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2月20日質問項目6

6.島根県学力調査結果
○山陰中央新報(白築):先日の県の学力調査の結果が公表されてまして、全教科で全国平均に届いてないというような状況があると思うんですけども、知事も再三、学力の問題というのは問題提起をされてきてまして、当初予算にも対策の費用というのは計上されているんですけども、この結果の、すみません、また受け止めで恐縮ですが、伺えればと思います。

 

○丸山知事:だから私、今回の島根県の学力調査の結果は、よく見ておりません。私は、全国学力調査の結果で改善すべきところがものすごく大きいので、それが何か、この半年ぐらいで直ってるはずがないから、もともと問題の認識としては、去年の4月の全国学力調査をベースに考えればいいと思ってるので、それに基づいた対応。だから、すごく改善して問題がなくなったというわけではないのだから、課題が引き続き残ってる。今回、これでさらに何か別の課題が浮き彫りになったというわけじゃなくて、前回の全国の調査の課題が再認識されてるっていうことなんだろうというふうに思いますけどね。よく分からないけど。

 ともかく、私はもうシンボリックだけど、あの問題は全ての象徴、平和の象徴がハトであるかのようにですよ、あれが全てを物語ってる。あれが56%、四捨五入しても56%。小数点第1位でいうと55.5%ということが問題の深刻さを明らかにしてるというふうに思いますし、やっぱり正直言うと、小学校とか義務教育の話なんで、市町村教育委員会が当事者意識を持って、こういう深刻な状況を改善しなければいけないという課題認識を持って取り組んでもらわなければいけない。私がこんなことを言ってるのは、何か、私からこんなことを言われているのは恥ずかしいことだというふうに思ってもらわなければいけないって思ってます。

 私は、県の学力調査においては新しい知見が出たわけじゃないんだけど、漠然と言ってた小学校からの英語、これもね、なかなか強烈なことを今、皆さん教えてあげましょう。学習指導要領って大体、10年に1回改訂なんですよ。10年に1回改訂になって、なので、どこを取ってもいいんですけど、例えば平成元年に改訂されたときの英語、小・中・高の英語。平成元年は、小学校で英語をやるとなってないので、どれだけの英単語が出てくるか、教科書に。ちょっと幅があるんですけど、大きいほうの数字でいうと、平成元年の時点は、中学校では1,000、中学校1,000。高校は多いほうで1,900。なので、合わせて、多くても2,900。中高でね、中高で2,900。平成29年に最近改訂された学習指導要領、これは小学校で英語を学ぶと。英語の教科が入ってくるというふうになった。この中では、小学校の時点で、ちょっとこれもばらつきはありますけど、多いほうでいうと700、小学校で700、中学校で1,800、高校で2,500。足すと5,000。5,000です。平成元年のときに2,900だったのが、今は5,000なんです。もう一回言うと、今は700、小学校だけど、平成元年の頃は中学校で1,000ですからね。中学校3年間で1,000だったのが、小学校で700なんだから、できるわけないでしょ。

 これは先生によるらしいけども、だってこれ、小学校で出てきた単語を、もう履修済みとして処理されちゃうと、さっぱりもう中1から分からないよね。中学校に全部もう一回送ってしまうと、中学校がまた2,500になっちゃうから、これもまた大変なわけよ。だからね、小学校から教える英語なんて、すさまじいつまずき方をしてるはずだよ。

 子どもさん、小学校に通わせてるんだったら、ちゃんと確認したほうがいいですよ。多分、5,000って、平成元年当時の中高一貫校とかの、有名私立とかっていう世界の数字だと思うよ、多分。それをみんなに、高校が大学進学を前提とした高校だから全員ではないかもしれないけど、そういう水準まで上がってるわけだから。それは、授業時間変わってないからね。

 なので、ここからちょっと私の昔話になるんですけど、私は中学校1年で英語に一番最初、つまずいたんです、できなくて。これ何か言ったことありましたっけ。ないかな。ないよね。私は、最初にアルファベット習うでしょ、ABCDEFGって。アルファベットをまず習うわけですよ。で、大文字とか小文字とかを含めてね、習うでしょう。習った後に、私からすると、ここがまず、日本の英語教育ができていないとこなんだけど、アルファベットを習った後に、例えば「BOOK(ビーオーオーケー)」というものを「ブック」と、単語がいきなり出てくるわけです。それは普通に考えて、「BOOK(ビーオーオーケー)」ではないのかと思われませんか。「BOOK(ビーオーオーケー)」ではないわけですよ。アルファベットを教えといて、「BOOK(ビーオーオーケー)」を「ブック」っていうのは、それはすさまじい飛躍なわけです。そこに説明がないのは、教育としては大欠陥なんです。私は残念ながら中学1年生のときに習った先生がそこを教えてくんなかった。その時点でつまずいたので、さっぱり、中学校2年の1学期まで全く英語ができなかったです。heとsheの区別もつかなかったな。それは最初につまずいたらできませんよね。

