知事定例記者会見(5月13日)

質問事項

1.原子力発電所の問題について

 

○山陰中央新報

 島根原発の関係でお伺いします。

 知事、当初から島根原発の1号機の運転の判断については福島第一原発の事故の原因の究明と国の安全指針の見直しを待つというふうなスタンスでいらっしゃると思いますが、その辺、まだそういった原因究明みたいなのは行われてないんですが、その辺のスタンスというか、プロセスというのは、あくまでもそれに変わりないかどうか、もう少し肉づけされる部分があるのかどうかというのを1点と、2点目が浜岡原発の停止要請が、これは裏を返せば、それ以外は緊急でとめるべきというほどでもないというふうに読めるんですが、こういったダブルスタンダードのような判断が1号機の運転判断に影響を与える可能性があるのか、ちょっとこの2点について御見解を改めて聞かせてください。

 

○溝口知事

 やはり福島原発で起こったことは、何が原因であって、そういうことが今度は起こらないようにするためには、その原因の分析に基づいて対応策をとらなければいけない、これが基本です。ただ、それは時間がかかる、全部終了するまで時間がかかると。しかし、大きな問題はある程度、これまでの期間でわかっているものもありますから、そういうものに対応すると。何段構えによってそういう作業をやっていかないといけないだろうということであります。

 

 それで、津波によって電気系統等が機能しなくなったと、あるいはその電気系統の故障と同時に予備の電源確保等が不十分であったとか、あるいは浸水によって電気系統の故障によって冷却水の供給、そういうものに故障があって、冷やす機能がいろいろ問題があったとか、かなりのものについては一定の原因なんかも出てきて、その対応もしなきゃいかんということが明らかになったわけです。それで3月30日にそういうものから考えられた対応策を国が電力会社に指示をして、その指示に基づいて必要なことをやりなさいということをやって、電力会社のそうした対応策を、4月の末だったと思いますけれども、5月の初めにかけて、国が電力会社の対応をチェックをしたと。チェックをして、その結果、5月6日に各電力会社の対応について一定の対応はできておるという評価を国がされたわけです。

 

 その中で、浜岡原発については、フィリピンプレートですか、大陸のプレートとフィリピンプレートの交差する近くにあって、大地震の起こる可能性が高いということが過去から言われて、重点的に地震の計測を行ってきた地域です。実際には東海沖では起こらずに東北沖で起こったわけでありますが、東海地震の可能性が非常に高いという地震関係の知見から、政府が浜岡について動いている、操業中のものも含めて停止ということを要請をしたと、こういうことです。

 

 浜岡以外については、先ほど申しました3月30日の指示に基づく対応ができておるという評価を国がされたと。したがって、それに応じて各電力会社に対して再開等をどうするか検討していいということなんでしょう。電力会社はそれに応じてどうするかという検討をされておるわけですけれども、島根原発について中電の方から今どうするこうするという申し入れを我々の方に連絡をしているわけではありません。それが現状です。

 

 それで、どう対応するかということについては、5月の10日に議会の全員協議会で大きな枠組み、我々の考えていることをお話をして、それを私のコメントとして報道発表しておりまして、そこに私どもの考えが書いてあるわけです。

 それで、国の評価というのは、3月30日の緊急対策に対する評価であって、それ以外のことについては言及がないわけです。それが一つ。

 

 それから、緊急対策で十分かという、若干の説明は中電、国からも私の方も聞いておりますけれども、まだ詳細を聞いておるわけではありませんから、そういうものもよく聞かないといけないということがあります。

 

 それから、緊急対策の考え方は、電気系統等がやられたと、故障したということが主体でありまして、地震そのものによっても影響を受けている可能性があるという人もおりますが、そういう点が例えばどうなっているのかと、そういう問題もチェックをしなきゃいけません。

 それから、そういう今回の評価の根拠をもう少し聞かなければならないと、原因と根拠をということ。

 

 それから、浜岡との関係では、これまでの地震関係の知見からは、東海地震が起こる可能性が非常に高いということは一般的な共通、共有された知識になっておると思いますけれども、他方で、それは各地域地域ごとにどの程度の確率で大地震が起こるかという分析ですよね、ここが私もまた素人ですからわからないですけれども、しかし、あるところで起こると、今度はそれがほかに影響を及ぼすわけですよね。その影響、どのような影響を及ぼすかというのは、これはなかなかわかりにくいですよね。

