平成27年9月定例県議知事提案理由説明要旨

定例議会開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、最近の県行政の主な動きについてご説明し、併せて、私の所信の一端を申し述べたいと思います。

 

(1.最近の経済情勢)
まず、日本経済の動向を見ますと、緩やかな回復基調が続いておりますが、世界の経済動向や金融市場の変動など、引き続き、先行きに注意が必要であります。
県内経済につきましても、個人消費に弱い動きが見られるなど、要注意の状況が続いております。
このため、県としましては、引き続き、内外の情勢をよく注視しながら、必要な対応を行ってまいります。

 

(2.地方創生に向けた「総合戦略」)
次に、地方創生に向けた「総合戦略」につきましては、先月、県議会に、人口の長期見通しである「人口ビジョン」と併せて、「素案」をお示しし、様々なご意見をいただきました。
また、一昨日は、「各界の意見等を聴く会」でご意見をいただきました。
併せて、現在、パブリックコメントを通じて、広く県民の方々のご意見をお聞きしております。

そうしたいろいろなご意見を踏まえ、若者が県内で働ける場を増やし、安心して子育てができるよう、さらに追加的な措置を含めて検討を進め、今議会において改めて「総合戦略」の「案」をお示しし、ご意見をお聞きした後、10月末に「総合戦略」を決定したいと考えております。

 

(3.産業振興)
次に、産業振興について申し上げます。

 

(1)IT産業の振興につきましては、開設準備を進めてまいりました「しまねソフト研究開発センター」を10月23日に開設いたします。
このセンターは、ITの先駆的研究開発、県内企業が新たな展開を目指す商品を創出するための取組みや、高度IT人材の育成・集積などを推進し、これにより新規雇用の増加を図ってまいります。

 

(2)ヘルスケア・ビジネスにつきましては、7月末に島根県ヘルスケア産業推進協議会を設立いたしました。
健康増進を目的とした観光、高齢者の健康支援サービスなど、地域資源を活かした島根県ならではの新産業の創出に向けて、医療福祉と商工業等との連携促進やビジネスモデルの構築の支援を行ってまいります。

 

(3)企業誘致につきましては、昨年度は、25件の誘致により新規雇用計画数が423人となり、今年度は現時点までで、17件の誘致と623人の新規雇用が見込まれております。

立地セミナーにつきましては、先月、名古屋市で、110社、約150名の方々をお招きして開催いたしました。
来月は、島根県内への新規立地が続いている広島県の企業を対象に、広島市で開催いたします。
こうした、交通アクセス面での利便性が向上した地域からの企業誘致を積極的に進めてまいります。
また、中山間地域への企業立地を促進する対策も検討中であります。

これらの対応を通じまして、新規雇用の増加を図ってまいります。

 

(4.観光の振興)
次に、観光の振興について申し上げます。

 

(1)3月に出雲・名古屋便の運航が再開され、先月、名古屋市で42社の旅行会社に対しまして観光情報説明会を開催いたしました。今後も、さらに中京圏からの観光誘客に取り組んでまいります。

 

(2)国際観光につきましては、大型クルーズ船の境港への寄港などにより外国人観光客の来県と、そうした人たちの買い物が増えております。
今後も、鳥取県と連携して、こうした誘客を強化してまいります。

また、7月には、タイにおいて中国5県による「中国地方インバウンド・フォーラム」を開催し、現地旅行会社との個別商談などを行いました。

 
(3)次に、観光の広域的連携につきましては、島根・鳥取両県の観光資源を活かした広域周遊ルートの作成や、「中国やまなみ街道」と「瀬戸内しまなみ海道」を活用した広島県と愛媛県との広域周遊に向けた検討を進めております。

 

(4)また、県では、東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成32年の2月から3月に、東京国立博物館において、奈良県と共催で、「出雲と大和」の歴史や文化を紹介する展覧会を開催することと致しました。

先月末、奈良県の荒井知事に来県いただき、展覧会の共同開催に関する覚書を交わし、東京国立博物館との3者で展覧会開催について対外発表を行いました。

オリンピックの年、平成32年は「日本書紀編纂1300年」の年でもあり、国内外の方々に、「日本という国家がどのようにして出来たのか」を知っていただく良い機会であります。

今後、奈良県と連携して、多くの方々に来訪いただける展覧会となるよう取り組んでまいります。

 

