令和8年2月定例県議会知事施政方針並びに提案理由説明要旨

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 定例例議会開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、当面の県政運営に臨む私の基本的な考え方を申し上げ、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

(1.県東部を震源とした地震)

 はじめに、先月6日に発生しました県東部を震源とする地震についてであります。

 

 改めまして、この度の地震により被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

 県としましては、早期の復旧・復興を図るため、被災住宅の補修等への支援のほか、地震により被害や影響を受けられた中小企業者や農業者等への資金繰り支援、中小企業者等の事業継続に必要な施設設備の改修や備品購入への支援、社会福祉施設等の復旧支援、観光業への影響を踏まえた県外向け情報発信や宿泊キャンペーンなど、早急に対応する必要があるものにつきまして、先月21日に知事専決処分により補正予算を措置し対応しております。

 被災された方々が一日も早く従前の生活に戻っていただけるよう、関係市町とともに、引き続き早期の復旧・復興に取り組んでまいります。

 

(2.最近の政治情勢)

 次に、最近の政治情勢についてであります。

 

 国政におきましては、今月8日の総選挙の結果、自由民主党が単独で定数の3分の2を超える議席を獲得されました。

 物価高騰対策、十分な賃上げを中小企業に実行していただくための環境整備、人口減少対策、税源の偏在是正を含めた東京一極集中の是正、外交・防衛問題への対応など、我が国が直面している諸課題に取り組まれるとともに、来年度予算の早期成立、税制改正関連法案の年度内成立などに迅速に対応していただく必要があります。

 今回の総選挙で当選された衆議院議員の皆様には、島根県など地方の実情を踏まえ、国政に反映していただくよう期待いたします。


(3.当初予算の概要)

 それでは、提出いたしました来年度当初予算と今年度補正予算について、概要をご説明申し上げます。

 

(1)来年度当初予算は、エネルギー価格・物価高騰対策と島根創生の推進の両立を進めるとともに、健全な財政運営を図る予算として編成しており、総額は4,924億円となっております。

 あわせて、2月補正予算等においても、エネルギー価格・物価高騰対策や国土強靱化対策等を進め、切れ目のない予算としております。

 全体としては5,437億円で、エネルギー価格・物価高騰対策を133億円措置したことに加え、政策的経費の増等により、前年度比で6.8%、344億円の増となっております。

 

(2)エネルギー価格・物価高騰対策につきましては、国の補正予算により増額された重点支援地方交付金を活用し、中小企業等への支援や、農林水産業者への支援など県内経済を守るための施策を強化してまいります。また、国が昨年度の補正予算により実施した住民税非課税世帯への給付と同様の支援を、県独自で県内市町村を通じて実施するほか、人件費や物価の上昇を委託料や指定管理料に適切に反映することにより、県内事業者の賃金引上げを側面支援してまいります。

 

(3)島根創生を推進する施策につきましては、第2期島根創生計画に基づき、島根創生を着実に進めるため、産業や、結婚・出産・子育て、暮らしの支援、新しい人の流れづくりに関連する事業等を強化してまいります。

 

(4)なお、昨年10月の財政見通しでお示しした、来年度当初予算における財源不足につきましては、事業のスクラップ・アンド・ビルドに加え、県有財産の売却や特別会計の余剰金の活用等、その効果が一時的な手法も用いて対応したところです。

 こうしたことから、将来にわたって財源不足が解消した状況ではなく、県財政は依然として厳しい状況にあると考えております。

 

(5)また、国の来年度予算の年度内成立が困難で、暫定予算の編成が避けられない見込みでありますが、県の来年度当初予算につきましては、今議会において議決をいただきたいと考えております。

 なお、暫定予算に盛り込まれなかった国庫支出金につきましては、本予算が成立して予算内示を受けるまで執行しないのが通例でありますが、県民生活に支障を来すものについては、事業執行に係る国の方針を確認しながら、国からの予算内示がなくとも執行することも検討してまいります。

 

 それでは、来年度の主な施策等について、順次ご説明申し上げます。

 

(4.エネルギー価格・物価高騰対策)

 まず、エネルギー価格・物価高騰対策についてであります。

 