 

しかし、今回の東北沖の地震を見ましても、余震というのも随分各地で起こっていますね。それは大陸プレートの上に乗っている地域においても起こっておるわけでありまして、そういうものがどうなるのかということが関心を持たれているわけです。余震でも相当大きな地震が来る可能性があるわけでありまして、そういう意味で、東海沖に起こった場合に、ほかの地域にどういう影響が及ぶかというようなことも、なかなか予測はしがたいでしょうが、専門家の意見などもよく聞かなければいけませんね。そういうところがまだ十分できているかどうかということもあると思います。

 

 それから、今の浜岡原発に関連しますと、浜岡で、正確な数字は覚えていませんが、360万キロワットぐらいの電力供給が減るということになります。そうすると、中部電力管内での電力需給に影響が出てくる。そのために報道等では東京電力に送っていた100万キロワットの送電をやめるとか、ほかの地域にも及びますし、管内にも電力供給を通じまして経済活動にも、あるいは生活にも影響を及ぼし得るわけです。そうすると、島根原発でいいますと、まず中国電力の管内で電力供給にどういう影響があるのか、そういうこともよく聞かなければいけません。

 

それから中国電力も他の電力会社と電力のいわば提供したり受けたりという関係がありますから、そういうことがどうなるかということもありますし、それから日本全体で操業中のものを停止をするということになりますと、これは島根も今度は外の地域の経済活動の影響を受けるということになります。そうすると、そういうものがどうかといったようなことも、はっきりはわからないでしょうけれども、専門家の意見なども聞いたりしなければいけないでしょう。

 

 そういうことで、まだまだ確認をしたりチェックをしたり、あるいは専門家の意見を聞いたり、あるいは議会、住民の方々の意見なども聞いていかないといけません。そういうプロセスを丁寧にやった上で、県としてどういう対応をすべきかということを取りまとめたいというふうに思っています。

 そういう考えであるということは、中国電力に対しましても国に対しましてもいろいろ話す機会がありますから、我々の方から、私からも伝えていますし、事務的にも伝えていると、こういうことです。だから、一般的に言いますと、中国電力、島根原発の取り扱いをどうするかということについては、まだ少し時間かかるだろうというふうに思っています。

 

○山陰中央新報

 そうすると、1号機の今の緊急対策が国に妥当と認められて、なって、再開させてくださいでは全然十分ではない。

 緊急対策が今、国の評価、今の緊急対策の指示に対する中電の緊急的な対策はおおむね技術的には妥当だという評価は得ましたけど、それに基づいて、直ちに再開してくださいというのには全然不十分だと。

 

○溝口知事

 それだけの要素ではなくて、ほかに考慮したりチェックをしたりしなければいけない要素が今申し上げたようにいろいろありますから、そういうことをよく確認をしたり、それは国に対してしたり、あるいは中国電力に対してしたりしなければいけないと、そういうことです。

 

○山陰中央新報

 そうした中で、1号機というのは運転からもうそろそろ37年が経過、高経年化が言われてまして、究極的に動かすのに安全か安全ではないかと突き詰めた考えの中で、やはり廃炉もあり得るというのは選択肢の中では、知事の中では今ある、なしで言うと。

 

○溝口知事

 具体的にそういうことは今、言及し得る状況ではありませんけれども、福島原発の1号機が1970年ぐらいでしたかね、それから島根原発の1号機が74年ぐらいですから、それで同じ沸騰型ですし、それはやはりさっき申し上げた福島原発でどういうことが起こったのか、なぜ起こったのかということと関連するわけです。だから、そういう詳しいことについても聞かないといけないだろうというふうに思います。

 

 一般的にも報道等、あるいは専門家の方々がいろんなことを言っていますけれども、古いものについては、それは技術の進歩がありますから、その都度修理をしたり改善の措置はとってこられているという話も聞いておりますけれども、そういうものとの関連でどうかということもよく聞かなければいけないということです。それが冒頭申し上げた原因と対策をきちっと押さえてやらなければいけないだろうということです。しかし、そこら辺はなかなか、今の時点でかっちりこうだというふうにみんなの意見が一致するかどうかわかりません。しかし、それは一致しなくても、そういうものをやっぱり考慮した上で総合的に考えなければいけない。総合的という意味は、そういうもろもろの状況を、いろんな原因もありますし、いろんな考慮すべき要素もありますから、とりあえず緊急対策ができたということだけじゃなくて、もろもろの要因を総合的に考えてということで、そういう言葉を使っているんですね。

