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藤原議員

(問)教員の多忙化解消に向けて

1.県立学校で導入している長時間勤務の状況を把握するシステムを小中学校に広げていくためにはどうすればよいか伺う。また、タイムカードの導入についてはどう考えるか伺う。

2.各市町村が温度差なく課題に取り組むためには、県と全ての市町村教育委員会が同じスタートラインに立って議論を進めていく必要があると思うが所見を伺う。

3.昨年3月に行われた「教職員の勤務実態調査」の結果を、たとえば県立学校にはどのようにフィードバックしたのか、さらにその結果を受けてどのような業務改善に繋がったのか伺う。

4.県立学校の月100時間超えの時間外勤務を行った教育職員について、医師の面談を受けやすくする制度運用の検討状況を伺う。

 

(答)教育長

1.教員の多忙化解消に関する4点のご質問にお答えをいたします。まず、県立学校で実施している調査方法を小中学校へ広げる方法とタイムカードについてであります。

 小中学校の教育職員の出退勤状況につきましては、服務監督者である市町村教育委員会が、それぞれのやり方で把握しております。市町村一律の方法で実施している例もあれば、各校長に任されている例もあり、把握の方法にはバラツキがあります。

 県教育委員会としては、全ての市町村においてより精度の高い実態把握がなされるよう、県立学校で実施している調査方法を、様式を含めてCD-ROMにより各市町村に配付するとともに、4月に実施します市町村教育長会議や市町村教育委員会の担当者を対象とする説明会において、具体的に紹介する予定であります。

 また、タイムカードの導入については、自己申告によらない客観的な記録方法ではありますが、学校への導入については、校外での勤務や部活動指導なども想定しますと、かえって教員の手間が増し、煩雑と受け止められる可能性もあります。今後、学校現場の実情や意見をよく聞きながら、導入のメリット・デメリットなどを検討してみたいと思っております。

 

2.次に、教員の多忙化解消に向けた県教育委員会と市町村教育委員会の連携について、お答えをいたします。

 島根の子どもたちに、質の高い教育を提供するうえで、教員の多忙・多忙感の解消にどう取り組んでいくかということは、重要な課題であります。

 県教育委員会と市町村教育委員会とは、服務監督者としての共通する責任を担っております。課題意識を共有しながら、ともに改善に向けて取り組んでいくべき立場にあると考えております。

 4月に開催する市町村教育長会議において、教員の多忙・多忙感の解消を大きなテーマの一つに取り上げ、丁寧な議論を始めていきたいと考えております。

 

3.次に、「教職員の勤務実態調査」の結果のフィードバックと県立学校での具体的な業務改善について、お答えをいたします。

 昨年3月の勤務実態調査の結果については、県立学校は直接各学校に、そして小中学校は市町村教育委員会に対して、それぞれの学校の状況と県全体の状況とを比較できるような形にして、データをフィードバックいたしました。

 同一の校種の中でも、学校ごとの差が大きいため、それぞれの立場でよく分析し、それを個別具体的な業務改善に結びつけていくよう、地道な取組を促しているところであります。

 県立学校における改善の状況については、管理職から個別にヒアリングを行いました。例えば会議の負担が大きいとの回答が多かった学校において、会議の時間を1時間以内にすることを徹底した、あるいは会議資料はあらかじめ配布して目を通しておくことにした、などの具体的な改善が進められている例が出てきております。

 今後も各学校の取組状況を把握しながら、校長会や管理職研修の機会を活用しまして、効果のある取組について県全体で共有できるようにしたいと考えております。

 また、中学校や高校で長時間勤務の要因のひとつとなっております部活動指導につきましては、県のスポーツ審議会において、部活動のあり方について、改善の方向性や運営体制、望ましい指導のあり方など幅広く委員からご意見をいただく予定にしております。

 さらに文部科学省など国の動向を踏まえつつ、学校現場や保護者などの意見も聞き、中学校・高校の部活動の望ましいあり方について合意形成を目指していきたいと考えております。

 

4.最後に県立学校の月100時間を超える時間外勤務を行った教育職員に対する医師による面接指導についてお答えします。

 月100時間超えの教育職員について、本人からの申出にかかわらず医師の面接指導の対象にすることについて、県立学校の校長会や教頭会で、今後検討していきたい旨を説明いたしました。それに対して、次のような意見が寄せられたところであります。

 「長時間勤務の大きな要因として部活動指導がありますが、多くの教員はやりがいを感じながら指導を行っており、医師の面接指導が必要と感じている教員は少ないのではないか。」、「一律に面接指導の対象とする場合には、かえって勤務時間の実態把握のために行っている出退勤記録表への記入が過少申告されるおそれすらあるのではないか。」、「該当教員と医師とのスケジュール調整が、実際には容易でないのではないか。」など、学校現場の実情を訴える多くの意見が寄せられたところであります。

 このような現場の意見は踏まえる必要はありますが、一方、時間外勤務が月100時間を超えるような場合は、可能な限り心身への影響を専門家の目でチェックしてもらうことが望ましいと考えております。従いまして、医師による面接指導を一律に行う方法以外にも、既存の相談体制、例えば、臨床心理士が巡回相談を行っておりますので、そうしたやり方の活用も含め、学校現場に円滑に導入できるような制度運用の在り方につきまして引き続き検討を進め、学校側と調整を図っていきたいと考えております。以上でございます。

 


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