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園山議員(自民)

(問)たくましさと根気の醸成について

1.心因性疾患のケアの取り組みも大事だが、知力を支えるのは体力であり、勉強をするために必要な根気、モチベーションを維持するためにも、子供の時から、学校などで根気を養い、たくましさを身につける取組について、県民運動にするくらいの意気がほしいが、所感を伺う。

 

(答)教育委員長

1.根気を養い、たくましさを身につける取り組みについての所感でございますけれども、私もどちらかと言いますと居残り組の方でございましたので、だからという訳ではございませんけれども、園山議員のお考えには全面的に共感するところでございます。

 つまりは、学校だけでなく様々な場面で、課題を解決した時の満足感や達成感を感じさせることによって、子どもたちに根気や粘り強さを育てることは、とても大切なことだと考えております。

 現在の学校の指導では、例えば、体育の授業では鉄棒や跳び箱等を使って、自分で設定した目標に向かって反復して練習をさせ、達成感を感じさせる方法が取られています。

 また算数の授業では、計算練習などで適度な負荷を与えた課題に取り組ませることで、わかる喜びを味あわせる指導に努めております。

 ある生徒の感想によりますと「精一杯努力すればできることがわかった。」とか「スポーツは自分を磨くものだ。」という言葉もあり、指導の効果が現れているものだと思っております。

 また、これら授業だけでなく、宿泊体験活動や部活動などの合宿を通して、困難や自分の思い通りにならないことをやり抜く根気強さやたくましさを身に付けさせるとともに、自分たちの力で問題を解決させることで、仲間意識や連帯感の育成にも努めております。

 おっしゃるように、体力は、我慢強さや忍耐力、知力を支える根幹であると同時に、生活習慣とも大きく関わりあることは今や明白であると言えます。従いまして幼児期からの基本的生活習慣の確立は、非常に重要な意味を持ち、「きちんと食べ」「十分に睡眠を取り」「思いっきり外で遊ぶ」ことに、家庭や学校でしっかり取り組む必要があると考えております。

 今の世の中は、我々の子どもの時代と異なっており、テレビやゲームが普及しております。外で遊ぶ機会が少なくなったと思いますが、これらを無くしてしまうということは、今の世の中不可能ではないかと思います。

 また、社会情勢が非常に過剰反応しているという風に考えております。戸外での遊びや、激しいスポーツには怪我が伴いますし、遠足で例えば山登りでもすれば蜂に刺されるようなこともあります。

 その都度、安全性のみを問題視して、携わる先生や関係者を萎縮させてしまっているということは残念なことだと思っているところであります。

 私は、子どもたちが心身共に伸びやかに育つことが重要だと考えており、教育委員会では、「しまねっ子!元気アップ・プログラム」に加え、来年度からは「一日一時間以上からだを動かそう」をスローガンに、子どもの体力向上支援事業に、より力を入れることとしております。

 今後とも、多くの人の理解をいただいて、子どもたちの基本的な生活習慣の定着を図るとともに、心身共にたくましい「しまねっ子」の育成を目指していくことが必要と考えております。

 

(問)国歌、校歌の斉唱と服装、スポーツの振興などについて

1.国歌、校歌の斉唱と服装についての過去の指摘に対し、教育委員会としてどのように取り組んだのか伺う。

2.スポーツの競技力強化のためには、主体的に取り組む人に権限を与えるべきと考えるが、所見を伺う。

3.鰐淵寺の国史跡指定について、出雲市は平成23年度に可能性調査等を実施すると聞いているが、県としての取組を、指定の可能性を含めて伺う。

 

(答)教育長

1.私からは三点お答えいたします。

 まず、一点目の国歌、校歌、服装についてであります。

 島根県では、公立のすべての小学校・中学校・高等学校におきまして、入学式や卒業式などの儀式的行事で、国旗を掲揚するとともに国歌および校歌を斉唱いたしております。

 国歌を斉唱することは、議員からもございましたように、日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、児童生徒が将来国際社会において尊敬され、信頼される日本人として成長していくために重要なことと思っております。

