知事定例記者会見(1月25日)

質問事項

1.島根原発関連について

 

○山陰中央新報

 島根原発の2号機が27日に定期検査入りすることになりまして、1号機とあわせて全停止状態というふうになります。知事、一時的に全停止となる状態を機に、改めて国であったり、ないし電力事業者に対して、原発施策を運用する側への求めるものといいましょうか、地方としてどういったことを、これを機に改めて要望していくというか、求めていくというふうなことを今お考えになられますでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、改めてはないですね。今まで申し上げているとおりです。

 

○山陰中央新報

 国に対しては、福島の事故究明であったり、今後のエネルギー方針等だったりという。

 

○溝口知事

 ええ、そういうことですね。

 

○山陰中央新報

 電力会社に対しましては、中電さんに対してはどういったことを、改めてこれを機に。

 

○溝口知事

 改めてということはないんですが、今までも言っていますように、原発の安全対策を国からも指示をされていますが、そういうことをしっかりやっていってほしいと思いますし、あるいはいろんな故障とか、いろんな問題が起こったときのやっぱりソフト面の対応なども安全対策の一つとしてしっかりやらなきゃいかんですね。それから万が一のような場合にどういうふうに対応するとかね。それは県の方においても関連の市、周辺の市ともそういう作業を進めておるということであります。そういうことも、これは我々の問題でありますが、国に対しても地方のそういう活動に対してしっかりとした方針を出していただいて、支援もしていただきたいということであります。

 

○山陰中央新報

 中電さんに対してのソフト面の対応というと。

 

○溝口知事

 それはいろんな事故なんかが起こったときに、福島原発でもいろんな問題がありましたね。そういうことを含めて、装置だけじゃなくて、それをハンドル(=操作)している人たちの訓練なり、そういうことも必要でしょうね。そういうことを含めて、国において電力会社に指示をされているんだと思いますけども。

 

○NHK

 今回の定期検査入りで、夏場のエネルギー需給の逼迫というのが指摘されておりますが、その電力需給の関係はどのようにお考えですか。

 

○溝口知事

 その点は、国の11月の発表ですと、原発、日本全体で再稼働がなくて、一昨年並みの猛暑を想定した場合には、全国で約1割の供給不足、そして中国電力管内では予備率2.7%プラスということになっておりますが、やはり国全体としてこの問題にどう対応されるかということが大事でしょう。まだそこは国の方でも検討が進んでいないように思います。国全体として、やっぱり電力の融通というようなこともありますから。あるいは火力発電所などの修理をする場合でも、時期をどうするかとか、そういう調整などもしなきゃいかんでしょうし、そういうことは今やっておられるんだと思いますが、まだ詳細がわかりませんね。

 

○中国新聞

 再開に当たっては、やっぱり最終的には地元の自治体の姿勢というものが問われると思うんですけども、今回、全停止ということで、再開に向けて、ちょっと島根県としてはどういう例えば基準で再開を判断するかというのを、もう一度改めて教えていただいていいですか。

 

○溝口知事

 それはやはり国が電力会社に指示をして安全対策をやっているわけですけれども、そういうものが十分であるかどうかといったような点について、これはやはり専門家の方々の意見などもよくお聞きしまして、島根県の場合ですと、原子力安全顧問というのがおられますが、もちろんそれ以外の人も含めて意見をお聞きしたり、それから住民の方々でありますとか、あるいは議会でもいろんな意見がありますから、そういうような意見をよくお聞きして、総合的に考えていくということだろうと思いますね。

 

○中国新聞

 やっぱり例えば福島第一原発の事故の原因究明というのも、やっぱりその中には......。

 

○溝口知事

 原因究明に基づいてどういう対策がとられているかというようなことと関連するわけですね。

 

○山陰中央新報

 先ほどの夏場の電力需給の見通しに関連して、先ほど知事おっしゃったように、全国的には約1割不足という試算がエネルギー環境会議で出る一方で、別試算ではまた逆に不足は生じないんだというふうな、また違う結果もあったようですけど、そういう政府の中でも何か異なる考えがあるようですが。