(1)LPガスの消費者や特別高圧電力を利用する中小企業の負担軽減につきましては、支援額や対象期間を見直して支援を行うこととしております。

 中小企業等に対しましては、製造業や飲食・商業・サービス業の事業者が行うエネルギーコスト削減や、新事業展開のための設備投資等について、助成上限額を引き上げた上で、既に支援を活用した事業者も含め、改めて支援を実施してまいります。

 食品産業につきましては、更なる輸出拡大を図るため、新たに生産性向上や輸出先の各国の規制、ニーズに沿った商品づくりのための設備投資等を支援してまいります。

 また、価格転嫁対策につきましては、セミナーの開催等による普及啓発や、価格交渉に取り組む企業への専門家派遣など、引き続き支援してまいります。

 さらに、制度融資による資金繰り支援や商工団体の相談体制の強化により、中小企業の事業継続を引き続き支援してまいります。

 

(2)農林水産業に対しましては、省エネ、省コストにつながる機器等の導入について、一部の助成上限額を引き上げた上で、既に支援を活用した農林水産業者も含め、改めて支援を実施してまいります。

 水田農業につきましては、主食用米の価格高騰を受けて、生産が減少した麦、大豆、飼料用米等の生産拡大の支援や、堆肥を活用した水田飼料の増産を進めてまいります。

 園芸用ハウスの整備につきましては、高騰が続く施工費への県の上乗せ支援を拡充し、生産者負担を軽減いたします。

 畜産につきましては、輸入飼料価格が高止まりしており、経営体力の回復が遅れている畜産農家への影響が懸念されることから、配合飼料や県産粗飼料の購入経費への支援を引き続き行ってまいります。

 内水面漁業につきましては、アユの種苗生産技術を、猛暑等の環境変化に対応できるように高度化するための新たな取組により、資源の安定化を進めてまいります。

 また、農業者、漁業者の資金繰り支援を引き続き行い、安定して経営が継続できるよう対応してまいります。

 

(3)医療、介護、保育施設や公衆浴場等に対しましては、エネルギー価格・物価高騰による影響が長期化していることから、改めて応援金により支援してまいります。

 高齢者福祉施設や障がい福祉施設等に対しましては、エネルギーコスト削減のための設備更新について、助成上限額を引き上げた上で、既に支援を受けた事業者も含め、改めて支援を実施してまいります。

 また、11月補正予算で既に対応している医療、介護施設に加え、新たに障がい福祉施設につきましても、必要なサービスを円滑に継続できるよう、訪問、送迎の移動経費や設備、備品の購入費用等を支援してまいります。

 

(4)低所得世帯への支援につきましては、エネルギー、食料品価格等の物価高騰の影響による負担を軽減するため、市町村と連携し、住民税非課税世帯に対して支援金を支給してまいります。

 

(5.魅力ある農林水産業づくり)

 次に、魅力ある農林水産業づくりについてであります。

 

(1)農業につきましては、ほ場整備や共同利用施設の再編、集約等についての支援を国に強く要望してまいりましたが、国においては令和11年度までの5年間を農業構造転換集中対策期間とし、別枠予算を確保することが決定されました。

 県としましては、この対策を最大限に活用し、地域の状況に応じた基盤整備や共同利用施設整備への支援を強化するなど、将来にわたり持続可能な農業、農村の確立に向けて、積極的に取り組んでまいります。

 また、近年の気候変動に対応するため、高温耐性に優れた新たな米の品種を開発し、先般、名称を募集いたしました。今後、この新品種の早期導入により、農業者の収益向上が図られるよう取り組んでまいります。

 さらに、農林大学校におきましては、新たにスマート農業や、米、露地野菜栽培を学べる研修部門を開設するなど、担い手の確保、育成の取組を強化してまいります。

 

(2)畜産につきましては、一昨年、肉質能力が日本一と評価された種雄牛「暁之藤」号に続き、昨年造成した「忠白隆」号が、先月末に肉量で日本トップクラスの評価を受けました。

 これらの種雄牛を生産者の皆様に有効活用していただくことにより、子牛や牛肉の販売価格の上昇につなげ、経営の安定化を図ってまいります。

 

(3)林業につきましては、林業事業体における高性能林業機械の導入や、製材工場における高品質な木材の安定供給のための施設整備への支援を強化してまいります。

 あわせて、県産木材の利用を促進するため、民間企業の事務所、店舗等における県産木材を使用した増改築や内装の木質化等を、新たに支援対象に加えることとしております。

 これらの取組により、循環型林業の更なる定着、拡大を進めてまいります。

 

