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ITの利活用促進に向けて

 

 

 総務委員会が、平成16年12月に行った政策提言の内容は、下記のとおりです。

        「ITの利活用促進に向けて」

1  本県におけるITの利活用に向けた現状と課題について
 IT(情報通信技術)は、全世界的に急速に進歩している。その中で、本県も、日常生活や産業活動においてITの利活用を促進する必要がある。
 特に、条件不利地域である中山間地域や離島の地理的ハンディキャップを克服し、厳しい地域間競争を勝ち抜いていく切り札として、積極的に取り組んでいく必要がある。
 本県では、行政自らが情報ハイウェイ構築に取り組む、いわゆる「自営線方式」ではなく、民間通信事業者による積極的な設備投資の誘導に徹しながら、中山間地域や離島など条件不利地域を含む県内全域で同等の高速通信環境を実現することにこだわり、情報通信インフラの整備に取り組んできた。
 その結果、平成14年6月には「全県IP網」が完成し、平成15年度末には、県内全域での高速インターネット環境が実現した。
 一方で、本県のブロードバンド加入数は、中国地方1の伸び率を示しているものの、まだまだ低い現状である。


2  具体的取り組みの事例について

1 まめなかねットの導入について
 県では、高速インターネット環境の全県展開など、情報通信インフラの進展に併せて、ITを活用した総合的な生活支援システムを構築し、高齢者の社会参画・自立生活等を支援するため、平成13年度から14年度にかけて、県でソフト開発が行われた。
 その後、浜田市、仁多町、美郷町の3市町で導入されている。本委員会では、仁多町の取り組みについて調査を行った。その情報サービスの内容は、次のとおりである。

【まめなかねットで提供することができるサービス】
(1) 生活暮らし
 買い物(食料品・日用品の宅配、特産品配送) 
 お出かけ(バス・タクシーの利用申し込み、路線・時刻情報入手) 
 お手伝い(清掃・修繕・草刈りの依頼申込み、理美容申込み) 
 教養・娯楽(公民館活動等の生涯学習、学校授業等の情報入手) 

(2) 保健・医療・福祉
 健康福祉(健康状態の日常的チェックと医療・健康相談の情報入手) 
 医療機関 (病院・診療所の診療情報入手と受診予約) 
 介護・介護予防(介護サービス、介護予防・生活支援サービス情報入手)

(3) 地域情報、リンク情報
 行事案内(市町村における行事予定の情報) 
 役場連絡(役場からの連絡事項) 
 知恵袋(知恵と経験を生かした数々の高齢者の知恵の集まり) 
 高齢者情報リンク集(高齢者にとってためになる情報のリンク) 

(4) 情報交流・交換
 メールサービス−まめなか通信(簡便な方法による利用者同士でのメール 交換)電子伝言板(話し相手、物の貸し借り等自由な書き込みコーナー) 

2「FTTH」を使った情報サービスへの取り組みについて
 先般、北海道西興部村の調査を行ったところであるが、西興部村では、各家庭に光ファイバーを直接引き込む「FTTH」サービスを実現し、次の情報提供の導入を行っていた。

(1) 在宅健康管理サービスの提供
 保健師(や地域の診療所)と連携し、血圧等のデータ通信に基づいた要経過観察の人に対する在宅での健康管理やテレビカメラによる対面式の健康相談サービスの提供。

(2)高齢者見守りサービスの提供
 特に、独居老人世帯に向けて、緊急通報装置あるいは見守りセンサー的なもの、例えば毎日一定の時間に連絡、無事を確認するシステムの導入。
   
(3) 農業経営支援、農業気象情報の提供
 気象観測衛星のデータにより、各地域の気象予報による的確な農業気象情報の提供。

(4) 牛舎等遠隔監視サービスの提供
 遠隔監視カメラにより、自宅から牛舎状況が確認できるほか、獣医と連携して、画像の送信により必要なアドバイスを受けることができるシステムの導入

(5) テレビ放映の提供とテレビ画面を使った情報の活用
 テレビ難視聴地域向けに、光ファイバーによるテレビ放送の提供を行うと共に、現在の、パソコンによる情報システム活用から、見慣れたテレビ画面を見ながら容易に情報の活用ができるシステムの提供。


3  今後の取り組みについて

1 ソフトの活用に向けた取り組みの強化について
 現在、通信事業者は、条件不利地域の集落中心部まで光ファイバの敷設を進めているところであり、県は引き続き「FTTH」サービスの実現に向けて取り組む計画であるが、こうした情報通信インフラの整備が進む中、サービスの活用に向けて、ソフト活用面での取り組みの強化を図るべきである。ソフトの活用にあたっては、活用する業務に直接携わる各部局の積極的な取り組みにかかっているため、関係部局との十分な連携を図っていくことが必要である。
 また、現在取り組まれている「まめなかねット」サービスについては、その取り組みが、合併後の市町村にも引き継がれるよう配慮され、さらに、県下全域にこのサービスが広まるよう、各市町村と共に取り組むとともに、まめなかねットの運営を行っている各市町村の連携を進め、より利用しやすくなるよう、サービス内容の充実に向けて、継続的な取り組みを図ることが望ましいと考える。

2 情報通信サービス活用のためのパソコン研修機会の充実について
 日常生活や産業活動におけるITの利活用を促進するため、県民の情報リテラシーの向上や企業におけるITの活用、電子自治体の構築などについても、取り組みを進める必要がある。
 このため、県民に対するパソコンの利用のための研修機会を多くする必要があり、例えば、パソコン機器が整備されている学校施設など、身近に活用できる施設や人との連携、活用についても検討する必要がある。


4  まとめ

 今回は、「全県IP」が完成し、「全県高速インターネット環境」の実現に向けて整備が進んでいる本県の情報通信インフラ整備にあわせて、ソフト面での活用の促進を図り、市部はもとより、中山間地域や離島などの地理的条件不利地域でも、日々の生活や産業活動の中で、IT(情報通信技術)の恩恵を実感できるよう、特に必要と思われる方策について、まとめたものである。

 県の情報通信インフラ整備では、今後は、第3ステップとして、平成17年頃(2005年頃)を目途に「光通信による地域公共ネットワークを構築」し、第4ステップとして、平成23年頃(2011年頃)を目途に「条件不利地域のFTTH(加入者系光ファイバ網の実現)」を目指すこととされている。
 FTTHは、「動画配信など大容量データを用いた情報発信、リアルタイム映像による双方向コミュニケーション、多地点間を結ぶテレビ会議システム」などを可能にするとともに、「テレビ難視聴対策」としても活用が期待できることから、地理的な条件不利地域での諸課題を解決するためにも有効な手段である。

 執行部におかれては、第4ステップである条件不利地域でのFTTH実現に向けて、積極的な取り組みを進められ、ITを活用した安心・便利なIT社会の、県内全域での実現に向けて積極的な取り組みを望むものである。
 さらに、県では、市町村、関係団体を通して、すでに整備されたブロードバンド環境を活用して、情報通信サービスの充実を図り、県民の生活利便性が高まるよう努められたい。

    平成16年12月10日

        島根県議会総務委員会

           委員長 絲原 徳康
           副委員長  小沢 秀多
           副委員長  川上 昌彦
           委員  多久和 忠雄
           委員  小室 寿明
           委員  矢野 潔
           委員  内田 敬
           委員  洲浜 繁達
           委員  福田 正明
           委員  手銭 長光



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