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1月11日質問項目1

1.能登半島地震

○山陰中央新報:山陰中央新報社の白築です。本年もよろしくお願いいたします。

 

○丸山知事:お願いします。

 

○山陰中央新報:まず初めに、能登半島地震の関係でお尋ねします。

 今回の地震で、木造住宅の倒壊が相次いで、死者の方だったりとか行方不明者の方の増加につながってる側面があると思うんですけども、島根県内でも20万戸を超える木造住宅があって、耐震化率については、まだ全国平均以下となっている状況がありまして、県としても市町村に対しての助成制度を設けていらっしゃいますが、なかなか活用が進んでない面もあると思うんですけども、県内の古い家は大きくて、なかなか高齢者の方が独居だったりする状況もあって、費用面だったりとか、将来性の面がネックになって、なかなかそう踏み込めない状況もあるかと思うんですが、知事として、今回の地震の発生を受けて、木造住宅の課題が浮き彫りになったことを踏まえて、県として今後どういう対応をお考えでいらっしゃるか、伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:木造住宅とか、新しい耐震基準に基づく建物、非木造住宅でも輪島市でビルが倒壊してると、そんな状況なわけです。要するに震度7とか震度6強という地震というのが、どうすれば倒壊せずに済むかということは、木造住宅だからとか、木造住宅じゃないからとかっていうことを超えるぐらい激しい揺れだったり、多分揺れ方とか、これまでの群発地震の影響とか、そういうもろもろの影響があるかと思いますので、どこの数字を超えれば安全かということの完全な線引きが難しいわけでございますので、やはり置かれてる環境の中で最大限の対応を取っていくということ、できることをやっていくということになると思います。

 したがいまして、県といたしましても、現状ですと、住宅の改修事業の中で、部屋単位での耐震の強化ということを取り組まれる場合に、加算の措置を講じるといった形での対応も取っておりますけれども、そういった内容で十分なのかどうかということを確認をして、制度の拡充の必要性がないかどうかということを考えていかなければいけないというふうに思っております。当然住宅の建て替えだったりとなりますと大変大きな費用が伴いますし、個人財産に対しまして公費で多額の公費支援をしていくということについては、これはこれで別の論点があります、問題があります。そういったことから、様々な課題がございますので、耐震性を上げていくということについては、大きな方向として取り組まなければいけないという認識の下で、具体的な対応としてどういうことができるかということについては検討していきたいというふうに考えているところであります。

 

