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13.ハウス栽培の新技術

3)二度切り栽培


a.作型の変更及び樹勢の強弱と花穂数との関係
 表13ー5は、作型の変更がデラウェアの花穂数と花蕾数に及ぼす影響を示したものである。超早期加温栽培から2月加温栽培に作型を変更した場合には、無加温栽培から2月加温栽培に変更した場合より、1新梢当たりの花穂数、花蕾数とも少なくなった。また、同じ超早期加温栽培から2月加温に変更した場合でも、弱勢樹の方が強勢樹より花穂数、花蕾数とも少なくなった(表13ー6)。花穂数を維持するには、まず、樹勢を弱らせないようにすることが大切である。

 

 作型

 

樹勢

 

 

b. 二度切り処理の効果 
 この超早期加温栽培における花穂数の増加対策として、収穫2ヶ月後の7月5日に二度切り処理を行った。夏季の高温期に生育する二度切り樹は、新梢の生長速度が早く、登熟は9月中旬頃から始まった(図13ー6)。そして、翌年の花穂数は二度切り樹が無処理樹より多く、花蕾数も増加した(表13ー7)。

新梢

 

二度切り 

 

c. 二度切り処理の方法と栽培管理 
 二度切りを行う時期は、収穫40〜50日後にあたる6月中下旬頃である。目安としては、新梢が二次伸びをしだす時期である。せん定は、すべて新梢を2芽残して切り返し、CX剤の10倍〜15倍液を芽を中心にして処理する。そうすれば、処理後10日〜14日で発芽する。
 芽かきは、発芽状況を見ながら新梢の伸びを揃えるように行う。二度切り処理は、充実した結果母枝を作るために行う。したがって、新梢に花穂が着生している場合には、6〜8葉期頃にすべて摘み取る。伸びた新梢は、棚面が暗くならいように十分に誘引を行うとともに、混み過ぎた場合には、新梢を基部から切り取ったり、途中からせん定し、棚面が一定の明るさになるように保つ。
 二度切り樹は、新梢が夏期の高温期に生育するため、ダニやスリップスの発生が多く、病害虫防除を徹底することも大切である。
 施肥は、せん定を始める10日前頃に速効性肥料(窒素成分で3〜4kg)を用いて行い、その後、新梢の伸びを見ながら盆前まで1〜2回行う。また、潅水はせん定前後にたっぷり行い、その後、新梢の生育期には10日〜14日おきに行う。
 この二度切り処理については、'94年から一部生産者の間で実証栽培が行われているが、次の点に注意しながら行うのがよいと考えられる。
 まず、第1に二度切り栽培を行うことのできる樹は、収穫後に二次伸びするような樹勢を持っていることが大切である。もし、樹勢が衰弱している場合には、二度切り後の新梢の伸びが劣り、登熟が悪くなってしまう。
 また、'94年に二度切りを行った園の中には、12月上旬頃から加温を行ったところ、発芽揃いは良かったものの、6〜7葉期以後新梢は伸びが停止し、葉色も淡い状態が続いた。その後、開花20日頃から再び新梢は伸びたものの、最終的には、果実肥大の劣る果実しか生産出来なかった。一方、1月中旬以降に加温を行った園では、新梢は生育が停止することなく、収穫期にも良品質果実が生産出来た。この原因については、結果母枝の休眠程度が関係しているように考えられる。二度切り樹の生産安定のためには、年々の気温に注意しながら、低温要求温度を十分にみたした時期から加温を開始するのが良いと考えられる。
 なお、技術確立を行う上では、深耕や施肥管理等残された問題もあり、今後検討する予定である。


(山本孝司)

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