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報告第1号

(板倉総務課長)

 報告第1号子育てしやすい職場づくり推進計画(島根県特定事業主行動計画)の策定についてご報告する。

 国の少子化対策の一環として、次世代育成支援対策推進法という法律があり、この法律が平成17年度から26年度までの10年間を対象とした時限立法として動いている。ちょうど今がその節目の年であり、前期の5年間が終わったところで、これから後期に入るということである。

 この法律の体系は、国や地方公共団体が計画を立てて事業をやっていくという枠組みと職場において子育てしやすい環境をつくるという枠組みの2つを柱としており、後段の部分がこの計画である。

 資料2の3をご覧いただくと、計画書は連名で、島根県知事から島根県議会議長等の名前が並んでおり、その中の一つに島根県教育委員会が入っている。これは、県立学校等も含めた教育委員会の職員全てが対象となるということである。いかにして子育てしやすい環境、職場づくりを進めていくかということが重要になってくるが、計画の中の島根県特定事業主の特定とはどういう意味かというと、法律上、国や地方公共団体は企業などとは別に特定事業主という位置付けになっており、まずは率先垂範せよということになっている。国や地方公共団体がこういった子育てしやすい環境づくりをモデルとして進めて行くというものである。

 もともと5年間動いていた計画があり、これが今回改訂されたということのご報告であるが、具体的にどういうところが大きく変わったかというと、まず一つ目が計画書1ページに書いてあるが、職員の仕事と生活の調和の推進というものが入っている。これは、最近新聞等でもよく出ているが、いわゆるワーク・ライフ・バランスの推進というものであり、一つ大きな柱となっている。今まではどちらかというと仕事か生活か、あるいは仕事か子育てか、仕事か家庭かとなっていたものを両方とも実現できるように目指していこうという考え方である。国の方も平成19年度からこの考え方で動いており、それが今回の計画全体に入っているということが大きなポイントである。

 もう一つは、2の2をご覧いただきたい。取組の概要の中で、特にポイントとなってくるのが、男性の育児休業等の取得率を50%にするという非常に高い目標を掲げているというところである。ここの育児休業等の取得率というのは、いわゆる育児休業に加えて、平成17年から男性職員は育児のために子どもが生まれてからしばらくの間、慶弔休暇とは別に取れる休暇ができているので、そういう短期の休暇も含めて50%を目指すというものである。現在は10数%ということで、まだまだ高い目標ではあるが、この5年間でそれが実現できるようにということである。

 従来は仕事と家庭の調和といったときには、女性の働き方中心に物事が考えられていたが、今の計画においては、男性職員も子育てに参加するということが掲げてある。女性の育児休業取得率は教育委員会では平成20年度に既に100%を実現しているので、これからはやはり男性が子育てに参加していく、教育にも関わっていくということが大事になってくる。

 これらが大きな柱であり、あとは年次有給休暇等の取得日数を20日に伸ばしていこうということ、あるいはNPO法人の短期派遣を増やしていこうといったことである。

 実際に取り組むにあたっては、一番大事なのは、やはり所属長や庶務担当がこういった計画をよく承知しておき、そういった状態にある若い職員などに情報をしっかり提供して、制度を活用してもらうことが大事だろうと考えている。いわゆる少子化対策と車の両輪として、職場における子育てしやすい環境づくりを進めて行くよう、総務課としても努めて参りたいと思っている。

(渋川委員)

 とてもいいことだが、最近のお母さんの傾向として、仕事をもうちょっとやりたいという人もおり、逆に1年間家にいるととてもつらいという女性もいるので、例えば1年間育児休業を取らなければと強制されると、それは負担になってしまう。希望する時期に安心して利用することができる環境が大事なので、その辺りを学校などの中で伝えていただきたいと思う。

(板倉総務課長)

 おっしゃるとおりだと思っている。今回の計画も女性の育児休業取得率の目標が95%となっているのは、おそらくその辺りを斟酌されてのものだと思う。今は家庭が多様化してきており、夫の方の主夫も徐々に出てきている状況だと思う。あるいは3世代同居のような場合もあるので、そこは家庭によってケースバイケースで、それぞれの子育てにとって一番いい環境を考え、皆様方に自己実現に努めてもらう形でこの計画は進めていくことになると思う。

