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知事定例記者会見(1月22日)

質問事項

1.地方公務員の給与削減について

 

○中国新聞

 済みません、よろしいでしょうか。

 国の地方交付税の話なんですけども、国家公務員の給与を7.8%削るということで、震災の関係でですね。で、地方向けの交付税を圧縮して、地方の公務員給与を下げさせようというような今、動きが出てますけども、島根県の場合、昨年度まで独自に給与カットをしてたと。今も管理職は残ってますけども、そういうこともありまして、国の来年度予算の重点要望の中でも、今、その中の一部に地方の実態を考慮するとともに、一方的な交付税の削減を行わないことというふうに要望されてますけども、まず率直に今の政府の方針に対して知事の受けとめをお願いします。

 

○溝口知事

 国の7.8%の引き下げは、2カ年にわたって行うと、こういうことですね。法律が通って、それに基づいて実施をするということであります。国の給与水準も地方公務員の給与を決める際に人事委員会なども参考にはいたしますけども、人事委員会の方からの、昨年、一昨年の秋の人事委員会の中ではそういう観点からの勧告とかはないわけですね。官民比較、そして地域給を導入するといったようなことがあったわけです。今回の国の措置は、2年間の特別な措置として行うということでありますから、国全体の給与の体系が今度も継続していくというようなものでありますから、国全体の財政にかかわる問題ですけども、国、地方と分ければ、国の財政自身も赤字国債、特例公債を発行して厳しい状況にありますから、そういう中で財源確保を行うというのも、そういう一つの財源の確保の方途として導入されているわけですね。そういうことでありますから、それとの対比でいえば、地方団体によっては、その地方自治体の状況によって、これまでも、島根県もそうですけども、ほかの地域によっても人事委員会の勧告を超えて給与のカットを行うといったようなことはやってきているわけですね。そういう意味で、国、それぞれが必要な情勢に応じて対応していると。地方の場合は人事委員会の勧告を受けて、その上で職員の理解も求めながら実施をしているわけですね。したがいまして、国が2カ年、国としての歳出の財源を確保するためにしているから自動的に地方もしなさいとか、事実上、強制をするようなやり方というのは、やはり国、地方の関係において適当でないというふうに私は考えていまして、こういう問題につきましては、総務省とか財務省とかにも上京の折などに話をしております。知事会としては、そういう観点から、最初は1月の15日でしたか、国、地方の協議の場というのができましたね。そこで財務大臣あるいは総務大臣等に申し入れをしていますね。それは、協議の場に出るのは町村会の代表、市長会の代表、知事会の代表が出てやられましたね。そこで大体、県では京都の山田知事会会長がそういう趣旨で発言をされておりますね。政府部内におきましても、総務省と財務省との間で話はされているようでありますね。明後日、知事会もこの問題もあり、予算編成がおくれていますから、11月ぐらいにやる知事会として開催されますから、そういう場でも今言ったような考え方を伝えたいというふうに思います。

 

○中国新聞

 補足ですけども、今言われた事実上、強制するようなやり方は国と地方の関係において適当でないというとこなんですけども、そこの、なぜそう思われるのかという一番のポイントのところを、ちょっともう少しおっしゃっていただいてよろしいですか。なぜ適当でないのかという、国と地方の関係が......。

 

○溝口知事

 それぞれ独立した、いわば機関と申しますか、ですから、それぞれ地方公務員の給与につきましては、我々は地方公務員法でしたかな、の中で規定をされ、人事委員会が勧告をして、人事委員会の勧告に基づいてどういうふうにするかというのを各自治体の執行部が、知事なりが判断して議会に、改正する場合は条例を提出して、議会の承認を受けてやるという仕組みになっているでしょう。国と地方、じゃあ国と全く関係なくやっていいかということじゃなくて、地方公務員の給与についても国の公務員の状況等も勘案して人事委員会が勧告してきますからね、そこはそういうことで配慮されているんですが、少なくとも人事委員会の勧告にはないわけですね。ただ、自治体においても、それぞれの自治体の事情によって、人事委員会の勧告どおり給与を決定すると、その自治体の財政そのものが円滑に回転していかない、困るといったようなときには、執行部等が、議会がやることもあるかもしれませんが、執行部が給与条例の改正に際して、人事委員会勧告よりも下回る案を議会に提出すると。それで議会の承認を受けてやりますから、だから、国の措置は、今回は2カ年ですけども、実際に下がっているわけですね。そうすると、国が例えば補助金、国庫負担金として地方に支出するものとして、例えば小・中学校の先生の給与なんかありますね。それは要するに国が下げるわけですから、それを下げますといいますと下がり、それで、それからそれに基づいて地方の公務員の給与単価の推移を、例えば地財計画をつくるときに入れて、基準財政需要が低くなりますと交付税なんかが下がりますね。そうすると事実上、強制をするようなことになるでしょう。

