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園山議員

(問)ことのは大賞について

1.ことのは大賞のコンセプトは、島根県教育委員会が進める「ふるまいプロジェクト」に相乗するもので、積極的な関わりを期待するが、所見を伺う。

(問)部活動支援について

2.県教委に設置されている検討委員会の議論の状況と部活動の指導にあたっている顧問・指導教員に対する所感があれば伺う。

3.現場で部活動の指導にあたっている教員・顧問に、外部講師、指導員並の手当を支給する方が現実的で、当事者の頑張りに応えることになると考えるが、見解を伺う。

 

(答)教育長

1.3点のご質問にお答えいたします。

 まず、「ことのは大賞」への教育委員会の積極的な関わりについてであります。

 「ことのは大賞」と「ふるまい推進プロジェクト」は、事業化を思い立った背景、具体的には、社会や家庭の在り方についての課題意識や、事業の目的や狙いなどに共通する点が多く、相乗効果を念頭に置いて、事業を進めていくことが望まれると考えます。

 そもそも「ことのは大賞」は、平成14年度の事業創設時、教育委員会の社会教育主事が、健康福祉部に併任発令され、青少年健全育成に向けた担当業務の一つとして、創設に関わったものであり、現在も「ことのは大賞」の審査員として指導主事が参画するなど、健康福祉部と連携して取り組んできたと考えております。

 しかしながら、15年の歳月を重ねるうちに、いつの間にか教育委員会の関与が薄れてきたとすれば、私としても率直に残念な思いを抱いており、この際、改めて教育委員会の社会教育主事、指導主事に積極的な関与を促していきたいと考えております。

 

2.次に「部活動の在り方検討会」の議論の状況と部活動指導にあたっている教員に対する所感についてお答えいたします。

 部活動は、学校の教育活動の一環として、教員等の指導の下に、生徒の自発的・自主的な参加により行われ、スポーツや文化、科学等に親しみ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養に資するものであり、充実した学校生活を過ごしていく上で重要であります。

 そうした重要な位置付けのある部活動に対し、部活動の顧問等となって、そして多くのケースでは、自らが学生時代などに一生懸命練習に励み、頑張ってきた体験の中から得たものを、ぜひ子どもたちにも感じとってもらいたいとの熱意から、自らの時間や家族と過ごす時間を割いてまで、日々熱心に指導されている教員の皆さんに対しまして、私は敬意と感謝を深く感じ、頭の下がる思いであります。顧問等を務める教員の皆さんにはご苦労をおかけしておりますが、島根の子どもたちをしっかり育てていくため、引き続き力を貸していただきたいと考えております

 昨年島根県教育委員会が設置した「部活動の在り方検討会」の目的は次の2点であります。

 一つは、昨今部活動については、とかく教員の多忙の問題が指摘されておりますが、生徒にとっても過度な練習による教育活動全般への支障や燃え尽き症候群などの面が懸念されており、生徒と教員双方の課題解決に向けて、教育の現場が納得できる内容に向けて合意形成を図る必要があること。

 2点目は、島根県の現行のガイドラインは、平成14年3月に学校の週5日制導入時に定められたものであり、その後の状況の変化を踏まえ、島根県版の新たなガイドラインの作成に向けて関係者の合意形成を図る必要があることであります。

 一方、部活動の在り方については、部活動に関わる立場の違いなどにより様々な意見があるため、各校種の校長会、体育連盟、職員団体など関係する組織の代表に参画いただき、合意に向けて時間をかけて議論を尽くしていただく必要があります。

 また、これら関係者の合意形成や場合によっては利害調整のためには、各々の組織内部で意見調整も図っていただく必要があります。そして、最終的には検討会の結果をそれぞれが持ち帰ることで、教育の現場で尊重してもらえるような実効性のあるものにする必要があります。

 したがいまして、この検討会は、決して国のガイドラインを単に追認するだけというような「結論ありき」の会議にしてはならない、このような考えに立って設置したものであります。

 昨年8月4日に初回の検討会を開催し、これまで3回にわたり議論を重ねてまいりました。まずは、実情の把握が必要であり、国の実態調査も参考としながら、県独自の調査項目を加え、中学校と高校合わせて延べ4,000名余の教員、生徒、保護者から回答を得ました。

 教員からの回答の中には、部活動に関する課題や悩みとして、「自分自身の指導力の不足」や「校務が忙しくて思うように指導できない」、あるいは「自身のワークライフバランス」という回答の割合が多かったわけですが、その一方で、「技術指導をしながら部員とともに活発に取り組みたい」との意欲を示す回答も多くありました。

 このように教員の側にも様々な意見があり、「部活動の在り方検討会」での合意形成には相当な困難を伴うと考えております。

 検討会の議論はいよいよこれから本格化する段階に入りますが、時間を惜しまず慎重に議論を積み重ねてもらう必要があると考えております。

 

3.最後に、部活動指導に伴う教員の給与の問題についてお答えします。

 教員の給与については、教員の職務と勤務態様の特殊性を踏まえ、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる「給特法」でありますが、この給特法の規定により、時間外勤務手当を支給しない代わりに給料月額の4パーセントに相当する「教職調整額」が措置されております。

 議員から、平日の部活動指導に係る手当を支給してはどうか、との趣旨のご指摘がございましたが、現行の「給特法」のもとでは「教職調整額」との関係を整理する必要があるとされており、義務教育費国庫負担金の算定基礎においても、平日の部活動指導は支給対象外となっております。

 一方、昨年12月に、中央教育審議会で取りまとめられました「働き方改革に関する中間まとめ」において、「給特法の在り方も含む教職員の勤務時間等に関する制度の在り方については、引き続き議論を進めていく必要がある」とされたところであります。

 その際の主な論点は、次のとおりであります。

 まず、教師の自発性や創造性に基づく勤務とそれに対する給与上の評価をどのように行うのか。また、部活動指導については、それが学校教育上果たしている役割も踏まえ、部活動指導の時間を勤務時間と位置づけるかどうか。専門的指導者を配置するなどの条件整備をどうするか。適切な部活動指導の時間をどう考えるか。そして、「教職調整額」を見直すに当たっては、学校業務の効率化などと併せて、教師の時間外勤務が抑制される仕組みをどのように講じていくべきか、などであります。

 これを受け、文部科学省では「給特法」の見直しについて、中央教育審議会における議論を踏まえながら慎重に検討を行っていくと聞いております。

 部活動指導にあたっている教員の熱意と頑張りには頭の下がる思いでありますが、その頑張りを給与にどう反映するかという問題については、「給特法」の在り方の議論の中で、教育の現場のみならず、広く国民の皆様が納得する姿を慎重に探っていく必要があると考えております。以上であります。

 


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