令和3年6月定例県議会知事提案理由説明

 提案理由の説明に先立ちまして、申し上げます。

 

 本県出雲市出身の里見香奈さんが、今月2日に、女流棋士タイトルの通算獲得数44期を達成され、歴代単独1位の新記録を樹立されました。県民を代表して、心よりお祝いを申し上げます。

 この度の偉業は、長年にわたる鍛錬の賜であり、県民の皆様に、大きな喜びと深い感動を与えました。

 今後も、巧みな駒運びと「出雲のイナズマ」と称される鋭い攻めを武器に、一層ご活躍されることを期待しております。

 

 定例議会開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、最近の県行政の主な動きについてご説明し、併せて、私の所信の一端を申し述べたいと思います。

 

(1.松江市内で発生した大規模火災)

 はじめに、4月1日に、松江市島根町加賀で発生しました大規模火災について申し上げます。

 

 この度の火災では、強風の影響により、民家やコテージ等32棟のほか、山林に延焼するなど、甚大な被害が発生しました。

 被災された方々に対し、改めまして、心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く、住み慣れた地域での暮らしを取り戻すことができるよう、今後も、松江市をはじめ、関係機関と連携して支援してまいります。

 

(2.全国植樹祭)

 次に、5月30日に開催しました全国植樹祭について申し上げます。

 

 新型コロナウイルス感染症の影響により、1年延期となっておりました第71回全国植樹祭を、天皇皇后両陛下のオンラインでのご臨席を仰ぎ、「木でつなごう人と森との縁(えにし)の輪」をテーマに、大田市三瓶山北の原で開催いたしました。

 開催にあたり、ご尽力いただきました、地元大田市の皆様、林業関係者の皆様をはじめ、準備に携わってこられた多くの皆様に厚くお礼を申し上げます。

 式典では、三瓶山式典会場と東京の赤坂御用地を結び、天皇皇后両陛下によるお手植え・お手播きに加え、全国植樹祭では初となる、天皇陛下による御収穫が行われるなど、島根県が目指す循環型林業を強く発信する大会となりました。

 この大会を契機として、県内の森林・林業・木材産業がさらに発展するよう取り組んでまいります。

 

(3.新型コロナウイルス感染症対策)

 次に、新型コロナウイルス感染症対策の状況について申し上げます。

 

(1)県民の皆様には、感染症対策の徹底にご理解とご協力をいただいていることに、心から感謝を申し上げます。

 また、治療に当たっておられる医療従事者の皆様にも、重ねて敬意と感謝を表する次第であります。

 

(2)全国的には、大都市部を中心とする感染症の再拡大を受けて、三度目の緊急事態宣言が発出されており、依然として病床使用率等の状況は、高い水準が続いております。

 県内においても、4月以降、隠岐地域で初めての感染者が確認されたほか、各地でクラスター事案が発生するなど、連日感染者が発生しております。

 一方で、感染者の大半は、積極的疫学調査により、感染経路が把握できており、今後とも、県では、感染者が確認された場合には、調査を迅速に進め、幅広く検査を行うことにより、感染拡大防止に取り組んでまいります。

 

(3)感染者の受入体制につきましては、最大253床の入院ベッドを確保しておりましたが、今後の感染拡大に備えて、病床確保計画の見直しを行い、最大324床まで拡大することとしました。

 加えて、感染の状況を踏まえ、既に確保している軽症や無症状者のための宿泊療養施設について、先月29日から受入可能な体制を整えております。

 さらに、県内では、これまで社会福祉施設におけるクラスター事案は、関係者のご尽力により発生しておりませんが、入所者の中に感染者が確認され、医療機関への入院よりも施設内での療養が適当な場合に備えて、感染者以外の陰性の入所者が、施設外に一時的に待避し、滞在できるよう出雲市内に専用の施設を確保しました。

