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農水商工委員長報告平成18年2月定例会


農水商工委員長報告を致します。

まず、農水商工委員会に付託されました議案の審査経過並びに結果について、報告致します。今定例会において農水商工委員会に付託されました議案は、予算案10件、条例案6件であります。
これらの議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査致しました結果、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定致しました。

付託された議案の審査の過程に於いて、委員からの意見や執行部から説明のありました事項等について御報告申し上げます。
 
まず、商工労働部所管事項についてであります。

平成18年度当初予算において、商工労働部の予算は前年度よりも0.9%増、額にして5億円余りの増額の予算案が提出されました。予算増加の主な内容は、本県の最重要課題の1つである、産業振興に関するもので、誘致企業への支援の増加や、雇用確保関係の事業の新設等によるものであります。
新規事業の内容は、産業振興に不可欠な、優秀な人材の確保を目的とした「島根県産業人材確保推進事業」や、公共事業縮減等による、建設関連産業の不振等に伴う離職者増に対応し、新たな産業振興と、雇用創出を行う地域を支援するための「しまね地域提案型雇用創造推進事業」などであります。

審査の過程で、委員から、土木建築業界の雇用者数は、10年前と較べ大幅に減少しており、その人々がどこの業種に吸収されたのか、さまざまな視点で検証し、対策を図る必要があるのではないかとの意見がありました。
これに対し、執行部から、18年度から更なる雇用対策強化のために、雇用担当スタッフを置くこととしており、現状分析を踏まえ、より的確な雇用対策に努めるとの回答がありました。

次に、執行部から報告があった事項について申し上げます。
世界遺産登録をめざす石見銀山や、ラムサール条約に基づく指定湿地となった宍道湖、中海を、観光資源として活用するための事業についてであります。
既に、これらの資源の賢明な利用に向け、さまざまな取り組みがされておりますが、急増が予想される、来訪者に対する受け入れ体制の整備等にかかる事業である「石見銀山遺跡来訪者受入・情報発信事業」及び「ラムサール条約湿地の賢明利用推進事業」にそれぞれ、約6000万円の予算案が、関係部局から提出されており、そのうち観光に関連する予算を商工労働部が執行する予定であることが報告されました。

観光事業に関連し、委員から、この4月から本格的に運用される「ふるさと案内人」について、島根県独自の取り組みで有意義な事業であるが、案内人の地域や分野に偏りが感じられるので、各地域の観光協会等と一層の連携を図る必要があるのではないかとの意見がありました。
これについて、執行部から、更に制度の周知を行い、充実させていきたいとの回答がありました。

次に、農林水産部所管事項について申し上げます。

まず、「平成18年豪雪」と名付けられた豪雪災害のための補正予算についてです。
本県においても、昭和38年以来の豪雪のため、中山間地域を中心に農林水産部関係では、果樹の成木やハウスなどの施設に6億4千4百万円の被害が発生しました。
県では、農業生産基盤の復旧などに必要な事業として補助事業と融資事業を行うこととし、そのための予算約1億8千万円及び債務負担行為が計上されました。また、この制度を多くの方々により有効に活用していただけるよう補助事業予算については、その全額を18年度に繰り越すことを承認しました。
審査の過程で委員から、被害救済措置として期待できるとの評価がありましたが、被害の内容によって、例えば、果樹など、再度、植栽しても、収益を上げるまでに相当の時間を要するものもあり、長期の支援が必要な農業者もあるので、技術指導や経営指導について一層の配慮をされたいとの要望がありました。
 

次に、平成18年度予算について、申し上げます。
まず、中山間地域直接支払制度交付金についてであります。
新規制度において、協定締結数が約200件減少し、予算額も減額になったことを懸念する意見がありました。
これについて、執行部から、締結件数の減少理由は、高齢化により長期的な農業利用が見込めないことも理由の1つではあるが、協定の合併により、締結件数自体が少なくなったことも理由の1つであり、前期対策に対する締結面積は、5%減にとどまっていること、また、今後も引き続き協定締結を推進していきたいとの回答がありました。
更に、委員から、新たな経営安定対策など、さまざまな課題はあるが、今後も中山間地域に住民が暮らし続けられるよう、県において、継続した取り組みを展開されるよう要望がありました。

次に、農外企業参入についてであります。
他産業から、農業参入に取り組まれる企業が増加していますが、本県の依然、厳しい経済状況のなかで、新たに農業に参入しようとしても、その資金の調達は容易ではなく、また、農業収益を得るまでの間の運転資金も必要であります。委員から、この点、県として支援できないか意見がありました。
これについて執行部から、18年度からは、従来、新規雇用を要件としていたところを、県内企業に限り、従来の職員を農業専従正規職員として配置換えすることでも補助要件を満たすよう、拡充が図られることが説明されました。

次に、水と緑の森づくり事業についてであります。
18年度は新税として導入され2年目を迎えます。税収も必要経費を控除した約1億9千万円が見込まれており、その約7割を不要木の伐採などの荒廃森林の再生に充て、約3割をボランティア育成などの県民への啓発目的に充てる計画となっております。
これについて、委員から、県独自の新税を導入した以上、森林の管理が適正に行われるようになったと、県民の眼でその効果が判るようにするためには、森林の整備に充てる割合を増やすべきではないかとの意見がありました。
これに対して、執行部から、新税導入後、まだ2年目であり、18年度についても、県民に対して森林保全の必要性を啓発することが重要で、次年度以降、配分を見直すことも検討したいとの回答がありました。
更に、委員から、国の事業を活用し、予算の効率化を図ることも必要ではないかとの意見がありました。
これについて、執行部から、国の事業は、一定の管理がされている森林を対象としており、新税による事業とは、その対象や目的等において異なる面があるが、貴重な財源を最大限に活用するよう検討するとの回答がありました。

次に、請願及び陳情の審査について申し上げます。
まず請願第27号についてです。
この請願の願意は、トンネルじん肺根絶のため、法律、規則を整備すること、トンネル工事の労働時間を短縮すること、罹患労働者の救済のために基金を創設するなど、3つの項目を盛り込む意見書を提出することを求めるものです。
これについて、第1の項目、法律、規則の整備については、その必要性は認められるものの、既にガイドラインが制定されいることから「趣旨採択」、第2の項目、労働時間の短縮については、現場の条件などで一律規制することは技術的に困難であることから「不採択」、第3の項目、基金の創設については、アスベスト被害のように住民を含む救済ではなく、労働者の救済には労働保険として措置済みであることから「不採択」と判断しました。
要望のありました3項目を個別に審査したうえで、総合的に判断した結果、意見書の提出には至らないと決定致しました。

最後に、新規の陳情2件についてであります。
2件とも、大雪による農業被害に対する県の支援を求めるものであります。
これらについては、先ほど、平成17年度補正予算の審査過程で申し上げましたように、被害を受けた農業生産基盤の復旧などに、必要な補助事業や融資事業を措置することが適当と判断しましたので「採択」と致しました。
被害を受けられました農業者の方々が、一刻も早い復旧を迎えられますよう、県からのご指導、ご支援を願うものであります。

以上、農水商工委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告といたします。
 



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