○作物名:カキ
○虫害名:ヒメコスカシバ、クロフタモンマダラメイガ
○概要
両種はともに枝幹を加害する害虫で、幼虫が樹皮下を食害する。このため、樹勢の衰弱が著しく、枯死することもある。伊豆など粗皮の多い品種では発生が多く、その被害が問題となっている。クロフタモンマダラメイガはクリの害虫でもある。
○被害と診断
ヒメコスカシバ;被害は主枝、亜主枝の分岐部や太枝からでた新梢の基部に多い。幼虫が虫糞を外にだしながら樹皮下を食害するため、樹皮がはがれ木質部が露出する。新梢や細い枝の基部では環状に加害され、枝や果実の生育が悪くなるとともに風などで折れやすくなる。一度被害をうけた部分は粗皮が荒くなるため、その後も産卵加害が多く、一層被害が大きくなる。
成虫は翅を開いた大きさ約20mm、青藍色で腹部に2本の淡横線がある。幼虫は白色で老熟すると15mmになる。被害部にふんを綴りあわせた黒褐色の繭をつくり、そのなかで蛹になる。成虫が羽化した後には、茶褐色の蛹殻が半分外にでたままになっている。
クロフタモンマダラメイガ;被害の様子はヒメコスカシバと同様である。成虫は翅を開いた大きさ13〜15mm、紫褐色で前翅に灰褐色の横縞が2本ある。老熟幼虫は体長約13mm、淡褐色で動きが活発である。加害部に白色の繭をつくり蛹となる。成虫が羽化した後の蛹からはヒメコスカシバとは異なり、外からは見えない。
○発生生態
ヒメコスカシバ;成虫は5月上旬〜6月下旬と7月中旬〜10月上旬の2回発生するが、発生盛期は6月上旬と9月上旬である。成虫は日中は葉の上で休止しているが、夕方になると活発に飛び回る。卵は幹や主枝の粗皮間隙に1個ずつ産みつけられる。
クロフタモンマダラメイガ;成虫は4月下旬〜5月上旬、6月上旬〜下旬、7月上旬〜下旬、8月上旬〜9月上旬頃の4回発生する。しかし、6月以降は成虫の発生が連続してみられ、世代の区別が難しい。
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