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しまね通vol.10(特別編)

出雲市出身の映画監督・錦織良成さんが初めて石見地方を舞台に撮影した映画「高津川」が完成しました。11月29日から中国地方で先行公開され、順次全国ロードショーが始まります。今回が映画初主演となる甲本雅裕さんと、ヒロインの戸田菜穂さんが、ロケ地となった益田市内で撮影の舞台裏や島根の魅力を語りました。


11月29日公開の映画「高津川」・出演:甲本雅裕さん・戸田菜穂さん

甲本雅裕さんと戸田菜穂さんの写真


こうもと・まさひろ

昭和40年生まれ、岡山県出身。平成元年に「東京サンシャインボーイズ」に入り、劇団解散後は「踊る大捜査線」シリーズなどテレビ、映画などで活躍する。錦織監督の「うん、何?」「RAILWAYS-49歳で電車の運転士になった男の物語-」「渾身KON-SHIN」「たたら侍」などに出演。

とだ・なほ

昭和49年生まれ、広島県出身。第15回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞しデビュー。NHK連続テレビ小説「ええにょぼ」のヒロインを務めたほか、映画「夏の庭-ザ・フレンズ-」「旅猫リポート」などに出演。平成20年には大田市が舞台の映画「砂時計」で主人公の母親役を演じた。


錦織良成監督の最新作

映画「高津川」のポスター


ストーリー

人口が減少し縮小していく地域で、石見神楽を受け継ぎながら生きる人々の姿をゆったりとした高津川の流れとともに描いた作品。甲本さん演じる主人公・学と高校生の息子との親子関係や、戸田さん演じるヒロイン・陽子が直面する介護など、日常に起きる感情のさざ波を丁寧にすくい上げています。このほかの出演者は奈良岡朋子さんなど。錦織良成監督が原作・脚本を手掛けました。


強烈に胸を打つ石見の景色

甲本雅裕さん(以下、甲本):錦織監督の映画は7作目になり、これまでに県内各地へ行きました。僕にとっては、島根は「来る場所」ではなく「帰る場所」。第2の古里です。

石見は今回が初めてでしたが、全国にあるどの田舎の景色とも違う気がして、強烈に胸を打たれました。

戸田菜穂さん(以下、戸田):確かに、子どもの頃から何度も石見へ来ている私でも、高津川のきらめきや日本海に沈む夕日をあらためて見ると、その美しさは想像以上でした。今回、益田の衣毘須(えびす)神社に初めて行きましたが、砂浜に潮が満ちると海に閉ざされてしまうのがとても感動的。大好きな場所になりました。

甲本:島根は、地域ごとに全く雰囲気が違うのも面白い。隠岐は開放感があり、出雲は神秘的。それぞれ別の県かと思うほどです。


魂が受け継がれ、愛がある

戸田:撮影には、スタッフやエキストラとして、たくさんの地元の方に協力していただきました。石見神楽のシーンでは、小さな子どもがまねをして自然に踊り出したり、高齢の方も現役として役割を担い、皆さんから敬意を払われている姿を見たりすると、伝統が脈々と受けつがれている地域の姿そのものに触れたようで、思わず胸が熱くなりました。

甲本:伝統を守るのが目的ではなく、「地域が好きだ、神楽が好きだ」という思いがつながって今に続いているのが素晴らしい。受け継がれているのは魂なんだと教わりました。

戸田:この豊かな自然がそうさせるのか、島根の方は陽気で気負いがない。地域に血が通い、愛がありますね。

甲本:この「本物」の人たちに溶け込んで、本当にここで生きている人間になれるかが、演じる上での課題でした。考えてきた役作りより、地元の方に自然体で迎え入れてもらったおかげで、無理なくできたと思います。


見えないことも素晴らしい

甲本:撮影を通して地域のコミュニティーに包まれたせいか、「開けっぴろげの長屋で近所のお兄ちゃんが怒られている声が聞こえたな」とか「勉強を頑張っている人の姿が、窓越しに見えたな」とか、僕自身もそんな環境で育ってきたことを次々思い出しました。映画を見た人も自分自身に置き換えて、何かと比べたり、葛藤を乗り越えたりして生きているような、一人の人間の中にある悲喜こもごもに気づかされることがあると思います。

戸田:小さなコミュニティーにこそ、普遍的な物語がある。撮影を通して、人は一人で生きているんじゃないと、生きることの原点に戻れました。血がたぎり、感情のひだに触れるような奥深い映画になったと思います。

甲本:目に見えるもの全て素晴らしいけど、本当に見てほしいものは見えないところにある。日本全国の人の心に通じるこの映画は、高津川が舞台だからこそ撮れたと思います。(談)


映画シーン1


映画シーン2


映画シーン3


映画シーン4


映画シーン5


映画シーン6
(c)2019「高津川」製作委員会



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