(4)水産業につきましては、水産資源を持続的に利用できるよう、引き続き適切な資源管理に取り組むとともに、いわゆる「磯焼け」への対応として、漁場環境を保全する藻場礁の整備を着実に進め、漁業生産の安定化を支援してまいります。

 

(6.力強い地域産業づくり)

 次に、力強い地域産業づくりについてであります。

 

(1)ものづくり産業につきましては、成長が期待される次世代産業分野への参入を促進するため、産学官金が連携し、企業の戦略策定から研究開発、販路確保まで一貫した支援を引き続き行い、高付加価値企業の創出を進めてまいります。

 また、石州瓦産業につきましては、関連産業を含めた事業継続・拡大のため、新製品の開発や異分野への参入、生産性向上に向けた取組等を支援してまいります。

 

(2)次世代たたらプロジェクトにつきましては、国の交付金を活用して、航空産業・モーター産業等での事業化を引き続き進めてまいります。

 

(3)IT産業につきましては、県内のIT企業の従業者数が令和2年4月の1,608人から昨年4月には1,985人へと増加しており、売上高も、令和元年度の約289億円から昨年度の約409億円へと堅調に伸びております。

 若者の就職の有力な受け皿として、魅力的な産業となるよう、引き続き取組を進めてまいります。

 

(4)産業のデジタル化につきましては、支援機関と連携し、啓発セミナーや、専門家による相談対応、システムの導入経費への支援を実施してまいりました。

 来年度は、こうした取組に加え、県西部へのDXコーディネーターの配置や、商工団体の経営指導員向けセミナーにより、企業の相談支援体制の充実を図ってまいります。

 

(5)観光の振興につきましては、NHKの連続テレビ小説「ばけばけ」の放送により、ゆかりの地である八重垣神社や小泉八雲旧居、記念館等には、多くの方々が訪れておられます。

 県としましては、県内外でのPR活動や、周遊バスツアーの実施、体験コンテンツの造成支援など、様々な取組を展開しております。

 来月の放送終了後も、多くの方々に訪れていただけるよう取り組んでまいります。

 また、山陰道の延伸にあわせて、貸切バスを利用して石見地域に宿泊する旅行商品への支援の拡充や、世界遺産石見銀山等の情報発信の強化等により、石見地域への誘客促進に取り組んでまいります。

 

(6)商業・サービス業等につきましては、県外での事業展開やECサイトの活用による外貨獲得に向けた取組への支援を拡充し、経営強化を図ってまいります。

 

(7)事業承継の推進につきましては、後継者が不在の中小企業者から第三者への事業承継を支援する制度について、従業員数の要件の緩和等により支援を拡充し、地域に必要な事業の承継を促進してまいります。

 

(8)企業立地の推進につきましては、県西部の県営工業団地の分譲促進に向けて、土地を購入した企業を対象に、CO2排出量を削減する取組を支援する制度を創設するなど、県内企業の再投資や県外企業の新規立地を促進してまいります。

 また、安来市切川地区の工業用地造成につきましては、開発行為の協議手続きが完了し、来月には進入路の設置工事に着手する予定であります。

 引き続き、安来市と連携し、着実に事業を進めてまいります。

 

(7.人材の確保・育成)

 次に、人材の確保・育成についてであります。

 

(1)島根大学材料エネルギー学部では、大学院の設置準備が進められております。

 県内企業との共同研究や見学バスツアー、業界研究会等により、学生が県内の企業を知る機会を充実するなど県内就職につながる取組を進め、引き続き産学官連携による産業の振興や高度な専門人材の育成、若者の県内定着を図ってまいります。

 

(2)県内全域で不足しているデジタル人材や技術力のあるIT人材を育成するため、高度なIT分野を学べる教育環境の整備を支援してまいります。

 一方で、県西部では、高校生のIT分野の進学先が身近にないことから、益田市の県立西部高等技術校の機能を活かし、1学年20名規模で情報技術科を有する2年制の職業能力開発短期大学校を新設いたします。令和11年4月の開校を目指し、教育課程や施設整備等について、国や地元市町など関係機関と連携して準備を進めてまいります。

 

