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8月10日質問事項5

5.三江線
○中国新聞:済みません、JR三江線の関係なんですけども、先日、8月1日に沿線の市長が、沿線の首長さんがJR西日本の本社に行って、社長と話し合って、JR西日本としては9月1日の期成同盟会の総会で廃止の方針と見られてますけども、それを正式表明するというふうに言われてますけども、今、知事として、現状どういうふうに整理されていますか。
○溝口知事:これは、三江線をどうするかということは、長年懸案で来ておるわけですが、昨年の経緯を若干話しますと、10月にJR西日本の米子支社長から沿線6市町の首長に対しまして、利用者ニーズに、より合致した持続可能な地域公共交通構築に向けた検討をしてはどうかという申し入れがあって、じゃあ、やりましょうということで、検討会議をつくられて始まったわけですね。申し入れにあったときの先方の理由は、拠点間の長距離大量輸送という鉄道の特性が発揮できてないと。それから、通院、買い物等の市町村内で完結する少量かつ多様な移動というものが鉄道利用の実態ですと。それから、活性化の取り組みをこれまで何度もやってきたわけですけども、利用者の減少に歯どめがかかっていないと。そんなこと、それから平成18年、平成25年に大規模な自然災害があって、今後も災害が発生して、その修復のためのコストとかもかかります。こういう中で、三江線をどうするかということについては、やはりJRと地元が話をしていかないと進まないということで、6市町の期成同盟会で、双方とも白紙の状況であれば、協議をしましょうということで協議が始まって、ことしの2月に検討会議が設置をされたんですね。その検討会議には、沿線6市町の課長さんクラスと、それからJR西日本支社の人、それから広島県は実務の担当者ということで、大体課長クラスが会議のやりとりをよく見るということで入って、その検討会議は10回、会議を重ねて、期成同盟会への経過報告書をつくったわけですね。その中には、どういうことを検討したかというと、現状と課題をまず整理をする。それから、鉄道としての存続の可能性をチェックをする。それから、新交通プランの可能性ですね、どういうやり方があって、どういうコストがかかるかというのを検討しましょう。そうしたものを比較検討しながら、総合的な論点整理をしましょうということで、検討結果が出てきたわけであります。
検討結果を見ますと、利用者、輸送密度といいますけども、1キロ当たりの鉄道に乗る人たちの数でありますが、年々減少してきていると。それで、2番目に、仮にJRでなく、自治体が関与する形、三セクとか上下分離などで鉄道を存続する場合にどういうことになるのか、いろいろ研究もして、年間8.5億円ぐらいの赤字を埋めるための財源が必要だというようなことがあり、じゃあ、それをどのように手当てするかといった問題もある。それから、一方で、バス転換した場合も、ルートによって三江線の駅を経由しない箇所が生ずる可能性もあり、慎重な検討も必要だということで、鉄道、バス、それぞれのメリット、デメリットがあるといった検討結果で、結論が出てないということですね。いずれにしましても、こうした論点を十分に検討して、沿線6市町、すなわち期成同盟会と広島、島根両県とで、JR西日本を交えて、さらに詰めなきゃいかん、こういう状況にあるということであります。
その中で、6市町、島根県のほうでも住民の方々の説明会をずっとやってきたりしまして、そういう中で、住民の方々はやはり何とか残せないかという要望もあり、そういうことがあって、8月1日に沿線6市町の首長、議長がJR西日本本社を訪ねて、社長がかわりましたから、来島社長に会って要望されたということが今回の状況ですね。
それで、JRの来島社長からは、要望等への回答ですね、というよりも、今まで検討会議でいろんな案を出してきたわけでしょ。それに対して、JRとしてこういう考えですというのを9月1日にお伝えをするという発言があったというふうに我々は報告を受けております。そういうことで、6市町の考えだとか、あるいはこれまで検討してきた研究、検討結果なども参考にしながら、これから6市町、JR、我々も関与を必要に応じてやってまいりますけども、やっていくと、こういう状況であります。
 

 

