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教育長訓辞~平成24年度県立学校管理職辞令交付式

 ただいま、県立学校の校長として、十七名の方に辞令を交付したところですが、十二名の方は、今回初めて校長に就任されました。ご昇任を心からお祝い申し上げます。

 

 今、島根県の状況を見ますと、少子化の進行に伴う児童・生徒数の減少や学力・体力の問題、不登校やいじめ、厳しい経済状況の中での就職難等教育を取り巻く環境は多くの課題に溢れています。

 

 島根県教育委員会においては、平成十六年三月に策定した「しまね教育ビジョン21」を昨年度末に改訂し、新たな目標項目や平成二十五年度までの目標数値を設定しました。

 

 まず、このビジョンで示した島根県教育の基本的な理念や目標を十分に理解され、赴任されます学校の経営に校長として取り組んでいただきたいと考えます。私も、皆さんとともに、よりよい島根の教育をめざし、取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

 さて、県立学校については、今年度重点的に取り組むものとして、「学力向上対策」、「キャリア教育の推進」、「特別支援教育の推進」の三点があります。

 

 まず第一点目の「学力向上対策」です。学力向上対策については、平成十八年度から二十年度までを第一期とし、平成二十一年度からは高校教育課に学力向上対策スタッフを配置し、義務教育課と連携して昨年度まで第二期として取り組んできました。

 

 その結果、医学部をはじめとする難関大学、学部への進学率の向上、教科リーダー教員の養成、中高連携による教材の作成などの成果がありました。しかし、一方では「島根の将来を支える人材の育成」や「課題解決に必要な思考力、判断力、表現力を育むための主体的に学ぶ態度の育成」が不足していると思っています。

 

 そこで、今年度からは新たに次の取り組みを行うこととしました。まず、生徒向けの取り組みとして、昨年度まで二年生を対象として行っていました合宿形式のセミナーを一年生にも広げ、早期の段階から進路目標の確立を図って参りたいと思います。

 

 次に、教員向けでありますが、これも教科別のチームを組んでの合宿形式の研修を行い、教員間のネットワーク形成を図るとともに、さらなる指導力の向上に取り組むこととしました。

 

 次に、二点目の「キャリア教育の推進」です。昨年度までの県立学校でのキャリア教育については、平成二十年度から「働くことを学ぼう」推進事業として、主に専門高校で企業見学、インターンシップ、職業意識啓発セミナーや課題研究事業を実施してきました。その結果、生徒の地元企業に対する理解促進やコミュニケーション力の向上につながり、県内就職率も高くなってきています。

 

 しかし、一方では、県内の公立高校の卒業生のうち約八割が進学するわけですが、その約八割が県外への進学であり、卒業後はそのまま県外で就職する者が多いと言われています。

 

 皆様方もご案内のとおり、本県の人口は毎年五千人ずつ減少しています。このままでは、地元産業の衰退だけではなく島根県全体の衰退にもつながります。そこで、普通高校においても三年間を見通したキャリア教育を、「未来を描こう」推進事業として実施していただくこととしました。

 

 今、県内の様々な方面から、県教育委員会全体での「ふるさとに貢献する人材の育成」が求められています。

 

 グローバル化の流れの中で世界に視野を広げつつも、「知・徳・体」のバランスの上に立って、自らの地域を誇りに思い、地域の未来を担うという気概を持った子どもたちが一人でも多く育ってくれるよう、その目標への「動機づけ」を手伝い、「実現」に向けて支援していく必要があります。

 

 今年度、各学校それぞれの課題や「島根の将来を支える人材の育成」に対応していただくため、各学校独自の工夫を凝らした学力向上対策、あるいはキャリア教育等に取り組んでいただくための予算「学校(校長)裁量予算」も確保しました。

 

 ぜひ、校長先生方におかれましては、この予算も有効に使っていただき、「学力向上対策」と「キャリア教育」をつながりを持った施策として展開していただきますようお願いします。

 

 最後に三点目の「特別支援教育の推進」でございます。

 特別支援教育については、全ての学校における発達障がいを含めたさまざまな障がいへの対応など、喫緊の課題に対応するため、この二月に「しまね特別支援教育推進プラン」を策定したところです。

 

 今後、この基本計画に基づき可能なところから、順次、施策を進めて参ります。

 

 高等学校においては、昨年より特別支援教育に関する校内研修の実施をお願いしているところですが、校長のリーダーシップのもと、校内の教職員の特別支援教育に関する理解を高めていただき、特別な支援が必要な生徒への指導や支援の充実を図っていただきたいと思います。

 

 また、特別支援学校においては、病弱教育部門や肢体不自由教育部門の設置に伴い、各学校における専門性の向上に一層努めていただくとともに、センター的機能を発揮し、県内の特別支援教育の推進に努めていただきたいと思います。

 

 さらには、昨年度から始めた「離島・中山間地域の高校魅力化・活性化事業」の対象校の八校においては、地元の町村をはじめ、地域と一体となって取り組みを進めていただきたいと思います。

 

 そして、昨年度から準備してきた「古事記編さん千三百年関連事業」が本番を迎えます。「高校生による島根の文化発信事業」として直接参加する学校だけではなく、すべての学校におきまして「ふるさと島根」に愛着と誇りを持つ契機となるようお願いします。

 

 このように、島根の教育は対処すべき多くの課題を抱えていますが、県民の方々の県立学校に対する期待はたいへん大きなものがあります。

 

 また、社会や教育を取り巻く環境は急速に変化し、社会や地域のニーズも多様化しており、今までの「常識」や「慣行」だけでは対応が難しくなっています。

 

 校長先生方には、是非こうした状況を十分に踏まえながら、県民の期待に応える学校経営に努めていただきたいと思います。

 

 そのためには、校長・教頭・事務長がうまく機能し、総合力が発揮できる学校運営が行われるように配慮するとともに、アンテナを高く張り、社会や地域の動向に敏感であって欲しいと思います。

 

 そして、改めてお願いします。不祥事の防止であります。昨年度も様々の形で教職員の不祥事が発生しましたが、今一度、原点・基本・基礎を大切にする精神的土壌の醸成に努め、安易に従来の慣行を踏襲することなく事務や事業を点検し、コンプライアンスを徹底していただくようお願いします。

 

 そして、悩みや問題を抱えている教職員が気軽に相談できるような雰囲気作りに努めていただきたいと思います。

 

終わりに、遠隔の地に赴任される方もおられますが、どうか健康には十分留意され、大いに活躍されるよう祈念いたしまして、訓辞といたします。

 

 

 平成24年4月2日

 島根県教育委員会教育今井康雄


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