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報告第52号

(豊田県立学校改革推進室長)

 報告第52号次期県立高校再編成計画の策定に向けた検討状況についてご報告する。

 県立学校の再編成を計画的に行うために、10年前に、21世紀に向けた県立学校づくり検討委員会を設け、その答申を受け、現行計画を教育委員会が策定したところである。県立学校再編成基本計画として平成11年から平成20年度の概ね10年間の計画を策定し、平成15年までが具体的な内容で、後半は後期再編成計画を策定し、これまで実施してきたところである。

 このように、この計画が平成20年度までであることと今後も生徒が減少し、厳しい状況が見込まれるため、昨年3月に魅力と活力ある県立高校づくり検討委員会に資料にある検討事項について諮問したところである。

 第10回目の検討委員会を12月13日に開催し、中間まとめの審議を行ったところである。検討の背景と経過については、資料4の3のとおりである。

 「今後の高校教育のあり方」の「基本的な考え方」について、高校教育においては、知・徳・体の調和のとれた人間形成が高校教育の大事なポイントである。

 将来の地域や産業を担う人材を育成する高校教育では、地域で活躍する企業関係者や卒業生をはじめ、地域社会の協力・支援が必要不可欠であるという観点に立って、今後の教育を行っていくべきである。

 「総合学科のあり方」について、総合学科の導入については、10年前の答申、その後の基本計画においても、通学範囲に1校ずつ設置することで、10年取り組んだところであるが、後期計画あたりから徐々にトーンダウンしている。学校規模による教員数の制約などにより、総合学科本来のねらいを生かした教育課程の編成に限界があるなどの指摘もあるということから、入学志願者の動向によっては、生徒や地域のニーズに応じた系列の見直しなど、さらに改善を行う必要があるという内容になっている。普通科からの改編については、三刀屋高校を普通科から総合学科に全面改編したが、実施から間もないため、当分の間、その成果と課題を検証する必要がある。

 「水産に関する学科」について、本県においては、隠岐水産高校と浜田水産高校がそれぞれ2学級規模で80人募集しているが、定員を満たしていない状況である。近年、水産高校への進学者は減少傾向にあり、学校数は現在のままでよいか、たとえ小規模校でも単独の専門高校として存続させるか、また、学校規模の適正化を図る観点から他の学科との併設とするかなど、様々な議論がある。今後10年間を見通した対応については、地域内の他の高校との関連も含めて、総合的な検討が必要である。

 「中高一貫教育のあり方」について、現在、飯南高校と吉賀高校で中高一貫校を実施している。連携型であるため6年間を見通した計画的、継続的な指導に限界があるとか、入学者選抜に学力検査がないことが生徒の学習意欲の低下につながっているのではないか、などの指摘もある。中高一貫の今後のあり方については、連携型の成果と課題を検証しつつ、都市部における取り組みについて引き続き検討していく必要がある。

 「再編成に関する基本的な考え方」について、次に示す(1)を基本としながら、(2)から(4)までの観点を含めて、各地域における高校の再編成について検討していく必要がある。

 (1)高校には、次に示す1から3のような観点から、基本的に一定の生徒数や学校規模が必要である。理由としては、「1多様な学習ニーズに対応する教育課程とそれを可能にする教員配置」、「2部活動や学校行事の充実」、「3集団の中で社会性とたくましさを培うことのできる教育環境」に上げてある内容である。

 (2)高校の配置を検討するに当たっては、東西に長く、多くの中山間地域を有する本県の地理的特性や通学事情などを勘案し、地域コミュニティや文化的拠点としての役割も果たしていることから、地域における高校の存在意義などについても考慮する必要がある。

 (3)志願者が減少している専門学科については、本県の産業構造や産業振興との関わりなども十分把握したうえで、新しい学科や学校のあり方を検討していく必要がある。

 「5再編成に関する基本的事項」の「(4)統廃合基準」について、基本的には現行のものを維持したいと考えている。普通科を設置する1学年2学級の高校については、入学定員の5分の3を2年連続下回ることが見込まれる場合には、引き続き存続か統合かを検討する。

 専門高校又は総合学科を設置する高校が1学年が2学級となることが見込まれる場合には検討する。

 全日制課程分校又は1学年1学級本校においては、在籍生徒数が収容定員の5分の3に満たない場合には検討する。

 なお、これらの5分の3の基準については、中山間地域の分校や1学年2学級以内の普通高校は1学級の定員を35人とみなすこととする。

(七五三委員)

 水産教育と林業教育を今後どのように考えていくのか。

(藤原教育長)

 水産高校の実習船は人件費も含めると相当の経費がかかる。九州の何県かで実習船の共同運航をすることができたようであるが、本県もできればよいが造船の時期等の問題があり、現実的には難しい状況である。船乗り船員の養成について、国全体としてどう考えていくのかということと島根県の財源だけで任せてよいことではないということを国に言っていく必要があると思っている。

 水産高校の特色ある経営を運営することにより、他県から入学してくる生徒の獲得も考えていく必要がある。例えば、隠岐水産高校で17人、他県から来ている。

 林業は、業としては厳しい面があるが、生命としての山の持つ機能などは農林高校でも教えられると思っている。

 学校でどういう人材育成をするのかということは、今後、どのような分野で、どのような人材を、どの程度必要とするのかなど、学校だけが考えるのではなく、それぞれの業界が具体的に議論して提案し、教育の側がその提案をもとに対応した教育を行っていくことが必要であると思っている。

(山根委員)

 今後のスケジュールはどうなっているのか。

(豊田県立学校改革推進室長)

 12月26日から1月25日までパブリックコメントを実施し、その意見を踏まえて検討委員会を行い、3月下旬に最終答申の予定にしている。最終答申を受け、来年度、具体的な基本計画を策定したいと考えている。

 


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