○山陰中央新報:今の関連で、暮らしてらっしゃる方の意識の面も、今回、地震でいろいろと考える面もあったと思うんですけども、そういった啓発の部分については、どういったことが県として可能かどうか、お考えを伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:私は、もう今回の報道以上の啓発を行政がやっても、そんなもの意味がないので、今回、大きな地震が、本当にぺしゃんこになってるという地域があるわけです。やっぱりそういう甚大な被害をもたらす力があるということを我々は報道を通じて間近に見てるわけでありますので、そういった現状を踏まえて、我が身に振り返ってどうすべきかということについて、これはみんなが、各人が考えていただくということになるんじゃないかと思いますし、なので、この震災被害を踏まえて、行政的な普及啓発をどうしていくかということは特には考えていないと。今回の地震の発生というのが一番の、県民、国民の皆さんの、地震の影響の大きさ、被害の甚大さということを痛感されてる状況はもう十分だと思いますので、そういった中でどういうことが、身近な生活の中なり、各人で可能か、県とか行政として支援が可能かということをお示しする中で、皆さんで考えていただくということになるんじゃないかというふうに思います。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 ちょっと関連で、今回、発生が半島部というところで、島根県も島根半島があって、真っ先にそこと課題が共通するなというところが思い浮かぶんですけども、ああやって支援物資だったりとか救助の面で遅れが生じたりという課題が、日々、報道を通じても知らされてるところではありますが、そういった共通の課題に対して、この点も、島根県としてどういう対応だったりとか備え、必要かというのを、考えを伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:政府、また石川県、また地元の市町村の皆さん、一生懸命取り組まれてるということは重々承知をいたしておりますけれども、現実問題として、半島部に対する支援というのは、半島じゃないケースに比べて、客観的に見れば遅れていると。半島部でなければ、もっと早くできたことがたくさんあったんだろうというふうに思われる状況が発生してるわけです。ということは、大事なことは、私も島根半島を圏域として有している県知事としての思いとしては、半島なので難しいので仕方がないというふうに立ち止まってしまうのではなくて、半島としての難しさが今回顕在化したわけですので、それを一つ一つどうやって乗り越えて、半島部じゃないところと全く同じにというわけにいかないかもしれませんけど、その差を埋めていくために、まず短期、中期、長期でどういうことができるかということを、これは政府も含めて考えて、政府に取り組んでもらうこと、それから県が、広域自治体である我々が取り組むこと、そして市町村で取り組んでもらうことということを分けて、そういうことの課題を少しでも小さくしていく方に努力をしていかなければいけないということじゃないかというふうに思っておりまして、そういった意味で、半島部で陸路での支援のルートが限られるという状況をいかに海路、空路で補っていくか。それを行うために、震災が発生しない段階でどういう基盤なり、どういうハード、ソフトを用意しておくべきかということを考えていかなければいけない。それを通じて半島部におけます大地震への救援・救護活動、また被災者の皆さんに対する物資の供給といったことを、より円滑に行っていけるようにしていかなければいけないというふうに、対応していかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 これも地震の関係で、志賀原発の関係でもいろいろとトラブルが発生してるというふうな、連日、報道がありまして、燃料プールの停止だったりとか、モニタリングポストの停止だったりとか、そういった状況があるわけですけども、それって、8月には島根原発も稼働が控えてるところで、今回の地震の発生で、県民の方はまた不安に思っていらっしゃる状況もあるかと思うんですけども、原発を直接絡めて質問するのはどうかとは思いますが、今のこの点での知事の御所見を伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:志賀原発の状況は、当然、地震がない状況に比べて、地震によって起きた問題というのは、具体的に報道されてるようにあるんだというふうに思います。問題は、今の志賀原発は、一つには新規制基準に伴う許可がなされたものではないので、新規制基準に基づく設置変更許可がなされている島根原発と同じものとして見るのはそもそも適当じゃないというふうに思いますが、そもそも地震の発生前と発生後でいろんなトラブルが起きてるということでありますが、大事なことは、新規制基準におきましても、一切のトラブルを起こさないということを保証しているわけではありません。原子力発電所として維持しなければいけない機能を、一つのトラブルがあったとしても、ほかの予備のもので、電源にしろ、いろんなものを稼働させて、特に冷却といったことを継続をしていくということをどうやって行うかという安全設計なわけです。ですので、そういった意味で、そういうトラブルが起きたということに対して、そのトラブルに対応するために、トラブルが起きたときに働く、それをフォローしなければいけない仕組みがワークしてたかどうかということでやっぱり判断しなければいけないんだというふうに思います。一つ一つのトラブルの話と、そのトラブルをリカバーすることを求められてる仕組みがちゃんとワークしてたかどうか、そして、原子力発電所というものが、冷却が止まってしまうとか、冷却機能が失われるといったことがないような最終目標がちゃんと達成できたかどうかというような形で評価していくことではないかというふうに思います。

 どんな地震が起きても、何の機材不良も起きないということではないので、問題は、それを、1つがあっても、それを補う、2つ駄目でも3つ目で補うと、大事なものについてはそういう多重の措置が講じられてる、それがちゃんとワークしたかどうかということが、そういう視点で見なければいけないんだというふうに思っていまして、そういった意味において、志賀原発で起きてることというのが、求められてることができなくなったというふうなことで評価すべきものなのかどうかというのは、規制委員会のほうできちんと検証してやられないといけないと思いますけど、報道なり、また北陸電力なり、規制庁が発表している情報を見る限りは、そういう、一つ一つの問題はあったんでしょうけども、それに対応する事柄というのはワークしてるというふうな事象であるというふうに、事務的な報告からすると、そういうふうに報告を受けてますので、今の出てる報道とか事実で、非常に大きな問題が発生してるというふうな認識ではないと。ないし、もともと今の志賀原発と島根原発の2号機を同じものとして扱うということは適当ではないというふうに思っています。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 その点、さっきの住宅の話とも絡むんですけども、倒壊が相次いでいるところで、原発災害、仮に起こったとしたときに、屋内退避というのが難しい状況も発生するかなと思うんですけども、この点については、何か御所見があれば。

 