(5)隠岐空港につきましては、8月に開港50周年を迎え、地元の隠岐空港利用促進協議会が愛称を募集され、愛称が「隠岐世界ジオパーク空港」に決定されました。
今後も引き続き、地元協議会と連携し、路線の維持・充実に取り組んでまいります。

 

(5.農林業の振興)
次に、農林業の振興について申し上げます。

 

(1)農業の担い手の確保につきましては、今年度から、首都圏での農業セミナーの開催や、就農相談バスツアーの充実、しまねアグリビジネス実践スクールに農業女子研修コースを設置するなどの新たな取組みを展開しており、引き続き、きめ細やかな支援を行ってまいります。

 

(2)林業・木材産業につきましては、このたび、松江市と江津市の木質バイオマス発電所で本格稼働が始まりました。

先般、私も松江市の新しいチップ工場と発電所に行き、集積された林地残材が次々とチップになり、トレーラーで発電所に運び込まれる様子を視察しました。

新工場の中で皆さんがきびきび働く姿を見まして、こうした事業が地方創生を推進する一つのモデル事業になるよう期待をしたものであります。

 

(6.中山間地域対策と定住対策)

次に、中山間地域対策と定住対策について申し上げます。

 

(1)中山間地域対策につきましては、日常生活に必要な機能やサービスをどう維持していくかについて、住民主体の議論を踏まえ、市町村と一緒になりまして「小さな拠点づくり」などを進めてまいります。

 

(2)定住対策につきましては、UIターン希望者を支援するために、県内企業の魅力の掘り起し・情報発信や地域の特色を活かした雇用創出など、雇用面の支援を重点的に進めてまいります。

県内に定着・回帰した若者が安心して暮らし続けるための良質な賃貸住宅の供給や、県内企業へのインターンシップなどの就職支援の強化を進め、雇用の増加につなげてまいります。

 

(7.社会基盤の整備)

次に、社会インフラ整備について申し上げます。

高速道路など社会インフラ整備は、企業誘致、観光など島根の産業振興、雇用拡大に不可欠のものであります。

 

(1)山陰道につきましては、昨年度の仁摩温泉津道路の全線と浜田三隅道路の一部開通により、県内の供用率は56%となっております。

今年度は、現在工事中の5区間に加え、湖陵多伎道路、大田静間道路、三隅益田道路の3区間で新たに工事が着手される予定であります。
未事業化区間のうち、「福光・浅利間」は、新規事業化に向け今月中に都市計画決定を行う予定であります。
この区間につきましては、来年度の新規事業化を引き続き国に強く要望してまいります。
「益田・萩間」は、整備の優先区間とされた県境部について早期事業化を図るとともに、残る区間につきましても、早急に事業化に向けた手続きを進めるよう要望してまいります。
引き続き、早期全線開通を国に働きかけてまいります。

 

(2)大橋川改修につきましては、昨年度、天神川水門が完成し、引き続き、馬潟地区、竹矢地区、向島地区で堤防の整備が進められております。

この秋から、福富地区の堤防工事と向島地区の水門工事が始まる予定であります。
引き続き、国や松江市と連携して事業を進めてまいります。

 

(3)浜田港につきましては、臨港道路や防波堤の整備が、平成29年度の完成に向けて進められております。

今後予定されている釜山港との定期コンテナ船の大型化に向け、今年度、国と県で福井岸壁の改良工事を行うこととしております。
また、手狭となっている福井ふ頭の拡大や港全体の効率的な利用に向けて、国や地元の方々と一緒に、浜田港の将来像の検討や長期構想の策定に取り組んでまいります。

 

(8.地域医療提供体制の構築)
次に、地域医療の確保は、県民誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていくために極めて大事であります。

そのために必要な医師等の医療従事者の確保など、地域医療介護総合確保基金を活用し、地域医療の維持・充実に引き続き全力を挙げてまいります。

また、地域医療構想につきましては、国が定める方法により算定した2025年の必要病床数の推計値をもとに、各圏域で議論が始まったところであります。
県内の市町村や医療機関、関係団体など、幅広く意見をお聞きし、地域の課題を関係者で共有しながら、それぞれの地域に合った地域医療提供体制を構築してまいります。

 

(9.結婚支援の充実)

次に、少子化対策のためには、結婚支援を強化し、若者たちの妊娠・出産・子育ての希望をかなえていく必要があります。

 

