島根県報道発表資料SHIMANE PREFECTURE PRESS RELEASE

1975 島根県立美術館 受贈記念Ⅱ「IKKO’S AMERICA」の開催について

 島根県立美術館では、奈良原一高受贈記念展の第2弾として、受贈記念Ⅱ「IKKO’SAMERICA」を下記のとおり開催いたします。

 写真家・奈良原一高(1931-2020)は、2020年1月19日、88歳の生涯を閉じました。戦後日本の写真を牽引した奈良原は、国際的にも高い評価を得ています。2020年度、島根県立美術館はご遺族より、305点の作品の寄贈を受けました。それは、2010年に開催した企画展「手のなかの空 奈良原一高1954-2004」の出品作を中心とした作品群です。
 1995年に美術館準備室が設立されて以来、島根県立美術館では松江高校の卒業生でもある奈良原一高を重点作家として、作品の収集や展覧会準備を進めてきました。そして、今回の寄贈によって、全775点の奈良原一高の全体像を見通せる世界最大規模のコレクションとなりました。
 今回は、アメリカ滞在時代の代表作《消滅した時間》を中心に、約100点の新収蔵品をご紹介します。

1.開催概要 
 展覧会名 受贈記念Ⅱ「IKKO’S AMERICA」
 会  期 2023年10月5日(木)~2024年1月15日(月)
 休 館 日  火曜日(12月12日、12月19日、1月2日は開館)、12月28日~1月1日
 料  金 一般300円、大学生200円、高校生以下無料
 会  場 島根県立美術館 コレクション展示室4
 時  間 10:00~18:30(展示室への入場は18:00まで)

2.美術講座
 講  師 蔦谷典子(当館主任学芸員/本展企画者)
 日  時 2023年10月29日(日)14:00~(13:30開場/約90分)
 会  場 島根県立美術館 ホール(190席/当日先着順)
 聴講無料

3.みどころ
●奈良原一高《消滅した時間》
 1970年4月、奈良原一高はアメリカへと渡り、ニューヨークを拠点に4年間滞在しました。
 松江高校を卒業して7年後の1956年に初個展「人間の土地」を開催し、奈良原は写真家として注目を浴びます。1962年には、ヨーロッパに渡りパリを中心に3年間滞在し、その成果を初めての写真集『ヨーロッパ・静止した時間』に纏め、高く評価されていきます。そして、ヨーロッパから帰国して日本に5年間滞在した後、かねてより決めていたアメリカへと旅立ったのです。
 この間、奈良原は、2回のアメリカ大陸横断の旅を敢行しています。第1回は1971年夏に、グレイハウンド・バスとレンタカーで、第2回は青いシボレーのステーション・ワゴンを購入し、1972年6月から10月までの4か月にわたり、キャンプ場を転々としながら、撮影旅行を続けています。アメリカ滞在4年間の成果は、写真集『消滅した時間』となって結実するのです。

●《二つのゴミ罐-ニュー・メキシコ、1972〈消滅した時間〉より》1972年
 切り立った高い岩山にある村は、「空の町」と呼ばれています。村の広場の中央には、コヨーテや犬がいたずらしないように、ゴミ缶が宙づりになっていました。まるで、ゴミ缶が、空に浮いているようなシュールな感覚をもった作品です。

●《ロックバンド―アリゾナ、1972 〈消滅した時間〉より》1972年
 西部劇でも知られるモニュメント・バレーは、ナバホ族の聖地です。ここで、開催されていたナバホ族のロック・コンサートの合間の演奏者のいない時間に撮影した作品です。

●《ホワイト・サンズの稲妻-ニューメキシコ、 1972〈消滅した時間〉より》1972年
 ホワイト・サンズ国立公園は、石膏の結晶でできた広大な白い砂丘が続きます。1950年に、砂丘を散歩していた人が、着陸した空飛ぶ円盤に出会い乗船した「ホワイト・サンズ事件」があった場所としても知られています。