○丸山知事:当然、自然災害、先ほどの繰り返しになりますけれども、今回の能登半島の地震に限りません、熊本地震もそうですけども、大きな地震、大きな震動がある地震というのは、当然迅速、円滑な救命活動、救護活動が必要になるわけです。それが今回、能登半島の半島という特性があって、通常の場合と比べると、人員、物資を投入するルートが限られて、ある意味、半島じゃない地域に比べると思うように進まなかったという反省点といいますか、そういう事実があるわけなので、それを解消するために陸路と海路から人員、物資を投入するということ、その線を太くしていくというふうな対応をすることで、ともかく救命、救護を迅速に行うということが、これが一番大事だというふうに思います。そうする中で、事故があれば、救命活動を行いながら避難を進めていくということになろうかと思いますけども、その際にもやっぱり実動組織、自衛隊、海保、消防のパワーが必要ですから、そこの受援がきちっとできるようにしておくという体制を、もともと陸路でのルートが限られたり寸断されたりするという状況になりますと、海路、特に空路が大事になってくるということが今回明らかになったということじゃないかと思いますので、そういう意味での震災対策、家屋が倒れないようにするということを、建物自体を建て替えてしていくというのは難しいわけですから、そういう倒壊が一定程度生じるという前提の下で、それに対応する救援をするための消防、警察、自衛隊の人員を投入していくというルートを多重で整備をしていくということじゃないか。要するに陸路に頼らない救援体制を充実していかなければいけないと。それを通じて大地震でまず発生する被災者の救援を迅速、スピーディーに行っていくということが一番大事なんじゃないかというふうに思っております。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 総括的な話になるんですけども、今回の地震の発生での自治体なり政府の対応を他県の知事として御覧になっていて、最も教訓にすべきところというか、気づいた点というか、そういったことも含めて伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:石川県庁で何が起きてるか、政府の中で何が起きてるかというのは、私は知る由がありませんので、報道ベースで見たときに、自分としてこういうことに心がけようというふうに思うことは、それは幾つかあります。やっぱり被害状況を早く把握する、これは恐らく自衛隊の力を借りなければいけないでしょうけど、早く把握して、半島の山間地を抜けていく道路がどういう被災をしてるか、あと、半島の北側の、東西といいますか、沿岸道路がどういう被災をしてるか。これ違うわけです。沿岸部は隆起に伴って土砂崩れが起きて、正直、道路啓開って、道路を、啓だから明るくする、開く、閉じたものを開くっていう意味ですけど、その元になるベースが壊れてますから、道路啓開っていうレベルじゃなくて、道路の機能を戻そうと思うと二、三年かかるみたいな、そんなレベルで壊れてるところは、それは早急に復旧が難しいですよね。道路啓開って期待できない。だからやっぱり陸路じゃない海路、空路にすぐに切り替えて、やっぱり要請していかなければいけない。そこの切替え、要するに被害状況の把握というのを迅速に把握して、起きてること、要するに道路啓開、重機を入れていけば半日、1日で道が開いて、車両がどんどん行けるようになるというレベルじゃないという被災状況だったということを早く把握する、まず被害の程度を把握する、正確に。それで、それを基に具体的に地元の自治体としてそういう内容も含めて、陸路のみならず海路、空路を含めて人員を投入してもらうということも並行して全力でやってほしいということを要請していくと、そういう具体的な要請をしていく。そういうことじゃないかと。

 要するに陸路での救援に困難を伴うということを早く把握して、それは、多分航空写真があれば相当程度把握できると思うので、航空写真を、島根県の防災ヘリで撮れるのか、自衛隊員の飛行機飛んでもらって撮ってもらうのか、多分両方でやるんだと思いますけど、被害状況を早急に把握して、今回得られたような、陸路では限界があるというケースを想定して、やはり海上での展開、それからヘリでの展開ということを集中的にやってもらうための部隊結集なり機材の集結というものを県内、または県内の近隣にやってもらうということを早めに要請することが必要なんじゃないかというふうに思いますので、ともかく被害状況の把握と、具体的な被害状況を見て、我々は現場が分かっているので、それで想定される状況をイメージして、重機での対応では現状がすぐに改善しないという状況であれば、重機じゃない世界でやってもらうということを早く要請していくと、具体的に要請していくということじゃないかというふうに思います。

