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12月9日質問事項1

1.新型コロナウイルス感染症

○山陰中央新報:山陰中央新報の原田と申します。よろしくお願いします。

 冒頭、コロナの関係のことで県民の皆さんに呼びかけをされたと思うんですけれども、まず、今の全国的な感染の状況と、それから政府の対応について、どのように受け止められておられますでしょうか。

○丸山知事:第波は感染者数が注目され、第波については感染者数から重症者数を注視していくといった形で政府が方針をある程度変更されたというふうに認識いたしております。そして、この波の状況というのは重症者数が顕著に増加しているという状況、若干感染者数は最高を更新するような状況ではなくなっておりますので、もしかすると感染者数自体、これからずっと伸びていくということにはならないかもしれませんが、今のような水準が続きますと、やはり医療本体への影響が懸念され、実際に懸念が現実化している地域が多数見られるというふうに思っております。そういった意味で、深刻に受け止めなきゃいけない事態だという理解であります。

 そして、今、マスメディアを含めて、県民、国民の皆さんの関心が高いのは、GoToトラベルの在り方についてであろうかと思います。私自身は、適切な除外地域をきちんと設定して、問題のない地域間での継続、延長をしていくべきだというふうに考えておりますが、現在の政府取られている措置というのは、私がイメージしている適切な除外措置を講じるという内容からすると、大分遠い感じがいたしております。

 政府の認識は、GoToトラベルを理由とした感染者が200人台だというふうなことが大きなエビデンス(根拠)というふうに言われているように私は受け止めておりますが、東京都の昨日の数字を見ましても、感染者数352人、感染経路不明が223人で63%。そして、感染経路が分かっているうちですけども、家庭内という、実質的に感染経路不明が56人で16%。合わせて79%、8割が感染経路不明であります。ということは、感染経路不明が圧倒的に多い中で、感染経路が分かった中での数字自体が小さいことを理由とするというのに、いかほどのエビデンスがあるというふうに言えるのかという意味で、医療関係者なり専門家を含めて十分な検証が必要なんじゃないかというふうに思っております。

 そして、システム上の対応が難しいという話がありますけども、やはりキャンセル料という、ある意味ちょっと事業効果の薄いものに国費を投じるということへのためらいもあるんだと思いますが、それが正しいとしても、自粛ではなくて、少なくとも新規の出発の受付を止めるとか、そういうことは旅行業者なりオンラインでの受付の設定でできるんじゃないかというふうに素人目には考えますので、基本的に大阪府知事さんも外出自粛を強く要請されておられるわけでありますから、そういった中で、家でじっとしておられるというか、できるだけ外出を控えておられる府民の皆さんがおられる一方で、GoToトラベルを利用して出かけられる府民の方がおられるという状況というのは、本当に外出自粛をお願いして、全府民の皆さんが真摯に受け止めて対応していただける状況なのかどうかという意味で、バランスを欠いている内容だというふうに思います。そういった意味で、大阪の府知事さんが出されているような外出自粛の要請を阻害しているような状況を継続してていいのかどうかという意味で、これは多分、大阪府知事さんが今のGoToトラベルの内容をよしとされているということも含めて、政府も府知事さんも、府民の皆さんの受け止める側に立ってGoToトラベルの在り方を再度見直していただく必要があるんじゃないかというふうに思っております。

 もう一つは、そもそもの話になりますけれども、改めて私、新型インフルエンザ法を見てみました。そうすると、緊急事態宣言、これできるだけ避けたいというふうに政府はおっしゃってますけども、これはもう法律で決まってるんですね。インフルエンザ特措法の32条で、政府対策本部長、これは総理。総理は、新型インフルエンザ等が国内で発生し、その全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、またはそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるときは、緊急事態宣言をするものとするとなっております。つまり、することができるではなくて、しなきゃいけないいう規定でありますので、ある意味、裁量が認められてるとすると、その要件に該当するというふうに認めるときはというところが一つ、幅があると思いますけれども、この義務規定がありながら、今出されていない。発生はしてるわけですね。ですから、全国的かつ急速な蔓延」の全国的じゃないとは言われないと思いますが、急速な蔓延じゃないというふうに見られているのか、それとも国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすような状況にもなってないし、そのおそれもないというふうに今、政府は考えているというふうに受け止めないといけないわけであります。法律というのは国民の意思ですから、国民の認識と合ってるのかどうか。つまり、この法律に違反してるというふうに言われかねない状況の瀬戸際にあるんじゃないかというふうに私は思いますので、これは法律に基づく特措法の運用として、政府なり総理大臣が与えられてる裁量の範囲内を超えてないかどうかということを法律に立ち戻って考えていただく必要があるんじゃないかというふうに思います。経済が大事だというのは、政策論として一つあると思いますが、今施行されてる法律の内容はこうであります。この法律を改正せずにおかれているのは政府であります。この法律に基づいて行政がなされるのは当然でありますから、そういった、この法律上のやるべきことに対して不作為ではないかということで問われることがないような対応が必要なんだろうというふうに思います。

