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県議会答弁:令和5年9月定例会(角議員質問分)令和5年9月22日

(議員質問)

 様々な県民の声を丁寧に聞き、調査研究を進め、夜間中学の開設に取り組む考えはないのか、改めて伺う。

 

(教育長答弁)

 県には、昨年度に1件、匿名で、文面から推測いたしますと、当事者ではない方からのようですが、不登校等で義務教育を受けることが不十分だった人や外国籍の人たちへの教育を受ける機会の保障をするために、夜間中学の設置を求める声が寄せられております。
また、各市町村教育委員会に聞き取りを行ったところ、1市において、今年度1人から、設置を求める意見が寄せられたとのことです。
本県の場合は、中学校の内容の学び直しについては、不登校など様々な事情により、十分な教育が受けられないまま中学校を卒業した方などにニーズがあると思います。
そういった方々の多くが、現在、宍道高校や浜田高校の定時制・通信制課程に進学しており、過去に不登校等であった方の入学は、年々増加しております。
両校では、定時制・通信制のカリキュラムの柔軟さを生かして、10年以上も前から、「国語入門」、「数学入門」、「英語入門」といった科目を設定し、中学校で学ぶ基礎的な内容の復習から学習を始めることを可能としております。また、通信制の対面指導であるスクーリングは、両校まで来なくても、益田市内、大田市内、隠岐の島町内でも受けることができるよう体制を整えております。
若い世代にあっては、このように、中学校の内容の学び直しから高校段階の学習へと連続させ、卒業後の進学や就職につなげ、自立した社会生活への道を広げていくことが、本人にとって望ましいものと考えております。
夜間中学は通称でありまして、学校として一般の中学と区別はございません。原則、週五日、三年間にわたって、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術家庭、外国語の各教科、特別な教科である道徳、総合的な学習の時間、特別活動といった、個人によって特別な配慮はあるものの、基本的には、一般の中学の学習指導要領に基づいたすべての課程を修了すれば、中学校卒業となる夜間中学よりも、先に述べましたように、夜間中学に対する要望の状況や、宍道高校等における学び直しのニーズへの対応状況をみますと、本県の対応の方が、夜間中学よりも良いやり方であると考えており、現時点において、県立として、夜間中学を設置することは考えておりませんが、市町村において、夜間中学の開設に向けて検討されることがあれば、県教育委員会として教員配置等の相談に対応いたします。
また、当然のことながら、現に小中学校段階において不登校等の児童生徒たちに対しましては、きめ細かな支援を行い、適切な学びの場を保障していくことが重要であり、引き続き、教員の加配や非常勤講師の配置等の事業を行ってまいります。
なお、先ほど述べました一般の中学校と同等なすべての教育課程の履修や卒業資格までは希望されず、「何かこれだけを」という方などが学習する機会としては、高齢者大学校くにびき学園や公民館の生涯学習講座、大学の公開講座、民間の通信講座などがあり、ご本人が関心のある分野をピンポイントで学べることができます。

 


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