 

 そういうことが一つですし、それから現実の問題としても、来年度の給与については、秋の人事委員会勧告に基づいて給与条例ができて、それに基づいて支給をしていきますね、4月から。国の方は、じゃあ、例えば教職員の給与が下がったものとして来ますと、下げないと財源そのものが減るということになりますね、自動的に。あるいは交付税も減るということになると。いわゆる事実上、国の施策を地方にやや強制という言葉はあれでしょうが、押しつけるような格好になるでしょう。それはやはり地方自治として適当じゃないと。

 そういう観点から、きょうの報道なんかでも、若干そういう調整を図る動きもあるようですけども、いずれにしても合理的な、適切な対応がなされるよう、私としても知事会を通じ、あるいは直接もありますけれども、国に適切な対応を求めていきたいというふうに考えております。

 

○中国新聞

 よくわかりました。

 あと、ほかの理由として、県が独自に、特に知事が就任されて、財政健全化いうことで力入れてこられる中で、平成20年から4年間は集中改革期間ということで、カットの幅もふやしてやってこられたということもあるんですけど、そういう何か地方が今まで島根県として独自にやってきたというところ、そこについて、何か今回、今までだから簡単に言うと国より島根の方が下回ってた......。

 

○溝口知事

 ちょっと低かったわけですよね。

 

○中国新聞

 わけですけど、国が下がって逆転したからといって、下げろというのはどうなんかという思いはありますか。

 

○溝口知事

 いや、思いというか、それを強制するのはおかしいでしょということを言ってるわけですね。思いというよりも、国、地方の関係、いろんな法令等で記載、記述されているわけですけれどもね。

 

○中国新聞

 ということは、あくまで県の職員給与というのは県が主体的に財政状況に基づいて決めるべきものであるというような認識。

 

○溝口知事

 財政状況とか、あるいはやっぱり国家公務員の給与水準もありますよ、それから地域の給与もありますし、そこら辺を総合的に勘案して決めて、通常であれば、普通の財政が健全な状況であれば、人事委員会の勧告にのっとってやるというのが普通のやり方ですね。ただ、財政状況等が悪いときには、そこは申しわけないけども、職員の方にも理解を得て、特例減額といったことも行うということなんです。

 

○中国新聞

 もし今の方針のまま地方交付税が削減されるとすれば、先ほど言われましたように、事実上、給与を下げないとほかの政策に充てる経費が減るということになりますから、事実上、強制しているようなものなんですけども、そうした場合に、今定めてますけども、来年度の給与を。そこからさらに削減するということも検討はされるんでしょうか。

 

○溝口知事

 そういう、今の段階でどういうことになるかわかりませんから、そういうことは考えていません。いずれにしても、当座はまだ調整、政府の側との調整も行われておりますし、各地方団体からも国に対していろいろ要請していますから、そういう中で、国が適切に対応するように求めていくということが先決でありまして、総務省などにも話を聞いておりますけれども、総務省も一応立場はよく理解されていますから、調整が進むように我々もバックアップしていきたいということで、こうなった場合にこうだというのを今言うのは余り適当でないですね。

 

○中国新聞

 まとめますと、まとめというか、知事の発言を受けてお伺いしますと、国の財源を確保するために国家公務員の給与を下げて回すという行為は、それは国の財源確保のあり方としてあるけど、それを地財の方に持ってきて、今、ちまたでは6,000億円と言われていますけど、その地方交付税を引き下げる、圧縮する理由にしてはならない。それに対しては今、きょうの段階で、知事はそれには反対するということでよろしいんでしょうか。

 

○溝口知事

 はい。

 