 ただ、私も、全国的に必要以上に自粛なり制限をする必要はないと思いますけども、この緊急事態宣言は区域を絞って出すことができるようになっておりますし、今の状況で日本国内にこの緊急事態宣言を出す地域は一切ないという判断が、この法律に合ってるのかどうかということをいま一度考えていただく必要があるんじゃないかというふうに思っております。なので、経済を大事にするというのは大事な観点でありますけれども、それは緊急事態の措置とか範囲をどういうふうに置くかによって、そこで裁量が与えられているわけでありますから、前回の緊急事態宣言の発動について反省される点があるのであれば、それを踏まえて改良した緊急事態宣言なり措置を講じられるという手がないのかどうかということを、具体的に考えていただく必要があるんじゃないかというふうに思います。

 私も政府で仕事をしてましたので、するものとするというのは、すなわち裁量がないというふうに教えられてきたので、そういう解釈に立てば、今の状況というのはぎりぎりセーフなのかアウトなのかという状況に近いんじゃないかというふうに思っております。以上です。

○山陰中央新報:先ほどの最後のところなんですけれども、知事としては区域を絞って緊急事態宣言を出すべきだというふうに考えておられるということでよろしいんでしょうか。

○丸山知事:私は、一般的な日本人の日本語能力からすると、今が全国的かつ急速な蔓延に該当しないっていうふうには思えませんし、蔓延はしているけど国民生活とか国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれすらないというふうにはちょっと受け止めにくい。少なくともそれが該当する地域というのは、それは厚生労働省の詳細なデータに基づいていろんな線引きをされる話だと思いますので、どこそこだというふうには申し上げませんけども、大阪がそれに当たらないのかどうかということというのは、普通に疑問を持つところじゃないかというふうに思います。大阪市と見るのか大阪府と見るのか分かりませんけどね。

○山陰中央新報:冒頭の県民に対してのメッセージというのが、年末年始は感染対策をすれば戻ってきてもいいというふうに捉えたんですけども、一方で、今、東京、大阪、札幌で不要不急の往来自粛を要請しておられると思うんですが、そことの整合性というか、どういうふうに考えればよろしいんでしょうか。

○丸山知事:それは簡単でして、東京も大阪も札幌も、外出自粛要請はされてると思いますけど、GoToトラベルが今の状況でいいというふうに、政府との折衝の結果だと思いますが、ある意味、じくじたる思いがあるかもしれませんけども、納得されているということは、外出自粛を要請しているのかしていないのか判然としない状況になっていると。不要不急の外出は求めるけども、不要不急じゃないGoToトラベルの利用があるという状況を私はイメージしにくい。どんなケースがあるんだろうかと。つまり、外出自粛要請を本気でされてるのかどうかよく分からないので、第波のときとかと違って、外出自粛要請をされてるからといっても、一方で旅行にGoToトラベルを使って行くことについて、それが認められてる状況になっていますから、恐らく府民の受け止め、その地域の方々の受け止めとしても、よく分からない状況。生活、いわゆる本当に行動をどこまで自粛してくれと言われているのかよく分からない状況なんだろうというふうに思います。

 島根県の立場から申し上げますと、そういった政府の今のGoToトラベルの状況というのは、一番感染が進んだ地域でもそういう状況であります。つまりは、県民の皆さんにGoToトラベルを利用することも、私、今は妨げておりません。自粛してくださいとも言っておりません。来ていただくことについて、県外の方に自粛してくださいとも言っておりません。そういった状況でいくと、やはり近しい御家族、御親戚がゴールデンウイークも帰れなかった、お盆も帰れなかったというときに、観光客の出入りはいいけども帰省はよくよく考えてくださいという、そのような言い方ができない状況になっている。そういう状況でいくと、やはり帰ってこられる前に、十分に気をつけて帰ってきていただくということを念入りに、県内の方から帰ってこられる方にお願いをして、それを守っていただくというところが、今、私が唯一、連立方程式で解ける限界線というところであります。今後、全国的な感染の状況ですとか島根県内の感染の状況が変わってくれば、また違う、もう一段踏み込んだお願いをさせていただくことになるかもしれませんが、今のところはこういうお願いを、2週間というお願いをしますので、もう早いうちからしとかないと、もう12月の後半にお願いできない話になりますので、今のところの状況でお願いできることをお願いしておこうというふうに考えたところであります。

○山陰中央新報:ありがとうございました。


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