(1)そのために、まず、小・中学校生などの子どもたちに対しまして、助産師さんが小学校や中学校などに出向き、命の大切さや妊娠、出産、子育てについてわかりやすく話をしていただいたりしまして、若年層の結婚についての理解と関心を高めるなど、啓発を推進することとしています。

 

(2)次に、結婚年齢に達した若者たちに対しましては、結婚に関する相談やお見合い相手の紹介などの結婚支援を進めるため、結婚ボランティア「はっぴぃこーでぃねーたー」の登録人数を増員し、全市町村に配置してまいります。

 

(3)この「はっぴぃこーでぃねーたー」と連携し、総合的な結婚支援を行う「しまね縁結びサポートセンター」を設置することとしておりまして、11月に松江市内に本部を開設し、来年1月に浜田市内に支所を開設する予定であります。

 

(4)現在、さらに子育て支援の追加措置を検討中でありまして、「総合戦略」の最終案の中に織り込む考えであります。

 

(10.教育の充実)
次に、教育の充実について申し上げます。

 

(1)地方教育行政における責任体制の明確化、いじめなどの重大な問題に迅速に対応できる危機管理体制の構築などを図ることを目的として、新しい教育委員会制度が、今年度から始まりました。

 

(2)この新しい制度に基づいて設置されることとなった「総合教育会議」では、知事と教育委員会が教育行政における方針や重要課題について協議・調整を行うほか、いじめや災害等、児童・生徒の生命や身体の保護など、迅速な対応が求められる事柄や、その時々の課題について意見交換をすることとされております。

 
(3)このたび、その第1回の会合を開催し、教育に関する「大綱」や、4月に実施された全国学力調査結果を受けた今後の対応等について意見交換を行いました。

 

(4)今回の調査結果につきましては、教育委員会は、算数の平均正答率が全国と比べて特に低い状況が続いていることなどを、課題としてあげております。

 

(5)教育委員会では、昨年8月に「しまねの学力育成推進プラン」を策定し、市町村教育委員会と協同で「学力育成会議」を設置して、授業の質の向上、家庭学習の充実などに向けた取組みを進めてきておりまして、今回の結果を受け、既に実務者による会議や校長等管理職への説明会を開催し、対応を始めております。

 

(6)そうした中で、教育委員会は、近々、学力育成に関し、県内有識者や保護者など幅広く意見を聴く会を開催することとしております。

 

(7)さらに、全国レベルとの差が大きい算数につきましては、プロジェクトチームを立ち上げて、学習指導の改善・充実に取り組み、すべての小学校を訪問し、授業改善に向けて指導・助言を行うこととしております。

 

(8)私としては、教育委員会がこうした方向で対応を進め、また、学校の現場や保護者の声をよくお聞きして、迅速かつ全力を挙げて取り組んでいくよう、伝えたところであります。

今後も進捗状況等を見ながら、教育委員会とよく協議・調整を行ってまいります。

 

(11.再生可能エネルギーの推進計画)
再生可能エネルギー及び省エネルギーの推進につきましては、国のエネルギー政策として、今年7月に決定された電源構成や温室効果ガス削減目標との整合性を確認して、条例に基づく県の基本計画をこのたび策定したところであります。

この基本計画において、再生可能エネルギーによる発電比率の県としての目標は、国が2030年時点で目標としている22%から24%を上回り、2019年度に30%を目指すこととしております。

この再生可能エネルギーの導入は、県内雇用の増加にもつながるものであり、県としましては国の政策を注視しつつ、市町村、県民、事業者等と一体となって、再生可能エネルギーの導入を推進してまいります。

 

(12.原発の安全・防災対策)
次に、原発の安全・防災対策について申し上げます。

 

(1)6月に中国電力において、島根原発の低レベル放射性廃棄物に係る校正記録の不適切な取扱いがありました。

 

(2)県は、直ちに中国電力に対して、第三者を入れた徹底した原因究明と再発防止に全力で取り組むよう申し入れました。

 

(3)そして、7月には原子力規制委員会に対し、中国電力に対して徹底した指導・監督を行うよう要請しました。

 

(4)中国電力は、第三者の意見を踏まえて、この事案に関する事実関係と原因を調査し、再発防止策を取りまとめ、近々、調査報告書として原子力規制委員会や関係自治体に提出する見込みであります。