(3)全国的に人手不足が続く中、人材確保のためには、魅力ある職場を増やし、広く知っていただく必要があります。引き続き、いきいきと働きやすい職場づくりや戦略的な情報発信など、採用力の強化に取り組む企業を支援してまいります。

 

 

(8.結婚・出産・子育てへの支援)

 次に、結婚・出産・子育てへの支援についてであります。

 

(1)結婚支援につきましては、コンピューターマッチングシステム「しまコ」を改修し、会員登録手続きの簡素化等により、利便性を高めることとしております。

 今後も、会員数の増加や利用促進につながるよう、積極的な情報発信を行い、結婚を希望する方々を支援してまいります。

 

(2)出産支援につきましては、遠方の医療機関において妊婦健診の受診や出産を行う妊婦に対して、交通費や宿泊費の助成を行っております。

 これに加えて、新たに産後の健診や産後ケア、不妊治療等についても助成の対象とすることで、経済的負担の軽減を図り、安全・安心に妊娠、出産等ができる環境を整備してまいります。

 

(3)子育て支援につきましては、しまね子育て応援パスポート「こっころアプリ」が、子育て家庭の4割に当たる約2万2,000世帯で利用されております。

 このシステムにつきまして、新たに協賛店から利用者に向けた情報発信機能や、位置情報の利用による協賛店や「赤ちゃんほっとルーム」の検索機能を追加するなど、利便性の向上を図ることとしております。

 引き続き、アプリの活用を促進し、地域や企業等、県全体で子育てを応援する機運を醸成してまいります。

 

 

(9.中山間地域・離島の暮らしの確保)

 次に、中山間地域・離島の暮らしの確保についてであります。

 

(1)中山間地域・離島における「小さな拠点づくり」につきましては、引き続き市町村と連携して、持続可能なコミュニティづくりや、買い物、燃油、生活交通等の生活機能を維持・確保するための取組を進めてまいります。


(2)離島振興につきましては、関係都道県とともに、有人国境離島法に基づく人材確保対策の拡充等を国等に要望してまいりました。この度、国の来年度予算において、新規に雇用する従業員の移住経費が支援の対象に追加されるなど、制度が拡充されることとなっております。

 来年度末に法の期限を迎えることから、法の延長や支援の充実、十分な予算の確保に向けて、引き続き国等に働きかけてまいります。

 

(3)野生鳥獣被害対策につきましては、引き続き市町村と連携した捕獲体制の構築に取り組み、捕獲者を対象とした研修を実施するとともに、新たに射撃練習への助成を行ってまいります。

 

(10.地域の経済的自立の促進)

 次に、地域の経済的自立の促進についてであります。

 

(1)豊かな自然環境や特徴ある資源を活用し、商品化につなげるスモール・ビジネスにつきましては、商品開発等の経費への支援を拡充するほか、引き続き研修会の開催や専門家による個別相談など、様々なニーズに応じた支援により、中山間地域・離島の雇用創出や所得向上に向けた取組を進めてまいります。

(2)地域内経済の好循環の創出につきましては、地産地消の取組の促進や地域での消費拡大に向けて、引き続き市町村や関係団体等と連携して取り組んでまいります。

 

(11.地域振興を支えるインフラの整備)

 次に、地域振興を支えるインフラの整備についてであります。

 

(1)山陰道につきましては、来月28日に石見三隅ICから遠田IC間の約15kmが開通し、県内の開通率は85%となる見込みです。

 これにより、山陰道、浜田道による高速道路ネットワークが益田市までつながることで、より広域的な企業活動や観光誘客が可能となり、地域経済の発展に寄与するものと期待しております。

 引き続き、事業中区間の整備の推進と、一日も早い全線開通を国に働きかけてまいります。

 

(2)中海・宍道湖圏域を結ぶ「8の字ルート」を構成する「境港出雲道路」につきましては、その一部となる松江北道路の整備を引き続き進めてまいります。

 また、未着手区間につきまして、国直轄での事業化に向けて、引き続き国、関係市と連携して整備方針等に関する検討を進めてまいります。

 

(3)出雲縁結び空港につきましては、運用時間の延長と発着便数の拡大について、令和10年度の運用開始を目途に、引き続き空港周辺の住民の皆様に誠意を持って対応してまいります。

