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県議会答弁:令和6年2月定例会(須山議員質問分)令和6年2月28日

(議員質問)

 「ふるさと教育」の運用見直し案について、11月定例会での提案以降、県内市町村教育委員会の反応はどのようなものであったのか、伺う。

 

(教育長答弁)

ふるさと教育の運用の見直しについては、昨年12月に開催した「県・市町村教育長会議」において、その趣旨や内容を御説明し、その後、すべての市町村教育委員会と個別に意見交換をしてまいりました。
また、県議会での答弁や、定例記者会見での発言、教育委員会会議での質疑応答など、知事や私の考えを、各市町村教育委員会に都度都度、その全文を情報提供してまいりました。
「ふるさと教育そのものを削減をする」とも受け取られる情報が先行したこともあり、市町村からは、「学校や地域から、今後のふるさと教育への不安の声を聞いている」「学校や地域へ、改めてふるさと教育の意義や重要性を丁寧に伝えていく必要がある」などといった御意見を伺っておりますが、全体としては、「交付金の交付条件の緩和については賛同する」「今回の運用の見直しを機に、中学校区の一覧表の見直しや、各校の授業や活動等を精選することの必要性を感じている」など、運用の見直しについて御理解をいただいたものと考えております。
これらの御意見を受けて、現在、ふるさと教育の確認の指針となるものを県教育委員会において作成中であります。その主な内容は、一つには、中学校区のふるさと教育一覧表の確認として、「学年、校種が上がることに従い、発展的に学習がなされ、系統的積上げがあるものになっているか」、二つには、各校のふるさと教育の年間計画の確認として、先ほど述べました「中学校区の一覧表の確認を受けて、系統的積上げがあるものになっているか」「単元や教材ごとに取扱いの重い、軽いをつけることで、重要とした学習活動をより質の高いものにできないか」「学習活動を構築した上で、事務、渉外の視点から役割分担を再考することで、授業を担当する教員の負担を軽減することはできないか」としています。
現在、この内容で市町村教育委員会に対して意見照会をしております。

 

(議員質問)

出雲市教委教育長が示した「ふるさと教育の大きな見直しに至らない」ということであるなら、運用見直しで県教委が目論む、教員の負担軽減を図り、基礎学力の向上のための時間を確保することには繋がらないわけであり、戦略を練り直す必要があると考える。
次の一手をどのように考えるのか、所見を伺う


(教育長答弁)
ふるさと教育の運用の見直しをすることの情報が、具体的な見直し内容の決定よりも先行したことから、学校関係者や地域の方々が、「ふるさと教育を15時間やめるんだ」との誤解をされている、と市町村教育委員会から伺っております。県教育委員会が求めていることは、ふるさと教育のやり方を確認することで、一分一秒でも手間暇がかからなくなり、そして、例えば、近年増加している、大学を卒業してそのまま採用された教職経験のない教員や、他の学校から異動してきた地域外の場所においても負担なく効果的な授業が出来ることを目指しています。

こうしたことから、県教育委員会では「ふるさと教育の見直し」ではなく、「ふるさと教育の運用の見直し」と表現しております。もとよりこうしたふるさと教育の運用の見直しだけで子どもたちと向き合う時間を充分に生み出すことを考えていたわけではございません。
教員でなくてもできる業務については、昨年夏に知事と一緒に、直接、全ての市町村長さん方に各市町村の教員の時間外勤務の時数を示しながらサポート人材を確保したり、外部委託を進める予算の確保をお願いいたしました。
教員にしかできない業務の本丸である現行の学習指導要領に基づく授業であっても、聖域なくやり方の確認をして時間を生み出していくことが必要です。
そのため、個々の学校現場の実態を把握し、有効な対応、対策をとるために、学校設置者である市町村の教育長と一緒になって、市町村立学校を訪問し、学校管理職と意見交換をしたい、その結果としての対応、対策を横展開するために全ての市町村教育長と直接顔をつきあわせて協議したいと現在、市町村教育委員会に提案しているところであります。
実際に学校現場がより良くなるために市町村教育委員会と一緒に取り組んでまいります。

 

 