 

○溝口知事

 それは猛暑がどの程度になるかにもよるでしょうね。それからいろんな融通をし合うとか、あるいは企業の方も操業の調整などもどういうふうに夏場されるかとか、そういうようなことにも依存するでしょうからね。だから、今の時点では、そこは国全体としてどういうことになるのか、もう少し詰めないと何とも判断できないんじゃないでしょうか。

 

○山陰中央新報

 その中でも中電としては予備率低いとはいえ、不足ではないという試算が国の方ではされてる、そこが原発再稼働判断に何か影響を与える部分というのはあるんでしょうか。

 

○溝口知事

 今そういうことについて具体的に言える情報は持っていませんね。

 

○山陰中央新報

 関連しますが、原発再稼働ですね、2号機なり1号機の再稼働を今後判断する上で、知事、以前の会見で、影響が及び得る地域の方の意見もしんしゃくすると、影響を受ける方の声も聞くというふうにおっしゃってましたけど......。

 

○溝口知事

 それは周辺市のことですね。

 

○山陰中央新報

 周辺市です、はい。

 

○溝口知事

 それは周辺市、鳥取県の方もきっといろんな住民の方々を含め、御意見があるでしょうからね、そういうものも、どういうことであるかというのもよくお聞きをして、いずれにしても総合的に判断をしていくと、こういうことになると思いますね。

 

○山陰中央新報

 鳥取県側も当然含めて周辺ということになるわけですね。

 

○溝口知事

 そうですね。それはやはり福島の事故を見ますと、広範囲にいろんな被害が、万が一の場合は及ぶ可能性があるわけですから。

 

○山陰中央新報

 やっぱり意見のしんしゃくというのが、また、それは文字どおりでいくと参考程度という意味でおっしゃっているのか、例えばこちら、立地側と周辺自治体が極端に意見が異なるような場合があった場合、そのあたりはそういう......。

 

○溝口知事

 そういうことを含めて総合的に判断するほかないでしょうね。

 

○山陰中央新報

 異なった場合、それは当然、ある程度意見をすり合わせていくというか、議論を重ねて。

 

○溝口知事

 具体的なやり方は未定ですが、いろいろ話を聞いたり意見交換したり、その上で、最終的には総合的に県としての考えをまとめる必要がありますね。

 

○山陰中央新報

 そうすると最終判断はやはり立地自治体、鳥取県さんとの安全協定を見ても、最終判断はやはり今のところ立地自治体に限られるということで。

 

○溝口知事

 いや、最終判断は、島根県は島根県でするわけですね。

 

○NHK

 大飯原発について、ストレステストを認める決定がされましたけれども、現状のそろっている状況での判断ということについてどのように思われますか。

 

○溝口知事

 ちょっと詳細の状況がちょっとわかりませんからね。個別のコメントはちょっと難しいですね。

 

○山陰中央新報

 広島県知事との会談では、こうした原発のことに関しては何らかのお話し合いというのはあったんでしょうか。

 

○溝口知事

 格別やっておりません。

 

○山陰中央新報

 一言も触れられなかったんですか。

 

○溝口知事

 いや、原発の関連では避難場所の提供について、広島県、そして広島の市町村に大変お世話になっておりますと、引き続きよろしくお願いしますというような話はしましたが、原発の稼働問題等については格別しておりません。

 

○山陰中央新報

 広島が、それでは避難先というのは、もうこれは確保するというか、提供するというのは合意されたということですか。

 

○溝口知事

 合意というか、こういう場所は提供可能ですよというリストをもらっているわけですよね。それで広島県に限らず岡山、広島、山口からももらっていますから、今、それをどういうふうに周辺の市に割り当てるかという作業を行っていると、こういうことです。

 

○山陰中央新報

 合計何カ所ぐらいになるんですかね。

 

○溝口知事

 いや、それはちょっと後で、もう発表していますから聞いてください。

 

○山陰中央新報

 陸上自衛隊の、広島の海田市駐屯地に化学防護隊がおるんですが、そこのいわゆる協力要請というのは、その場では行われなかったんでしょうか。

 

