島根県報道発表資料SHIMANE PREFECTURE PRESS RELEASE

107 選定保存技術の選定及び保持者の認定について

 7月19日(金)に開催された国の文化審議会において、県内に所在する選定保存技術の選定及び保持者の認定について、文部科学大臣に答申があった。

1 概要
⑴ 名  称
選定保存技術「玉鋼製造(たたら吹き)」、保持者「堀尾 薫」
⑵ 経  緯
玉鋼製造(たたら吹き)は、昭和52年5月11日に選定保存技術に選定されたが、令和6年6月22日、保持者の逝去により選定が解除された。今回、改めて選定するとともに、堀尾氏をその保持者として認定するもの。

2 選定保存技術について
⑴ 名  称  
玉鋼製造(たたら吹き)
⑵  概  要  
作刀技術は中国大陸、朝鮮半島から渡来したものであるが、我が国独自の発達を遂げ、世界に比類のない鍛錬方法が今日に伝えられている。作刀の材料には、すぐれた玉鋼が不可欠であり、この玉鋼を刀材に用いてはじめて日本刀に刀剣としての卓絶した性能が付与され、また優美な姿、品のある地肌・景色、風合いのある刃文等の様々な美術的価値が生まれてくる。玉鋼以外の鉄を新しく刀材に利用すれば、伝統的鍛法は無視され、古刀に見られるような美術刀剣としての趣を追求しにくくなる。よって、美術刀剣類制作の保護に万全を期する上から、玉鋼確保のための玉鋼製造(たたら吹き)の保存の措置を講ずる必要がある。

3 保持者について
⑴ 氏  名  堀尾 薫(満55歳)
⑵ 生年月日  昭和44年4月24日
⑶ 住  所  島根県仁多郡奥出雲町
⑷ 概  要
同人は玉鋼製造(たたら吹き)に精通し、その卓越する技術は高い評価を得ている。また平成26年の講師代行(村下代行)就任以降はたたら操業をけん引、近年は村下代行の筆頭として現場の差配を担い、後進の指導・育成に尽力している。
⑸ 略 歴
平成 元年 株式会社ワイエスエスサービス(現 株式会社プロテリアル安来製作所)に入社
同  5年 同社 鳥上木炭銑工場に転属
同   年 「日刀保たたら」のたたら操業実地研修会初級養成員
同   年 木原明氏に師事(令和6年まで)
同  6年 久保善博氏に師事し、作刀技術を学ぶ(同11年まで)
同  8年 「日刀保たたら」のたたら操業実地研修会中級養成員
同  11年 美術刀剣製作承認を受ける
同  15年 株式会社安来製作所ワイエスエス鳥上木炭銑工場(現 株式会社プロテリアル安来製作所原料部鳥
     上木炭銑工場)班長
同  20年 同 主任
同  21年 「日刀保たたら」のたたら操業実地研修会上級養成員
同  26年 同 講師代行(村下代行)(現在に至る)
同  29年 株式会社日立金属安来製作所鳥上木炭銑工場(現 株式会社プロテリアル安来製作所原料部鳥上木
     炭銑工場)主任
令和 5年 株式会社プロテリアル安来製作所原料部鳥上木炭銑工場主任(現在に至る)

【参考】選定保存技術の選定及び保持者等の認定制度について
1 制度
 文化財保存のために欠くことのできない伝統的な技術又は技能で保存の措置を講ずる必要があるものを選定保存技術として選定し、その技を保持している個人又は技の保存事業を行う団体を保持者又は保存団体として認定。

2 選定・認定数
 県内における選定・認定数は、今回の選定・認定により、選定保存技術1件、保持者1人となった。
 なお、国における選定・認定数は、新たに選定保存技術4件、保持者6人、保存団体3団体が追加となり、選定保存技術89件、保持者67人、保存団体48(40)団体となった。
  ※保存団体には重複があるため、( )内は実団体数