 また、来月末からの運航ダイヤにおきましては、中部線が運休、静岡線が期間運航となる一方で、小牧線については、夏休みや秋の行楽シーズンなど観光需要の高まる時期を中心に、1往復の増便により1日3往復運航されることとなりました。

 引き続き、地元協議会や就航先の自治体と連携し、小牧線を始めとする各線の利用促進に取り組んでまいります。

 加えて、ベトナムとのチャーター便が4月に運航されることとなりました。

 引き続き、こうしたチャーター便の実績を着実に積み重ねながら、観光、文化、経済など幅広い分野での交流の活性化を図り、将来的な国際定期便の就航を目指して取組を進めてまいります。

 

(4)萩・石見空港につきましては、東京線の2便運航が継続されるよう、政策コンテストで掲げた利用者数の目標達成に向けて、引き続き島根、山口両県の関係自治体や経済団体、航空事業者と連携し、利用促進に取り組んでまいります。

 

(5)隠岐世界ジオパーク空港につきましては、生活路線として必要不可欠な出雲線の更なる利用率向上に向けて、地元協議会と連携し、利用促進に取り組んでまいります。

 また、有人国境離島法に基づく国の交付金を活用しながら、引き続き全国各地からのチャーター便の誘致に取り組んでまいります。


(6)ICT・デジタル化の推進につきましては、デジタルを活用した地域の課題解決に向けて、引き続き産官学民で連携して取り組んでまいります。あわせて、県と市町村によるシステムの共同調達や、市町村の人材育成等に対する支援を行ってまいります。

 また、来年度は、「ICT総合戦略」の計画期間の最終年度となることから、これまで進めてきました各分野のデジタル化施策の効果検証や評価を行い、県議会のご意見を伺いながら、次期戦略の策定に取り組んでまいります。

 

(12.地域の生活基盤を支える人材の確保)

 次に、地域の生活基盤を支える人材の確保についてであります。

 

 地域生活交通につきましては、バス運転手の確保に向けて、運転手の労働環境や福利厚生の改善への支援等について、引き続き交通事業者や市町村と連携して取り組んでまいります。

 また、医療、介護、福祉サービスや建設産業を担う人材の確保を引き続き支援してまいります。

 

(13.島根を愛する人づくり)

 次に、島根を愛する人づくりについてであります。

 

 しまね産学官人材育成コンソーシアムでは、高校生や大学生、県内企業等が参加する交流会の開催や、インターンシップの推進、企業の採用活動の強化のためのフォーラム等に取り組んでおります。

 引き続き、こうした取組を通じて、地域で活躍する若者の育成と県内定着を促進してまいります。

 

(14.新しい人の流れづくり)

 次に、新しい人の流れづくりについてであります。

 

(1)若者の県内就職につきましては、引き続き大学生等が県内で就職活動を行う際の交通費、宿泊費の助成を行うほか、県出身の学生が多い近畿・山陽地方と愛媛県に配置している学生就職アドバイザーが大学等を訪問し、県内企業の情報や交流の機会を提供するなど、学生への支援に取り組んでまいります。

 また、県内企業の魅力を保護者から学生等に伝えていただくために、保護者に向けた情報発信を行い、若者の県内就職を促進してまいります。

 

(2)Uターン、Iターンにつきましては、無料職業紹介事業の求人サイトに、新たに社会人インターンシップの情報を掲載し、検索する機能を追加するなど、就職支援を強化してまいります。

 また、若年層への発信力が高い民間の転職フェアにおいて、島根県ブースの出展回数を増やすなど、移住関心層の掘り起こしを進めてまいります。

 

(3)関係人口の拡大、創出につきましては、引き続き都市部にお住まいの方々向けのセミナーを開催するほか、関係人口と地域をつなぐ交流サイト「しまっち!」などを通じて、更なる関係人口を創出し、地域活動への参画や将来の移住につなげてまいります。

 

(15.女性活躍の推進)

 次に、女性活躍の推進についてであります。

 

(1)働く女性の活躍の推進につきましては、本人の希望に応じて、個性や能力を発揮し、自分らしく働き続けることができる環境づくりを進めてまいります。

 本県は、企業の役員や管理職に占める女性の割合が低いため、新たに知識や経験が豊かな女性を社外メンターとして選任することにより、社内に身近なロールモデルが少ない女性社員のキャリア形成を支援してまいります。

 

