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島根県農業試験場研究報告第6号(1963年11月)p55-68

 


C1-IPCの土壌残効性について


小村定衛


摘要

 

  • 土壌1Lに対しC1−IPC0.06cc、0.6cc(製品量)を混和し、保存法を乾燥(室内)、湿潤(露地)の2区分とし、1958年3月より1962年2月までの4カ年にわたり、その残効性を検討するため調査を実施した。

 

  • 1950年処理後1カ年保存の残効を調査した結果、露地の湿潤状態よりも室内で乾燥状態に保存することにより残効の大きいことが認められた。供試土壌については砂壌土より砂土において薬害の強いことが認められ、0.06cc、0.6cc共に発芽は認められなかった。
    調査後はガラス室内に保存し、1960年−1962年にわたって残効性を追跡調査した結果、露地区の0.6cc、室内区砂壌土の0.06cc、06ccでは処理後4年目までは発芽の阻止や生育障害が顕著に現われたが、露地区の0.06ccでは処理後2年目、砂土の0.06ccで処理後5年目、0.6ccで処理後4年目にそれぞれ残効の消失したことを認めた。

 

  • 1960年の2カ年保存後の調査では、1カ年保存と同様な傾向が認められ、露地区の0.6cc及び室内区の各処理区においては発芽、生育共に阻害され、若干の異常発を認めた。しかし露地区の0.06ccでは発芽、生育共に無処理と大差なく、残初の消失を認めた。
    1961年−1962年の再調査では、露地区の0.6cc、室内区砂土の0.06ccで発芽に対する薬効の軽減は認められたが、生育はかなり抑制された。室内区砂壌土及び砂土の06ccでは強い残効が認められた。

 

  • 1961年の3カ年保存では、露地区と室内区でも残効程度の相違は認め難く、露地区で若干の異常発芽を認めたのみで、室内区における発芽は認められなかった。
    1962年の再調査も前期同様な残効が認められた。このことは高濃度を土壌と混和しているため容易に薬害が減少せず、かつ調査期が低温期にあったためと思われる。

 

  • 以上の如くC1−IPCは土壌と混和することにより、かなり長期にわたって残効のあることが認められる。残効の解消は高温による分解よりも、むしろ水分による移動に関与するところが大きいものと認められた。
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