(山本委員)

 これは県の推進計画だが、義務教育の教員の場合は、市町村が計画を作ることになるのか。

(板倉総務課長)

 そのとおりである。

(石井委員)

 2の22のところに職員の地域貢献活動への参加を促進するという項目があるが、既に行われている具体的な事例があればお聞かせいただきたい。それからもう一つ、2の24の子育てバリアフリーの促進の中で、ソフト面でのバリアフリーと書いてあり、心のバリアフリーにも積極的に取り組むこととしてあるが、具体的にどういうことなのか教えていただきたい。

(板倉総務課長)

 地域貢献活動については、手持ちのデータはないが、職員がプライベートな時間のときにNPO活動であるとか、あるいは地域の自治会活動などに参画することを推進する状況になってきており、先ほど仕事と生活と申し上げたが、生活の部分にそういった地域貢献活動も含んでくるということになると思う。

(石井委員)

 それはある程度義務的に行っているということか。

(板倉総務課長)

 義務的ではなく、自主的に行うものである。それから、心のバリアフリーについては、担当部局ではないので、推測になるが、ハード面でのバリアフリーといえば、例えば段差がないとか、階段のかわりにエレベーターを作るとか、そういったことであるのに対して、段差のところで困っている人がいたときに降りるのに手を貸すとか、あるいはエレベーターの開くボタンをずっと押して待っているとか、そういったハード面ではない貢献の仕方だと考えている。

(北島委員長)

 私も2つほど聞かせていただきたい。結局休みを積極的に、遠慮せずに取るということだろうと思うが、そうすると、その人がやっていた仕事を誰かが負担しなければならないと思う。臨時職員を入れるなどの対応も書いてあったと思うが、そういうケアがすぐにできず、残った誰かが仕事を負担するということになれば、結局その人の勤務時間が長くなり、多忙感がいつまで経っても減らないのではないかというのが一点目である。

 もう一点は、こういう休みを取る、あるいは夫が子育てをやるというのももちろんいいことだが、そればかりではなく、例えば夫の方にしても妻の方にしても、その両親であるおじいさん、おばあさんが積極的に関わる仕組みを考えるということも一つの手ではないかなという気がする。今は、親に預けることよりも自分たちで何とかしようという図式が時代の流れだと思うが、心のバリアフリーということを言うのであれば、そういうところももう少し、考えてみてもよいのではないか。

(板倉総務課長)

 まず一つ目のお話について、実はワーク・ライフ・バランスの中でいろいろな議論があったと聞いている。ライフステージの中で、若いときは子育てが一つの大きなイベントであるし、年齢が高くなれば、今度は介護というものもある。あるいは、若い職員が仕事が終わった後に勉強しようとすることなどもある。初めは仕事と子育ての両立といった言葉の使い方をして、子育て世代だけに配慮するという言い方であったが、そうすると、世代間の対立も招きかねないということで、それぞれのライフステージでできるだけ、皆が広く共有できるような形で進めるというのが今の考え方であり、仕事と生活という表現に変わったということである。

 ただし、これは理念としては正しいとは思うが、実際にやっていく上では、今までよりいろいろなことを考えて人事を行っていかなければならないし、業務分担や業務のあり方、あるいはそもそも仕事に関しても相当程度、合理化を図っていく必要があるだろうと考えている。

 二つ目の両親に子どもを預けるような仕組みを考えてはどうかということについては、議会でもそのような話が出ている。島根県はもともと3世代同居率が非常に高かったということがあるが、現状を見てみると、やはり都市化、核家族化が県内でもかなりのスピードで進んでおり、人口が減少している反面、世帯数は増えている市町村も多くある。これはつまり、それだけ核家族化、あるいは一人暮らしなどの形で、家族の単位がだんだん小さくなっていく傾向にあるということだと考えている。ただ、決して行政として夫婦のみでの子育てという方向を推進しているわけではなくて、もちろん身近な親御さんの助けを得るという形は、いろいろな観点から考えて望ましい面はたくさんあるだろうと考えている。一方で、施策として進めていくためには、若い世代の希望を踏まえて、行政手法としてどういうふうにしていけば一番バランスよくいくかということを考えていかなければならないと思っている。

 

 


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