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尾村議員

(問)全国学力テストについて

1.県内で全国学力テストの学校別結果の公表を実施している教育委員会はどこか伺う。

2.全国で全国学力テストの学校別結果の公表を実施している教育委員会はいくつあるか伺う。

3.学校別結果を公表しない教育委員会の考え・理由は何か伺う。

4.結果公表による弊害をどう認識しているか、学校、教員、子ども、保護者への弊害はどうか伺う。

5.文科省の「過去の調査問題を練習させる行き過ぎた取扱いは、調査の趣旨・目的を損なう」という通知について、その趣旨、発出の背景について伺う。

6.県内でも過去の調査問題などを実施する「学力テスト対策」が行われている。実態を精査し、改善を求めるが、所見を伺う。

7.県教育委員会は、学力テスト実施後の自校採点を推奨しているが、現場教員の理解と納得が得られておらず、現場との溝を深めるだけであり中止を求めるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.今年度、学校別結果を数値も含めて公表しているのは、松江市のみであります。

 

2.平成28年度の調査について文部科学省に問い合わせましたが、今年度分については把握していないということでありました。

 平成26年度の文部科学省の調査によりますと、全国で32の市区町村教育委員会が教科の平均正答率について学校名を明らかにして公表しているとのことであります。

 

3.まず、全国学力・学習状況調査の結果の公表のあり方について、文部科学省の実施要領に示されている配慮事項は次のとおりであります。「調査結果については、調査の目的を達成するため、自らの教育及び教育施策の改善、各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し、適切に取り扱うものとする。」このように記載されているところでございます。

 具体の公表のあり方は、最終的には、各市町村教育委員会が主体性と責任をもって判断し、行うものでありますが、このたび、学校別結果を公表していない県内の市町村教育委員会に対しまして、公表しない理由を確認してみました。そうしましたところ、「数値を公表すると調査結果を受けて行う市町村としての分析や改善方策が注目されなくなり、数値だけがクローズアップされ、一人歩きすることが懸念される」という意見や「小規模校が多く個人が特定される恐れがある」このような理由で公表していないということでございました。

 

4.まずは今回の松江市教育委員会の公表資料でありますが、調査結果についての分析を行い、さらに今後の改善方策なども示した資料の一部に数値が用いられているものであります。したがいまして、文部科学省が通達で示した、懸念しているような公表の仕方ではなく、実施要領に沿った公表であったと認識しています。

 しかしながら、一部の報道は、松江市の公表資料の中の部分的データを用いて学校別結果の、数値を一覧にした形で行われたものであります。

 報道のあり方についてコメントする立場にはありませんが、結果として学校別結果が一覧表となり、数値が一人歩きする状態になってしまったことを考えますと、直ちに学校の序列化や過度な競争が生じるとまでは言えないかもしれませんが、全国学力・学習状況調査の本来の趣旨・目的とは違った形で、公表結果が解釈されかねないと言う意味で懸念をしております。

 

5.今年4月28日、文部科学省から出されました通知は、関係者間において、今一度原点に立ち戻って、この調査の趣旨・目的に沿った実施がなされるよう、次のような取組を求めるものでありました。

 1点目でありますが、学校内、学校間、そして教育委員会と学校との間において、本調査の趣旨・目的について共通理解を得るための機会を設け、その認識を学校現場に深く浸透させること。2点目は、日常の指導訪問等を通じて、改めて本調査への適切な向き合い方や適切な指導改善の方策等について学校との間で理解を深め合うこと。

 そして、このような通知が出された背景につきましては、この通知の中に明記されております。その部分を引用いたします。「4月前後になると、例えば、調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ、本来実施すべき学習が十分実施できないなどといった声が一部から寄せられる状況が生じている。」これが通知が出された背景であります。

 

6.全国学力・学習状況調査の成績を上げようという意図をもって直前対策を行うことは、調査結果そのものの信頼性を損いかねないものでありますので、私はあってはならないと考えます。

 ただいま議員から実態があるとのご指摘がございました。今後、市町村教育委員会を通じて、実態を確認したいと思います。その上で先ほど述べましたような本来の趣旨に従って、今後適切に対処してまいります。

 

(再質問)松江市で学力テスト対策が行われている実態があるが、所見を伺う。

 

 実態を確認をした上で、適切に対処してまいります。

 

7.全国学力・学習状況調査を踏まえた授業改善や児童生徒の個別指導にいち早く取り組むためには、自校採点を実施する意義があると考え、推奨をしているところであります。

 ただ、自校採点に伴う教員の負担感に配慮する必要があると考えておりまして、県と市町村の教育委員会事務局の学力育成担当者で構成します学力育成実務者会議のテーマに掲げ、学校現場の負担感の軽減について協議を始めたところであります。

 平成29年度の全国学力・学習状況調査までには、負担軽減策をとりまとめ、学校現場に説明し、現場の理解を求めていきたいと考えております。

 

(再質問)教育現場の悲痛な叫びをくみ取るべきと考えるが、所見を伺う。

 

 先ほどご答弁申しあげましたとおり、現場の負担感を軽減するために、学力育成実務者会議において協議を始めました。現場の声に耳を傾け、実効性のある負担軽減策を考えていく必要があるとこのように認識しております。

 


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