 これらの取組により、必要な医療を提供できる体制を維持し、感染者が増加した場合でも、適切に対応できるよう備えてまいります。


(4)PCR検査体制等につきましては、新型コロナの診療や検査を集中的に行う地域外来・検査センターを設置したり、医療機関に対する設備整備への経費を支援することにより、県内全域で検査を実施できる体制を確保しております。

 引き続き、かかりつけ医等に「診療・検査医療機関」として、発熱症状のある方の診療に協力いただくとともに、9月から、浜田保健所においてもPCR検査が実施できるよう、準備を進めているところであり、さらなる体制強化に努めてまいります。

(5)ワクチン接種につきましては、国からのワクチン供給量が限られているため、国の方針に基づいて、感染リスクが高い医療従事者等や、感染した場合に重症化リスクの高い高齢者等への優先接種を、市町村と連携しながら進めているところです。

 引き続き、国からのワクチン供給の状況を踏まえながら、接種が円滑に実施できるよう、市町村とともに取り組んでまいります。

 また、県民の皆様が、接種の効果やリスクを正しく理解した上で、安心して接種を受けていただけるよう、市町村と連携し、わかりやすい情報提供に努めてまいります。

 さらに、国から示されたワクチン接種を促進するための支援策について、今後内容を精査のうえ、必要な予算について、今議会に追加提案をしたいと考えております。

 

(6)次に、経済情勢について申し上げます。

 日本経済は、昨年末からの第三波に続き、第四波の感染拡大の影響を受け、在宅時間の増加等により、一部では売上げが好調な業種が見られるものの、全体としては、大変厳しい状況にあります。

 県内経済においても、1月7日に発出された緊急事態宣言等で、飲食の場を主たる感染の要因として重点的に対策が行われたことから、島根県のように宣言や営業時間短縮要請の対象区域外の地域においても、広く飲食店の利用等が控えられたため、飲食業や関連事業者の売上げが、宣言対象区域等と同様に大幅に落ち込み、深刻な状況が続いております。

(7)県では、こうした飲食店等に対して、国による支援が行われるよう、2月3日や25日に、関係省庁と地元選出の国会議員に要請を行ったほか、全国知事会の場等を通じて、県内事業者の窮状と支援の必要性を訴えてまいりました。

 その後、同様の状況にある34道県の知事や全国知事会においても、政府・与党への要請が行われ、こうした取組により、4月には、都道府県が地域の実情に応じて必要な事業を実施できる「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」に、特別枠として5,000億円の「事業者支援分」が創設されました。このうち、3,000億円の配分があり、本県の交付限度額が約29億5,000万円となりました。

 

(8)県としましては、この新たな「事業者支援分」や既存の交付金の残額等を活用し、事業者への支援、感染症対策、県民生活の支援など、追加の対策に取り組むこととしております。

 そのため、それらの対策に必要となる歳出を補正予算案にまとめ、今議会に提出しております。

(9)具体的には、感染症の第三波において、飲食の場が感染拡大の主な起点とされた影響により、売上げが一定の水準以上減少した飲食事業者について、事業継続を支援するため、事業規模に応じて、一店舗あたり最大120万円、一事業者あたり200万円を上限に、給付金を支給してまいります。

 

(10)感染防止対策につきましては、飲食店における対策を徹底するために、国の基本的対処方針に基づく第三者認証制度を導入することといたしました。認証を希望する飲食店に対し、アクリル板や消毒機器の設置に対する経費の支援をするとともに、個別訪問し、県が策定した感染症予防の基準を満たす飲食店の認証を進め、県民の皆様が安心して飲食店を利用できるように取り組んでまいります。

 また、宿泊事業者につきましては、対策の強化に必要な機器の購入や設置に係る経費の助成を行ってまいります。

 

(11)次に、県内経済や県民生活の回復に向けた施策について申し上げます。

 中小企業・小規模企業の支援につきましては、感染症の長期化を踏まえ、4月に創設した県独自の融資制度の「新型コロナウイルス対応枠」の保証料率について、これまで0.40%から0.71%であったものを、一律0.30%に引き下げるとともに、融資枠を100億円から200億円に増額し、中小企業者等の資金繰りの支援を強化してまいります。