○溝口知事

 それは海田というか、防衛当局に対しては日ごろから連携をはかり、必要なことはやっていますし、これからのことについてもやりますが、今の海田かどうかというところは、ちょっとあれですね。出雲の駐屯地だとか米子、いろいろありますから、それぞれのところを通じて、あるいは防衛局がありますから、やることになると思いますが。

 

○中国新聞

 県庁の機能移転の話なんですけども、ちょっと今の検討の状況を教えていただきたいんですけども、30キロ圏外かその辺をめどに候補を絞るということでしたけれども、今の状況はどういうふうな状況ですか。

 

○溝口知事

 今、関連の部局でチームをつくって検討を進めているところですが、まだ具体的なところまでは、私のところまで上がっていません。

 

○中国新聞

 関連の部局というのは横断的なものですか。

 

○溝口知事

 横断的ですね。

 

○中国新聞

 いつぐらいをめどにその答えを出すというか、候補を絞るというのはあるんでしょうけども。

 

○溝口知事

 そこまで決めていませんけども、作業中ということです。

 

○中国新聞

 やはり万が一のためのものですから、できるだけ早い段階で選定することが重要だと思うんですけど......。

 

○溝口知事

 そういう考えですね。

 

○中国新聞

 具体的に年度内とか、そういうのは設けられてないでしょうか。

 

○溝口知事

 まだそこまでは。

 

○中国新聞

 一応一つのラインとして30キロという、30キロより外というのはあるんでしょうか。それとも20キロよりも外とか、そういう目安というのはやはり......。

 

○溝口知事

 事故の対応によっても30キロ圏内でも可能な場合もあるでしょうし、あるいは広がりますと30キロを超えなきゃいけませんし、それから全部1カ所に収容するということは難しいですから、いずれにしても分散を前提に考えなきゃいかんでしょうから。

 

○中国新聞

 候補地ということになると、やっぱり複数になるわけですよね。

 

○溝口知事

 1カ所だけじゃなくて、いずれにしても複数の場所が必要になるでしょうね。

 

○山陰中央新報

 またちょっと原発の方に戻るんですが、原子炉の運転期間、原則40年で、ただし例外規定20年を超えない範囲で1回限りとするという案、政府案がまとまりました。知事、そのときに数字の根拠を示してもらいたいというふうなコメントを出されておられましたが、そのあたり今、政府の説明からすると、まだはっきりしないと、逆に言うと、その根拠がまだ示されてない、なぜその数字が出たかがはっきりしないといったようなところ。

 

○溝口知事

 まだ十分でないですね。アメリカなどの例なんかも参考にしてということを言っておられると思いますけども、もう少しよく説明が必要だというふうに思いますね。

 

○山陰中央新報

 島根原発の1号機が間もなく、稼働開始から数えて丸38年という格好になってまして、福島の事故でも高経年化がどれほど影響があったかないかというのを含めて、まだ調査中かと思うんですが、そのあたり、知事としてはやっぱり高経年化の事故影響の有無というのはやはり気にしておられるというか。

 

○溝口知事

 それはやっぱり専門家の考えをよく聞かないといけませんね。政府の方も聞いておられるんだろうと思いますけども、そこら辺をわかりやすく説明をしていただく必要があるでしょうね。

 

○山陰中央新報

 島根原発1号機が高経年化していることへの懸念というのはやはり、知事の中にもやはりあるかというのは。

 

○溝口知事

 それは一般的にそうですよね。いろんな技術進歩があるわけですから、要するに高経年化による資材の老朽化ということもあるでしょうし、その後の技術進歩がどんどん進んでいるわけですから、新しいものが全部すべていいかどうかはわかりませんけども、一般的にはそうですね。

 

