• 背景色 
  • 文字サイズ 

吉野議員

(問)SNSを活用したいじめ等の相談について

1.本県においてもSNSを活用したいじめ等の相談を検討すべきと考えるが、所見を伺う。

2.「脱・傍観者」の意識を育む教育の普及を図ってはどうかと考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.2点のご質問にお答えをいたします。

 まず、SNSを活用したいじめ等の相談についてであります。

 教育委員会では、いじめの問題を含め、学校生活や友人関係などの悩みごと相談を受け付けるチャンネル、具体的には、電話相談や学校の教育相談などのチャンネルを増やすことや、「困ったり悩んだりしたら身近な大人に相談してみよう」というメッセージを児童生徒に広く呼びかけることに取り組んでおります。

 しかしながら、大人に直接相談することは敷居が高いと思う子どもたちも多いことから、心理的な抵抗感を減らす相談方法を工夫する必要がありまして、その一つの方法としてSNSの活用もあり得ると考えております。

 一方で、SNSを活用した相談方法については、次のような心配もあります。

 SNSの利用上の特性として、同時性と即応性が強く期待されることから、書き込みはしたが読んでもらえたかどうかわからなかったり、返信までの時間がかかってしまうと、かえって相談した子どもに大きな失望感を与えたり、傷つけてしまうことにもなりかねないという点があります。

 このため、子どもからのSNSによる相談に応えるためには、365日24時間、特に深夜における即応性など運用上での大きな課題もあります。

 また、例えば、「死にたい」や「つらい」などの文字は、苦しい気持ちを察して欲しいためによく使われますが、緊急事案かどうか見分けることや相談員の共感・寄り添いを文字だけで伝えることの難しさなど困難な課題があり、SNSの相談員には高い技量が求められると考えております。

 こうした運用上の課題にどう対応していくのか慎重な検討も求められますので、長野県や千葉県柏市などの先行事例をよく研究してみたいと考えております。

 

2.次に、「脱・傍観者」の意識を育む教育の普及についてお答えします。

 学校現場では、教育活動全体を通じて人権意識の感度を上げ、全ての児童生徒に「いじめは決して許されない」ことを強く自覚して欲しいと考えております。

 具体的には、自分の言動が他人を傷つけていないかということを子どもたち自らが自覚し、もし傷つけているような状況があれば、まずは、自分たちでも解決に努めながら、身近な大人にすぐに相談することができる児童生徒の姿、こうした姿を目指しております。

 自分の存在と他人の存在を認め合い、互いの人格を尊重し合い、困ったときに悩みを打ち明けられるような信頼関係を築くことが、いじめの有無を自覚し、傍観をなくすことにつながっていくと考えております。

 学校現場での具体的な取組を若干紹介いたしますと、小学校では、相手の立場や考え方を大事にする「ふわふわ言葉」と、相手の気持ちを傷つける「チクチク言葉」について授業を行っております。

 具体的には、友達の言葉で嬉しくなった時の体験を記したカードを「ふわふわ言葉」として学級内の掲示板や廊下など誰もが見付けやすい場所に貼り付けたり、過去の自分の反省を書いた紙を「チクチク言葉」として封筒に入れ、自分自身との約束ごとを作るなど、仲間の気持ちを考えて行動することの大切さを考えたりする授業を行っております。

 また、中学校では、ネット上の書き込みを巡ってトラブルになった事例を視聴し、被害者、加害者、傍観者のそれぞれの立場でロールプレイをすることで、それぞれの視点を明らかにし、その問題点や解決方法を議論する授業を行っております。

 こうした教育活動は、県内の多くの小学校、中学校で行われております。

 こうした取組を通じまして、いじめの問題について子ども同士が話題にしたり、自ら考える機会を持ったりして、「いじめは人として絶対に許されない」という人権意識を学校全体で醸成していきたいと考えております。以上でございます。

 


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
島根県教育庁総務課
TEL 0852-22-5403
FAX 0852-22-5400
kyousou@pref.shimane.lg.jp