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岡本議員(自民)

 

(問)教員と地域のつながりについて

1.教員が地域とつながっていない状況を、どう認識しているのか伺う。

2.地域に根ざし、地域とともに自ら成長し、子どもからも地域からも尊敬される教師となる環境を創り出すために、県民全部が考え、協力し合う体制をつくるそのリーダーとしての決意を伺う。

 

(答)教育委員長

1.2.はじめに、教員と地域との繋がり、及び、子どもや地域から尊敬される教員の育成に関するご質問について、併せてお答えします。

私は、将来の社会を担う子どもたちが、いわゆる知・徳・体のバランスよく健やかに育ち、社会性を身に付けていくためには、学校と家庭、地域が一体となって取り組んでいくことが必要であると考えております。

 そのためには、教員は、教科指導に必要な専門的知識はもとより、自らが豊かな知性や感性を身に付けるとともに、児童生徒に対する教育者としての愛情や使命感・人間性、教職に対する誇りなどを持つことが必要であります。

 また、それぞれの学校が、地域の願いや期待に応える、地域に根ざした教育活動を推進することも重要であると考えております。

 地域に開かれ、地域から支えられる学校づくりを進めるためには、各学校の運営状況などの情報が地域に対して積極的に公開されることが必要であると考えます。学校の教育活動について住民の理解を求め、積極的に協力していただきながら、地域の方々から信頼され、尊敬される運営に努める、そのような取組みを継続していくことが大切であると思っております。

このような考えの下、県教育委員会としては、公民館やNPO法人等の協力も得ながら、広く地域の人々の参画を促進することにより、地域の教育力を高める取組みを、今後、一層積極的に推進していく所存であります。

また、一人ひとりの教員も、現在推進している「ふるさと教育」なども含め、さまざまな機会を通して、地域の行事などに積極的に参加し、地域の人々との繋がりを深める中で、地域に根ざした教育活動を実践することが大切であると考えております。

 

(問)教員と地域のつながりについて

1.教員が地域とつながっていない状況を、どう認識しているのか伺う。

2.勤務地域限定採用制度の実績及び効果並びに今後の見込みを伺う。

 

(答)教育長

1.初めに、教員の地域とのつながりについてご質問がございました。

 今日の教育課題は、いわば社会病理とでもいうべき状況だと考えておりまして、学校のみならず家庭や地域の教育力も問われていると考えております。学校が抱えております多くの課題の解決に当たりましては、学校だけで解決ではなく、ご指摘がありましたように、私も学校や教員が地域とのつながりを大切にし、一体となり、それぞれの力を発揮しながら取り組むことが必要だと考えております。

 現在行っております「ふるさと教育」でも、さまざまな教育活動を通して、地域に学んだり、地域の行事に積極的に参加したり、あるいは地域の人々との繋がりを強める努力を求めておりまして、またそれぞれの現場では、創意工夫もこらしながら努力していると思っているところでございますが、これに加えまして六月補正で総力結集島根教育事業というものをお願いしているところでございまして、この事業は先ほど知事や教育委員長が答弁いたしました。公民館、あるいはNPO法人の協力を得ながら、地域の教育力を高めていく、より一層学校と家庭・地域との連携を深めていきたいということをねらいとする事業であります。こうした事業を通じまして、更につながりを深める取り組みを進めてまいりたいと思っています。

 二つ目に地域限定枠の採用についてのお尋ねでありますが、この地域限定枠の採用については、地域に根を下ろした教員の配置ということも意図しまして、行っておりますが、少し現時点での石見地域の教員の実態を申しますと、現に石見地域全体で教員定数千七百五十五人の定数をかかえております。このうち、いわゆる生活の本拠地を出雲地域に置く者は三百六十七人率にしまして二十一パーセントとなります。また、千七百五十五人の中で、単身赴任者は八十四人でございます。この八十四人の単身赴任者は石見地域で生活の本拠地を置く者もありますが、出雲部からの単身赴任者は五十三人という状態になっております。

 またこうして石見・出雲の問題に加えまして、石見地域に住居を置く人にありましても、石見の都市部と申しますか、9号線沿いに生活の本拠地を構えております。道路の事情もよくなりましたので、自宅から通勤している例が多くあります。