(2)働き続けやすい職場環境づくりにつきましては、女性が活躍できる職場環境を整えていく上で、企業の経営者や男性の意識を変える必要があります。

 固定的性別役割分担意識や、染み付いている偏見、思い込みを解消し、男性と女性が同じように活躍できる企業が増えるよう、引き続き意識改革や行動変容を促してまいります。

 また、職場環境の整備や柔軟な働き方ができる制度の導入、省力化やデジタル化による業務改善等の取組により、人材の確保、定着、さらには収益の向上につなげた企業の好事例を紹介し、誰もが働きやすい職場環境づくりが広がるよう取り組んでまいります。

 

(16.保健・医療・福祉の充実)

 次に、保健・医療・福祉の充実についてであります。

 

(1)地域医療の確保につきましては、患者を幅広く診察する総合診療医の育成に取り組んでおり、島根大学の総合診療医センターが設置されてから5年が経過し、総合診療医を目指す専攻医は、これまでに40名を超えております。

 引き続き、総合診療医センターや関係医療機関と連携し、育成を進めてまいります。

 

(2)看護師の確保につきましては、患者の高齢化や業務の複雑化により、看護師の業務負担が増えていることから、新たにICT機器の導入など、病院の看護DXの取組を支援し、就業促進と離職防止を図ってまいります。

 

(3)薬剤師の確保につきましては、県内の医療機関や薬局に新たに就業する薬剤師を対象に、奨学金の返還を医療機関等と共同して支援しておりますが、病院の薬剤師が不足していることから、医療機関に就業する薬剤師への助成額を拡充し、更なる取組を進めてまいります。

 

(4)介護人材の確保につきましては、介護現場で必要な人材が確保できるよう、引き続き外国人の介護人材の受入れ支援や、介護ロボット・ICT機器の導入による生産性向上、職場環境改善の支援等に取り組んでまいります。

 また、新たに外国人の介護人材の円滑な就労や定着を図るための研修を行ってまいります。

 

(5)障がい児の支援につきましては、難聴児支援の中核となる「こどものきこえサポートセンター」を新たに設置し、難聴児の早期発見と切れ目のない支援体制の構築を図ることとしております。

 このセンターにおいて、難聴児に関する情報を一元的に管理し、家族等からの相談の対応や必要な支援等について、市町村や関係機関と連携して取り組んでまいります。

 

(17.教育の充実)

 次に、教育の充実についてであります。

 

(1)いわゆる高校無償化につきましては、高等学校等就学支援金の支給上限額の引上げや、世帯の収入要件の撤廃等が行われることを受け、公立、私立を問わず、高校生等に関する家庭の教育費負担の軽減を図ってまいります。

 また、国におきましては、これに併せて高等学校教育改革を進めることとされており、県では、今年度の国の補正予算をもとに基金を造成し、改革を先導する拠点高校において、理数系人材の育成や、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保等の取組を進めてまいります。

 

(2)学校給食につきましては、国と協調して、公立小学校及び特別支援学校小学部における給食費の抜本的な負担軽減を実施してまいります。

 また、公立中学校の給食費につきましては、給食の質を維持できるよう、米の価格上昇分への支援を来年度も継続して実施してまいります。

 

(3)不登校の子どもたちの学びへの支援につきましては、全国の傾向と同様に県内の小中学校での不登校が増えていることから、空き教室を活用した校内教育支援センターへの支援員の配置や、学校以外の居場所となる教育支援センターの設置の取組など、市町村の不登校対策を引き続き支援してまいります。

 

(4)江津地域における新設校の開校につきましては、県内初の普通科高校と工業高校の統合に向けて、来年度は、校舎等の施設整備の設計と寄宿舎の改修等を行ってまいります。

 

(5)県立学校の教職員の働き方改革につきましては、生徒等の出席や成績の管理等、学校内での業務を効率化するシステムの令和9年度からの導入に向けて、準備を進めてまいります。

 また、学校アシスタント等の配置の拡充や、勤務時間内に部活動指導を行うために時差出勤する教員の代替としての非常勤講師の配置、さらには、部活動に対する手当の増額など、教職員の業務負担の軽減や処遇改善に、教育の質の向上を図りながら取り組んでまいります。

 

(18.スポーツ・文化芸術の振興)

 次に、スポーツ・文化芸術の振興についてであります。

 