 また、昨年度中に「新型コロナウイルス感染症対応資金」を借り入れた中小企業者等に対しては、感染症の影響の長期化を踏まえて、返済計画を見直しやすくするため、見直しによって増加する利息の一部や保証料の支援を行ってまいります。

 

(12)国の「GoToEat」につきましては、落ち込んでいる県内消費を喚起するため、現在販売されている飲食券が完売した後の追加販売分についても、特典内容を見直した上で、県独自の上乗せを行ってまいります。

 

(13)県民生活の支援につきましては、感染症の影響により、休業や失業等で収入が減少した世帯に対して貸し付ける、特例の生活福祉資金の受付期間が延長されたことに伴い、貸付原資を増額し、生活に困窮された方を支援してまいります。

 

(14)このほか、感染拡大の影響を受けた県内の宿泊事業者支援のため、山陰両県民を対象とした「WeLove山陰キャンペーン」に加え、県民を対象とした、旅行商品の割引と地域限定クーポンの配布を組み合わせた「再発見!あなたのしまねキャンペーン」の実施期間を、8月末まで延長することとしました。

 これに係る経費については、当初予算に計上した、10億円の新型コロナウイルス感染症対策調整費の一部を活用したところです。今後も引き続き、状況の変化に機動的かつ迅速に対応するため、この調整費を復元するための経費を、予算案に盛り込んでおります。

(15)県としましては、県民の皆様の命と生活や、県内事業者を守るため、引き続き、全国の感染状況等を注視し、国や他の都道府県、市町村、医療機関等と緊密に連携をとりながら、感染拡大防止、医療提供体制の強化、ワクチン接種の推進、地域経済の回復等に全力で取り組んでまいります。

 

(4.「島根創生計画」の取組)

 次に、「島根創生計画」の取組について申し上げます。

 

 新型コロナウイルス感染症の再拡大により、一部の事業で中止や延期、縮小を余儀なくされておりますが、一方で、人口減少など、島根県が直面する課題は待ったなしの状況であります。

 当面は、新型コロナへの対応に最優先で取り組んでまいりますが、「島根創生」の取組も着実に実施していく必要がありますので、今後さらに手法を工夫して、総力をあげて推進してまいります。

 

(5.魅力ある農林水産業づくり)

 次に、魅力ある農林水産業づくりについて申し上げます。

 

(1)農林水産業の担い手の確保・育成につきましては、着実な成果が上がっております。

 

(2)農業につきましては、昨年度の新規就農者は185名であり、なかでも、担い手として重要と考えている自営の新規就農者は、過去最高の60名となりました。

 また、昨年度から定員を拡充した農林大学校については、今年度の入学生は、拡充前の2年前と比較して20名増え、農業科、林業科あわせて、61名を確保することができました。

 今後とも、水田園芸をはじめとする産地づくりに必要な担い手を確実に確保・育成してまいります。

 

(3)林業につきましては、昨年度の新規就業者数が5年ぶりに90名に達するなど、農林水産基本計画の目標を上回っております。

 今年度は、特に県内の高校に対する働きかけを強化し、現地見学や高性能林業機械に直接触れられる体験型教育により、林業の就業体験を充実してまいります。

 

(4)水産業につきましては、昨年度の新規就業者は8名にとどまりましたが、数年後の就業を目指す研修生を11名確保しております。

 今年度は、定置網や底びき網等の企業的漁業経営体と連携した研修生の受入体制を強化するとともに、水揚げ量の増加につながる漁業技術の向上や新漁法導入を支援するなど、沿岸自営漁業の担い手育成にも力を入れてまいります。

 

(6.力強い地域産業づくり)

 次に、力強い地域産業づくりについて申し上げます。

 

