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報告第41号

(鴨木総務課長)

 報告第41号新型インフルエンザ対策についてご報告する。

 前回の教育委員会会議以降、新型インフルエンザ対策の観点で、現場に対する指示、要請を行った文書について報告したいと思う。

 流行期における新型インフルエンザ対策の留意点について、9月7日付けで市町村教育委員会及び県立学校に対して周知徹底したところである。特に市町村教育委員会については、9月7日と9月8日の2日間に分けて、東西2カ所で説明会を開催した。時間をとって詳しく説明をしたところである。

 いよいよ流行期に入り、県内でも臨時休業措置が相次いでおり、出席停止なども多数の児童生徒について行っているところであるが、学校現場になぜ学校が新型インフルエンザ対策に一生懸命取り組まなければならないのか、その役割について徹底をしておく必要があるということで、1番の(1)及び(2)を特に強く強調している。

 1番の(1)について、これまでの海外や国内の事例から、学校で大規模な集団感染が起こると、地域レベルでの感染スピードを加速する関係にあることが判明している。感染が加速して、患者が医療機関に過度に集中してしまうと、重症化リスクのある人に適切な医療が提供できないことも心配される。したがって、学校は地域レベルでの感染スピードを抑制するという社会的な役割を担っていることを自覚する必要がある点を強調している。

 (2)について、学校の中には重症化リスクのある児童生徒、教職員が相当数いるので、そういった児童生徒や教職員を守る意味でも予防対策、感染拡大防止対策を徹底する必要がある点を強調している。

 2新型インフルエンザに関する科学的な知見について、9月1日付けで国立感染症研究所が新型インフルエンザについてわかったことをいくつか整理をして公表している。感染性のある期間は、発症1日前から発症後7日程度ということが再認識されている。このことから島根県内の学校においては、発症した児童生徒の出席停止の期間を発症後1週間、又は解熱後2日間経過までということで運用するところである。

 潜伏期間は空港で物々しい検疫が行われていた4月は、潜伏期間が10日であろうと言われており、その後1週間であろうと言われており、国内、あるいはアメリカのCDCなどがこれまでの症例を分析して、潜伏期間は概ね4日以内ということがわかったので、学校側の臨時休業措置は潜伏期間内にある児童生徒が発症して感染を拡大させるリスクをとどめるために行うので、臨時休業措置の期間を4日ということで運用するという方針である。

 症状面は概ね季節性インフルエンザと同様の症状である。具体的には多くの例で38度以上の発熱があり、発熱期間は1日から5日程度という例が多いが、発熱せずに咳やのどの痛み、鼻水程度でおさまってしまうという症例も多く、こういった点が感染拡大を防ぐ上で、構造的に難しさを抱えている点である。発熱から始まる例もあれば、発熱前から咳や鼻水が始まる例もあり、症状の前後関係もまちまちである。最近になり国内でも重症化事例が出ており、死亡例も出ている。重症化事例について、今回の新型インフルエンザは通常の季節性インフルエンザと最も根本的に違うのが、肺炎を直接ウイルスが起こす。ウイルス性肺炎を直接起こすために、肺炎が短期間に進行するという危険な症状で、季節性インフルエンザにない事例が認められている。若年者にはインフルエンザ脳症を起こすことも新型インフルエンザで確認されている。このようなウイルス性肺炎、あるいはインフルエンザ脳症が代表的な重症例であるが、どういうパターンで重症化するのか、ほとんどの人が軽症で回復するがどういう違いでそのようなことが起こるのか、このメカニズムは現時点でよくわかっていないということも国立感染症研究所の報告に記載されている。軽症者と重症者のウイルス自体は同一であるので、ウイルスが強毒化したために重症化事例が起こっているわけではないということである。ほとんどの人は軽症で回復するが、重症化事例が誰にも起こり得るリスクがあることもわかってきているので、学校としてきちんとした対策を講じていく必要性はより高いと考えている。なお、重症化しやすいリスクのある人がどういう人であるかということもわかってきている。

 3番であるが、学校における対策の意義、役割、さらには最近の科学的な知見を踏まえ、3番の(1)、(2)、(3)、(4)を徹底している。(1)について流行期に入っているので、感染を完全に封じ込める、あるいはゼロに押さえ込むことは、なかなか困難な時期に入っている。したがって、学校は感染拡大のスピードを抑制する、さらには重症化リスクのある人の予防対策をとると同時に、感染したことを発見したら、早期に適切な治療を受けられるように誘導する役割がある。(2)について、出席停止措置が、感染拡大を防ぐ上で基本であると思っている。感染した人がさらなる感染拡大を起こさないように、周りにうつさないことを徹底する必要がある。そういう意味では、発症後1週間または解熱後2日間経過までというこの出席停止措置をきちんととることが、感染拡大を防ぐ意味での基本であると思っている。(3)について、ただし無症状の発症者がいる点、さらには発症24時間前からウイルスを放出する点からいって、完全に出席停止だけで感染拡大を防ぐことができないので、場合によっては学級内で感染拡大が広がってしまうことが起こり得る。その際には出席停止だけで抑制できるのか、学級閉鎖など臨時休業措置をとる必要があるのか、早目に見きわめる必要があると考えている。県内では既に県立高校が、8月17日以降、順次2学期が始まっており、これまで10数校で集団感染の事例を経験しているが、その経験に照らすと、集団感染の初期段階のせめて3日以内に臨時休業措置をとる必要があるかどうかを見きわめる必要があると考えている。時機を失うと抑制が困難になることを思い知らされている。