 令和12年に開催予定の「島根かみあり国スポ・全スポ」につきましては、来年度から、新たに「島根かみあり国スポ・全スポ局」を設置し、市町村と連携して、会場となる競技施設の整備を進めるほか、開催日程の検討や県民への機運醸成等の開催準備を進めてまいります。

 また、国スポの競技力向上に向けて、少年ではジュニアアスリートの育成や強化指定校における重点的な選手強化、成年では県外の大学、社会人チームで活躍する選手に対する県内就職の支援や、ふるさと選手登録の働きかけなどの取組を進めてまいります。

 全スポにつきましては、引き続き競技体験会や体験授業等を実施し、大会に参加する選手の掘り起こしやチームの育成を図るほか、大会運営に必要となる手話等の情報支援ボランティアの養成等に取り組んでまいります。

 

(19.人権の尊重と相互理解の促進)

 次に、人権の尊重と相互理解の促進についてであります。

 

 外国人住民への支援につきましては、言葉や習慣の違いがある中、安心して暮らせる環境を整えることが重要であります。

 来年度は、しまね国際センターを松江市中心部に移転し、外国人住民の利便性を高めるとともに、相談体制や日本語学習環境の充実を図ってまいります。

 

(20.自然、歴史・文化の保全と活用)

 次に、自然、歴史・文化の保全と活用についてであります。

 

(1)隠岐ユネスコ世界ジオパークにつきましては、昨年9月に世界ジオパークとして再認定されました。

 引き続き、隠岐4町村等と連携し、豊かな自然環境を活用した誘客促進や、受入体制の整備等に取り組んでまいります。

 

(2)来年、発見500年、世界遺産登録20周年を迎える石見銀山につきましては、9月19日から12月6日まで、東京・池袋の古代オリエント博物館において記念展を開催するなど、石見銀山の魅力化、持続化につながる取組を段階的に実施してまいります。

 

(21.生活基盤の確保)

 次に、生活基盤の確保についてであります。

 

(1)道路整備につきましては、骨格幹線道路の改良を優先的に進めるとともに、老朽化が進む道路施設の計画的な修繕や、落石対策、橋梁の耐震化、通学路の交通安全対策等を進め、県民の安全・安心と、快適な日常生活及び産業活動の基盤を整えてまいります。

 

(2)JRの地方路線につきましては、人口減少等を背景に利用者の減少が続くなど、厳しい状況にあります。

 特に、木次線の出雲横田駅から備後落合駅間に関しては、JR西日本から、地域の移動実態に応じた持続可能な交通体系について地元と相談したい旨の説明を受け、現在、沿線自治体や広島県とともに対応を検討しているところであります。

 地方路線の維持を図るためには、利用客の増加が重要であり、引き続き県内市町村と連携し、JRの利用促進に積極的に取り組んでまいります。

 

(3)隠岐航路につきましては、船員不足により、昨年6月から大幅な減便を伴う運航ダイヤとなっております。

 この減便に対応するため、船員確保に向けた地元での協議の場に県も参画して議論を重ねた結果、昨年11月に具体的な対策を盛り込んだ人材確保対策計画が策定され、現在、この計画に基づいて隠岐4町村と隠岐汽船が連携し、船員確保に向けた取組を進められています。

 隠岐航路は、隠岐地域の住民生活や産業振興に必要不可欠であることから、県としましても、航路の維持に向けて、地元と連携し、必要な協力を行ってまいります。

 

(22.生活環境の保全)

 次に、生活環境の保全についてであります。

 

 脱炭素社会の実現につきましては、「島根県環境総合計画」において、「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」の長期的な目標を設定し、取組を進めております。

 引き続き、産業振興や県民生活の向上に加え、地域の活性化にもつながるよう、国の施策も活用しながら再生可能エネルギーの導入や省エネ対策に取り組んでまいります。

 

(23.防災対策の推進)

 次に、防災対策の推進についてであります。

 

(1)江の川下流域の治水対策につきましては、江津市八神地区下流区間で実施されている築堤工事が来月、完了する見込みであるほか、川本町谷地区の宅地嵩上げ工事が本格化するなど、江の川全川で事業の進捗が図られております。