(1)先端金属素材グローバル拠点創出事業につきましては、島根大学内に「次世代たたら協創センター」が完成し、4月から稼働したところです。

 世界的な金属素材の研究開発、人材育成の拠点として、地域産業とともに発展していくよう、引き続き取り組んでまいります。

 

(2)観光の振興につきましては、本年3月に、ポーラ・オルビスグループ及びANAグループと、温泉と食を絡めた「美肌ウェルネスツーリズム」推進に向けた連携協定を締結しました。今後は、民間企業のブランド力や販売力を活用し、新たな「美肌観光」の旅行商品づくりを進めてまいります。

 引き続き、「美肌県しまね」の認知度向上と誘客促進に取り組んでまいります。

 

(3)JR木次線につきましては、地元協議会が実施する木次線を活用した旅行商品の造成や、団体利用の経費を助成するなど、利用促進に向けた支援を強化しております。

 こうした状況の中、今月3日に、JR西日本米子支社から、令和5年度を最後に、老朽化したトロッコ列車の運行を終了するとの発表がありました。

 トロッコ列車は、木次線沿線の観光振興の重要な柱でありますので、昨日、運行継続について、地元の団体とともにJRに対して要望を行ったところです。

 

(4)県産品の販路拡大につきましては、店舗やオンラインでの食料品販売等を展開する株式会社サンクゼールと、3月に、パートナーシップ協定を締結しました。

 協定締結後、4月にかけて、全国124店舗で25商品を扱う「島根フェア」を開催いただき、私も、出雲市内の店舗で、県産品をPRしてまいりました。

 今後も、私自身が先頭に立って、関係先との連携強化に努め、県産品の認知度向上と取扱拡大に取り組んでまいります。

 

(5)浜田港と釜山港を結ぶ、国際定期コンテナ航路につきましては、4月から、船会社の事情により、寄港回数が週2回から1回となり、船便を利用する事業者等の利便性が低下しております。

 加えて、新型コロナの感染拡大により、世界の主要港の物流が混乱したことから、輸送に使用するコンテナが不足し、運賃が高騰している状況にあります。

 県としては、地元自治体と連携して、船便利用の負担を軽減するための緊急支援を講ずるなど、浜田港を安心してご利用いただけるよう、引き続き取り組んでまいります。

(6)企業立地の推進につきましては、昨年度は、中山間地域での4件を含めて、12件の立地認定を行いました。前年度と比べ、3件の減となったものの、認定企業の総投資額は約139億円で、前年度と比べ、約40億円の増となり、また、新規雇用計画数は約230人となりました。

 現在、企業訪問による誘致活動が難しい状況であるため、オンラインの活用等により、県内外の企業に向けて県内の立地環境や優遇制度を積極的にPRしてまいります。

(7.結婚・出産・子育て支援)

 次に、結婚・出産・子育て支援について申し上げます。

 

(1)結婚支援につきましては、コンピュータマッチングシステム「しまコ」の登録料を、4月から期間限定で、女性は無料、男性は5,000円に引き下げております。

 4月の新規登録者数は、女性が37名、男性が35名の72名で、特に女性においては、昨年の4月と比べ、34名の増となっております。

 今後も、結婚を望む男女の希望がかなうよう、ニーズに応じたきめ細かな支援に取り組んでまいります。

 

(2)妊娠・出産支援につきましては、国の制度拡充を活用して、不妊治療費の助成対象者の所得制限を撤廃し、さらに2回目以降の治療についても、助成額の上限を初回と同様の30万円とするなど、制度を大幅に拡充したところです。

 今年度は新たに、流産等を繰り返す、不育症の検査費への一部助成を開始するとともに、県独自の男性不妊検査費用の助成を継続してまいります。

 引き続き、国、市町村とともに、不妊や不育に悩むご夫婦が安心して治療に臨めるよう支援してまいります。

 

