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報告第81号

(板倉総務課長)

 報告第81号平成23年度当初予算案の概要についてご報告する。

 資料10の1の表に平成22年度当初予算額と平成23年度当初予算額の案を掲載している。平成23年度当初予算案は島根県全体で約5,300億円余となっており、このうち、県教育委員会分は850億円余となっている。平成22年度と比べて全体で1.7パーセントの減となっており、事業費では6パーセントの減、給与費では0.9パーセントの減である。今回、大幅に減となっている要因としては、概要に記載しているとおり松江工業高校と横田高校の建設工事が既に終了したということと、後ほどご説明する平成22年度2月補正の経済対策分に一部を前倒ししていることによるものである。

 新規事業として、離島・中山間地域の高校魅力化・活性化事業、県立高校図書館教育推進事業、神話のふるさと「島根」推進事業などがある。この神話のふるさと「島根」推進事業の中では、「古代出雲」展、ふるさと教育推進事業、あるいは高校生による島根の文化発信事業といったものが計画されている。また、主な継続事業については、資料に記載しているとおりである。

 10の2をご覧いただきたい。一番上の表は事業費の要求区分別の内訳である。区分には個別調整費、部局調整枠、義務的経費がある。個別調整費は予算のシーリングの外にあり、個別に予算要求して、査定を受けて予算計上するもので、事業の目玉となるようなものがここに分類される。部局調整枠は予算要求時に前年度比マイナス何パーセントということが決められているものである。義務的経費は給与費に含まれない嘱託職員や非常勤講師の報酬、附属機関の委員の報酬、あるいは公の施設の指定管理料などである。

 真ん中の表は事業費の課別内訳である。各課の前年度との増減理由について、簡単にご説明する。総務課は浜田教育センターの施設の老朽化に伴い、空調施設の更新整備を行うということで5,700万円余の増となっている。教育施設課は先ほどご説明したとおり平成22年度2月補正予算の経済対策分に20億円余を前倒ししているため、大幅減となっているが、この前倒し分を含めると、前年度とほぼ同じである。高校教育課は平成23年度から現在建造中の大型水産練習船の支払いが発生するため、大幅に増加している。義務教育課は国庫補助事業の廃止に伴い、非常勤講師数が減となることにより、1億1,000万円余の減となっている。社会教育課は事務事業の見直しにより1億2,000万円余の減となっている。

 一番下の表は給与費の内訳である。前年度から大幅に減となっている理由としては、小学校の統廃合による学級数減、児童生徒数の減少に伴う教職員定数の減及び期末手当などの職員手当の減がある。

 10の3をご覧いただきたい。主要事業の概要をご説明する。来年度の目玉となる事業の一つであるが、いじめ・不登校対策事業であり、1億9,000万円余である。不登校対策推進事業、悩みの相談事業、こころ・発達・教育相談事業という3つの柱があり、不登校対策推進事業の丸5不登校未然防止実践事業にはQ−Uテストの活用ということを盛り込んでいる。

 10の4をご覧いただきたい。高等学校校舎等整備事業は、松江工業高校、横田高校がほとんど終わりに近づいた一方で、大東高校、出雲工業高校、浜田高校で平成23年度から本格化していくということである。特別支援学校校舎等整備事業は、松江養護学校、出雲養護学校の校舎整備、石見養護学校の校舎改築などである。

 10の5をご覧いただきたい。「働くことを学ぼう」推進事業は引き続き実施する事業であり、事業費は6,000万円余を確保して、高校生の職業意識の醸成と県内就職の促進、専門高校における地域産業を担う人材の育成を図ることを目指すものである。

 また、新規事業として離島・中山間地域の高校魅力化・活性化事業として2,250万円を計上している。これは地域の高校と地元町村が連携して実施するというところがポイントであり、高校、地元町村、地域関係者で委員会のようなものを組織して計画を作成することとしている。その計画に基づいて1校当たり3年間で1,500万円を交付するというものであり、支援対象校は離島・中山間地域の普通科高校であり、横田、飯南、島根中央、矢上、吉賀、津和野、隠岐、隠岐島前高校となっている。この事業は県外募集とも関係しており、学校の魅力化・活性化を図ることによって、地元だけでなく、県外へも魅力を発信していきたいと考えている。

