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県議会答弁:令和6年2月定例会(多々納議員質問分)令和6年2月21日

(議員質問)

 ふるさと教育の運用の見直しについて、市町村教育委員会からの反応や運用の見直しに対する理解は得られたのか伺う。

 

(教育長答弁)

 ふるさと教育の運用の見直しについては、昨年12月に開催した「県・市町村教育長会議」において、その趣旨や内容を御説明し、その後、すべての市町村教育委員会と個別に意見交換をしてまいりました。

また、県議会での答弁や、定例記者会見での発言、教育委員会会議での質疑応答など、知事や私の考えを、各市町村教育委員会に都度都度、その全文を情報提供してまいりました。

 ふるさと教育そのものの削減をする、とも受け取られる情報が先行したこともあり、市町村からは、「学校や地域から、今後のふるさと教育への不安の声を聞いている」「学校や地域へ、改めてふるさと教育の意義や重要性を丁寧に伝えていく必要がある」などといった御意見を伺っておりますが、全体としては、「交付金の交付条件の緩和については賛同する」「今回の運用の見直しを機に、中学校区の一覧表の見直しや、各校の授業や活動等を精選することの必要性を感じている」など、運用の見直しについて御理解をいただいたものと考えております。

 これらの御意見を受け、現在、ふるさと教育の確認の指針となるものを県教育委員会において作成中であります。その主な内容は、一つには、中学校区のふるさと教育一覧表の確認として、「学年、校種が上がることに従い、発展的に学習がなされ、系統的積上げがあるものになっているか」、二つには、各校のふるさと教育の年間計画の確認として、先ほど述べました「中学校区の一覧表の確認を受けて、系統的積上げがあるものになっているか」「単元や教材ごとに、取扱いの重い軽いをつけることで、重要とした学習活動をより質の高いものにできないか」「学習活動を構築していく上で、事務、渉外の視点から役割分担を再考することで、授業を担当する教員の負担を軽減することはできないか」としています。

 現在、この内容で市町村教育委員会に対して意見照会をしております。

 

※知事答弁も掲載します。

 

(議員質問)

  学校現場では障がいのある子ども、不登校の子ども、ヤングケアラーなどの支援を必要とする子どもに対する医療・療育・教育・福祉など各分野の切れ目ない支援が図られているが、教員が子どもと向き合うための必要な時間の確保には至っておらず、課題の一つになって、質・量ともに成育環境の充実が学校に求められているという事ではないかと考えるが、知事の所感を伺う。併せて、国においては実態に合った制度設計が必要だと考えるが、知事の所感を伺う。

 

(知事答弁)

 これまでも、県議会の答弁の中で基礎学力だけでなく、学校での指導上の諸課題に対応するためにも、今よりも先生方が子どもさんと向き合う時間を確保する必要があると答弁をしてきたところでございます。

この諸課題につきましては、議員がご指摘の、障がいのあるお子さん方への対応ですとか、不登校のお子さん、ヤングケアラーの子どもさん方など、支援の必要な子どもさん方への対応などを含めたものでございます。

 こうした子どもさん方が抱える課題につきましては、学校現場で福祉や医療などと連携することは重要な視点であると思います。

 一方で、貧困ですとか、障がいといった事柄については行政上対応する上でも、専門的な人材、施設が必要になるもので、学校の先生方にスーパーマン的にやっていただくことは、求めすぎであると思っておりますので、端緒へつないでいただく、ということはあるとしても、本格的なことは、学校外で行われることが適当であると考えておりますし、プライバシーの関係もあるので、端緒を見つけたとしても、保護者なり本人の同意が無ければ他所、他の部署へつないでいくことはできません。

従いまして、そういった制約を抱えているということについても、理解しなければならないと思っております。

 学校におきましては、そうした子どもさんたちの事情を把握する上でも、学習指導や生活指導を十分に行ってほしいと思いますし、そのためには、向き合う時間が今以上に必要になると考えております。

 今の学校の先生方の勤務の状況というのは、議員ご指摘の様々な支援が必要な子どもさんもそうですけども、そういう支援が必要ない子どもさんも含めて、そういった時間を十分に確保が出来ていないという状況かと思います。

その要因としては、学習指導要領が過度に過度・加重な内容になっていること、採用がかつてほど順調に進まず、教員の欠員が生じていること、また、時間外勤務の縮減が目標を達成できていないこと、などから、そういうことを行う時間的な目途がたたないということではないか、と考えております。

 県としては、教員でなくてもできる事務作業などの軽減のために、スクール・サポート・スタッフを政府の支援を受けまして、全校配置する予算を今議会に提案しております。

これまでも、スクールカウンセラーやスクールロイヤーなどの専門人材の配置の充実を行ってきたところです。

 また、除雪ですとか、プール管理、草刈りなど、学校の管理運営で生じる、まとまった仕事を外部委託してもらうことも必要であると考えています。

先生方にしかできない業務における働き方改革についても、ふるさと教育の運用も含めて、全般を、ふるさと教育を見直すということが目的ではありませんので、聖域なく見直しをしてもらう必要があるという認識でございまして、そういったことを、県教育委員会に同一認識のもとで進めてもらっている所でございます。

 しかしながら、こういった事の積み重ねで、十分な子どもさんと向き合う時間を安定的に確保していくということが、実現するのはなかなか難しいのではないかと考えておりますので、やはり、根本になっている原因を断つということからいたしますと、内容が盛りだくさんになっている学習指導要領の見直し、また、障がいのある子どもさんや、不登校、ヤングケアラーの子どもさん方など、支援が必要な児童生徒に対応する教員の加配を含めた、十分な教員の配置。

現在の採用難といった状況を改善するための、教員の魅力、やりがいを感じられる学校づくり、働き方づくりのための、働き方改革の更なる進展、処遇改善、指導・運営体制の充実と、それらを正確に対外的に情報発信していくことなど、を行っていくべきだと考えております。

そして、国において、実態にあった制度設計をしてもらう必要が当然でございますけれども、これは中々簡単ではございません。

 パターンとしては、そもそもの実態を知っていると勘違いしている。過失ですね。過失のケースは実態把握をしていないということを教えれば、直る可能性が高いですが、実態をそもそも把握しているけど、実態を把握しようとしていないケースもあります。

 それはなぜかというと、実態が失敗しているということは、自分の政策が失敗しているということを認めることになるので、実態がうまくいってないわけでは無いと、これは故意犯として実態把握をしないというケースもあります。

 私は今回の小学校6年生の算数の問題の約50%というのは、そのパターンだと私は疑っておりまして、あの数字を見て切実感のない文部科学省さんの状況をみますと、そのケースだなと私は疑っております。

 この場合は中々やっかいであります。上手くいってないけど、上手くいっていると、なんとでもしていこうとなりますので、これは中々やっかいでございます。

 実態にあった制度設計を求めていくために、現実を伝えていく、そういう国民のためにならないこだわりを捨ててもらうということを含めて、様々な働きかけをしていかなければいけないと考えています。

 


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