 いずれにしましても地元出身者の少ない石見・隠岐地域においての、地域に根を下ろした職員の採用を図ろうということでの限定採用枠を設けております。平成十一年度から制度を開始しております。

2.次に、勤務地域限定採用制度についてお答えします。

 平成十一年度では、石見・隠岐地域の即戦力ということをねらいといたしまして、資格要件に教諭経験を設けて行って導入しました勤務地域限定枠では、これまでに二十七人をこの制度によりまして採用いたしました。

 平成十八年度採用試験からは、十八年四月の採用でありますが、これからはもう一つ別の制度を走らせまして、教諭経験が無くても受験できるという制度を作っており、この制度ではこの二年間で二十七人を採用いたしました。

 合わせて五十四人を採用しています。

 今年度の採用試験でも、いずれの採用枠も引き続き設けて実施しておりまして、来年度の採用予定数を四十人程度と、過去からいたしましても大幅に増員したところです。

 なお、島根県の教員の定数管理の実態から申しますと、総数が少ない中で小規模学校が多いということで学校統合等も想定しながら定数管理するということもありますが、そうした中にあっても、教員が地域との深いつながりを持って、地域に根ざした指導ができるよう、本制度を継続してまいりたいと考えます。

 

(問)教育現場での講師について

1.講師の松江・浜田教育事務所管内の割合を伺う。また、新規採用の割合を併せて伺う。

2.講師の資質の確保が重要だが、講師の研修はどのように行われているか伺う。

 

(答)教育長

1.松江及び浜田教育事務所管内の講師の割合でございます。

 今年度配置の一年期限付き講師の、両事務所の人数でございますが、小・中学校合わせまして、松江教育事務所管内が六十七名、浜田教育事務所管内が八十五名と、十八名ほど浜田が多くなっております。

 しかし、このうち中学校だけを見ますと、逆に、松江が十三名多い状況にあります。小学校では浜田の方が率が高くなっております。

 そのうち新たに採用した講師でございますが、松江教育事務所管内の五十二%、浜田教育事務所管内の二十七%でございます。講師の人材が得難い浜田管内では、同じ者を引き続き任用している傾向にあります。

2.次に、講師の採用と研修についてであります。

 講師は随時募集しており、基本的には教育事務所あるいは市町村教育委員会が窓口になっておりまして、まず本人の希望に基づいて名簿に登載しますが、希望する学校種、教科の免許状を所有していることが条件であります。実際の採用にあたっては、これまでの経歴を参考にしたり、あるいは必要に応じて面接も行っております。教員としての熱意や、人間性の把握に努めております。

 研修としましては、一年期限付き講師については、辞令交付の際に、教員としての基礎的内容についてのガイダンスをまず行っております。また、各教育センターや教育事務所で実施する、教諭を対象とした研修講座のほとんどについても参加できるということにしておりまして、正規の教員と同じ扱いにしております。

 採用試験にあたっての状況でありますが、講師経験者から教員として正式採用の率が高いという状況であります。これは、学校現場において、日常の勤務の中で、管理職を中心として、職員が一体となって、講師の資質・能力を高めるための支援をしている成果の一つになっているのではないかと考えています。

(問)教員採用について

1.採用後五年以内で、指導不足であったり、私傷病休暇・休職などの長期の休みを取っている教員の状況を伺う。

2.講師経験をさせ、教員適正を見極めてから採用する方法について、所見を伺う。

3.UIターン者で非常勤講師に採用されるのは、どのような方か、状況及び効果を伺う。また、正規教員としての採用の可能性を伺う。

 

(答)教育長

1.採用後五年以内での指導力不足等についてですが、

 昨年度の時点で、採用から五年以内の教育職員四百二十九人のうち、指導力不足教員として報告といいますか扱いをした者はありませんでした。また、私傷病休暇等により一ヶ月以上休んだ教育職員は六名でした。これは身体・精神いずれも含んだ数字でございます。

 

