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教育長訓辞:平成27年度小中学校管理職辞令交付式

 

 ただいま、市町村立小中学校の校長として、採用、昇任された皆さんに辞令を交付いたしました。昇任を心からお祝い申し上げます。

 

 さて、島根県の現状を見ますと、少子化の進行に伴う児童・生徒数の減少や学力・体力の問題、不登校やいじめの問題など課題が山積しています。また、昨年四月に県の人口が七十万人を割り込みました。県は、人口減少問題に対応すべく、活力ある地域を造るという大きな課題の解決に全力で取り組んでいます。私たちは、このような状況をしっかりと理解して教育に取り組んでいく必要があります。

 大切なことは、知・徳・体のバランスのとれた人格形成を進めていくことを基本とし、グローバル化の流れの中で世界に視野を広げつつも、自らの地域に誇りをもち、地域の未来を担うという気概を持った子どもたちを育成することであります。つまり、「第2期しまね教育ビジョン21」の基本理念「島根を愛し世界を志す心豊かな人づくり」であります。

 

 この基本理念のもと、現在、特に力を入れて取り組んでいること、あるいは今年度新たな観点で取り組みたいことを皆さんへお願いを含め話したいと思います。

 

 まず、「向かっていく学力」への取組みです。小中学校では、基礎・基本の習得と、それを活用する能力を育成するとともに、自ら学ぶ意欲や力を身につけさせてほしいと思います。そのためには、授業の質を高めることはもとよりでありますが、社会や働くことに興味・関心をもたせ、「生き方」について考えさせていく、キャリア教育の充実を図っていくことが必要だと思います。

 

 次に、「広がっていく社会力」についてです。

 中心となるのは、今年度で十一年目を迎える「ふるさと教育」です。各学校では、地域の人とのふれあいや地域での様々な体験等を取り入れた特色ある実践が展開されています。

 そのような中で、私は、昨年度の「少年の主張」において、柿木中学校三年生の河野鉄太さんの「鬼退治」の発表を聞きました。発表は、「自分は勉強とかも熱心でなく、いい生徒とは言えなかったが、地域の神楽のメンバーとして、東京で公演する機会を与えてもらった。そして、その舞台で観客から多くの拍手をもらい、高く評価されたことにより、自分に対する自信も生まれ、その後、心の中にいる怠惰という鬼を退治することができた。」という内容でした。まさに、島根ならではの「ふるさと教育」による成果だと、とてもうれしく思いました。

 ふるさと教育を通して、子どもたちは、ふるさと島根への愛着と誇りを持ち、豊かな心を育んできていると思います。皆さん自身が、それぞれの勤務する地域の歴史文化について学び、その素晴らしさを子どもたちに伝えてほしいと思います。さらに、地域にある課題に向き合うことで、子どもたちが、地域の一員として地域に貢献したり、地域を大切にしたりする心を培ってほしいと思います。

 

 次に、「高まっていく人間力」についてです。

 「ふるまいを大切にする心」は、社会生活を送る上で、当然に身に付けておくべきものです。
地域社会での人と人との繋がりがあり、強い絆が存在する島根では、このような心を育みやすい土壌と考えます。今年度三十名の方々が、「ふるまい推進指導員」に登録され、様々な研修等に出かけていただきます。皆さんも推進指導員と同じ思いで、学校や地域社会を含めて、「ふるまい」が広く県民全体に定着するよう、創意工夫した取組みを期待いたします。
 

 このような取組みを推し進めるための基盤の一つとして「信頼される学校づくり」が必要であると考えます。校長は組織の責任者、リーダーとして、学校評価や教職員評価システムなども活用しながら、教職員の理解と育成に努めていただきたいと思います。二月に「島根県人材育成基本方針」を策定しました。教員全体の高齢化が進行し、今後大量退職の時期が十年程度続きます。皆さんには、次世代の管理職やミドルリーダーの育成はもとより、すべての教職員が学び続ける姿勢をもち、切磋琢磨して、資質向上に努める組織づくりをお願いします。

 

 社会は急速に変化し、保護者や世間のニーズも多様化しています。従来の常識や慣行が通用しない難しい課題、安全に係る課題も多くなっています。学校経営にあたっては、アンテナを高く張り、多様化している社会や地域の動向・ニーズに敏感であってほしいと思います。

 

 そして、基礎・基本に立ち返り、安易に従来の慣行を踏襲することなく事務や事業等を点検するとともに、児童・生徒の指導のあり方や教師としてのふるまいについて再考するなど、教員一人一人の法令順守(コンプライアンス)の意識を徹底していただくようお願いします。

 同時に、心に悩みを抱える教職員に寄り添うとともに、教職員の悩みや問題を相談できる校内体制づくりに努めていただきたいと思います。そのこともまた、不祥事の防止につながると思います。

 

 全ての教員一人一人が明るく活力にあふれ、教育者としての自覚を高め、決しておごることなく、高い志と高潔な行動により児童・生徒、保護者、地域住民の方と向き合っていただきたいと切に願うものであります。

 

 終わりに、遠隔の地に赴任される方もおられますが、どうか健康には十分留意され、大いに活躍されるよう祈念いたしまして、訓辞といたします。


平成27年4月1日
島根県教育委員会教育長

藤原孝行

 


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