○山陰中央新報

 またちょっと原発のことに戻って恐縮なんですが、今ある、そういう54基の原発が、このまま再稼働がなければ、ちょっと春にはもう全部ストップしてしまう見通しに立ってしまうんですけれども、改めて、じゃあ今後の日本の原子力政策ですね、知事おっしゃるように国の見通しがまだ出てない状況ではあるので、ちょっとお答えしにくい部分あるかもしれませんが、国も脱原発という方針は示しとるわけでして、ですが、新たにこの数を維持するのか、緩やかにでもやはり縮小という方向の方に向かっていくのか、やはりこの今の数、54基という数が、維持する必要性がやはりあるのかどうかというところ、その辺の見通しというか、お考えというのはありますでしょうか。

 

○溝口知事

 全体的なことはやはり国のいろんな議論を、これからいろんな案をお出しになって、各界の意見なんかも聞かれるんじゃないですか。

 

○共同通信

 繰り返し質問になるかもしれませんが、1、2号機の再稼働、それから3号機の営業運転開始に関して、これまで要するに国の新しい安全基準が示されるまでは、原則として再稼働は認めないという立場だというふうに理解をしていたところがあるんですが、今のお話だと、総合的にという言い方をされるので、必ずしもそうじゃないという認識ですか。

 

○溝口知事

 というのは、安全基準も、何で安全を評価するということ、いろんな手法がありますからね。どこまででいいのかというのは、それはやっぱり具体に検討しないとわかりませんね。

 

○共同通信

 県の立場としては、何か明確にこういう段階に至るまでは再稼働は認めないとかっていう。

 

○溝口知事

 そこら辺はやはり、専門家の意見をよく聞いた上でやりませんと、そこまで私の方では判断できません。

 

○山陰中央新報

 その再稼働に当たってなんですが、これまでの福島の事故までは、これほど大きなトラブルがない状況ですと、総合的判断というのも割合スムーズにと言ったら言葉はおかしいかもしれませんが、比較的短い議論の中で終わっていた、これ、今回はかなり広い対象の方の声も聞かないといけないでしょうし、かなり、そもそも必要かどうか、動かすか動かさないかを含めての、かなりけんけんがくがくの議論等も今後予想されるんですが、そのあたり、判断が問われるものはかなり難しくなっているといいましょうか、そのあたり、判断もより厳しい状況になってるなというふうな、その辺の感覚というか、認識というのは立地自治体として。

 

○溝口知事

 それはやっぱり難しいですね。

 

○山陰中央新報

 難しい。

 

○溝口知事

 ええ。いろんな意見をよくお聞きして、よく考えてということですね。

 

○山陰中央新報

 大体責任の重さというのも、これまでも当然あったんですが。

 

○溝口知事

 それは重いですね。

 

○山陰中央新報

 その中で、いわゆる市民団体さん、あと自治労さんなんかがいわゆるアンケート方式ですね、原発30キロ圏、両県6市の1万人を対象にアンケートをとって、その意識調査を図ろうというふうな試みを、この月末から回答用紙を発送してされるんですが、そのあたり、県への要望の中でも、県としても同様の意識調査というか民意把握というか、そういうのを原発問題、改めてやったらどうだというふうな御指摘等もあったんですが、そのあたりは。

 

○溝口知事

 まだそういうところまでつめておりません。

 

○山陰中央新報

 最後で、県庁の機能移転のところで、関係部局でチームをつくってとおっしゃいましたが、これはまだ横断的に何かプロジェクトチームをつくったりというわけではなく。

 

○溝口知事

 横断的にそれぞれ意見を出し合ってということです。

 

○山陰中央新報

 ということですね。何かそれ相応のプロジェクトチームをつくってらっしゃるとか、そういうふうな。

 

○溝口知事

 いや、内部的な作業ですから。

 

○山陰中央新報

 以前も確認しましたが、県庁の移転というのは、県外はあり得ないということでよろしいですよね。

 

○溝口知事

 いや、可能性としては、それはいろんな対応もあるでしょうが、今は考えてはおりませんね。

 

○山陰中央新報

 じゃあ、将来的な可能性として、県外ということもあり得るんですか。

 

○溝口知事

 そういう仮定の話には、断定的なことを申し上げるのにはいろんな情報が不足していますね。

 

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