(3)放課後児童クラブにつきましては、利用時間の延長や、待機児童の解消対策、放課後児童支援員の確保のための取組等を進めております。

 今年度の県全体の利用定員は、4市で9つのクラブが新設されるなど、昨年度に比べ、322人増加しております。

 利用時間の延長をするクラブにつきましても、昨年度に比べ、15クラブ増加しています。加えて、浜田市では、7月から20クラブ全てで、利用時間の延長を予定されるなど、各地で取組の成果が現れております。

 今後も、現場の意見をよく聞き、市町村と連携・協力しながら、放課後児童クラブの更なる充実を図ってまいります。

 

(4)子どもの医療費助成につきましては、4月から県の助成対象を拡充したことにより、県内全ての小学6年生までの子どもが、医療費負担の軽減を受けられるようになりました。

 県の制度拡充を受け、この2年間で、8市町村が子どもの医療費の助成制度を拡充され、子育て世代の経済的負担の軽減につながっております。

 

(5)男性の家事・育児参加につきましては、3月に、新婚夫婦への「家事手帳」と「パパの育児手帳」を作成しました。

 このうち、「家事手帳」は、婚姻届の受理時、「育児手帳」については、母子手帳交付時等に配布しており、それぞれの家庭で働き方や家事・育児の分担等を考えていただくきっかけになると考えております。

 

(6)「こっころパスポート」につきましては、これまで、一つの家庭に1枚のカードを発行していましたが、4月から、さらに最大2人までスマートフォンで利用できるようにいたしました。

 これにより、各家庭で最大3枚分を利用できることとなり、協賛店のサービスを受けやすくなるものと考えております。

 パスポートを利用する機会を増やすことで、家庭はもちろん、地域、企業等、県全体で子育てを応援する機運を醸成してまいります。

 

(8.中山間地域・離島の暮らしの確保)

 次に、中山間地域・離島の暮らしの確保について申し上げます。

 

(1)中山間地域・離島における「小さな拠点づくり」につきましては、重点的に支援を行う「モデル地区」を4地区選定しております。

 このうち、江津市では、空き施設を改修して、生活バスの待合として活用されているほか、現在、子どもの学習スペース等への活用の準備が進められております。

 こうした「モデル地区」の具体的な取組過程や成果を事例集にまとめ、関係団体や市町村等に広く配布するなどにより、地域における課題解決に向けた取組が進むよう支援してまいります。

 

(2)「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」が、4月1日に施行されました。

 県では、持続的発展という新たな理念に基づき、「島根県過疎地域持続的発展方針」の策定を進めております。

 市町村では、この方針を受け、「過疎計画」を策定することとなっており、県としては、市町村における過疎対策の推進に向け、連携して取り組んでまいります。

 

(3)離島振興法につきましては、昭和28年の法制定以来、社会基盤の整備や地域振興など、様々な振興施策が講じられてきましたが、令和4年度末に期限を迎えます。

 引き続き、離島の実情に沿った総合的な支援ができるよう、法の延長や制度の拡充等を国に働きかけてまいります。

 

(4)地域の担い手を確保する「特定地域づくり事業」につきましては、昨年度、5つの事業協同組合を認定し、このうち、海士町では、漁業や宿泊業、食品製造業など、浜田市では、児童福祉事業や障がい者福祉事業など、幅広い分野へ職員が派遣されています。

 他の3つの組合についても、農業を中心とした職員派遣が開始されたところです。

 今年度は、9市町村において、組合の設立に向けた準備が進んでおり、県としては、事業が円滑に進むよう、積極的に支援してまいります。


(9.地域振興を支えるインフラの整備)

 次に、地域振興を支えるインフラの整備について申し上げます。

 

(1)山陰道につきましては、国に要望していた「小浜~田万川間」が「益田・田万川道路」として新規事業化されました。

 引き続き、事業区間の早期完成と、未着手区間である「久城~高津間」の早期事業化を、強く国に働きかけてまいります。

 