2.次に講師制度を活用した教員の採用についてであります。

私も、本県の教員を志す人たちは、豊かな人間性を備え、人格的にも円満で高潔であってほしいと願うものであります。

 教員採用試験においては、講師としての経歴の有無を勘案する取扱いとはしておりませんが、近年の採用試験の実績においても、合格者の八割以上が、講師をはじめ教職経験者であるのが実態であります。

 これは、講師の経験を有することが、人格形成や人間的な成長の面でも、よい影響を与えているものと考えております。

3.次に、U・Iターン希望者を対象にした講師等の採用についてでありますが、これは定住財団が行っておりますU・Iターン事業にのっかりまして昨年度、定住対策の考えも考慮して、本県が初めてU・Iターン希望者を対象にした講師等の募集を行ったところでございます。京阪神や東京などの都市部を中心に、七十三名の応募出願がありました。このうちの約半数が、五十歳以上の団塊の世代でしたが、逆に三分の一は二十代の若年層であったのも意外な感じがしました。

 この中から、本人の希望などに基づいて二十一名を採用し、県内各地の学校に、常勤または非常勤として配置しました。常勤というのは、一年の期限付きということであります。

 採用者の多くは教員経験者でしたが、民間企業の勤務経験者もあり、これまでの様々な経験を本県の教育に生かせるのではないかと思っておりますし、いささかながらも定住対策にも貢献できるのではないかと思っております。

 今年度に入ってからも問い合わせがあり、引き続きこの制度を実施したいと考えております。

 また、正規教員としての任用については、この制度では考えておりませんので改めて本県が実施する採用試験を受験する必要があります。

 

(問)異動ルールの柔軟化について

1.スポーツ指導教員は条件を満たせば長期間の勤務が認められるようになったが、今後文化的な指導分野にも広げていくのか伺う。この制度で残った教員への処遇について伺う。

 

(答)教育長

1.教員の人事異動ルールの特例についてお答えします。

 県立高等学校スポーツ推進教員制度については、高校生の選手強化及び競技力向上を図る目的で今年度から導入し、四名を認定しました。

 認定した教員については、特例として、人事異動ルールで定めた年数を越えて勤務することを可能にしております。

 現在の人事異動ルールは、離島を抱え東西に細長い本県の地理的事情や教員の本拠地の偏在等に対応するとともに、長期間勤務に伴うマンネリ化を防ぐために定めており、特に、へき地教育の振興を図る上で、必要やむを得ないものと考えております。

 スポーツ推進教員制度と同様な制度を文化的な指導など分野を広げていくことは、現在、教員の人事管理全般についての制度の改革が検討の俎上に上っているところであり、こうした検討の一環として、採用を含めた教員人事全体を考える中で検討していただきたいと考えております。

 また、スポーツ推進教員の処遇については、認定期間をへき地勤務を行ったものとみなし、管理職登用等においても、本人に不利にならないよう配慮しております。

 

(問)地域に根ざし、地域と共に成長していく教員について

1.地域に根ざし、地域と共に成長し、子どもからも地域からも尊敬される教師となる環境を創り出すために、県民全部が考え、協力し合う体制をつくるそのリーダーとしての決意を伺う。

 

(答)知事

1.地域に根ざし、地域と共に成長していく教員をいかに育てていくかについて、お答えします。

 地域に根ざした教育を推進していくには、教員自らが、社会や地域の動向に敏感であるとともに、四季折々の移ろいや自然、生命に感動する感性を磨き、知性を高め、全人格的に子どもと向き合うことのできる能力、経験を身につけることが必要であると考えております。

 そうした教員を育てていくためには、学校や教員自らが、地域の行事等に積極的に参加し地域や家庭と連携するとともに、地域や家庭も学校行事に参画するなど、学校や教員を支え、もりたてていくことが必要と考えております。

 このように、学校という教育の場、子どもを送り出している家庭、学校のある地域が信頼の絆で結ばれた環境の中で、一体となった教育をすすめていくことが重要であると考えます。このためにも、今後、公民館や地域のNPO法人等民間法人の協力を得ながら、子どもたちの心身の能力を高める取組を進めてまいります。

 

 


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