 

(5)原子力規制委員会は、8月に開催された会合において、この事案を保安規定違反と判定されており、中国電力の報告書が提出されれば、保安検査等において、調査や改善措置の内容、その実施状況等について確認されるものと思います。

 

(6)県としましては、こうした原子力規制委員会の対応や、中国電力が行う再発防止策の実施状況などをよく把握し、適切に対応してまいります。

 

(7)次に、島根原発1号機につきましては、中国電力は、廃止措置計画の認可申請に向け準備中としておりますが、申請の時期はまだ明らかでありません。

 

(8)2号機につきましては、原子力規制委員会の適合性確認審査が継続されており、中国電力は、審査で指摘のあった事項について必要な対応を行っている状況にあります。

 

(9)次に、原発の防災対策につきましては、発電所から概ね5km以内の地域の住民等に対し、6月下旬から安定ヨウ素剤の事前配布に着手いたしました。
今後とも、着実に実施してまいります。

また、国、島根・鳥取両県、島根原発の立地市及び周辺市による作業チームにおいて、避難計画の実効性向上に向け検討を進めておりますが、今月から、避難行動要支援者の実態把握に着手することとしております。
来月には、国と島根原発の立地及び周辺自治体とが連携して「原子力防災訓練」を実施し、防災対策の検証を行うこととしております。

 

(13.防犯・交通安全対策)
次に、防犯・交通安全対策について申し上げます。

県内では、高齢者を中心に、ゆうパックや宅配便で現金を送付させたり、還付金を送付するとだまして、逆にATMから現金を振り込ませるといった手口による特殊詐欺被害が後を絶ちません。
また、今後、秋の行楽期における交通事故や、夕暮れが早まる年末にかけて、高齢歩行者が被害者となる事故の発生が懸念されます。

こうした犯罪被害や事故を抑制するため、関係機関、民間団体等と連携して官民一体の対策を講じてまいります。

 

(14.参議院選挙制度への合区導入)
次に、参議院選挙制度への合区導入について申し上げます。

合区が導入されますと、合区された2つの県の間で意見が異なった場合、参議院においてそれぞれの県単位での民意を伝えることが難しくなり、合区された県とされない県との間で新たな不公平が生じることとなります。

今回改正された公職選挙法の附則に、平成31年の参議院選挙に向けて、選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行うとの規定が盛り込まれました。

この附則を受けて、国会においてその見直しが行われる中で、この問題について適切な対応を検討され、合区された県とされない県との間で新たな不公平が生じることのないよう、都道府県単位の各選挙区に必要な定数を配分する仕組みを法律により明確に定めるべきではないか、と考えております。

7月の全国知事会議におきましては、この問題について研究会を設けて検討を進め、知事会としての意見を取りまとめることとなっております。

 

(15.若者の活躍)
さて、今年の夏も、島根の若者のはつらつとした活躍が見られました。

全国高校総体では、水泳の男子飛込みで松徳学院高校の須山晴貴さんが2種目で優勝し、カヌーの女子カヤック・シングルで出雲農林高校の原綾海さんが優勝しました。

また、全国中学校体育大会では、湖南中学校が水泳の女子競泳400メートルリレーで、島根県勢初となる優勝をしました。

こうした若者の活躍は県民に大きな喜びと感動を与えてくれるものであります。
今後も、島根の若者たちが、国体、さらにはオリンピックを目指して、大いに活躍することを期待しております。

 

(16.補正予算など提出議案)
それでは、今回提出いたしました一般会計補正予算案などの概要について申し上げます。

今回の補正予算案では、国の補助金の内示等に伴い補正を要するもののほか、早急に対応すべきものについて措置することとし、総額37億7,900万円余を増額しております。

この結果、補正後の一般会計予算の規模は、5,340億2,500万円余となります。

この補正予算案のほか、予算案14件、条例案4件、一般事件案12件の計31件を提出しております。

これら議案の詳細につきましては、この後、総務部長から説明させることと致します。

何とぞ宜しくご審議のほど、お願い申し上げまして、私からの説明を終了いたします。

 

お問い合わせ先

政策企画監室

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
島根県 政策企画監室
電話:0852-22-6063
FAX:0852-22-6034
Eメール:seisaku-kikaku@pref.shimane.lg.jp
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