 

○時事通信

 今のご発言の中で、国について詳細を確認したり専門家の意見を聞いたり議会とか住民の意見を聞いたりというのがありましたが、議会の意見を聞くとすると、じゃあ6月後半までは少なくとも再開を了承することはないという理解でよろしいんでしょうか。

 

○溝口知事

 それは議会へ聞くのは別に、議会中だけではなくていろんなことがありますからね。だから、そういう日程でどうするということが決まるわけではなくて、さっき申し上げたようないろんな確認をしたりチェックをしたり、それに時間がかかるだろうと、まだね。ということだけです。だから、そういう意味で、今タイミングがどうなるかというのは、現状では予測、こうですと予測を言う状況にまだないです。しかし、一定の時間がかかるだろうと、今申し上げたようなことをやっていきますとね。いうふうに思っているということです。

 

○時事通信

 どのぐらいかかりそうかという、御自身の中で考えはありますか。どのぐらいかかりそうかというのは。

 

○溝口知事

 いや、それは、そこまで具体的なことはわかりませんが、一定程度かかるだろうと、こういうふうに申し上げるほかないです。

 

○NHK

 知事、知事選、当選後も、できることから国の対応を待たずにやっていくということをおっしゃっていましたが、国の対応もおくれているわけですけども、その中で、ここ1カ月ぐらいたちまして、どういったことができて、どういったことに取り組んだというふうに。

 

○溝口知事

 島根原発の安全対策ということでいえば、中電は比較的早く予備電源を確保するとか、それから例えば消防車を手当てをして冷却水を送る手当てをするとか、あるいは小高い丘の上にかなり出力の高い予備の発電所を設ける計画を立てるとか、あるいは津波を防ぐための防壁をする計画などはやりました。そういう意味では、国の3月30日の指令が出る前にいろんな対応は始めました。それは私どもから中電に対しましてもそういうことを申し入れましたから中電自身もいろいろやられたけれども、しかし、それは当座の問題のためですから、それで十分かどうかというのは、さっき申し上げたような、いろんな事項を挙げて私が先ほど説明したように、そういう問題がまだ残っていると、こういうことです。

 

○NHK

 県として前倒しでできることについてはどのように。県として対応できることというのは、現時点でどのようにお考えですか。

 

○溝口知事

 原子力の安全という領域では、今、そういうことを国に対して言ったり中電に対して言うということが県としてできることです。

 それから、事故がいろいろ起こったときに避難をどうするかというのは、これはまた別の領域の話です。その問題については安全対策というよりも、事故が起こったときにどういう避難をしたらいいかという問題については、松江市以外の市町、そして鳥取県についても強い関心を持っておられますから、そういうものをどうするかというのを関係の市町と、そして鳥取県が集まりまして会議を始めたと。それは最初が3月の25日か何かでした。その後も準備をいろいろやっておるということです。

 

 そういうものに基づいて防災計画を変えていくためには、国の防災指針というのがありますから、それを変えないといけない。それで、変えることについて国の方にも我々がそういうことを検討してくださいということを、いろんなチャネルで言ってきております。だから、いろんな問題があります。安全をどういうふうに確保するかと、原子炉自身の問題、事故が起こったときに避難の対応などをどうするかとかいう領域、それから今度は福島の経験ですと、放射能物質が漏れたわけですよね。それによって農作物、あるいはいろんな経済活動に影響が及ぶ。その計測をどうするかとか、あるいは風評被害みたいなものをどうするかという、また違う領域の問題があります。幾つかの違う分野の問題がありますが、今申し上げているのは安全対策のところです。

 

○日本海テレビ

 確認なんですけども、先ほど3月25日に福島の状況が今、避難エリアが広がってきてるということで、各自治体、県境を越えて初めての会議を開かれたということで、今後、こういう大きな福島原発の教訓をどう生かすかということが今、一番求められていると思うんですが、3月25日に開いたものを次回、いつごろまた開くのか、定例の形できちっとした組織として常に避難というもの、事故が起きた場合のケアというか、そこのところの避難対策、その辺の方のお考えと、できましたらそういうようなお話を伺えますか。