 それは何が必要かというと、私は遡って、中学校2年生の夏休みに、これも、全家研という、毎月教科書に合わせた教材を送ってくれる教材があって、それを3学期分か、中学校1年分、それから2年生の1学期分を全部引っ繰り返してやり直して、分かったことは何かというと、単語というのは漢字と同じだと、発音も基本的にはつづりを見たって分からない、覚えるしかない。意味も覚えるしかない。だから覚えるしかない。だから漢字と同じように、意味も発音も覚えないと仕方がないから、覚えなければいけないんだと。厳密に言うと、ちょっとアルファベットとか、アルファベットのローマ字読みとかで発音を想起させるヒントはありますけど、基本的に発音記号じゃないから、単語のつづりというのは覚えないと仕方がない。つづりも覚えなければ仕方がない、意味も覚えなければ仕方がない、発音も覚えないと仕方がない。つまり漢字と同じなんです。だから覚えないと駄目だよと。これは、だから何かというと、アルファベットを使ってつくる漢字なんですよ。素材が漢字の場合は無限にあるけど、漢字は無限にある、書き方が。これがアルファベットを組み合わせるという意味での限定された漢字なんです。

 すみません、ちょっと分かりにくい話で。そんなふうに教えてくんないと、どう勉強していいか分かんないと思いませんか。いや、皆さんはクリアしたかもしれないけど、私はそこで蹴っつまずいたから分かったんです。アルファベットを使った漢字であって、覚えないと仕方がないし、つづり、法則もないし、全て、発音、意味、つづり、全部覚えるしかない。なので、鉛筆で書いて覚えるしかない、漢字と同じだと。ということが分かったのが、英語を習い始めて15か月以上たってからです。だから何とか大学受験に間に合わせましたけど、発音記号は全く分からない。リスニングは全くもう分からない。英作文も大体できない、読解問題だけで何とか落第点にならないって、入試で致命的な結果にならないぐらいのダメージで済むように、英語を何とか終わらせるというのが私の受験生としてのたしなみだったけど、でも、そうしたのは最初のつまずきなんですよ。

 私は、そういうつまずきをしない保証が、つまずきをする可能性がもっと高まってると思う。だって、小学校の先生って英語を教える前提で免許状取ってないですよ、大概の人が。それは新しい人は取ってるかもしれないけど。それは、英語専科じゃない先生に一番最初の英語の導入をやらせようとするって意味で、すさまじい、大胆というか、ばくち打ちだと思いますね、制度設計としては。ばくち打ちみたいな英語教育をやってると私は思う。

 だって、中学校だったら英語専科だけど、一番最初の日本語の文法も明確に意識して理解してるかどうか分からない子どもさんたちに、まずは外国語活動という形でらしいけど、それで英語に触れさせて、これ3、4年生らしい。5、6年生で教科として教えるらしいけど、そういうことを小学校の先生にやらせてるわけですよ、大した準備もせずにですよ。どうなってるのかと。だから、本当に絶対過重ですよ。だから、こんなむちゃなこと、こんな実験みたいなことを公教育でやっちゃ駄目なの。どれだけこの英語で落後してるか、小学校の中で落後してるか分かんないよ、これ。英語の全国一斉学力調査やらなければいけないと思う。中学か、中学でやってるのかな。中学でやってるか。数値が下がっていくんじゃないかな、こんなやり方やってると。多分下がってるんじゃないかな。中学校時点で、小学校でつまずいちゃって、昔は中学校から教えていたのでできたことが、難易度を上げて小学校の時点でつまずいた子どもたちを放置してるから、放置しちゃう、放置せざるを得ないよね、多分今のやり方だと。数値が下がっていくかもしれないね。数値が下がっていかないと分からないのかもしれないけども。

 なので、中央教育審議会とかって、私は信用してはいけないと思う。こんなことを平気でやってる人たちが教育の専門家とはとても思えない。そんなむちゃなことをやっちゃ駄目だって止めるのが有識者の仕事だと思うけどさ。文科省の人たちも、好きでやってんじゃないような気はするけど、こんなアクロバティックな、冒険的な、それを子どもの基礎学力とか、子どもの義務教育課程で、こんなばくちみたいなことをやってるということはよくないので、本当に改めないといけないと思いますよ。

 なので、お子さんいる方は、子どもさんの教科書をよく見て、つまずいてないかどうか。いや、それは何かというと、親御さんが、そういうつまずきがないかどうかをチェックして、家庭でフォローしないと、つまずきをフォローしてくんないっていう、そういう公教育になってる可能性があるってことです。それは、まさに義務教育の趣旨から逸脱してる。家庭に依存しない公平な教育をする、学校の中で、学校の中だけで。ということからして、公教育の体をなしてないと私は思うので、余計この数字を見て、我が意を得たりじゃないですけど、言ってることが正しかったと思います。学習指導要領の内容が過重、過大、そして過大に早期化してる。

 能力の高い子どもさんで、クリアできる方はいるでしょうけど、そうでない人たちを、もう落後させることをちゅうちょしてない、そういう教育課程になってるおそれがある。というのは、ちょっと上品に言っているだけですけど、確信してますけどね。そんな感じです。

 なので、今回の県の調査というよりは、いろんなことを調べるにつけ、やっぱり学習指導要領の内容を見直して、今の内容でやっていける人たちには、もうそれは何か、習熟度別学習みたいなことを取り入れてやるしかないでしょうね。みんなができてる前提で取り残されるぐらいだったら、習熟度別学習を取り入れて、つまずいた子どもさんには復習、やり直しとかを、できてる子どもさんには応用問題をやってもみたいな、そういうことを考えていかないといけないような内容を、みんな一律にできるでしょといってやっちゃってるということを改善すべきだというふうに思います。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 


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