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渡辺議員(県政)

 

(問)教育問題について

1.安部総理の「教育委員会が期待されている機能を十分に発揮しているとは言えない」という施政方針演説の中の「期待されている機能」とは何を指すと考えるのか伺う。

2.ゆとり教育の見直しについて見解を伺う。

3.LD、ADHDなどの発達障害を持った子どもの県内の状況と四月以降の支援についてどのように取り組むのか伺う。

 

(答)教育長

1.まず、安部総理の「教育委員会は、期待されている機能を十分に果たしているとは言えない」との発言についてであります。

 お尋ねの教育委員会に期待されている機能についてでありますが、今日的課題は、学力低下やいじめ・不登校等の諸問題に対して、的確かつ迅速に対応していくことであると考えております。

本県でも、学力向上対策の継続的推進、いじめや不登校等の相談体制・防止対策の強化などについて、市町村教育委員会と連携を密にして、それぞれの機能を十分に果たしつつ、課題解決が図られるよう取り組んでおります。

 また、教育の本来の不易なものは、「知・徳・体」のバランスの取れた教育を行うことにより、社会人として求められる心身ともに健全な人格形成を図っていくことであり、また、その基本ともなる、「人を思いやる心」、「自然の営みや美しいもの、気高いものに感動する心」などの心の教育を幼児期から行っていくことも大切であると考えております。

 

2.次に、いわゆる「ゆとり教育」の見直しについてであります。

 先般、公表されました教育再生会議の第一次報告において、いわゆる「ゆとり教育」が学力低下をもたらしているとの認識の下で、「ゆとり教育」を見直し、授業時数を10%アップするなど、全力で学力向上に取り組むことを求める提言がなされました。

 一方、完全学校週五日制を前提としてこれに対応するという事務局からの説明を受けたところですが、具体的な授業時間の確保の方法については示されておらず、今後どのような検討がなされるかは承知しておりません。

 学力低下についての指摘は県内経営者などからも直接耳にしていますが、学校教育の役割は、教育を受ける者の発達段階に応じて知育、徳育、体育の調和のとれた教育を行うことであり、社会人としての自覚と自立性を持った人間を世に送り出すことが一番大切であると考えております。

 また、現在、「ふるさと教育」に取り組んでいますが、人格形成にあたっての最も多感な時期においてこそ、

四季の移ろいを感じる豊かな感性、地域の人々とのコミュニケーションを通じた人を思いやる心、人の痛みがわかる人間、社会のルールを学び、卑怯を恥じる心をしっかりと身につけることも必要であります。

 したがいまして、「ゆとり教育」と学力対策については、こうした考えに立って充分検討すべきであり、今日、教育的・社会的諸課題が噴出している中でどういう人格形成が成されるべきか、まさしく百年の大計として検討していくべきであると考えております。

 以上申しました点につきましては、全国教育長協議会としても教育再生会議に強く申し入れを行っております。

 

3.次に、LDやADHDなどの発達障害のある子どもについてであります。

 障害のある子どもの教育は、学校教育法の改正を受けて、本年四月より、一人一人の教育的ニーズに適切に対応することを理念とする「特別支援教育」として位置付けられます。

 これも踏まえ、昨年九月、県内の小・中学校に対して、発達障害の可能性があり特別の支援が必要であると考えられる子どもの数について調査したところ、小・中学生全体の約四%との結果でありましたが、近年、増加傾向にあります。

 発達障害のある子どもの支援の充実を図るためには、今年度、七十名の非常勤講師を小学校に配置する「にこにこサポート事業」を実施しているところであり、来年度もこの事業を継続することとしております。

 小・中学校においては、盲・ろう・養護学校からの支援も受けつつ、特別支援教育コーディネーターを中心として、各教員が子どもを支援するための校内体制づくりを進めております。

 また、各市町村教育委員会と教育事務所には、医師や児童相談所の職員など、専門的な知見を有する者から成るチームを編成しており、学校をサポートする体制の整備・充実を進めてまいります。

 


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