渇水時の農業用淡水化プラントの整備について
【提案No.A2025-00094】8月15日受付
今夏の渇水が今後も起こりうる可能性を考慮し、宍道湖を活用した農業用淡水化プラントの整備を検討すべきではないでしょうか。
ランニングコストの問題はありますが、渇水による経済的被害を抑制できれば、検討する余地はあるのではないかと思います。
宍道湖の水を生活用水に変える装置の実演会がありましたが、農業用水でもまずは小型装置などで試行してみてもよいのではと思いました。
【回答】9月4日回答
ご提案をいただきました農業用水の淡水化プラントの整備について、実演会の状況や他県での事例などについて確認をいたしました。
令和6年9月の「宍道湖の水を生活用水に変える装置の実演会」では、1分間で2リットルの水処理ができる装置が紹介されました。これは、1日あたりでは2.88m3の量※1を淡水化出来ることになり、災害時などの生活用水としては有効な量となります。
一方、農業用水として、仮に、1haの水田で20mm/日の水を消費するとすれば、必要な水は200m3/日となり、紹介された装置で考えると機械が約70台必要になる計算となります。機械は1台あたり数百万円かかりますので、70台だと数億円を要することとなり、いつ起こるか分からない渇水用として使うには高額で、現実的な対応ではないと考えられます。
また、他県の事例では、生活用水が不足する地域※2において、大規模な海水淡水化プラントが建設され運用されているところがあります。これらの施設は、建設費が数百億円、年間の管理費が十数億円など、高額な費用がかかっていますが、日々の不足する生活用水を賄う必要があるため、行政や利用者が費用を負担しています。
しかし、通常は不足がなく数年に1回の渇水時だけに使う農業用水の淡水化プラントを建設・運用していくことは、上記のとおり、多大な費用や負担が問題になることから、現時点では、整備などについては考えていない状況です。
なお、県においては、渇水時の農業用水確保対策※3として、仮設ポンプの設置・運転、散水車などによる農業用水の運搬・補給、井戸の掘削などの支援をしており、今年度の渇水においても農業者などの皆様に活用いただいています。
※1:2リットル×60分×24時間=2,880リットル(2.88m3)
※2:沖縄県、福岡県など
※3:県単農地有効利用支援整備事業など
(農林水産部農地整備課TEL:0852-22-5021)
[この回答に対する意見募集]
■この回答に対してご意見がありましたら、こちらをクリックしご意見送信メールからお送りいただくか、teian@pref.shimane.lg.jpのアドレスまでご意見を送付ください。
また、しまね電子申請サービスのフォーム、郵便、FAXでも、回答に対するご意見を受け付けています。
ご意見を送付いただく際は、お手数ですが、上記の【提案No.】を件名欄もしくは提案内容欄に必ず記入下さい。
お問い合わせ先
広聴広報課県民対話室
島根県政策企画局広聴広報課県民対話室
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地
【電話】0852-22-5770、6501
【FAX】0852-22-6025