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2月18日質問項目5

5.旧海軍大社基地

○朝日新聞:朝日新聞の清水と申します。

 出雲市の旧海軍大社基地についてお伺いいたします。

 大社基地をめぐっては、研究者などのグループが戦争遺跡としての価値を認め、国史跡を目指すように要望しております。一方、出雲市が直近で保存に否定的な考えを示し、昨日の教育委員会会議で、県も同じく保存に対して否定的な見解を示されたかと思います。改めて県としての認識を教えていただければと思います。

○丸山知事:国の史跡にしようと思うと、市からスタートしなきゃいけないということですので、市のほうでそういうお考えがないということであれば、実現が難しいんじゃないかというふうに思うところであります。

○朝日新聞:昨日示された御見解でもそうでしたけれども、基本的に、県としての見解というよりは、市の意向を尊重しというような言葉も昨日あったかと思うんですけれども、県は特にそこでリーダーシップを執るというよりは、市の意向尊重というような見解になるということで。

○丸山知事:文化財保護は執行権としては教育委員会の話になりますので、私自身が直接この文化財保護の在り方としてのべき論を申し述べる立場も見識もありませんけれども、一般的に考えますと、さきの戦争をどういうふうに歴史として残していくかということは、やっぱり大枠としては政府の方針なりがないと、ここにあれがあるから保存しましょう、ここにあれがあるから保存しましょうという話でもないんじゃないかと。そういう制度になってないですけどね。

 やはりこれは、私の認識でいくと、これはたしか御厨さんという東大の名誉教授が研究を、日本政治学の研究者ですけども、この方が、自分の、たしかお師匠さんが三谷太一郎さんという方ですけども、研究として行うときのリスクとして、あまり近い年代の研究をすると、想定しない証言者が事実と違うと言われてしまうと、全てがぶち壊しになる。要するに生きておられるので、歴史として研究をする場合には、その歴史に当たるところが生存者がおられる場合に、その研究をしていくことに非常にリスクがあるぞというふうに言われたと、私、新聞の連載か何かで読んだことがあります。そういう意味で、なかなか近代、特に近い歴史を研究をしていくというのはなかなか難しいんですよ、実際。実際問題として、学者としても難しい問題なんです。

 確かにほかにないとかということはあるかもしれませんけども、それが歴史としていかほどの価値を持つのか、いかほどのお金をかけていくほどの価値があるのかということがはっきりしない中で、希少性で、希少性があるからお金をかけて残していくべきだとか調査すべきだということを個別に判断していくというのはなかなか難しいんじゃないかと。研究者としてそれぞれの方々が価値を見いだされて研究されるのは、これは自由だと思いますけども、基本的に役所がやっていくということは、みんなのお金を使ってやっていくということになりますので、そういう意味での判断が難しいわけです。

 極東裁判が行われた建物を保存していくとかというのも、文化財としてやっていくのかどうしていくのか。それはたまたま国の持ち物だから保存されてるという話なんだと思いますけど、なかなか、関係者の高齢化が進んでいるので早く保存すべきだというふうなお考えもあるのかもしれませんけども、逆に関係者がおられることで難しい面もあるんじゃないかと。そして、戦争遺産とか近代の遺産としてどういう価値を見いだしていくかということをそれぞれの県で判断していくとか、それぞれの市で判断していくというのは、言うのは簡単ですけど、実際行うとなると、まだ判断が難しい話じゃないかなというふうな感想を持っております。

○朝日新聞:分かりました。ありがとうございます。


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