○中国新聞:その9月1日にJRのほうから要望への回答という形、考えを表明されるということなんですけれども、その辺のことについては、県のほうからはどういうふうに確認をされたのか、JR西日本のほうからあらかじめあったのか。
○溝口知事:それは、6市町のほうから連絡を受けたと、こういうことでした。ということでありますが、広島県も我々も検討会議には入ってきたわけでありまして、我々のほうも、JRのほうも、何らかの形で、9月1日の前にでもお考えを聞くとか意見交換するとか、そういうことはしなければいかんだろうというふうに考えてますが、まだそこら辺どうするか、決まっておりません。
○中国新聞:それは何か県のほうからJRのほうに行かれたりとか、あるいは担当の方呼ばれたりとかということですか。
○溝口知事:いろんな形があると思いますけども、やっぱり6市町とJRと我々も検討会のメンバーですから、それをやっていく必要があるかなというふうに思ってます。
○中国新聞:時期的にはお盆明けすぐにでもということですか。
○溝口知事:そうですね、もうお盆ですから、盆明け以降でしょうね。
○中国新聞:実際15、16日あたりから、もう9月1日までほとんど時間がないですから、できるだけ早くということですか。
○溝口知事:会う時間はあると思います。
○中国新聞:県として、その9月1日のJR西の表明について、意図がどの辺にあるということを向こうに聞いたりとかはしてないんでしょうか、現状、現時点。
○溝口知事:それはJR自身が6市町に対してしなきゃいかんでしょうね。
○中国新聞:あと、先ほどおっしゃった経過報告書の中にあった、三セクとか上下分離であるとか、自治体関与する形での鉄路存続について、費用負担がいろいろありますよということなんですけど、江津とかで開かれた説明会なんかでは、行政のほうからこういう負担を出すのも現実的には厳しいというふうに行政側、自治体の側から言ったりとかというやりとりもあったようなんですけど、県として、例えば沿線の重い負担というのを考えたときに、県のほうはどういうふうにその負担を考えるんですか。
○溝口知事:そこは、やはり6市町の中でよく議論をしなきゃいかんでしょうね。
○中国新聞:県としてこの8億何千万とか言われている負担を、例えば県がかぶったりということは現実的には難しいんですか。
○溝口知事:そういうことは別として、結局利用に見合った負担なのかというのが一つの大きなポイントでしょうね。
○中国新聞:というと。
○溝口知事:住民の方々も結局自分たちがお金を直接出すわけじゃありませんけども、何らかの形で市、町の財政に対する負担ということで、負担かかってくるわけですよ。だから、そこら辺はなかなか理解しにくいところでしょう。そこはやはり6市町の中でそうした議論もしなきゃいかんでしょう。
○日本経済新聞:それは、県としての考え方なんですけれども、6市町が議論して、現実的に三セクでも補助金でもいいんですけど、入れるという方向になったときには、県はそれは否定しないんですね。県としても補助裏負担を出していくということですよね。
○溝口知事:やはり地域交通を維持するというのは、鉄道であれ、バスであれ、あるいはハイヤーを、タクシーを使うようなこともありますけども、そうした特に中山間地域などにおいては、これまでも支援をしております。それはそういうそれぞれの事情があるということでありまして、県が全部負担をするというようなことはできませんね。
○日本経済新聞:いや、全部ではないと思いますよ、全部ではないですけど。
○溝口知事:それはほかの地域との関係もありますし。
○日本経済新聞:ただ、今おっしゃったバスとかハイヤーとか、だから鉄道じゃなくってもあり得るし、それを県が補助することもあり得るということだと思うんですけれども、現実問題、私が知っている限りで、隠岐汽船の場合には船を買うときにお金を入れてますし、それから、あそこ、一畑に関していうと、上下の県の話ですよね。
○溝口知事:そういう実例はあるわけですね。
○日本経済新聞:ですから……。
○溝口知事:ある意味で、似た性格の県の支援というのはあるわけでして、そこはやっぱりそういうものも加味しながら、どこまでできるかというのは、議会の論議もあるでしょうし、県民の意見もあるでしょうし、そういうことをよくお聞きしてやっていかなきゃいけませんね。
○日本経済新聞:ただ、その場合に、特に一畑に関していうと、鉄道というものを残して、それに対して補助をしてますけれども、今回は鉄道じゃなくって、ハイヤーとかバスとかでやっていくということですか。
○溝口知事:いや、結局輸送密度と関係するんですね。いや、話を聞いたところによると。一畑電鉄が1,700人ぐらいですよ、1キロ当たりの輸送の数がね。それで、松江市、出雲市、それで県が負担をしているということですが、三江線は今この輸送密度が50人ぐらいですからね。1,700人いても赤字になるようなこともありますしね。いずれにしても、全体をよく見て、公平な取り扱いをしていくというのが我々の責務ですよね。
○中国新聞:済みません、確認させてください。9月1日までの沿線の、あるいは島根県と広島県の動きとして、どういったことが想定されるんでしょうか。
お盆明けから実質2週間程度しか時間がない中で、どういう、今説明会をやってますけども、それが終わった後にどういうような……。
○溝口知事:回答があっても、すぐそこで決着つくというわけにもなかなかいかないでしょう。関係者は多いですから、理解をそれぞれがする、合理的な対策が皆さんに受け入れられるというのに、また一定の時間を要するんじゃないかというふうに思いますね。

