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小さな拠点づくり

県土の約90%を占める中山間地域では、住民が皆で知恵を出し合い、地域の課題解決に取り組む「小さな拠点づくり」が進められています。


小さな拠点づくりのロゴマーク


地域に信頼される組織へ/躍動と安らぎの里づくり鍋山

(雲南市鍋山地区)


水道検針に合わせた要支援者の見守りの様子
水道検針に合わせた要支援者の見守り


水道検針で要支援者の見守り

玄関で聞こえる「まめなかね~(元気ですか~)」の声。雲南市三刀屋町鍋山地区の水道検針では、この元気な声掛けが聞こえてきます。検針業務を行っているのは、この地区で住民主体のまちづくりを行う「躍動と安らぎの里づくり鍋山」(秦美幸会長)。毎月1回、組織の職員が検針員として地区内約400世帯を回ります。

人口減少や高齢化が進むこの地区では、災害時の備えや日頃の高齢者の見守りが課題の一つでした。住民アンケートの結果でも高齢者などへの避難支援を必要とする声が多く、これまでに、災害時に支援が必要となる高齢者や障がい者などの「要支援者」の登録や防災組織の立ち上げ、防災訓練などを実施してきました。

ただ、実際に災害が起きたときにこれらの仕組みが機能するかどうかはわかりません。秦会長は「遠く離れた子どもや孫の名前を呼んでもすぐには助けてもらえない。私たちが住民から自然と頼られる組織にならないといけない」と考えました。そこで日頃から住民と接点が持てる良い機会になると始めたのが、水道検針に合わせた要支援者の見守り活動だったのです。

訪問の際には世間話に花が咲き、長い間話し相手をすることも。「知った人が来るから安心」「ほかの住民の人たちの様子も聞けたりするのでありがたい」と好評です。秦会長は「長居をすると1日に回れる検針の件数は減るが、それよりも住民の皆さんに喜んでもらえることが嬉しい。地区外からくる人も大切だが、今いる地域住民が安心して生活できる環境を守りたい」と話します。


住民の声に応える

また、地区内には近くに買い物をする店や出掛けるための交通手段が少ないことも課題でした。買い物に不便を感じている住民のため、コンビニエンスストアと連携し、平成25年から移動販売車が地区内を巡回しています。

このほかにも、地区内の看護師資格をもつ人たちによるボランティアグループ「ちょんてご」と連携し、高齢者が集まり健康相談ができる「ちょんてごカフェ」を月1回開催するなど、住民が安心して生活できる環境を整えることに力を注いでいます。

「大きな課題がすぐに解決するわけではないので、できることからやっていく。住民を大切にし、何が必要かを考え、困ったときに頼ってもらえるようになりたい」と話す秦会長。今後は、地域住民の移動手段を確保する仕組み作りにも意欲を見せています。


「小さな拠点づくり」をサポートしています

県では、「小さな拠点づくり」に向けて、先進事例を紹介したり話し合いの進め方を助言したりするなど、市町村の職員と連携して住民の皆さまをサポートしています。


鍋山地区の特徴

●2019年4月時点人口1361人、高齢化率44%
(2049年推計人口506人、高齢化率66%)
※しまねの郷づくり応援サイトより(2014年と2019年の年代別人口変動が今後も続いた場合の推計)

●1人暮らし世帯の見守りなど災害弱者への支援が必要



水道検針と組み合わせ、無理をしない範囲で組織の職員が活動できる方法を考案


コンビニエンスストアの移動販売車と連携した買い物支援をする様子
コンビニエンスストアの移動販売車と連携した買い物支援



●問い合わせ先
しまね暮らし推進課(TEL:0852・22・5065)

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