 それが一連の状況、半島の難しさというものを今回、石川の皆さんも政府にも、私もそうですけども、身をもって経験したわけですから、そういう、これが正しいかどうかはありますけど、私自身は、何かそういうふうな早期の被害把握、そして被害の内容ですね、どれぐらいで復旧できそうな話の被災なのかということを考えて、陸の大量投入で済む話なのか、陸のみならず海、空の大量投入を準備してもらわなければいけない話なのかということを自分なりに考えて、それが正しいかどうかは政府が判断すると思いますけど、そういう要請を具体的に早くしていくというふうに努力しなければいけないなというふうに思ったところです。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 

○時事通信:時事通信の勝又です。今年もよろしくお願いします。

 

○丸山知事:お願いします。

 

○時事通信:同じく能登半島地震の関連でお伺いします。

 今、政府や被災自治体が個人での能登方面への移動を控えるように呼びかけていたり、個人が送った支援物資が、かえって現地で負担になるケースがあったりといった状況があります。今現在、島根県民ができる支援として、支援金の募集などもありますけども、知事から呼びかけることなどあれば、ぜひお願いします。

 

○丸山知事:島根県オリジナルでは、ないです。やはり全国一般の注意事項に従ってやっていただくというのが大事じゃないかというふうに思います。ただ、実際、ボランティアに行くのがまだ危険だとかという状況があるんだと思いますけど、そういったところで、恐らくどこかである程度のインフラが回復していけば、個人の皆さんのボランティアも含めて、お願いをしなければいけないタイミングが来るでしょうから、そういうタイミングが来るまで、行きたい気持ちがあられるかもしれませんけど、しばらく我慢していただくということになるんじゃないかというふうに思います。

 ただ、その代わり、やっぱり私は、これはメディアの皆さんに対する文句でもありますけど、何か食料が届いたとか、炊き出しができてるとか、炊き出しの支援が来てるといういい情報の報道がありますけど、それは一体どこの場所のことなのかということをやっぱり同時にちゃんと地図で示してもらわないと、すごくミスリードがあったんじゃないかと私は思います。それは何かというと、一番しんどいのは沿岸部なんです。沿岸部の人たちは、輪島から東西に行こうと思っても道がないわけです。道が液状化しちゃってるから、自衛隊の人たちが歩いて物資を届けてるという状況なわけですよね。そういうとこにはまだ炊き出しなんか多分できてないと思うので、何か全体がよくなってる、私は地区の名前が出るので、そのときに場所を確認したんですよ。大体早めにそういう支援が届くようになってるのは、能登半島の山間地の手前側なんですよね。北側でそんなのなってない。一番しんどいところがどうなってるかというのが一番大事で、一番しんどいところがまだまだなのに、何かちょっとずつよくなってますっていう話が全部に見えるので、どこの話なのか。状況がよくなってるという話はどこの話なのかというのを場所を特定して報道しないと、何か一番厳しい、まだ支援が行ってないとこだって、何か支援が戻ってきているかのような誤解をする国民がたくさん発生するような報道が続いてる。場所がどこなのかが大事なの、広いから。自衛隊の人たちが荷物しょって、水や食料を届けてるって状況なわけですから、私は能登半島の湾側の大きなワニの口みたいなところの、ここの南側だって早くなかったけど、北側はもっと厳しい。北側の沿岸部に孤立集落がたくさんあって、NHKさんも毎日載っけてもらってますけど、そこで炊き出しとかができてるのかどうかっていうことが一番大事なんだけど、まだ孤立だから、自衛隊が歩いていけるというのは、多分NHKさんの報道基準でいくと、多分孤立にカウントされてるから孤立なんだと思いますけど、そういうところは炊き出しができてるわけでもないし、おにぎりが来るわけでもないしという、そういう状況をちゃんと伝えないと、一番きつい状況のところがどういうふうな状況になってるかというのの報道が何か、現状よりもうまくいってるというか、よくなってるというふうなミスリードを招くような結果を招いてるような気がするので、ともかく自衛隊の隊員の皆さんが荷物しょって燃料や食料を届けないといけないような地域の状況をちゃんと報道してもらわないと困りますよね。