 次の県立高校図書館教育推進事業も新規事業である。小・中学校については、全校に司書を配置するということで、ほぼ100パーセントとなってきている状況であるが、高校については、これまで離島・中山間地域の小規模校には司書が置かれていなかったため、司書を配置することとし、図書館教育を充実させるという趣旨である。学校司書研修であるとか、学校図書館活用方法調査研究も実施していくこととしている。

 続いて、高校生による島根の文化発進事業については、古事記編纂1300年に関係するものである。「神々の国しまね」を県内外に発信するため、高校生による演劇、神楽の実演や写真、絵画等のコンクール等を広く行うとともに、生徒の教育に資することを目的とするものである。

 10の6をご覧いただきたい。学力向上対策事業は、7,400万円余あり、児童生徒、教員、学校それぞれのパワーアップ事業を行うこととしている。この中では、引き続き夢実現進学チャレンジセミナー、医療体験学習といったものや小学校4年生から中学校3年生の全児童生徒を対象とした学力調査の実施を考えている。また、学級における人間関係についての調査を行い、学力向上と生徒指導を一体的に推進するということを考えている。

 ふるまい向上プロジェクトは、本年度から本格的に実施しているが、来年度以降も引き続き取り組んで行くということで2,100万円余を計上している。その内容としては、推進協議会やフォーラムの開催、小1プロブレム対策事業、乳幼児期からの生活習慣づくり事業、親学プログラム普及・開発事業、公民館の「実証!ふるまい向上プロジェクト」があり、義務教育課、保健体育課、社会教育課といった本プロジェクトに関係している部署が一体となって事業を推進する体制を取っていくこととしており、健康福祉部にも加わってもらう予定である。

 10の7をご覧いただきたい。子ども読書活動推進事業として、2億3,300万円余を計上している。小・中学校を対象として、学校司書等の配置、司書教諭の養成を行うほか、学校図書館では教育図書の数が少ないという現状があるため、県立図書館の本を市町村立図書館等に寄託し、小・中学校に貸し出すことによって、子どもたちが本に囲まれる環境を作ることをねらいとしている。学校図書館パワーアップ事業では、子どもたちにとって使いやすく、入りやすい図書館づくりを進めるための環境整備を図ることとしている。このほか、子ども読書コンクールや学校図書館活用フォーラムといったことも考えている。

 次に小中学校低学年多人数学級支援事業は、小学校1、2年生の児童が31人以上の学校について、学校の実態等を踏まえて30人学級編制又はスクールサポート事業を実施するものである。現状としては、30人学級編制を取っている学校とスクールサポートとして40人学級の中に非常勤講師が入って支援を行っている学校がほぼ半々となっている。現在、国の方では小学校1年生の35人学級が導入されることとなっているが、これは必ず35人学級にするということではなく、その学校にあわせてある程度柔軟に対応できるものと聞いているので、この事業も引き続き実施していくこととしている。

 また、中学校クラスサポート事業は、9,100万円余を計上している。不登校や問題行動が急増する中学校1年生を対象に、学習面・生活指導面からきめ細かい支援を行うため、必要性の高い大規模校に非常勤講師を配置するものである。これは、中学校の不登校の問題等に対応したもので、非常勤講師40名を配置することとしている。

 それから、特別な支援のための非常勤講師配置事業(にこにこサポート事業)である。通常の学級にLD、ADHDなど特別な支援を要する児童が在籍し、特に対応が困難な小学校を対象に、非常勤講師を配置するものである。

 10の8をご覧いただきたい。学びの場を支える非常勤講師配置事業として、8,400万円余を計上している。不登校等の個別な支援を要する生徒への対応として、自学教室等を設置して、個別に指導を行う必要のある中学校に非常勤講師を配置するものであり、学びいきいきサポート事業と呼んでいる。30人の非常勤講師の配置を予定しているほか、司書教諭を中心として学校図書館活用教育の充実を図ろうとする小・中学校に17人の非常勤講師を配置することとしている。

