですけども、バスのドライバーの方が不足してるというところで、県内も路線バスとか連絡バスの減便が相次いでいるというところで、県は10月中にもプロジェクトチームを立ち上げられて、今後の交通の在り方というのを議論されていくと思うんですけれども、現状どう見ておられて、プロジェクトチームがどうやって進めていかれるかというところをちょっとお聞かせ願えればと思います。

 

○丸山知事:私は、これは交通に限らないんですけど、人手不足が本格化してるということです。それは何かというと、少子化の影響って確実にあって、いわゆる新卒の採用というのは年々細っていってた。けれども、高齢者雇用、退職後も仕事を続けてもらうということ、それからいわゆるM字カーブの解消という意味での、女性が育児とか出産、結婚で退職せずに仕事を続けてもらうとかっていう意味での女性の労働力、率の向上ですね、労働参加の拡大ってことで、マイナスの要素はあるけども、そこで補ってきてたというところが天井に来て、本当に多分、実数としての労働力の減少が本格的に始まったと。そういったときに、やはり私が感じてるのは、実はこの前、隠岐に行ったときに、高速船が、隠岐のジオパークの10周年のイベントで行ったときに、体調不良者がちょっと出て、やはり貨物と旅客が両方あるので、フェリー優先で高速船が欠航したと。聞くと、やっぱり隠岐汽船でも採用が難しくなってる。退職者を完全に補充することは難しくなってるという話を聞きました。これはどういうことかというと、運輸だからというよりは、もうちょっと広く捉えると、土日も仕事があって、そして9時ー5時って言い方しますけど、9時ー5時の前後、9時よりも早く、そして5時よりも遅くっていう勤務シフトが入る、つまり休みとか家族団らんみたいな時間の取り方が不規則になってしまうっていう職種については、やっぱりこれまでと同じ待遇、処遇では人を確保するのは難しくなってるって、私はそういうふうに見ています。同じ待遇で、片やそういう勤務じゃなくて、土日のお休みがあって、基本的に早出とか遅出がない仕事に比べて、2つ並べたら、やっぱりないほうを選ばれる。とすると、勤務が不規則だということに対する対価をきちんと上乗せをしないと、やっぱり採用をしていくことが難しくなってるんじゃないかと私は思います。

 ですので、基本的には、もうそういう待遇改善、不足しているドライバーの皆さんの待遇改善というのをどうやってやっていくのか、赤字補填をしてる路線というのは、つまり赤字を拡大することになるけども、それを公共が引き受けていくというふうに考えるのかとか、料金の値上げというものを住民の皆さんに理解してもらうということも含めて、やっぱりもう人がいないから減便になるということと、もう少し負担を増やしてでも残してもらうっていうことの両てんびんを選ばなければいけない時代に来てるんじゃないかと私は思ってます。やはり待遇改善を、人が採れてないという業種についてはやっていく。その待遇改善に伴うコストアップを、最終的には利用者とか公共セクターがどこまで受け入れるかという、そういう調整じゃないかと私は思ってます。一般論になりますけど。

 ライドシェアって話がありますけど、都会はっていうか、都会だって渋滞するようなところのライドシェアって大変ですよ。東京でライドシェアしたところで、いつ着くか分かんないみたいな、道も分かんないし。だから、ライドシェアで何か全てが解決するとかっていうのはないでしょうし、特に過疎地については、もしライドシェアが使えるとしても朝だけでしょう。朝の通勤で町場に出ていかれる方に同乗させてもらうということはできるだろうけど、帰りの時間は結構ずれますしね。もともと人が少ないところでのライドのシェアだから、少ないライドのシェアなので。だから、ライドシェアというのは、適地はたくさんあると思いますけど、過疎地とか大都市部だとなかなか難しいんじゃないですかね。だって、東京へ行って、なったばっかりのタクシーの運転手さんに乗ると、結構大変なことになったりしますよね。行ったことないところに行ってくれっていうのって、それはタクシーの意味がないと思いますよ。

 なので、ちょっと雑談しましたが、基本的には人手を確保するということに対応するためには、やっぱり賃上げを、構造的な賃上げ、やっぱり勤務が不規則だということに対応した賃上げをやっていくという方向をしていかないと、で進まないと、人の確保はできないだろう。ただ、それはそれでコストは膨らんで、利用者負担か公的負担が膨らむ。それを利用者なり公共セクターが受け入れれるかどうか、そんなことになるんじゃないか、そういう思考フレームになるんじゃないかと思います。

 

○山陰中央新報:実際に先ほどおっしゃられた公的負担が増える可能性というところ、県としては、それはもうやむを得ないといいますか、そうしなければならないというようなスタンスで今後……。

 

○丸山知事:いや、それは、公的負担が増えるって場合には、当然利用者負担を増やさなければいけない。利用者負担も増える。でも、利用者負担なんかで賄えるようには多分ならないから、それで公的負担もしていくという路線にするかどうかですよ。その上がった利用者負担で実際利用者が上がっても使いたいという方がおられないと残す価値もないでしょう。だって、それは公的負担が増えるのに利用者負担が上がらないというのは、その路線じゃない人たちからすると、理解できないでしょう。だから、みんながお金を出し合うという形でしか、利用者の負担が増えないというのは多分、間尺に合わないんじゃないですかね。そんな何倍にするとかって話じゃないけど、1割上げるとか2割上げるとか、分かんないけど、これまでと全く同じというわけにはいかない。そういう中で、赤字、利用者負担の引上げなんかでは、埋まるような金額じゃないので、そこは上げ幅を抑えるために、多分県と市町村とかで一緒に負担していくということができるかどうかですよ。人を確保するための賃上げを構造的にやろうと思えば。あとは事業者の皆さんがもう、そういう賃上げをしてでも残したいと思われなければいけない。いや、もううちは、例えば、バスだけじゃなくて旅行代理店とか、ほかのビジネスもやってると。なので、バスのところだけ上げるとかっていうのは難しいという、そんな話もあるかもしんない。だから、口で言うほどみんな簡単じゃない。そこだけ考えればそうだけど、バスだけやってるわけじゃないとかっていうところだってあるだろうし、会社としてそういう判断ができるかどうかというのもあるでしょう。

 我々もさあ、お金出しましょうというふうにみんなが合意できるかどうか分かんないし、私だって県議会とも相談しなければいけない。でも、今のままだったら、それは残れないでしょうね。実際に、それはだって、さっき言ったように、人が採れてないということは、やっぱりその仕事の難しさというか、いわゆる勤務の不規則さに対する対価がきちっと乗ってるという評価はされてないということだと思いますよ。そこを改善しないと人の確保というのはできない。多分、免許の取得費用とかってレベルでは済まないんだというふうに私は感じています。政策までなってませんけど、基本的な認識として。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。


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