 だから、私は、自衛隊の皆さんの負担軽減の観点も含めて、そういう徒歩で物資投入をしなければいけないような状況になってるんだとすると、もうちょっと、多分陸上自衛隊の方だと思いますけども、そういう人員投入って、もうちょっと増やさないといけないんじゃないかっていうふうには思いますよ、あれ見てると。徒歩なんだから。車両で投入できてないわけでしょ。そういうこと、そういう現状が伝わってない報道になってるのは、私は報道の反省点だと思いますよ。

 NHKさんの孤立集落を地図にプロットしてあるのを毎日更新されてるのはいいと思うんですけど、そういう地域が、あれ見ると、半島の北側なんですよ、孤立が続いているのは。そこがどんな状況になってるかというのが、関連死を防げるかどうかっていうとこに大きく影響すると思うので、それに対してのアプローチとして、徒歩で陸上自衛隊の皆さんが何キロも多分荷物しょって物を届けてるという状況の中で、今の人員、6,000人とか7,000人か、ちょっと正確な数知りませんけど、もうちょっと投入できないかというふうには思いますよね。

 何か答えになってるような、なってないようななんですけど。

 

○時事通信:ありがとうございます。

 

○中国新聞:中国新聞の新山です。本年もよろしくお願いします。

 

○丸山知事:お願いします。

 

○中国新聞:同じく能登半島地震の関連で、先ほども質問で出ているように、建物が、今回のような地震ですと、倒壊して屋内退避が難しいケースであるとか、知事がおっしゃられているように陸路での避難が難しいケースというのが課題として上がってきているというお話あったんですけれども、それらを受けて、島根県における原子力災害時の避難計画の内容であるとか、避難の在り方というものについて、再点検したりチェックしたりというお考えは、現時点でありますでしょうか。

 

○丸山知事:今回の話というのは、半島部における震災被害の対応が、大地震の場合、非常に難しいということでありますので、基本的な考え方としては、半島部における地震が発生した場合の救援・救護体制を強化するということに取り組んでいかなければいけないというふうには思っております。なので、自然災害である大地震が半島部で発生した場合、島根県の場合は島根半島になりますけど、そういった場合の救援・救護が相当困難、実際、能登の例で発生してる状況がありますから、そういう課題解決に努力していかなければいけないという認識であります。

 

○朝日新聞:朝日新聞の垣花です。

 今回の地震の関係なんですが、被害が拡大したところは、やっぱり高齢化が進んでいたり、人口減少も進んでいる過疎の自治体だと思うんですけれども、災害時、住民同士が助け合う共助といいますか、共に助けるということですけども、その共助の仕組みについて、島根県での現状をどのように認識されているのか。もし課題があるとしたら、その対応策も教えていただければなと思います。

 

○丸山知事:共助という意味において、大きな懸念、共助で支え合う絆の強い地域で高齢化、人口減少が進んでるという問題はありますけど、その絆が弱くなってるということは思ってませんので、困ったときにお互いが助け合う、自分が持ってる食料を持ち寄って、能登の、今、自衛隊が徒歩で行かれているような地域というのは助け合われてますよね。ああいうことを島根県では期待できないというふうには全く思いません。だから、ああいう助け合いをしていただきながら、早く行政的な支援を届けていけるように努力しなければいけないということです。

 私はどっちかというと、この話というのは何かというと、能登半島で起きてる事柄ですけど、こういう事柄が自分のとこで起きたらどうなるだろうかということを想像力を働かせて、自分のとこで起きたときに生じること、生じる問題を最小限にしていくということだと思うんです。そういう意味でいくと、我々は多分、能登で起きてる問題が同じように起きてくると思って対応すればいいですけど、逆に、大都市部って大丈夫なんだろうかと私はそっちのほうで、垣花さんがおっしゃった話は、人口が集中してる地域であんな大地震が起きたときにどうするんだろうかという課題を大都市部の皆さんは別に考えなければいけないだろうっていうふうに思いますね。

 我々は道路が、土砂とか立木で塞がれるというレベルですけど、その土地を、泥をどかす、田んぼにも個別に了解取れるかどうか分かりませんけど、泥をどかす場所はあるわけです。迂回して道を通す、具体的に地権者の了解取ってやれるかどうか分かりませんけど、場所はあるわけですよ。だから道路啓開だってできるけど、東京のど真ん中でビルがぶっ倒れてるときって、道路啓開もへったくれもないですよね。だから、その手の心配というのは、どっちかというと大都市とか都市部の皆さんが具体的に考えなければいけないんじゃないかというふうに私は思います。