 

○溝口知事

 それはやはり3月25日に、大体30キロ圏域に入る市町に私どもの方からも声をかけて、それから鳥取県にも連絡をして開いたわけです。そういう関係の市町と相談しながらやっていくわけですが、幾つかやらなければいけないことがあるわけです。30キロ圏域の中にどのぐらいの人々が住んでおられるのか、あるいは避難道路がどういうものがあるのか、今度は避難するときにどういうところが可能なのか、それは県についても言えることです。あるいは国のオフサイトセンターについても言えること。そういうことをいずれにしても準備、検討をしていかないとできませんから、そういうことをまず始めなければいけないということだと思います。それについては、そう遠からず関係の今の市町、そして鳥取県などとも相談して会合を開いて、皆さんの意見なども聞いたり、作業の状況を説明したりしてやっていこうと。さらにその先、進めていこうと考えています。

 

○日本海テレビ

 それは、ある面で定例というか、常態化した形での......。

 

○溝口知事

 いずれにしても、この問題は......。

 

○日本海テレビ

 設置という形ですか。

 

○溝口知事

 長い話になるでしょう。

 

○日本海テレビ

 はい。

 

○溝口知事

 そういうかちっとした、スタンディングの委員会といいますか、協議会といいますか、そういうものにしていく必要があるというふうに思っていますが、関係の市町ともよく相談しながら決めていきたいと、日程につきましてもね。

 

○日本海テレビ

 基本的には今月内で、また来月内とか......。

 

○溝口知事

 まだそこまでは決めてません。

 

○日本海テレビ

 近くという形で。

 

○溝口知事

 ええ、近くですね。それはやはり関係市町の都合もありますから、よく聞きましてやっていきたいと思っています。

 

○日本海テレビ

 さっきおっしゃった安全対策というものは、起きないということがまず一番大事だと、起こさせないということがですね......。

 

○溝口知事

 そういうことです。

 

○日本海テレビ

 地震とか、いろんな原因もあるんですが、それと起きた場合ということで、今、福島の方々がある面で原発の影響を毎日のように報道されておりますが、やはり福島のことを踏まえた上で、今回、そういうのを形として設置されるということで、改めて抱負、福島のことも踏まえてお聞かせ願えますか。改めてそういう、設置されるということで、抱負を伺えますかね。福島のああいう状況も。

 

○溝口知事

 ええ、福島の状況なども勘案して、我々としてとるべきことを、今の関係市町とも相談しながら準備をしていきたいというのが一つ。

 それから、国に対して防災の指針というのをきちっと変えてもらって、防災計画をこういうふうにつくっていくとか、そういうこともきちっとやってもらうことが必要です。やっぱり専門的な知見を要しますから、国の対応も求めていくということです。

 

 それから、それに関連して、関係の市町の方々は中電との関係でいろんな原発に関する情報の提供だとかいうことを求めておられまして、これは私の方からも中電の山下社長等に対して関係市町とよく話をしてくださいということを伝えてあって、中電もそういうことで関係市町と接触をされておられます。一つの例としては、出雲市との間で情報の提供について協定を結んでおられます。そういうことも一つの参考にしながら議論をされるし、今、進んでいるというふうに理解をしています。

 

○中国新聞

 今のことに関連してですけども、福島の件で30キロ圏内まで屋内退避ということになったんですけど、出雲のように連絡協定というだけで、島根原発周辺の自治体と中電が結ぶ連絡協定というものだけでいいのかどうかというところについての知事のお考えを伺いたいんですけども。

 

○溝口知事

 県と松江市と中電と結んでいる協定は、3つないし4つの要素があるわけです。

 

1つはいろんな情報の提供もありますけれども、中電の方から原発に関してのいろんな情報を我々の方に伝えると、我々もそれに応じて必要な対応をするというのが一つ。それから中電がいろんな対策をとったりします。そういうものを立入検査をしてチェックをするというのが2番目です。3番目は、中電が今までやってきている原発の操業等について変更するような場合に、事前に松江市及び島根県へ連絡をして事前の了解を得るということです。4番目に、立入検査の結果、いろんな問題があるような場合には、いろんなことを中電に申し入れるということはできる条項が入っていまして、中電はそれを、厳密な言葉は覚えていませんが、誠実に考慮するとか、そういうようなことはあります。