 競技力向上対策事業は、9,500万円余である。本県競技スポーツの総合的なレベルアップを図るため、選手の育成・強化及び指導者の育成を図るというものである。内容として、国体候補選手を対象とした強化合宿及び県外遠征の実施、重点校・指定競技の高校生・中学生を対象とした県外遠征の実施、競技団体から指定されたクラブの小・中学校を対象としたスポーツ教室の開催、県外優秀指導者の招聘による県内指導者に対する研修の実施といったことを考えている。

 続いて、実証!「地域力」醸成プログラムには900万円余を計上している。子育て枠であるとか、地域振興枠という形でモデル公民館を選定して実施するものであり、新規が5か所、継続が20か所程度ということである。本年度も教育委員の皆様にご覧いただいたが、公民館がプレゼン大会で実際に取り組みの発表を行うこととなっている。

 ふるさと教育推進事業は、4,000万円余である。子どもたちの「ふるさと島根」を愛し、誇りに思う心を育む「ふるさと教育」の推進事業であり、市町村交付金、和紙による書写・絵手紙コンクールの開催、子ども神楽交流事業などを実施することとしている。また、古事記編纂1300年に関係するものとして、ふるさと読本「いずも神話」の活用、神話絵画コンクールの開催といったものを盛り込んでいる。

 10の9をご覧いただきたい。学校支援地域本部事業は、4,200万円余である。こちらは国の予算がかなり縮小されており、非常に厳しい状況であるが、ぎりぎりのところで予算を確保している。教員の子どもと向き合う時間の増加と、住民等の学習成果の活用機会の拡充及び地域の教育力の活性化を図るため、地域住民がボランティアとして学校の教育活動を支援する「学校支援地域本部」の取り組みを推進するものである。現在は16市町村に実行委員会が置かれており、概ね中学校区単位で学校支援地域本部を創設するという形を取っている。

 次に放課後子どもプラン事業は、7,800万円余である。放課後や休日に、公民館や学校の余裕教室等を活用し、年齢の異なる子どもたちが群れて遊んだり、体験・交流する場を提供するものである。県内では170か所があり、国、県、市町村がそれぞれ3分の1ずつ費用を負担する仕組みである。

 続いて、未来へ引き継ぐ石見銀山保全事業であり、1億3,000万円余である。これは、石見銀山遺跡を適切に管理し、未来へ継承していくため、調査研究、保存整備、情報発信を3本の柱として事業を実施するものである。

 最後に10の10をご覧いただきたい。神話のふるさと「古代出雲」展開催事業であり、2億800万円余を計上している。これは、神話のふるさと「島根」推進事業の一環として実施するものであり、その中で文化財課分として実施するものである。島根の古代文化の魅力を広く県内外に発信するため、東京、京都の国立博物館での巡回展や、島根県内でも古代出雲や出雲大社に関連するような展覧会を準備することとしている。平成24年度に古事記編纂1300年を迎えるため、来年度は展示品等の制作、広報、イベントなどに取り組む予定である。

 なお、この平成23年度予算案については、2月定例県議会初日の2月14日に上程される予定である。

(渋川委員)

 10の9の学校支援地域本部事業では、「地域住民がボランティアとして学校の教育活動を支援する」とあるが、予算は何に使われるのか。

(今井教育長)

 地域コーディネーターにお金を支払うこととしている。このコーディネーターが地域のボランティアと学校を結びつけることとなっている。

(板倉総務課長)

 そのほかに備品やボランティアの交通費などがある。

(安藤委員)

 説明の中にもあったが、この学校支援地域本部事業の予算は減額の方向なのか。

(板倉総務課長)

 もともとは、国が10分の10を負担する委託事業と3分の1を補助する事業の2つがあった。このうち、10分の10の委託事業が終了し、3分の1の補助事業のみが残った状況である。また、国ではこれまでの実績に基づく予算要求が行われており、単価自体も非常に下がっているという状況である。

(今井教育長)

 10の2の給与費の内訳で事務局費が2億3,700万円の増となっているが、その理由の補足説明をお願いしたい。

(板倉総務課長)

 これまで派遣指導主事については、教育職として整理していたが、今年度から事務局へ移す形で整理したことによるものである。


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