○山陰中央新報:済みません、この問題、知事はかねて6市町の意向を最大限尊重するということで言っておられて、先ほどその結果として、自治体負担による鉄道の存続とかバスとか、いろんなやり方が今後の可能性としてありますけども、いかなることになっても、県としての支援メニューとしては、割合はさっきおっしゃったように全部ということはできませんけども、全県的な公平性とか県民の利用の状況を見ながら、そこは意向に沿った形で支援をするというスタンスには変わりないというふうに受けとめたんですが。
○溝口知事:ええ、公平な、それは人によっていろいろ違いますからね、基準が。そこは難しいところですけども、議会ともよく相談しながらやっていかなきゃいかんと思いますね。
○山陰中央新報:それから、先ほど9月1日の総会の前に、県としても意見交換をJR側ともする必要があるというようなお話がありましたけども、これは知事御自身でされるのか、それとも担当部長クラスでされるのか、そのあたりは。
○溝口知事:まだ決めてません。
○山陰中央新報:決めてはない。
実際にどういったお話をお聞きしたいというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
○溝口知事:今まで、今年の2月から6市町とJRがいろんな検討してきたわけですね、どういうふうにしたらいいのかと。そういう中で、選択が幾つかあるわけでして、そこら辺を一体どう考えるのかということでしょう、JRが。
○山陰中央新報:いわゆる論点整理してきたことに対する……。
○溝口知事:ですね。
○山陰中央新報:デメリット、メリットに対する。県としてもいわゆる9月1日に表明を何かしらのことをJRがするんで、その前にちょっと頭の整理というか、そういうこともしておきたいというような……。
○溝口知事:こっちからも伝えなきゃいかんでしょうね。
○山陰中央新報:はい。
○溝口知事:6市町と検討会を設けて対応策を練ってきたわけですから。
○中国新聞:今のは、どういうことをこちらから伝えるということですか。
○溝口知事:いろんなオプションがありますけども、やはりJRがどのような関与ができるのかとか、あるいはJRの考え方があるでしょうね。確認をするといいますか、いろんなことを言われてますけども。そういうことを中心でしょう。
住民の方々に理解ができるように、やっぱり努めてもらう必要があるということも大事なことだと思いますね。

 

 

○中国新聞:じゃあ、ちょっと先ほど三江線の問題にちょっと戻りますけども、その9月1日前にでも意見交換するというのは、県とJRだけで、6市町は交えないんでしょうか。
○溝口知事:そこら辺も含めて、考えてません、まだ。
○中国新聞:じゃあ、それで、こちらでやるか、大阪でやるかというのも今からということですね。
○溝口知事:そうですね。まだまだです。