 引き続き、国に対して、「江の川中下流域マスタープラン」に基づく事業が早期に完成するよう働きかけるほか、県事業につきましても、国や市町と連携して進めてまいります。

 また、県東部地域の浸水対策につきましては、河川整備を着実に進めるとともに、昨年5月に公表した緊急対策を実施し、浸水被害の軽減に取り組んでまいります。

 

(2)昨年1月10日から営業運転をしておりました島根原発2号機につきましては、中国電力が今月9日に原子炉を停止し、運転再開後、初めてとなる定期事業者検査を実施しているところであります。

 県としましては、2号機の運転が安全に行われるよう、状況を厳正に監視してまいります。

 また先月、中国電力から、今後2号機でのプルサーマル発電の実施に向けた取組を進めるとの説明を受けました。

 県としましては、その内容を確認するとともに、中国電力に対し、引き続き関係自治体等への分かりやすく丁寧な説明を求めてまいります。

 3号機につきましては、原子力規制委員会において新規制基準適合性審査が継続されていることから、引き続き審査状況を注視してまいります。

 

(3)原子力防災対策につきましては、昨年10月から実施してきました原子力防災訓練の結果も踏まえ、引き続き避難計画の実効性の向上に努めてまいります。

 

(24.安全な日常生活の確保)

 次に、安全な日常生活の確保についてであります。

 

(1)昨年の県内の治安情勢につきましては、刑法犯認知件数は全国最少となりましたが、特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害額が、合わせて10億円を超えるなど、依然として深刻な事態が続いております。県民の皆様が各種犯罪の被害に遭わないよう、引き続き関係機関、団体等と連携し、犯罪防止に向けた効果的な取組を推進してまいります。

(2)昨年の県内における交通事故につきましては、発生件数は減少した一方で、死者数は17人となり、前年の9人に比べて大きく増加しております。

 引き続き、関係機関、団体等と連携し、高齢者やこどもを中心とした交通事故防止対策を推進してまいります。

 

(25.若者の活躍)

 次に、若者の活躍についてであります。

 

 スポーツでは、昨年12月に開催された全日本空手道選手権大会において、出雲市出身の三島きり選手が、女子形個人戦で初優勝を果たされました。

 文化分野では、第29回全国聾学校絵画展において、浜田ろう学校高等部の櫻井結衣菜さんが最優秀賞を受賞されました。

 こうした若者の活躍は、私ども県民に大きな感動と喜びを与えてくれるものであり、今後も大いに活躍されることを期待しております。

 

(26.竹島問題)

 次に、竹島の問題についてであります。

 

 今月22日は、「竹島の日を定める条例」に基づく「竹島の日」であり、多くの関係の皆様にご出席いただき、記念式典を開催いたします。

 県としましては、今後も、竹島問題についての国民の理解と関心が高まるよう、式典の開催とともに、様々な啓発活動、調査研究等を更に進め、国と連携しながら、竹島問題の広報啓発に取り組んでまいります。

 

(27.県税条例の改正)

 次に、県税条例の改正についてであります。

 

 令和8年度税制改正に伴う県税条例の改正案は、地方税法の改正法案の内容を確認した上で、今議会の中日に提案したいと考えております。
しかしながら、今月8日に総選挙が行われ、国会審議の日程が例年と比べて遅れることとなるため、改正法案の閣議決定が遅れた場合には、最終日の提案又は知事専決処分により対応することも検討しております。

 

(28.「島根創生」の実現を目指して)

 おわりに、「島根創生」の実現を目指して、一言申し上げます。

 

 人口減少対策には、この政策に取り組めば出生数が増える、若者の流出が止まるといった特効薬は存在しないため、様々な政策を総動員し、島根で暮らしたい、働きたい、結婚したい、子育てしたいと希望される方が、安心して希望を実現できる環境づくりを、着実に進めていくことが必要であります。

 人口減少に歯止めをかけ、愛着と誇りを持って、笑顔で暮らせる島根を次の世代へ引き継ぎたいという県民の皆様の願いを実現するため、「島根創生」に誠心誠意取り組んでまいります。

 引き続き、「島根創生」の取組へのご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。

 

 この後、提出いたしました予算案を含め、諸議案の詳細につきまして、総務部長から説明させていただきます。

 何とぞよろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

お問い合わせ先

政策企画監室

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
島根県 政策企画監室
電話:0852-22-6063
FAX:0852-22-6034
Eメール:seisaku-kikaku@pref.shimane.lg.jp