(2)また、高速道路の4車線化優先整備区間69キロメートルのうち、鳥取県との県境をまたぐ安来道路の「米子西インターチェンジから安来インターチェンジ間」約6.6キロメートルが、事業化されました。

 この区間の着実な推進と、その他の優先整備区間の早期事業化を国に求めてまいります。

 

(10.新しい人の流れづくり)

 次に、新しい人の流れづくりについて申し上げます。

 

(1)若者の進学・就職による転出が転入を上回っていることが、島根県の人口流出の主な原因となっているため、若者に島根に残ってもらい、戻ってもらい、移ってもらう新しい人の流れづくりを、加速させていく必要があります。

 

(2)県内大学への進学状況につきましては、島根大学と島根県立大学の令和3年度入試において、県内高校生を対象とした入試制度改革が行われました。その結果、入学者に占める県内出身者の割合は、島根大学は21.8%と、前年に比べ0.7ポイント増加し、島根県立大学は51.1%と、4.3ポイント増加しました。

 今後も、高校生にとって、県内大学が身近で、目指したい特別な存在となるよう、大学の特色ある教育研究活動に触れる機会を増やすなど、県内大学と一層の連携を図ってまいります。

 また、入試改革に適応した学力の底上げが図られるよう、普通科高校に配置を進めている主幹教諭により、校内の指導体制を強化するほか、新たに、県内3か所に配置した高大連携推進員により、改革後の入試制度に合わせた支援を行うなど、県内大学への進学を希望する生徒を支援してまいります。

 

(3)次に、県内高校生の就職状況につきましては、昨年度はコロナ禍で就職活動に様々な制約がある中、オンラインを活用した企業説明会や企業見学を開催するなどの工夫をして、就職活動の支援を行いました。その結果、今春の県内就職率は78.3%と、前年に比べ3.3ポイント増加しました。

 来春の大学生や高校生の就職に向けては、4月に、島根労働局と連携して、県内企業に対し、採用枠の確保を要請したところです。

 引き続き、合同企業説明会をオンラインや対面で開催するなどして、学生の県内就職を支援してまいります。

 

(4)Uターン・Iターンにつきましては、昨年度実績は、前年度と比べ24人増の、3,642人となり、4年ぶりに増加しました。

 緊急事態宣言が発出された昨年4月と5月は、前年度に比べて大幅に減少しましたが、9月以降は増加に転じ、特に首都圏や京阪神、九州からのIターン者数が増えております。

 こうした地方回帰の流れやニーズを着実に移住へつなげるよう、引き続き取り組んでまいります。

 また、県外の若者や女性に向けた情報発信の強化や、県内の中高生やその親世代に、将来の定住について考えてもらうきっかけとなる取組等を行ってまいります。

 

(11.保健・医療・福祉の充実)

 次に、保健・医療・福祉の充実について申し上げます。

 

(1)「しまね健康寿命延伸プロジェクト」につきましては、圏域毎に選定されているモデル地区において、今年度新たに、健康調査等を開始しました。これにより判明した各地区の健康課題の解決に向けて、塩分の摂取を減らす取組や運動習慣を定着させる取組等を進め、効果的な活動を県内各地域へ波及させるなどして、健康寿命の延伸を図ってまいります。

 

(2)高齢者福祉につきましては、「第8期島根県老人福祉計画・島根県介護保険事業支援計画」を3月に策定しました。

 この計画に基づき、介護人材の確保をはじめ、生活支援体制の整備など、地域の実情に応じた市町村の取組を支援してまいります。

 また、頻発する自然災害や新型コロナの流行を踏まえ、必要な介護サービスを継続して提供できる体制の構築に向けて、関係機関や市町村と連携し取り組んでまいります。

 

(12.教育の充実)

 次に、教育の充実について申し上げます。

 

 島根の子どもたち一人ひとりに、自らの人生と地域や社会の未来を切り拓くために必要となる「生きる力」を育むため、ICTを活用した教育を推進するとともに、ふるさと教育や地域課題の解決等を通じた学習により学力の育成が進むよう、授業の改善等に取り組んでまいります。


