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輝々(キラキラ)しまね・つくるはぐくむ地域ブランド4

活き活き!「どんちっち」の町づくり(浜田市)

渡邉祐二(わたなべゆうじ)さん:浜田市水産物ブランド化戦略会議専門部会長


地域の魅力を磨き上げ、キラキラと輝く島根のブランド。全国から注目を浴びる県内各地の取り組みを紹介します。


どんちっちの追い風が町全体に活気を呼ぶ

地域の人と話す渡邉祐二さんの写真
「地域のみんなが得をする関係づくりが大切」と話す渡邉祐二さん(中央)


県内有数の水揚げを誇る浜田漁港は、平成初期には漁獲量がピークを過ぎ、価格の低迷から往時の勢いが失われ始めました。また、ここで捕れた魚の多くが県外で干物に加工され、その土地の特産品として販売されていたことも、浜田の魚が高く売れない原因の一つでした。

「このままでは町の基幹産業がだめになってしまう」。危機感を募らせた生産者や流通・加工業者、漁協、行政関係者らは平成14年に「浜田市水産物ブランド化戦略会議」を組織。「浜田産」のネームバリュー回復に取りかかりました。


数値で「うまさ」裏付け

ブランド化において最も重要な浜田漁港の“顔”には、東京・築地市場に販路のあるアジ、干物生産量が日本一のカレイ、人気の高級魚ノドグロを選定。漁獲時期やサイズの規格を定め、石見神楽のお囃子(はやし)にちなんだ「どんちっち」のブランド名で売り出すことを決めました。

なかでもアジは、おいしさの指標となる脂質含有量が高く、他県産との差別化を図るために全国平均脂質4.5%を大きく上回る10%以上に規格を設定。「味の良さを科学的に裏付けるのは全国でも例がない。肉でいえば霜降りのようなアジは、関東の嗜好(しこう)に合うはず」と考えた戦略会議専門部会長の渡邉祐二さんは、情報発信力の高い築地へ売り込もうと決意しました。

自信をもって向かった築地。しかし無名のブランドはそもそも相手にすらしてもらえませんでした。魚を誰がいつ、どこで捕り、どう流通したかという履歴を開示して品質管理も徹底しましたが、反応は今ひとつで、地元でも「魚のパックにブランドのシールや証明書を付けたぐらいじゃ、売れ行きが変わるわけがない」と、なかなか協力を得られませんでした。


築地から評判が広がる

しかし、「味の良さを科学的に裏付ける」という戦略に間違いはありませんでした。転機は2年後。光の照射で瞬時に脂質量が測れるハンディ式の脂質測定器を県水産技術センターが開発したのです。

再び築地に乗り込んだ渡邉さんは、卸業者の目の前で脂質量の測定を実演。「脂の乗りがその場で、高精度で証明できるのはインパクトが強く、ようやく興味を持ってもらえたんです」。

築地市場で認められ、飛ぶように売れるようになると、どんちっちアジの名は各地に広まり、価格が上昇。ノドグロやカレイにも注目が集まり、浜田漁港のブランド価値は確実に高まっていきました。

地元水産関係者の理解も得られるようになり、11団体で発足した戦略会議は現在136団体にまで増えています。


裾野を広げて浜田の魚PR

どんちっち人気を追い風に、浜田市は、アナゴやウチワエビ、バトウなど26種の水産物を「浜田港四季のお魚」に選定し、消費拡大に取り組んでいます。「浜田漁港では一年を通じ、多種多様な新鮮でおいしい魚が水揚げされています。トップランナーであるどんちっちをきっかけに、浜田漁港全体の魅力を知ってもらいたい」と渡邉さんは話します。

首都圏では飲食店と協力し、浜田の魚を味わうイベントも開催。“浜田ファン”を開拓しながら、次の一手の模索を続けています。


再生のキーワード

  • 官民が一体になってブランド化に取り組み、街全体で利益を共有
  • 情報発信力の高い築地に狙いを定めて売り込みを強化

アジの脂質含有量を測る渡邉さんの写真
アジの脂質含有量を測る渡邉さん


活気ある浜田の市場の様子の写真
若い世代も増え、活気ある浜田の市場


東京都内で開催した浜田漁港の魚のPRイベントの様子の写真
東京都内で開催した浜田漁港の魚のPRイベント


浜田漁港の写真
浜田漁港


「どんちっち三魚」「浜田港四季のお魚」をPRするパンフ等の写真
「どんちっち三魚」「浜田港四季のお魚」をPRするパンフ等



●問い合わせ先
浜田市水産物ブランド化戦略会議〔事務局・浜田市水産振興課〕(TEL:0855・25・9520)



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