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教育長メッセージ:平成29年の抱負

 平成29年の仕事始めに当たり、ご挨拶申し上げます。

 皆さん、新年あけましておめでとうございます。
年末年始の短い休暇でしたが、ご家族とゆっくり過ごされましたでしょうか。

 私も、久しぶりに大勢の家族に囲まれて、嬉しいやら、身の置き場所を確保するのに苦労するやらで、慌ただしい正月を過ごしました。
その合間を縫って、私自身の平成29年の抱負を考えてみましたが、考えれば考えるほど、昨年3月の教育長着任式でお話ししたことと全く変わらないということに気づきました。

 第一に、「レイマンコントロール」を旨とする教育委員会制度の意義を大切にしたいこと。
第二に、そもそも教育委員会は学校現場を支えるために存在しているという教育行政の原点を大切にしたいこと。
そして第三に、教育委員会事務局の中で丁寧な議論を繰り返しながら、現場を支える側にある我々自身のベクトルを合わせていきたいこと。

 私の抱負は、新年を迎えてもやはりこの三点です。お聞きになった皆さんは、相変わらずだなとお感じになったと思いますが、私にとっては、簡単にぶれることがあっても困る、決意の「核」のようなものかもしれません。

 さて、皆さんも、それぞれ平成29年の抱負をお持ちだと思います。
「不言実行」もよし、「有言実行」もよし、ご自身の持ち味に応じて選択すればよろしいのですが、肝心なのは、いずれにせよ「実行」を伴うことだと思います。

 平成29年が、皆さんにとって「実行」の年となることを期待します。

 また、当面、一月、二月、三月は行政において大変重要な時期に当たります。平成28年度の仕事を着実に仕上げながら、併行して平成29年度の準備も進めなければなりません。

 今年度遺漏なく遂行すべき仕事の代表格は、何といっても新たな制度のもとで実施する高校入試でしょう。このほか、決算に向けたインターハイの事業精算なども含め、すべての所属において気を引き締めて適切な事業執行を図ってもらいたいと思います。
また、来年度に向けて、いよいよ予算折衝の大詰めを迎えますし、人員配置の面でも、学校の教職員定数や教育委員会事務局等の定数をどれだけ獲得できるか、我々の努力の成果が数値によって表わされることになります。それぞれに折衝先のあることであり、相手の理解を得なければその実現は叶わないわけですが、最後の最後まで誠実に、そして気を緩めることなく我々の主張を貫徹してもらいたいと思います。

 さて、年頭のご挨拶の最後の話題として、「教育の魅力化」を取り上げたいと思います。

 昨年、県議会の9月定例会や11月定例会において、「教育の魅力化」が大きく取り上げられました。もとをたどれば、一昨年、島根県が策定した地方創生の「総合戦略」や「中山間地域活性化計画」の中で、「教育の魅力化」は、人口減少問題に対処するための移住・定住対策を進める上での重要課題であり、中山間地域や離島に住み続けることができる条件を確保するためにも必要であるという考え方が明らかにされました。

 ところで、「教育の魅力化」の「魅力」とは一体どのようなものでしょうか。この論点について、私は、昨年の11月定例会で次のように答弁しました。

 「教育の魅力化」の具体的内容については、引き続き市町村とよく協議・調整していく必要があると考えています。それは、決して「金太郎飴」のようなものではなく、それぞれの地域において、教育に関するどのような取り組みを進めることが「地域の魅力」につながっていくのか、地方創生や中山間地域の活性化の観点から、議論を尽くしていくことが大切であると考えます。

 原則論はこのとおりですが、市町村と意見交換を積み重ねる中で、おぼろげながら見えてきたものもあります。

 「教育の魅力化」とは、ないものを取って付けるような、全く新しい教育活動を唐突に導入することではなく、それは、もっと地道でステディな取り組みのことではないか。
今ある島根らしい教育の魅力をより一層充実するような方向性を考えるべきではないか。
それは、例えば、障がいがあったり困難を抱えていたりすることも含めて、多様な個性の広がりのある児童生徒一人ひとりと丁寧に向き合い、細やかな配慮のもとで大切に育てることではないか。このような、個性と多様性を尊重する人権意識に裏づけられた教育の実践が、島根らしい教育の魅力になるのではないか。
それは、島根の子どもたちがこれからの変化の激しい社会を生き抜いていけるように、一人ひとりの人生の進路選択に丁寧に立ち合い、一人ひとりの自己実現に向けて精一杯支援していくことではないか。このような、「進路保障」の理念を踏まえた丁寧で細やかなキャリア教育と進路指導の実践が、島根らしい教育の魅力になるのではないか。
などなど。「教育の魅力化」の具体的内容については、市町村との意見交換の中でようやく本格的な議論が始まろうとしている段階です。今後の議論の進展に大いに期待したいと思います。

 ただ、この場で明確にしておきたいことは、「教育の魅力化」とは、誰のためでもない、島根で生まれ育つ子どもたちにとっての「魅力」にほかならないということです。
したがって、それは、県・市町村の教育委員会と学校現場とが、総力を挙げて取り組まなければ実現することができないもの、言い換えれば、教育の本質そのもののことではないかと思います。
県教育委員会においても、地域教育推進室や社会教育課だけで所管する施策ではなく、すべての部署に関係する政策課題と言ってよいと思います。
島根の子どもたちに本物の「生きる力」を身に付けてもらうために、皆さんがこれまで長年培ってこられた専門的知見や経験を、この際、惜しむことなく注ぎ込んでいただきたいと願うものであります。

 今日から平成29年の仕事が始まります。

 今年も大いに議論しましょう。そして、「主体的に課題を見つけ、様々な他者と協働しながら答えのない課題に粘り強く向かって」いこうではありませんか。
皆さんの奮起に期待して、年頭のご挨拶といたします。


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