(13.自然、文化・歴史の保全と活用)

 次に、自然、文化・歴史の保全と活用について申し上げます。

 

 県内の各地域に所在する有形・無形の文化財の保存・活用に関する基本的な方向性を示した「島根県文化財保存活用大綱」を3月に策定しました。島根の文化財を次世代に継承するための取組を、市町村や民間団体等と連携して進めてまいります。

 

(14.防災対策の推進)

 次に、防災対策の推進について申し上げます。

 

(1)江の川流域の治水対策につきましては、平成30年と令和2年で二度家屋浸水被害を受けたことから、国においては、江の川下流域の整備を最大限前倒しするため、10年間で約250億円の重点投資を行うこととされました。

 また、4月には、国土交通省、島根・広島両県、沿川市町が連携して流域全体の安全確保に取り組むため、「江の川流域治水推進室」を共同で設置したところです。

 県としては、八戸川の堤防整備をはじめ、矢谷川や玉川など、県が管理する河川の整備を優先的・重点的に進めてまいります。

 

(2)次に、原発の安全・防災対策について申し上げます。

 島根原発2号機につきましては、原子力規制委員会において行われている新規制基準に適合するかどうかの審査が概ね終了したところです。

 今後も、基準に適合するかどうかの最終的な決定をするために必要な手続きが行われることになっていますので、県としては、引き続き状況を注視してまいります。

 

(3)原子力防災対策につきましては、これまで、国、島根・鳥取両県、原発の立地市及び周辺市による作業チームにおいて、避難計画の実効性向上等に向け、検討を進めてきました。

 先月20日の山陰両県知事会議において、平井鳥取県知事の賛同を得て、原子力災害時に、寝たきりの方や車椅子の方が、より円滑・確実に避難するための福祉車両を確保していただくよう中国電力に対して要請したところ、先般、50台程度確保する旨の回答をいただきました。

 今後は、島根・鳥取両県や、国の関係府省庁等で構成する「島根地域原子力防災協議会」において、島根地域全体の避難計画を含む「緊急時対応」を取りまとめることとしております。


(15.防犯対策)

 次に、防犯対策について申し上げます。

 

 近年、特殊詐欺の被害は、件数・金額とも減少傾向にありましたが、昨年は、架空料金請求詐欺を中心に被害件数が増加しました。

 手口が多様化している特殊詐欺をはじめとした各種犯罪被害の抑止に向けて、県民への情報発信など、官民一体となった被害防止対策を推進してまいります。

 

(16.若者の活躍)

 次に、若者の活躍について申し上げます。

 

 4月に、全国高等学校ライフル射撃競技選抜大会の代替大会が行われ、女子ビームピストル60発において、立正大淞南高校の羽田向日葵さんが日本新記録で優勝、廣瀬天美さんが3位入賞を果たされました。

 こうした島根の若者の活躍は、私ども県民に大きな感動と喜びを与えてくれるものであり、今後も、大いに活躍されることを期待しております。

 

(17.補正予算など提出議案)

 それでは、今回提出いたしました一般会計補正予算案などの概要について申し上げます。

 

 一般会計の補正予算案につきましては、新型コロナウイルス感染症により影響を受けている県内事業者の支援のほか、早急に対応すべきものなどについて措置し、総額81億円を増額しております。

 

 この結果、補正後の一般会計予算の規模は、4,751億円となります。

 

 この補正予算案のほか、予算案1件、条例案8件、一般事件案8件の計18件を提出しております。

 

 これらの議案の詳細につきましては、総務部長から説明させることといたします。

 何とぞ宜しくご審議のほど、お願い申し上げます。

お問い合わせ先

政策企画監室

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
島根県 政策企画監室
電話:0852-22-6063
FAX:0852-22-6034
Eメール:seisaku-kikaku@pref.shimane.lg.jp
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