 そういうことを助け合うメンバー、メンバーシップ、そのメンバーが減ってるということと、高齢化が進んでるという課題というのは当然ありますけど、その間の絆が年々弱まってるとか弱体化してるというふうには思わないので、ああいう地域の絆を生かして助け合っていただいて、足りないものを融通し合って、みんなで健康なり、食料を確保してもらって、行政の支援が届くまで何とか頑張っていただくということ、これは、そういうことをやっていただかなければいけないというのは現実ですし、そういったことが年々なくなっていくということの雰囲気というのは、島根県内においてはないんじゃないかというふうに思ってます。

 

○読売新聞:読売の松田です。よろしくお願いします。

 仕事始めのときにも訓示で述べられてましたけど、いろいろこれから地震の振り返りというんですかね、対応とか、政府との対応とか、いろいろ振り返りする場面が、いろいろ教訓とか、そういった反省とかというのを生かしていかなければいけないという御発言がありましたけれども、現時点で、先ほど、これまでの質問の中でもあったと思うんですが、これまでの対応等で、島根に反映できるような教訓だったりとか、そういったもので何か今、思い浮かぶものというのはございますでしょうか。

 

○丸山知事:教訓ということじゃないんですけど、私は、能登半島の沿岸部の道路の被災状況を見ると、先ほども申し上げましたけど、道路啓開、塞がった道路を開けていくという概念が通用しない、全体地滑りが落ちて、もう何か亀の甲羅みたいになってるようなアスファルトだったり、完全にずれ落ちてる、そういう状況が発生し得るっていうこと、つまりそういう、半日とか1日かければ重機を投入して車が通れるようになるということでは済まない被災が発生し得るっていうことにどう対応していくか、要するに陸路に頼らない避難とか人員の投入といったことをやっぱりどういうふうに、今でも一定の準備はしてますけど、今以上に円滑に進むように工夫していかなければいけないなというふうに思ってます。

 

○読売新聞:なかなか今、そういう人員自体が、そういう作業ができる人員自体がかなり人手不足という状況の中で、なかなかすぐに対応は難しいところもあると思いますけども、そういったことも踏まえて、今後解決していかなければいけない課題というのは、今、現状でどういうようなことを思い浮かべますか。

 

○丸山知事:半島での被災という意味でいくと、ある意味、能登半島に比べると大分ちっちゃい半島ですので、全国の実動組織の物量からして、手に余るボリュームじゃないとは思うんです。ただ、それを投入していくのが容易じゃないというところの段差というか、障がいを滑らかにしていかなければいけないということが、能登半島にしても、人口とかエリアという意味でいけば、日本全体の物量、人員からすれば、恐らく人だけでいうと、自衛隊の方だって何万人投入できないことはないと思いますけど、それを実際入れていくということが難しいということになるので、そういう動線というか、を、陸路が難しいときのルートを、あるいは受援という言い方もしますけどね、それを受け入れるための準備もしておかないと円滑に受け入れられないでしょうから、そういう多重化をしなければいけないかなと。

 道路がそういう状況になってるときに、港が大丈夫になってるとは限らない、港は大丈夫だということじゃないかもしれない。そうすると、空路がものすごく大事な感じもしますし、だからといって、港はどうでもいいってわけじゃないと思うので、やっぱりそういう3つの線を、陸路、空路、海路といったものを余すとこなく活用していかないといけないということ、そういう認識の下でそういう半島部における震災後の救援活動をたくさんの人員、それから機材を投入して行ってもらうための環境整備みたいなものに取り組んでいかなければいけないんじゃないかというふうに個人的には思っているところです。

 

○読売新聞:ありがとうございます。

 

○NHK(川邉):すみません、能登半島地震との関連で、なかなか被災地で受入れ体制がまだ整ってないかなと思うんですけども、要請があり次第、例えば罹災証明を発行する職員であったり、県が備蓄してる備品の支援だったりというのも今進めているということでよろしいかというのを教えてください。

 

○丸山知事:要請があれば、要請に基づいてできるだけ早く対応、要請内容に基づいてなので、一定の想定はしながらですけど、準備はしているとこですので、要請があれば迅速に応援に出れるように準備を進めているところであります。

 

○NHK(川邉):ありがとうございます。

 


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