 また、校歌斉唱は、愛校心あるいは学校への誇りを高めて、学校の伝統や校風の継承、発展などに役立つ大変意義のあることであります。

 議員からは、出席をされました式典で生徒や先生の声が大変に小さいというご意見を頂戴いたしました。大変残念に思っております。各学校では、今申しあげました国歌、校歌を歌うことの意義、こういうことを教えながら歌唱指導をしておりますが、一方では小学校・中学校・高等学校とだんだん年齢が進むにつれまして、人前で歌唱すること、こういったことがある意味では恥ずかしいというような気持ちも芽生えるようでありまして大きな声で歌わなくなるという傾向もあるように伺っております。

 今後とも、国歌、校歌の意義をしっかりと子どもたちに教えながら歌唱指導を行うよう一層の指導に努めていく必要があると思っております。

 あわせまして、卒業式や入学式などの厳かな場面での服装でありますが、規律や気品のある態度で臨む意味からも、その場にふさわしい服装、立ち居振る舞いをする必要があると考えております。

 現在、県内の小学校の約三割が制服ではなくて自由服であります。そうした学校では、卒業式等の練習を重ねる中で式典の意義を伝え、服装などについても指導していると聞いております。また、保護者に対しましてもそういったことについて理解を得るよう努めていると承知をいたしております。

 

2.議員からもございましたように、まずは、小学校時代の子ども達に、いろいろなスポーツに対する興味・関心を持たせる。その中で子どもの得意とする競技を見つけ出して、中学校・高校に繋げていくことが大事だと考えております。

 中・高校生におきましては、国体の競技得点の六割を占めている。また、インターハイ等の全国大会の活躍は、県民に活力や元気を与えるものであり、その意味で、中・高校生について重点的な取り組みを進めてきています。

 例えば、中学では種目を指定し、高校では種目別に学校を指定して、県外遠征等に助成をしています。

 指導者の配置についても、県立高校において、特別体育専任教員やスポーツ推進教員を配置し、継続的な指導ができるような体制をとっています。

 今後も引き続き力を入れて取り組んでいきたいと思っていますが、ご指摘のように成績が一過性で終わらないように、さらに効果的で息の長い取り組みが必要であると考えています。各競技団体や市町村と十分な連携を図り取り組んでいくことに加えて、例えば、全国的に実績のあるアドバイザーを招聘し、科学的なトレーニングなどの指導を受け、また、中学校の指導者においても、より学校の実情を踏まえた適正な配置に努めたいと思っております。こうした取り組みにより、島根県全体の競技力の向上、底上げに繋げたいと考えております。

 

3.最後に、鰐淵寺の史跡指定のご質問がございました。

 鰐淵寺は、議員もご紹介されましたように、飛鳥時代に創建されたと伝わる古刹であります。中世から近世初めにかけましては出雲大社との関係を深め、出雲国を代表する有力寺院としての勢力を誇り、境内には多数の僧坊があったとされております。現在でもそれらの跡とみられる石垣や平坦地が残っております。

 また、鰐淵寺には古文書や仏像、絵画など、多数の美術工芸品が所蔵されております。これらは、わが国の中世史や仏教史を知る上で欠かせない文化財であります。国指定重要文化財あるいは県指定有形文化財にも指定されているものが19件ございます。

 出雲市は、こうした鰐淵寺の国の史跡指定を目指しまして、今年度から鰐淵寺の成り立ちや変遷過程を明らかにするための発掘調査を行っているところであります。また、島根大学によりましても「出雲鰐淵寺の歴史的・総合的研究」が進められているというふうに聞いております。この出雲市あるいは島根大学の調査・研究によりまして、今後、伽藍配置や僧坊の年代、あるいは地下に埋蔵されました遺跡の保存状態が明らかになると考えられます。国の史跡指定につながります文化財としての新たな価値が解明されることを、県としても期待しているところであります。

県としましては、これまでも出雲市の調査・研究に対しまして、発掘調査の方法や出土品の分析など技術的な支援を行ってきたところでありますが、さきほど申し上げました鰐淵寺の歴史上の価値に大変注目しております。今後とも積極的に助言・支援を行ってまいりたいと考えております。

 

 

 

 


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