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9月14日(金)県内の障害者団体の代表の方々と懇談しました

 平成19年9月14日(金)島根県内の障害者団体の代表者の方々と知事室で懇談し、昨年4月に施行された障害者自立支援法(※)の課題と障害者の方々の就労対策などについて意見交換を行いました。ご出席いただいたのは、島根県身体障害者団体連合会会長福井幸夫さん、社団法人島根県視覚障害者福祉協会会長小川幹雄さん、島根県ろうあ連盟事務局長西山甲造さん、島根県手をつなぐ育成会会長室崎富恵さん、社団法人島根県精神保健福祉連合会会長辻豊さん及び日本自閉症協会島根支部副会長中村真理子さんの6名です。

 

 ※障害者自立支援法

 障害者が地域で安心して暮らせる社会を実現するために平成18年4月1日から施行されました。障害種別(身体障害者・知的障害・精神障害)にかかわらず、共通の仕組みによってサービスが可能となりました。また、サービスの実施主体は区市町村に一元化されました。

 懇談会の様子

 

 出席者の方々が最初に指摘されたのは、障害者自立支援法の問題点です。懇談会の冒頭で福井さんが「障害者が地域で安心して暮らせる社会を目指した障害者自立支援法の施行は評価できるが、利用者負担が大きいのは問題。

 

 せっかく施設に入所しても、施設から支払われる工賃収入よりも、利用者負担が高額で、結局、施設を退去せざるを得ない場合もある。これでは新法施行の意味がない。負担率を軽減する必要がある。

 

 また、障害程度区分については、老人の介護サービスの項目を基準に障害の程度を判定する調査項目が設定されており、障害の実情が調査項目に適切に反映されていない。その結果、調査者(市町村職員)の力量(調査のときどの程度障害者の情報が得られるか)により区分判定が左右され、実際の障

 

 

害程度よりも軽度の判定がでることがある。判定された障害程度区分によってサービス内容が異なるため、実際の障害よりも軽く判定されると、必要なサービスが受けられなくなる。」と利用者負担の軽減と障害程度区分の認定にかかる課題について発言されました。

 

 

 

続いて、辻さんからは「障害者自立支援法の施行により、支援の実施主体は市町村となったが、提供する支援内容の一部が市町村の判断に委ねられることとなったため、市町村間にサービス状況に格差が生じている。市町村によってサービスが異ならないようにしてもらいたい。」と市町村間のサービスの平準化についての意見が出されました。

 

これらの課題について、他の出席者の方からも是正を求める発言が相次ぎました。

 

 これに対し知事は、「ご指摘のあった事項については、県も同様のことを思っており、利用者負担の軽減、障害程度区分の調査項目の改善については、国に要請していく。市町村間のサービス格差については、改善されるよう努めたい。」と答えました。

 

 また、就労対策については、西山さんから「松江ろう学校では、県内に就職先が少なく、やむなく多くの生徒が県外に就職せざるを得ない現実がある。」と県内雇用の厳しさについて指摘があり、中村さんは、「企業の障害者雇用を促進するためには、障害者が新しい仕事に慣れるまで、一定期間、障害者と一緒になって仕事をサポートするジョブコーチの活用が重要」と障害者雇用促進のポイントについて話されました。

 

 室崎さんは、「最近は、県内の金融機関でも障害者雇用に取り組むところが出てきた。日本航空の飛行機の清掃、ディズニーランドのバス清掃にも障害者が従事している。ジョブコーチがガラスの拭き方、掃除の仕方を教えて、1月程度で企業に引き継ぐ。このトレーニング期間で、障害者と企業の職員との信頼関係が育成できる。」「市民権、国民権を得る活動の一環として、障害者が商品製造に関わっていることを明示するマークをつくろうという動きがある。」と国内の就労対策を巡る動きについて述べられました。

 

知事は、「障害者の方の収入の確保は、県も重要な問題と考えており、5年後に収入倍増となるよう、本年度から県独自の収入確保事業を実施している。」と県の取り組み状況を話しました。

 

この他にも、「以前は県職員の採用区分に福祉職があったが、今はなくなっている。県に福祉の専門職員を十分に配置し、市町村を支援する体制をとる必要がある。」(室崎さん)「無資格、無免許の人があんま、鍼を行うと事故が発生するおそれがある。県によっては、無資格、無免許を厳しく取り締まっているところもある。取り締まりを厳しくしてもらいたい。」(小川さん)などの意見、提案が出されました。

 

 最後に知事は、「本日の意見交換で少しずつ課題に対する理解が進んで問題の所在が分かってきた。県としてどのような対応を取るか、健康福祉部以外の関係課も含め検討したい。」と述べ懇談会を終了しました。

 


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