○中国新聞:それと、9月1日にかなり厳しいというか、廃線への表明がなされるんではないかというのもあるんですけども、県としては、廃線になるか、廃線への表明になるのか、それとももう少し協議を続けましょうとJRがやっぱり言ってくるのかというような形で、ある程度想定をされているんではないかなとは思うんですけども、その想定に対する対応というか、そういうものはもう事前にいろいろ協議されてるんでしょうか。
○溝口知事:まだ何もわかりませんね。
○中国新聞:ということになると、ある程度、9月1日のJRの回答を見ての、言っては、言い方悪いかもしれませんが、出たとこ勝負というか、そういう形……。
○溝口知事:いずれにしても、三江線どうするかというのは、2月の検討会議でいろんな案を出してやってきておるわけですよね。そういうものを参考にしながら、どうするかということを考えていくということになるでしょうね。だけど、今の段階で、JRは正式にこうだといったことを言ってるわけじゃありませんからね。
○中国新聞:また、もう一ついいですか。県としては、6市町の中でも今住民説明会があったりして、首長の意見もいろいろな、ちょっともう難しいかなという考えの方もいらっしゃいますし、まだまだ諦めないという方もいらっしゃいますし、6市町の中でもちょっとばらばらなんですが、県としてどのように調整というか、取りまとめていくというか、やっていくんですか。
○溝口知事:それは今の段階では、こうする、ああするというのを言える段階じゃないですね。
○中国新聞:では、6市町がまとまって、こうしてほしいということを言ってくれば、前回の知事会見と同じ質問なんですか、言ってきた段階で、知事としてというか、県としてサポートするなり、先ほどの補助金の助成の話もそうですが、どういう考え……。
○溝口知事:今仮定の話を答えるわけにいきませんね。
○中国新聞:9月1日のJRの表明が厳しい内容、これまでもずっとJRは存続は厳しいと、鉄路存続は厳しいと言ってきてるわけで、そうした内容が当然予想されるとは思うんですけども、そうした場合に、やはり住民の中から、例えば検討会議で10回重ねた、その経過報告書が出ている。ただ、先ほど知事も言われたように、それは結論は出ていないわけですよね。その中で、廃止とか、そうした方向性というのが強く出てくることに対して、やっぱり納得できないというような人も恐らく出てくるとは思うんですけど、そうした意見をちゃんと踏まえてほしいというようなことを今度意見交換会……。
○溝口知事:やっぱりそれは、それぞれの6市町でまず対応される必要がありますよね。どうされるか。
○中国新聞:その意見も尊重してほしいということも次の意見交換会では当然……。
○溝口知事:あんまり具体的なことは、不確定な要素がたくさんありますから、誤解を招いてもいけませんので、そこら辺の話は申し上げません。
○中国新聞:それと、県は6市町と協議をきちんとしているんでしょうか。だから、いうのも、あくまでももうほとんど6市町の期成同盟会のほうでやっていて、県のほうはちょっと一歩引いた感じで、言い方悪いですけど、これも、外野にいるというか、はたから見てるというか、中に一緒になって議論してるようにはちょっと見受けられないように思うんですけど。
○溝口知事:それは検討会議は一緒になってやってますからね。
○中国新聞:それは、意見の取りまとめはされてるというのはよくわかりますが。
○溝口知事:いろんなことで一緒になってやってますよ。いずれにしても、そういう実際的な検討をしないと、何をするか、どうしなきゃいかんのか、状況がどうなのかというのはわかりませんからね。それは、県もそういう形でやっていこうということで、一緒になってやってます。

○中国新聞:済みません、もう一回三江線の話なんですけども、先ほど知事述べられた中で、例えば利用に見合った負担であるとか、それから輸送密度に関すること、一畑と比べての話も出されましたけども、そのような話から受けとめるに、若干三江線の鉄道廃線やむなしというようなほうにお考えが多少寄っているのなかというふうに受けとめたんですが、その辺はいかがですか。
○溝口知事:それはありませんね。これはやはりいずれにしても今まで検討会議でいろんなことを検討してきましたから、それの中でどう対応するかという問題でしょう。
○中国新聞:じゃあ、まだまるっきり白紙というか、新交通プランにも寄ってないし、廃線にも寄ってないということでよろしいですか。
○溝口知事:そういうことですよ。


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