○毎日新聞

 改めて追加で、先ほど質問にもありましたけど、既に地方の方が先に給与の削減なんかで努力をしているという部分もあると思います。他の都道府県の知事さんの中でも、埼玉の上田知事も1月に入って会見でおっしゃっているようなんですけれども、国はこれまで事実上ゼロ、改革的にゼロになっているのに、我々が先行してやったときはついてこず、ちょっと調子がいいんじゃないかというように国を痛烈に批判してらっしゃるようですし、山形の吉村知事も同じような発言をしてらっしゃる。さらに橋下徹市長に至っては、国の削減は不十分で、鼻くそ改革だというようなことまでおっしゃってるようなんですけれども、そういう地方の努力と国の努力と比べてみて、国は努力不足だというふうには思われますか、どうですか、その辺。

 

○溝口知事

 そこはいろんな指標がありますからね、そういうことよりも、島根県ですと島根の必要性に応じて特例減額というのを実行したり、あるいは財政健全化の対応をとってきましたけれどもね、それをやっているから国がどうだというよりも、私の考えは、この国、地方との関係、手続、あるいは地方公務員の給与の決め方等に照らして適当でないということです。地方の中では、そういうことをしなくてもいい団体もあるでしょう。あるいは国が言われるように、地方といっても一つの固まりじゃないわけですよ。2,000か3,000近い団体があって、それぞれ事情が違いますね。国の方は、国、地方の給与水準でラスパイレスなんかで見ると、高い団体もあるといったようなことも言っていますが、それは高い団体もあっても、それはその団体の運営の問題でありましてね。だから、あるいはこの島根県などはかなり給与のカットを長年続けてきたわけですね。それはそれぞれの必要に応じてやることであって、やっているから国につき合う必要がないということではなくて、それよりも、やはり国、地方の関係、あるいは地方公務員の給与の決め方、そういう原則に照らし、そして、今回で見ますと、いずれにしても地方と事前に相当の話があってやっている話じゃないですね、急遽出てきた話でしょう。だから、そこら辺はやはり地方の声をよく冷静に聞かれて判断されることが必要だというのが私の主張です。

 

○毎日新聞

 県庁の職員の方、一部お話聞いたりしても、やっぱりこれから削減というのは非常に厳しいという悲鳴みたいな声を言われる方もいらっしゃったんですけど、私聞きましたら。そういう意味で、職員の方のお財布という意味ではなく、やはり県全体の経済という意味から見て、これ削減があった場合というのは何か影響は出ると思いますか。

 

○溝口知事

 そういう仮定の話については、今は申し上げません。

 

○毎日新聞

 可能性はあると。

 

○溝口知事

 いや、そこら辺は、そういう今、仮定の話については、どういうことになるかわかりませんから、あんまりどういうことを考えたらいいかというのは、よく考えます。

 

○中国新聞

 ただ、仮定の話と言われますけども、事実上、もう圧縮方針というのが今出てるわけで、これがもし通ってしまうと、県としてもほかからその財源を持ってこないと、その給与を保つことができなくなるわけですから、例えば県としてどういう影響が出そうだから反対ですとか、そういうことを言われるのは仮定の話じゃないんじゃないかなと。

 

○溝口知事

 いや、そういうことよりも、やはりこういう問題は筋の問題が大事なんですね。あるいはそういう国と地方との関係について正しいやり方をやっていくと。

 

○毎日新聞

 だから、そういう筋の問題のところで、筋を通さずに推し進めた場合に、それは仮定の話になるかもしれませんけども、じゃあ、そういうふうなケースの場合に、この島根県には一体どういう影響が考えられるのかというのは......。

 

○溝口知事

 だからまだどういうことになるか、そこはちょっとわかりませんね。

 

○毎日新聞

 でも、それは決まった後で知事がこういう影響出ますよ、ああいう影響出ますよって言っても、それは政府にとってはのれんに腕押しじゃないですけれども、何を言ったって、もう決まったことだから仕方がないということになっちゃうんであれば、じゃあ現状、どういうものが考えられるのかというのを事前に、こういう影響が考えられるんではというのを知事がお考えになるのは、別におかしなことでも何でもないと思うんですが。

 

○溝口知事

 まだそこまでは、もちろん頭の体操はしますけども。

 

○毎日新聞

 いや、それは、じゃあ県民に対して、県民であるとか、この島根の経済を担っている方々に対してどういう影響の可能性があるというものを知事の口から伝えるようなレベルではない、そういう段階ではないということですか。

 

○溝口知事

 まだ段階ではないですね。国がどこまでお考えになっているかというのははっきりしませんから。まだ協議が、調整が続いている段階ですから。

 


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