 (4)について、浜田高校で延べ7日間の全校閉鎖をとることも起こったが、通常の学級での勉学と違い、全校行事である体育祭、文化祭、音楽祭といった全校の児童生徒が学年を越えてクラスを越えて交流し合うような全校行事の中では一気に感染が広がってしまうリスクがあるので、学校内での感染のスピードが高まってきた時期に全校行事が重なってしまったときには勇気を持って全校行事の延期を検討することを具体的に指示を行ったところである。

 なお、資料3の3からは、「県立学校の臨時休業措置等のガイドライン」ということで、8月27日付けで県立学校に通知し、あわせて市町村教育委員会にも参考までに送付している。具体的にどのような状態になったら学級閉鎖に踏み切るべきなのかを個別具体的に指示した内容である。考え方については、先ほど説明したような最新の科学的な知見に基づいて出席停止の期間なり、臨時休業措置の期間を定めているところである。初期段階の対応が重要ということで、最初の発症者が出てから3日以内には学級閉鎖措置に踏み切る必要があるのかどうかの見きわめをしてほしいと具体的に記述をしたところである。

(渋川委員)

 幼稚園、保育園、小・中学校は、手洗いの徹底がされていると思うが、高校は洗うスペースも少ないし、消毒液を置くことの徹底をしてもらいたいと思う。予防が大事ということを自覚させることを徹底してもらいたい。

(鴨木総務課長)

 消毒液について、学校現場からは消毒液を使うための予算の要望も受けていたので、8月27日にこのガイドラインを通知すると同時に、高校教育課から現場に対して予算令達を行っている。

 予防の自覚については、学校側は子どもに対する指導は徹底していると思うが、指導を受けた子どもが、小学生、中学生まではきちんと言うことを聞くと思うが、高校生がどの程度守るのか、また、高校の場合、全学年で生徒数が1000人を超える学校もあるので指導が行き届かない面はあると思うが、浜田高校の例もあるので一層予防策は徹底してもらえると期待している。

(石井委員)

 浜田高校が7日間の休校措置をとったが、その後の現在の状況はどうなったのか。

(鴨木総務課長)

 経緯であるが、学校閉鎖に踏み切ったのが9月2日の夜であり、その日の時点で発症している生徒が19名いた。その前日は7名いた。9月1日が7名、9月2日が19名。7人から19人に急速に感染拡大が起こりつつあった日に、ちょうど3日間の学園祭の初日が当たり、急速な感染拡大が起こった可能性が高いという判断で、学園祭の2日目から全校閉鎖を行うこととしたわけであるが、その後ピーク時には132名まで症状のある人が拡大した。ただし、時間差があるので、実際に症状のあった人を個別にカウントすると170名を超える。これは684名の在校者数の25%を超えるということで、1日の学園祭という濃密な接触機会が170人を超える感染にまでつながるということが今回のインフルエンザの特徴であると思っている。感染してしまうと発症率が極めて高い。学校閉鎖の最終日の直前に人数を確認したところ、ピーク132名であったものが51名まで急速に減っている。7日間の学校閉鎖をとった後、症状のある生徒を個別に出席停止、解熱後2日間は出ないようにすることで抑えられるという判断で学校を再開した。その後、9月10日の時点で28名までに急速に有症者数は減っている。

 浜田高校の今日時点の有症者は、684名中、出席停止が5名となっているがすでに回復している。解熱後2日間経過までは登校させないので、その猶予期間で本日5名残っているということで、実態上も感染はピークを超えている。潜伏期間4日以内、有症期間1週間の範囲内できれいにデータが出ており、科学的な知見のとおりになっている。浜田高校は重症者は1人も出ておらず、すべて自宅療養で回復している。

(北島委員)

 来年の高校受験のときの発生について対応は考えているのか。

(倉本高校教育課長)

 具体的な対応はまだ決まっていないが、感染者が出たときには、あるいはその疑いのある受験者がいるときには別室を設けることを考えている。全国的に検討事項となっており、文部科学省の調査があったところであるので、その調査結果も参考にしながら決めていきたいと考えている。

(山根委員長)

 浜田高校のケースで、学校閉鎖により学校での感染は防止できるが、妹や弟など家庭から他の学校への感染状況はわかるのか。

(鴨木総務課長)

 9月2日に浜田高校の学園祭があり、市民の多数の参加があったので市民への感染拡大を心配して、浜田市教育委員会、あるいは浜田市の危機管理本部と連携しながら、その後市民に感染拡大がないかどうかを確認してもらったが医療機関への受診状況から見ると、市民への感染拡大は確認されなかった。一方、直接の因果関係は確定しづらいが、浜田高校のすぐそばにある浜田一中は、時間差で大規模な集団感染が起こったが、今はピークを超えて、終息に向かいつつある。これについては兄弟、姉妹の関係での感染拡大があったのか、そもそも浜田市は市役所職員の集団感染が見つかるなど、随分以前から市内に感染拡大が広がっていたので、その延長線上で浜田一中が感染拡大になったのか、原因は確定しづらいところであるが、ある程度の兄弟、姉妹の関係を通じた感染はあったのだろうと思う。ただし、市民レベルでの拡散は何とか防ぐことができたと考えている。

(山根委員長)

 学校に限らず県下の集団的な発生の分布で地域特性はあるのか。

(鴨木総務課長)

 県の健康福祉部が島根県内の定点医療機関で、インフルエンザ症状の患者がどれぐらい受診されたかを観測している。そのデータによると、現時点でほぼ全県的に感染拡大をしている。ただし、県央保健所管内の大田市と邑智郡が相対的に低い数字になっている。浜田高校の集団感染があってから、浜田エリアは他よりも高目になっている。現時点では島根県内どこであっても、地域レベルでの感染拡大が起こっているので、感染経路、感染源は特定しづらい状況になっていると考えている。

 

 

 


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