(議員質問)
持ち帰り仕事の実態等の調査結果を受けて、どのような実効性のある対策を打とうとしているのか、伺う。
また、令和6年度の予算措置を見る限りは、その姿勢が見られないと言われても仕方が無いと思われるが、所見を伺う。

 

(教育長答弁)
今年度実施した実態調査では、持ち帰り仕事を行っている教職員の割合が53.8%と半数以上にのぼり、行っている者で見ると、平均週3.4日、1日あたり90分程度、行っていることが明らかになりました。
調査では、持ち帰り仕事で行っている内容として、「授業の準備に関すること」が回答全体の50.9%と、他の項目に比べ顕著に高い状況でありました。
本来、教員が最も注力すべき授業のための準備時間が不足している現状があり、そのための時間を勤務時間内でいかに確保し、持ち帰り仕事を縮減していくかが重要であります。
このため、先ほどお答えしたとおり、サポート人材の確保や業務の外部委託、ふるさと教育を含めた授業のやり方の再確認を進め、学校設置者である市町村や学校と一緒になって、具体的対応を考えていくこととしております。
予算につきましては、サポート人材に関しては、近年、予算を増額し、配置の規模も大きくなっておりますし、外部委託についても、直接、市町村長さんにお願いしているところであります。新たに行う、個別の学校訪問については、予算を伴うものではありませんので、予算額には現れませんが、着実に改革を進めてまいります。
このための推進組織として、来年度は、新たに「働き方改革推進室」を設けることとしております。
そもそも持ち帰り仕事を含めて教員の総労働時間を減らしていくことが大切であります。本来、持ち帰り仕事がないことが、理想であります。
しかしながら、現状では校務の性格上、時間外勤務が一定程度あり、持ち帰り仕事も行われている状況にあります。在校時間だけでは業務が終えられず、やむを得ず持ち帰っているものと思われますが、教員によっては、在校しての時間外勤務よりは早めに帰宅しての在宅での仕事や、休日、時間をかけて通勤するよりも、通勤時間が負担であることから在宅での仕事を望む方もいると学校現場から伺っております。
また、国においては、校務支援システムのクラウド化を図り、職員室以外からでも安全に個人情報にアクセスできる環境を構築するなどのモデル事業が実施されております。こうした環境の変化や、教員一人ひとりの希望する多様な働き方をどのようにしていくのか、ということについては、状況をよく注視してまいりますが、いずれにしても、持ち帰り時間も含め、まずは時間外勤務を年間360時間におさめることが、第一の目標でありますので、総労働時間の縮減に全力で取り組んでまいります。


(議員 再質問)

今回代表質問も含めて非常に具体的に答弁されたという風に思いますけれども、私が昨年、前回の一問一答で話した、いわゆる持ち帰り仕事です。これは断じてやってはいけない。ですが、今の実態を見るとやむを得ないという、先ほども教育長の答弁がありましたが、
であるならば、しっかりとその持ち帰り仕事の時間を把握して、総量として毎回毎回時間外として報告すべきだ。それを目隠しして、単に県のパソコンのオン、オフだけで時間外を判断っていうところはありえない。今、サービス残業はあってはならないということで、サービス残業はあって申請しますけれども、持ち帰り仕事なんて完全にほってあるわけですよ。そこをちゃんと客観的な数字をまず把握をする。
そこからはじめないと働き方改革なんてできない。そこをしっかりやることを言明していただきたい。


(教育長答弁)
本年度持ち帰り仕事の実態調査をはじめて行いましたけども、来年度ももう一度やる考えであります。その時には時間外勤務、在校しての勤務であるとか、あるいは担任の有無、部活動の有無、そういった関連する業務、データをすべて紐づけして持ち帰り仕事の量というものを分析できるように、そういった調査を再度、来年度行おうことしております。
持ち帰り仕事を来年度から、4月から全員に、7000人の職員全員に、細かく記録して提出させるというのは非常に大きな負担を伴いますので、まずは実態調査をしてそういった総時間数の関連をつけたものを今年度と同じように約1000人を対象に行って、そして分析をして、また引き続き対策をうっていきたいという風に考えております。


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