 

○中国新聞

 福島の場合、その指示、避難区域というのはかなり、30キロ圏内まで被害が広がったわけですけど、それを踏まえて、出雲市のような連絡協定という形で十分なのかという......。

 

○溝口知事

 そういう問題は、要するに防災計画をどうするかとか、それはやはり国の方の問題がきちっとしないといけません。避難命令を出すとかというのは、ちょっと厳密なところまで覚えていませんが、国の方でそういう指揮をされますから、原発全体の事故の状況などに応じてですね。それは避難の問題も、さっき申し上げたように国の防災指針をどうするかとか、そういう避難をどうするかとかいう分野の問題があります。それをやらないと、なかなか実効ある避難というものはできません。それを国に我々は求めていると、こういうことです。だから安全協定だけで物事が動くわけではないわけです。しかし、国の対応が進まなくても、地方でできるものはやっていきましょうというのが今の協議会でやっていることであり、あるいは安全協定の締結という問題です。それはごく一部です。

 

○中国新聞

 その避難の方じゃなくて、安全協定という、中電と自治体との関係において、連絡協定というような形で十分なのかどうかというところについてはどうですか。

 

○溝口知事

 そこはちょっとよく検討してみないとわかりません。

 

○中国新聞

 もう1点ですけども、先ほど浜岡の件で、国に今回の......。浜岡というか、島根原発の緊急安全対策は妥当という評価が出たんですけど、それの根拠なり原因なりをもう少し聞いていかないといけないという、そういう国に対してどういうふうなアクションを、これ電話でお伝えになったということだったんですけども、それ以外に今後どういうふうな形で......。

 

○溝口知事

 電話のほかにも、上京する機会などに、また会って話をしたりしますし、それから中電等に対しましては、もう事務的にもこういう情報を出してくださいということはかなり言っていると思いますから、それを受けて今度は中電から説明を受けるということです、あるいは国から説明を受けるということです。国の方もいずれ、また5月6日の評価について説明に来られるでしょうから、そういう機会に聞くと。ただ、それもそれで十分でなければ、さらに追加的に聞くということです。

 

○中国新聞

 一番そのときに聞きたいことというのは、どういう話になりますか。

 

○溝口知事

 それは、この島根県の考え方というのに書いてあります。

 

○中国新聞

 この前の言葉ですか。

 

○日本海テレビ

 確認ですけれども、中国電力さんは早目だったということなんですけど、それぞれ緊急対策でやっていると、津波ですね。国の方も一応了解ということなんですけども、今後、国の方がまだ収束というか、落ちついた形で原因とか、まだ詳しい事故内容、検証結果が出てきた場合、今のところ、今後、県の方から中国電力さんに対してこういう対策が必要だよというようなことを求めることも、今後は考えられますか。

 

○溝口知事

 それはあるでしょうね、わかりませんが、どういうことになるのか。いろいろあるでしょう。

 

○時事通信

 国の新たな防災指針ができるまでは、原発の運転再開は了承できないという理解でよろしいですか。

 

○溝口知事

 ここに考え方が書いてありますけれども、代表例として、原因の究明と抜本的な対策について国はどう考えているのかと。それで原因の究明などについても、福島の1号機の場合にどういう問題があったのかとか、具体的に聞かなければいけません。それから2番目に、国はとりあえずの緊急安全対策ですから、それもどういう根拠をもって、こういう装置がつけられればこういう事態が回避できるから大丈夫なんだとか、具体的に話をもう少し聞かないといかんという問題があります。それから3番目に、浜岡原発との関連で東海沖に仮に大きな地震が起こった場合に、ほかの地域にどういう影響が及ぶんですかと、そういうことはどういうふうに考えているんですかと、そういう問題はないんですかというようなことも聞かなければいけません。それは国の意見もそうでしょうし、専門家の意見も聞かないといけません。

 

