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○作物名:カキ

○虫害名:イラガ類

 


イラガの幼虫と成虫○概要
カキを加害する主要種はイラガ、ヒメクロイラガ、ヒロヘリアオイラガである。これらの幼虫の体には毒を持った刺があり、触れると激しく痛む。カキの葉を暴食する害虫として、また、衛生害虫としても嫌われている。なお、ヒロヘリアオイラガは昭和54年頃から西日本の各地でカキ、クリ、サクラなどに多発生するようになった。

○被害と診断
いずれも葉を食害する。イラガはふ化幼虫が1頭ずつ葉に寄生して葉裏から葉肉を浅く食べるので、葉表から見ると白い斑点となって見える。生長した幼虫は葉脈や葉柄だけを残して葉を食べる。ヒメクロイラガとヒロヘリアオイラガの若令幼虫は集団で葉裏に寄生して葉肉を食べるので、葉は表皮だけが白く残り、遠くからでも見つけやすい。生長した幼虫は分散して、イラガと同様に葉をすべて食害し、枝や樹が丸坊主になることもある。
幼虫は老熟するといずれも25mm前後になる。イラガは黄緑食で、背面に紫褐色のひょうたん型の模様がある。ヒメクロイラガは黄緑色の地に黒褐色の斑点が密にある。ヒロヘリアオイラガは全体が黄緑色で背面に灰緑色の縦線があり、その外側に青色の斑点が縦に連なっている。いずれの幼虫も体に刺のはえた突起がある。イラガはウズラの卵を小さくした形の繭を枝に、ヒロヘリアオイラガは樹皮と同じ様な色をした偏平楕円形の繭を幹に、ヒメクロイラガは黒褐色、球形の繭を土中や雑草の株元につくる。イラガの卵は黄白色、偏平楕円形で1個ずつ葉に産みつけられる。ヒメクロイラガ、ヒロヘリアオイラガの卵はいずれも淡黄色で、それぞれ400〜1000個、40〜50個ががうろこ状に固まった卵塊として葉裏に産みつけられる。

○発生生態
イラガ、ヒロクロイラガは年1〜2回、ヒロヘリアオイラガは年2回発生する。越冬はいずれも繭のなかで前蛹(蛹になる直前の幼虫)で行われる。幼虫の発生時期はほぼ同時期で、6〜7月と8月中旬〜9月である。

 

 

 

 


 

 

 


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