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島根から世界に挑む・金属素材のグローバル拠点創出へ

日本古来のたたら製鉄が息づく島根県で、産学官金を挙げたビッグプロジェクトがスタートしました。超耐熱合金の世界的な権威を招き、島根大学に「次世代たたら協創センター」を設置。県内企業の力も合わせて「先端金属素材の聖地・島根」の創出を目指します。


たたら製鉄の様子・機械・島根大学の写真
公益財団法人・日本美術刀剣保存協会提供(写真左)


たたら製鉄の技術やノウハウを受け継ぎ、超耐熱合金などの特殊素材や新技術の開発を進めている県内特殊鋼企業と、原子レベルの材料解析技術を生かして金属の構造解明に取り組む島根大学。それぞれが蓄積した知見を相乗的に発展させて、若者に魅力ある就学・就業の場をつくり、地方創生を推進するプロジェクトが「先端金属素材グローバル拠点の創出−Next Generation TATARA Project−」です。このプロジェクトは、昨年度、全国で7つの自治体のみが採択された内閣府の「地方大学・地域産業創生交付金事業」の一つで、航空エンジンやモーター用素材の研究開発・生産拠点の整備による関連産業の強化と新産業創出、これらの産業を支える高度専門人材育成の好循環により、地域の活性化を目指します。総事業費は平成30年度からの5年間で約60億円を見込みます。

事業責任者を務めるのは日立金属の佐藤光司社長。安来工場など、長年の島根での勤務経験や、グローバルな技術動向への知見、豊富な人脈を生かして事業全体をマネジメントします。

研究開発と人材育成で中心的な役割を担うのが、昨年島根大学に設置された「次世代たたら協創センター」。センター長に英国オックスフォード大学のロジャー・リード教授を招き、コンピューター計算を駆使した合金設計など、世界トップレベルの研究を通じてエキスパートとなる人材を育てます。また、加工実習などで即戦力を育成する松江工業高等専門学校とも連携し、単位互換制度の導入等により理論と実践の両方を学べる環境を整備します。

※「地方大学・地域産業創生交付金事業」・・・地域の中核的産業の振興や専門人材育成を行う優れた取り組みを国が重点的に支援。地方を担う若者が大きく減少する中、地方大学と地域の産業界との連携により、地域の特色を生かした若者にとって魅力ある地域づくりを目指す。

先端金属素材の聖地「島根」の創出を説明する図


若者の可能性を最大限に

ロジャー・リード・センター長の写真
次世代たたら協創センター/ロジャー・リード・センター長


−センターをどのような拠点にしたいですか。

電気自動車や航空エンジンに必要な次世代の材料を作りたいです。また、そのために必要な若者を育てていきたいです。

−島根の金属産業界が世界に挑戦するには何が必要ですか。

本当に大切なことは、未来を担う若者への教育です。我々教育者が若者の持つそれぞれの個性や能力について理解し、若者の可能性を引き出せるよう手を差し伸べることができれば、彼らは成功できます。若者を勇気づけ挑戦させること、これが一番重要です。

−今後の産学官金連携はどのようにすべきでしょうか。

社会がどのような問題に直面しているかを大学に理解してもらうには、産業界が大学と連携することが重要です。行政機関には、若者のために資金を確保する役割があります。これはとても重要な役割です。

産学官金が連携し、モーターや航空エンジン部品などの世界中の企業に販売できる価値の高い製品を作る若者を育てなければなりません。そうすることで、富が生成されるのです。日本が常にものづくりの分野で強いのは、日本の製品が高品質だからです。このことは続けられなければなりません。日本で、世界の他の人には作ることができない製品をつくることを意識するべきです。

−島根の小中高生、大学生には何を伝えたいですか。

決してあきらめないことです。どこの出身であるとか、どんなに貧しい環境の出身であるかに関わらず、自分の夢にたどり着くことは可能です。一生懸命に勉強し、働けば素晴らしい結果を得られます。自分の好きなことを追求してください。


島根で世界を変える研究を

佐藤光司・日立金属社長の写真
事業責任者/佐藤光司・日立金属社長


世界三大航空機エンジンメーカーのエンジン製造には日本企業も参画しており、超耐熱合金は、この素材として用いられます。この合金は、ほとんど海外から購入していますが、このプロジェクトで国産化ができれば、世界の注目を集めることができます。

また、環境対策は、世界で最も重要な課題の1つです。世界の電力の約半分がモーターで消費されると言われていますので、我々のもうひとつの取り組みであるアモルファス合金を使ったモーターの製造技術開発によって高効率なモーターが開発できれば、世界の省エネに役立ちます。

たたら製鉄は、かつて自然との共存を実現していました。そこからつながる特殊鋼の「ものづくり」で、次世代の環境に親和する製品を生み出す仕事をやっていきたいと思います。

島根が日本のみならず、世界で認められるには、人づくりが一番大切です。そのための基点となるのが島根大学です。優秀な先生方に、世界トップレベルの人材が加わり、世界と肩を並べて戦える体制が整いつつあります。胸を堂々と張って研究に取り組み、世界を変えてほしいと思います。



●問い合わせ先
産業振興課(TEL:0852・22・6740)



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