 それから今度は、電力需給の問題もあるわけです。原発がないと経済活動に、中国電力の管内の場合ですよ、どういう影響が出るのかということもよく聞かないといけません。それから、その点については前から言っていますが、今稼働している原発が日本の場合は大体電力供給の3割ぐらいを占めていると言われています。そういうことが全部停止に仮になるようなことになると、浜岡と同じということでね。そうすると、経済的な影響というのはどうであるかというようなこともよく聞かないといけません。そういうものも結局リスクをゼロに限りなくしようとすると、コストが物すごくかかるわけです。そういうものをどういうふうに考えたらいいかということになるわけでしょう。

 

○時事通信

 県が防災指針というか、避難経路等をつくってない中で運転再開を了承することはないですね。

 

○溝口知事

 それとはまたちょっと領域の違う話ですけれどもね。

 

○時事通信

 県独自でつくって、それで了承されるということも選択肢としてはあるかもしれないですけど、その防災計画をつくるには、やはり国の指針が必要だという認識をしたんですが。30キロ圏内の避難経路等をつくる前に運転再開を了承することは、知事としてはされないと思うんですけど。

 

○溝口知事

 それと直接関係するかどうかわかりませんが、避難の問題は、今度の福島の状況なんかもよく聞かないといけません。それは福島の場合はあれでしょう、とめる、冷やす、閉じ込めるというところで、閉じ込めるということができなかったわけですよね。それで断続的に放射物質が流出をして、それで避難の区域が拡大をしていったということでしょう。だから、直ちに避難が一挙に起こるわけじゃないですよね。だから福島の状況を見て、どういう準備が必要かというのもよく国に聞かないといけません。そのためには、国に聞くと同時に、国の方がどういう防災計画をつくる必要があるかというのをある程度我々に示してくれないといけませんね。

 

○時事通信

 それが出るまでは運転再開は了承できないということでよろしいんでしょうか、済みません、最初に戻ってしまいまして。

 

○溝口知事

 そういうことは言ってないです。

 

○時事通信

 どういうことを言ってるんですか。

 

○溝口知事

 言っておりますのは、この島根県の考え方というメモに書いてありますね。そこに書いてあるとおりです。

 

○山陰中央新報

 市町村と中電とのいわゆる連絡体制、情報連絡の協定について、知事、中電の社長にもしっかり協議してくれというふうな要請をしておられますが、それは県、松江市のようないわゆる安全協定というのを想定していらっしゃるのか、出雲市のような情報連絡協定、あちらの方をお考えしてイメージしていらっしゃるのか。

 

○溝口知事

 私の方からは何も言っていませんが、ただ、中電の方においては、出雲市と結びました、それが直近のものですから、そういうものをベースに、まず話をされているということは聞いています。

 

○山陰中央新報

 立地自治体の松江市と中電との関係と、いわゆる周辺自治体と中電との関係で、そういった協定というもの一つとっても違いが多少出てくるのは、これはやむなしなのか......。

 

○溝口知事

 それはやっぱり国の基準にもよりますね。というのは、発電所を一つつくるときに、やはり近いところほど何かあった場合に大きな影響を受けますし、そうすると、やはりそこの意見の方が遠いところよりも深刻ですね。そういうのはあるでしょう。というのは、それを広げていくと、全国で聞かなければいけないということになりますし、それはある意味で、風によって運ばれますから、だから、そこはやっぱりどこまでにするかというのは、そういう客観的な関係と同時に、影響をどういうふうに評価するという問題が常につきまとってくるわけですね。

 

○毎日新聞

 発電所に近い遠いでの協定の違いの部分をおっしゃってたと思うんですけれども、現在の安全協定の範囲、情報の協定の範囲など、全国いろんなサイトのある自治体でやっていると思うんですけども、いわゆる地元と、動かしていくうちで、いわゆる地元と呼ばれているところとそれ以外という線引きのお話だと思うんですが、そこについて、現状をこういう、この前の事故を受けて現状の地元、地元でないという線引きというのは十分だという御認識でしょうか。それとも変えた方が、もっと広げてもいいんではないかというふうに思っていらっしゃるのか、その辺の評価は。

 

○溝口知事

 それは広げた方がいいんですけれども、広げ方はいろいろ選択肢があるでしょうということです。

 

○毎日新聞

 選択肢というと。

 

○溝口知事

 今の出雲市と結んでいるような協定以外のことをどうするかという問題です。

 

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